戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://horahorazoon.blog134.fc2.com/blog-entry-6238.html


上条「よう、また会ったな」食蜂「!?」 : ホライゾーン - SSまとめサイト

上条「よう、また会ったな」食蜂「!?」

≫ EDIT

2014-10-25 (土) 12:01  禁書目録SS   コメント:0   このエントリーをはてなブックマークに追加
1: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/18(土) 23:57:27.79 ID:oqSoZ8SD0

新約11巻ネタバレ注意

上条「名前は……なんだっけ……?」

食蜂「え、えっ?今、なんて!?」

上条「お前とは病院で会ったことあるだろって話だ。でも、詳しくは思い出せない……何でだ?」ウーン


街中でたまたま見つけた上条さん
彼は私のことを覚えていられないのだから、きっと見向きもせずに通り過ぎていくだろう、とそう思っていた
けれど私の予想を裏切り、上条さんは立ち止まって声を掛けてきたのだ



『また会ったな』と



ためらうことなく、確信を持ってその言葉を口にしたのである


eval.gifとある魔術の禁書目録外伝 とある科学の一方通行 (2) (電撃コミックスNEXT)





3: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:00:00.11 ID:oqSoZ8SD0

食蜂(これは……一体、なんで……?)


絶対にありえないはずのその言葉に、私は目を見開いた
そう、絶対にありえないのだ
彼が私のことを覚えていられるわけがないのだから
その事実を私は世界の誰よりも強く思い知らされている


上条「なぁ、病院で会ったこと、お前も覚えているだろ?」

食蜂「……っ」


何と答えるか、正直迷った
だがよくよく考えてみれば
これが私の夢ではなく現実であっても、彼はすぐに私との会話など忘れてしまうだろう
何が原因で今もまだ覚えているのか分からないが、どうせそんなのはちょっとしたイレギュラーであり、すぐに記憶を保つことなどできなくなるはずだ


だから、素直に答えることにした


食蜂「ええ、病院で会ったわねぇ」

上条「ああ、やっぱり」ニコッ




4: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:04:29.67 ID:IxJd5BlM0

上条「アンタが一体どうして病院にいたのかとか、全然思い出せないのはなんでだろうな?割と最近のことだけど……」

食蜂「あなたはなぁんにも気にする必要なんてないのよぉ」


私は、乾いた笑みを浮かべながらそう告げた
もうこんなやり取りは慣れっこだ。残念だけれど……


上条「俺はこれでも、人のことを覚えるのはそんなに苦手じゃないんだぜ。名前だとか、顔だとか色々含めてな」

食蜂「…………そう」

上条「でも、最近出会ったはずのアンタのことはよく思い出せない。なんでだろう……」

食蜂「…………っ」


嬉しかった

たとえちょっとしたイレギュラーが起こした異常な事態だとしても

私は、どうしようもなく嬉しかった

少しの間かもしれないけれど、あなたの記憶の片隅で、私は確かに存在しているのね―――


食蜂「あの……っ」


だから、もう叶わないと分かっている『それ』に

もう一度、すがりたくなってしまった


食蜂「私の名前は食蜂操祈っていうのよぉ。よろしくねっ☆」





6: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:06:50.42 ID:IxJd5BlM0

言った瞬間、「馬鹿だ」と思った
これで何度目の自己紹介だ?何度傷付けば気が済む?


上条「食蜂操祈……?変わった名前だな。これならすぐに覚えられそうだよ」ニコッ

食蜂「……………………そう」


上条さんは優しく微笑みながらそう言うけれど、それはありえないことだと私にはもう分かっていた
今回は何かしらのイレギュラーで少し記憶が残っていたようだけど、次はないだろう
こんな奇跡みたいなこと、一度でもあったことが驚きだ
きっと次会ったときは、『お前誰だっけ』とお決まりの台詞を言われてしまうはずだ
いや、話しかけることさえできないかもしれない
記憶のどこにも残っていない、ただの一般人Aとしてでしか認識されてもらえないのだろう


