『月刊コミック電撃大王』連載、「とある科学の超電磁砲(レールガン)」の第72話
インディアンポーカーの夢でゲコ太が出てきたのはいいけれど、後半は食蜂さんに こき使われて散々だった美琴。けれどあのカードは睡眠学習の要領で相当優秀だと佐天さん。英語が堪能な人の夢だと一夜にして英会話をマスターしたとか、ボーリング名人の夢ではプロ並の術を身につけたとかあるらしい。
そういう実用性に長けた夢を見る人は"ドリームランカー"でも上位に来るそうで、Sランク・Aランク職人のカードは高値で取り引きされてるんだそうだ。

学校では縦ロール髪の人(名前がわからないので以後「縦ロールちゃん」にします)にやってみた感想を聞かれたけれど、面と向かって散々だったとは言いにくい。悪意を持って勧めたんじゃないしね。放課後にお茶をしながら話しましょうということになって行ってみたら…

食蜂さんも一緒だったので気まずい雰囲気。二人の親睦を深めてもらおうとした縦ロールちゃんの気配りだったのですが逆効果だったようです。ってか、縦ロールちゃんのやることは裏目に出るしかないようです。本人は全く悪意が無いだけにこの矛先はどこに向ければいいんだ？

植樹の向こう側から突然聞えてきた大きな声。話の内容からドリームランカーのSランカー「BLAU(ブラウ)」に挨拶とお礼を言ってるようだ。至上の逸品で二度と目覚めたくないと本気で思ったと賛辞の連続。自分にも譲ってくれと大金を出してきた人には「そんなものはいらない。自分の夢で幸せを与えられるならそれだけで嬉しい」と言っており、美琴は感心します。Sランカーでありながら無料で素晴らしい夢を与える人がいるんだなと。いったいどんな夢なんだろうと思っていたら──

まぁアレよ。お下劣な行為の雨アラレ。BLAUはスーパーモデルだろうがバーチャアイドルだろうが誰とでも○○○する夢を自在に見られるハイパーメディアクリエイターだったのだ。賛辞する人からは「今晩のことを思うと今から動悸が止まりませんッ!!」「学園都市中にBLAUの夢が席巻するのも時間の問題かと…!!」と大人気です。
更にそれだけでないと取り出したカード。それは常盤台中学のレベル5の二人との行為が入ってるものだった！

夢の中では中学生と行為を持っても犯罪にはならないからねー♪　それをリアルに脳内で体験できるのだから…
うおおおおおおおおっーーー！！
オレにもそのカードくれーーーーッ　マジで！！
それにしてもこんな素晴らしいけしからん夢を見ることができるなんて いったいどんな人なんだろうな？

青髪ピアスかよっ！！
なるほど、確かにこいつならこの手の夢を見てもおかしくないか。BLAUはドイツ語で"青"を意味する隠語だったのね。はっ!? これはまさか…未だに誰だかわからないレベル5第六位の能力者だからこそできる能力じゃないのか？　能力名は「空想遊戯(バーチャルプレイ)」とでもしておきましょう。
さて、ここまで聞いておいて二人が何もしないわけがありません。美琴は電流をバチバチ放電しながら「ちょっと行ってくるわ」と席を立つ。殺伐としたただならぬ雰囲気に縦ロールちゃんは食蜂さんに止めてもらおうとしますが、食蜂さんとて今回ばかりは美琴と同じ気持ちでした。

美琴は監視カメラを使えないようにしてからカードを破壊し、皆を電撃による失神に追い込んだ！　追い討ちで食蜂さんが記憶を改竄したので、青髪ピアスの記憶にはそのような行為は残ってないと。
あ 駄目だ この二人が組んだら完全犯罪も容易い
まさにその通り！　仲が悪いけれど二人が組んだら何だってできそうだね。　つづく
　
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