食蜂(……分かってたことじゃない。今更悲観的になる必要なんてないわぁ)


だから、私は『最後』のお別れとして彼に告げた


食蜂「私のことを少しでも覚えてくれていて……ありがとう。とっても嬉しかったわぁ」ニコッ





8: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:11:04.77 ID:IxJd5BlM0

帰り道、私は考えていた

蜜蟻愛愉の件はもう片付いている。あの一件以来、『ストロビラ』が体に取り付けられたことも無い
今の私は特にそういった外部からの干渉は受けていない、ということだ
つまり、彼は本当に私のことを覚えていたことになる


食蜂「……そんなこと、ありえるのかしら」


暗闇の中で、私はポツリとつぶやいた
彼の脳は私のことを認識できないようになっている。それはもう、私の力をもってしても復元することは出来ない
それなのに、彼は私のことを覚えていた。細かくは記憶できていないようだが、それでも確信を持って『会った』と言えるくらいには覚えていた


食蜂「……私は、オカルトの類は一切信じないけどぉ」

食蜂「それでも、今日ばかりは神様に感謝しなきゃ」

食蜂「あの人がほんの少しでも長く私を覚えててくれて……」

食蜂「それだけで、私は幸せ……」


そう
あくまで今回はイレギュラーな事態だ
次会えば、いつもどおりに彼は私のことを忘れてしまうだろう
けれど、それでもいいのだ、今は
この小さな奇跡が起こっただけで、私は十分なのだから




10: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:13:45.55 ID:IxJd5BlM0

しかし数日後
街中を歩いている私に、声を掛けてくる人がいた

それは、驚くことに、上条さんだった

彼から声を掛けてもらえるなんて、一体なんだ?もうすっかり忘れているはずだけど……
頭の片隅で、『もしかしたら……』という考えが浮かぶがすぐに振り払った
奇跡はもう二度と起きない。彼は私のことなんて思い出せないんだ


上条「よう、また会ったな。えーっと……名前は……しょく……?」



上条「ああ、そうだ。食蜂だったよな」



食蜂「!?」


ありえない……
今、彼は確かに言った。言ってくれた



『食蜂』



私の名前を
彼は呼んでくれたんだ




11: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:19:57.99 ID:IxJd5BlM0

私の表情を不安そうに眺める彼はあたふたと焦り始めた


上条「あっれー?おかしいな、確か会ったことあるよな、俺達は」

食蜂「え、そのぉ…」

上条「前もこのあたりで会ったじゃねえか。その前だって……あれ?その前は、どこで会ったんだっけ……?」


相変わらず記憶はあやふやで、どうやら今日は病院で会ったことを覚えていないようだった
でも、だけど
彼はまた、私のことを覚えていてくれた
事実、私の目の前ではにこやかに佇んでいる上条さんの顔がある


食蜂「…………ねぇ、私の名前、もう一度言って?」

上条「ん?食蜂だろ?食蜂操祈」


彼がそう言った瞬間、私の中で何かが爆発した
全身が燃えるようにカッと熱くなり、呼吸が加速する
目の前には彼しか映らない。周りにはもう、何も見えない


食蜂(どうして彼が私を覚えているかなんて関係ない!今はそんなのどうだっていい!)

食蜂(上条さんが私のことを覚えてくれてる!上条さんが私の名前を呼んでくれた!)

食蜂(一度だけの奇跡じゃない……!!私はもしかして、もう一度、この人と、一緒に―――)



インデックス「とうまー!」



その瞬間、私の思考は断たれた




12: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:25:01.09 ID:IxJd5BlM0

金色の刺繍を施した白い修道服を身に着けた銀髪シスターが、とてとてと彼に駆け寄ってきた
すると彼は嬉しそうな顔で「おー、インデックス!」と頭を撫でる


食蜂(…………馬鹿、ねぇ。たとえこの人が私のことを覚えていられるようになったって、もう隣にはいられないのに)


今の彼の隣には、あの銀髪シスターがいる
私の入り込む余地なんてこれっぽっちもない


食蜂(でもぉ……私は決めてたの。彼が、私のことを思い出してくれたその時は)





食蜂(とてもとても大切なお話をするって……そう決めてたのよねぇ)




そう
たとえ私がもう彼の隣に立つことは出来ないと分かっていても
それでも、私は伝えたかったんだ


食蜂「上条さん」

上条「ん?」











食蜂「私は……あなたが大好きです」











13: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:26:10.73 ID:IxJd5BlM0

――――――――――

―――――

―――



食蜂(あっ)


街中で上条さんを見かけた
そのまま歩いて行き、やがて目の前まで近付き、そして通り過ぎた
これでいいんだ
これが、私と上条さんのあるべき形だった


彼はもう、私のことを覚えていない


今の彼にとって私は、一度も会ったことのない一般人Aでしかなく、もちろん名前も呼べない
今までが異常だった。絶対にありえないはずなのに、どうして彼は私のことを覚えていたのだろう


食蜂(結局、彼が私のことを断片的にでも覚えていた理屈はいまだに分かっていないけれど、でも)

食蜂(もしあれが夢でないのなら、いつか、また―――)


わずかに口元を綻ばせながら、私は人混みの中を進んでいった














―――え?あの時の告白はどうなったのかって?

それは、いつかまた、彼が私のことを思い出してくれた時に、ゆっくりお話しましょう






14: ◆5qbT/UYHxu6q 2014/10/19(日) 00:26:55.33 ID:IxJd5BlM0

終わりです
駄文失礼しました




20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/19(日) 01:03:29.35 ID:uGpHCNauO

本当せつねえわみさきちは



29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/10/20(月) 21:38:08.08 ID:4UQ+ImrH0

切なくて暖かい話だった。乙。



新約 とある魔術の禁書目録 (11) (電撃文庫)新約 とある魔術の禁書目録 (11) (電撃文庫)
鎌池和馬,はいむらきよたか

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
売り上げランキング : 23

Amazonで詳しく見る

とある魔術の禁書目録(14) (ガンガンコミックス) とある科学の超電磁砲S: パート1 北米版 / Certain Scientific Railgun: Season 2 Part 1 [DVD][Import] とある日常のいんでっくすさん(2) (ガンガンコミックス)
関連記事

禁書目録SS   コメント:0   このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント一覧
コメントの投稿





ランダム記事ボタン
週間人気SSランキング
新刊ピックアップ
フィギュア
ゲーム
アニメ
最近のオススメSS
清麿「強くてニューゲームか…」 ヌァァァァァァ!!

一夏「ドゥフッw拙者織斑一夏でござるwwww」 ギャプッwwwコポォwwww

佐天「またレイプされた…」初春「佐天さんも大変ですね」 黒髪美少女のレベル0が性的過ぎてヤバイ

佐天「すごいテニスが出来る能力かぁ」 間違いなく攻撃的な能力だなぁ

浜面「女の子になれる能力かぁ」 アイテムで性別逆転して……

オーキド「ここに3人の女性がおるじゃろ?」 レッド「は?」 僕はナツメちゃん!!

【※ネタバレ注意】エレン「同期にホモとレズしか居ない……」 確かに

ボーボボ「黒の騎士団入団希望のボーボボでぇす!!」ゼロ「ほう?」 死ねやぁ!!!!!

桐乃「そうです!私はブラコンの変態ヤローです!」 きゃわわ!!!!!!!

岡部「紅莉栖をひたすら愛で続けたらどうなるか」 うわぁぁああぁ!!(AA略

クリリン「やっぱりオレも、サイヤ人の子供欲しいな・・・」 スレタイのインパクトェ……

ゆうしゃ「くらえー!まおー!!」魔王「くはははは!!」 ゆうしゃちゃん!!!!

俺「グヘヘヘ……」 女騎士「早くこの手錠を外せ!」 お○んぽなんかには絶対負けない!

鍛冶師「今日中に仕上げるぞ」弟子「はい」 雰囲気が良いSS

< `∀´> 「ついに地球はウリ達の物ニダー」 ニダニダ
みんなのいちおし!SS
よく耳にするとか、印象的なSS集ダンテ「学園都市か」 "楽しすぎて狂っちまいそうだ!"

一方通行「なンでも屋さンでェす」 可愛い一方通行をたくさん見よう

インデックス「ご飯くれるとうれしいな」一方通行「あァ?」 "一方禁書"凄まじいクオリティ

フレンダ「麦野は今、恋をしているんだね」 通称"麦恋"、有名なSS

キャーリサ「家出してきたし」上条「帰って下さい」 珍しい魔術側メイン、見るといーの!

垣根「初春飾利…かぁ…」 新ジャンル定温物質ウヒョオオ!!

美琴「……レベル5になった時の話ねえ………どうだったかしら」 御坂美琴のレベル5に至る努力の経緯

上条「食蜂って可愛いよな」御坂「え?」 ストレートに上食。読めて良かった

一方通行「もっと面白い事してモリモリ盛り上がろォぜ」 こんなキャラが強い作者は初めて見た

美琴「週末は アイツの部屋で しっぽりと」 超かみことを見てみんなで悶えましょう

ミサカ「たまにはMNWを使って親孝行しようぜ」 御坂美琴のDNAは究極に可愛くて凄い

番外個体「     」 番外通行SSの原点かな?

佐天「対象のアナルを敏感にする能力か……」 ス、スタイリッシュアクションだった!

麦野「どうにかして浜面と付き合いたい」 レベル5で楽しくやっていく

ミサカ「俺らのこと見分けつく奴なんていんの?」 蒼の伝道師によるドタバタラブコメディ

一方通行「あァ!? 意味分からねェことほざいてンじゃねェ!!」 黄泉川ァアアアアアアアアアア!!

さやか「さやかちゃんイージーモード」 オナ禁中のリビドーで書かれた傑作

まどかパパ「百合少女はいいものだ……」 君の心は百合ントロピーを凌駕した!

澪「徘徊後ティータイム」 静かな夜の雰囲気が癖になるよね

とある暗部の軽音少女(バンドガールズ)【禁書×けいおん!】 舞台は禁書、主役は放課後ティータイム

ルカ子「きょ、凶真さん……白いおしっこが出たんです」岡部「」 これは無理だろ(抗う事が)

岡部「フゥーハッハッハッハ!」 しんのすけ「わっはっはっはっは!」 ゲェーッハッハッハッハ!

紅莉栖「とある助手の1日ヽ(*゚д゚)ノ 」 全編AAで構成。か、可愛い……

岡部「まゆりいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 SUGEEEEEEEEEEEEEEEEE!!

遊星「またD-ホイールでオナニーしてしまった」 ……サティスファクション!!

遊星「どんなカードにも使い方はあるんだ」龍亞「本当に?」 パワーカードだけがデュエルじゃないさ

ヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」 ただでさえ天使のミクが感情という翼を

アカギ「ククク・・・残念、きあいパンチだ」 小僧・・・!

クラウド「……臭かったんだ」 ライトニングさんのことかああああ!!

ハーマイオニー「大理石で柔道はマジやばい」 ビターンビターン!wwwww

僧侶「ひのきのぼう……?」 話題作

勇者「旅の間の性欲処理ってどうしたらいいんだろ……」 いつまでも 使える 読めるSS

肛門「あの子だけずるい・・・・・・・・・・」 まさにVIPの天才って感じだった

男「男同士の語らいでもしようじゃないか」女「何故私とするのだ」 壁ドンが木霊するSS

ゾンビ「おおおおお・・・お?あれ?アレ?人間いなくね?」 読み返したくなるほどの良作

犬「やべえwwwwwwなにあいつwwww」ライオン「……」 面白いしかっこいいし可愛いし!
モバイルゾーン
QR