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錯綜する情報、エボラ出血熱にまつわる10の陰謀論・とんでもない噂 : カラパイア

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 世界は今、「エボラ・クライシス」に翻弄されている。日本でも今月27日、アフリカに滞在していた男性が羽田空港に到着時、発熱が確認され、そのまま国立国際医療研究センターに運ばれたことで、ついに日本にも上陸か?との報道が相次いだ。

 結局この男性は「陰性」であり感染の疑いがないことが翌日になって発表されたわけだが、主要メディアが煽り立てるように報道することもあり、エボラ出血熱を巡る状況はパニックの様相を呈している。人々は冷静に現実を見るよりも、最悪の事態ばかりに目を向けているようだ。

 当然、国家には十分な情報公開や感染拡大を防ぐための万全な措置が求められるわけだが、それに満足できない人々は、様々な陰謀論や治療法など、とんでもないことを唱え始めた。
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10. エボラウィルスはアメリカによって作られた

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デラウェア州立大学の教授シリル・ブロダーリックは、アメリカ政府がエボラウィルスを製造したと発表した。同教授によれば、エボラはアメリカ政府が生物兵器として開発した遺伝子組み換え生物であり、アフリカでワクチンを配布すると見せかけて実際はそのテストをしているのだという。またカナダ、イギリス、フランスなども共犯として挙げており、WHOや国連も無関係ではないと主張する。

 ブロダーリック教授がしばしば言及するのが、エイズウィルスがアメリカの科学者によって開発されたと主張するレオナルド・ホロウィッツ氏である。さらに、いかがわしい陰謀論記事やリチャード・プリストンの小説『ホット・ゾーン』にも触れている。


9. エボラウィルスなど存在しない

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シエラレオネの病院で元看護婦が、エボラウィルスなど存在しないというとんでもない発言をした。このアウトブレイクの真相は、医師が病院で人食い儀式を実施するための方便なのだという。
 
 これを耳にした人全員が彼女の与太話を真に受けたわけではないが、同国は病院に対する信頼が低く、外国人の医師や看護師よりも伝統的なヒーラーのほうが好まれる。あるエボラ感染患者などは、家族によって病院からヒーラーの許へ連れ去られたこともあった。

 7月も終わりに近づくと、この看護婦の流言を信じはじめた人々による暴動がエスカレートしてきた。診療所や治療センターを焼き討ちし、力ずくでエボラ患者を奪還しようとしたのだ。この時点において、シエラレオネはエボラウィルスの感染者数が最も多い地域であったため、警官はケネマの病院を警備する必要すらでてきた。結果として、群衆に向け催涙ガスが投げ込まれ、9歳の男の子が誤射の犠牲となる事態まで発展している。


8. 塩水でエボラが治る

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 ナイジェリアの一部では、塩水を飲めばエボラが治るというデマが流布している。これは脱水症状で死に至る危険性があり、実際少なくとも4人がこの療法を試して亡くなっている。

 WHOでは、医師によるものではない民間療法、特にソーシャルメディアに投稿された情報に気をつけるよう注意を呼びかけている。しかし、感染が拡大した地域では医師に対する不信が募っており、こうした注意喚起にも懐疑的だ。


7. エボラは神の天罰である

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 7月に100名以上ものキリスト教指導者たちがリベリアの首都モンロビアで会合を開き、エボラ危機への対応を協議した。そして満場一致で、神はリベリアに対して怒っており、住人を罰するためにエボラウィルスを遣わしたのだと声明を出した。彼らによれば、神の怒りの原因は、汚職や同性愛などで、これに対応するには3日間の断食と祈りが必要である。

 リベリアのイスラム僧シェイク・サラ・シェリフもこれに同調し、姦淫、強盗、イスラム教指導者への不敬などの罪が原因であるとして人々を非難した。これについて真意を質されると、彼は感染者は医療機関にかかるべきだと意見を和らげながらも、根本的にエボラ危機を乗り越えるには「ウィルスではなく、神を恐れよ」と述べた。


6. エボラは呪いの魔術によるもの

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 西アフリカの一部で蔓延する別の流言飛語は、エボラは魔術によって引き起こされたというものだ。適切な処置を行えば感染の広がりを止め、感染者の命を救える場合があるにもかかわらず、噂を信じた人たちは、エボラを助かる見込みのない超自然的な死刑宣告だと見なしている。

 例えば、国境なき医師団がギニア東部で保護した2人の姉妹は回復する見込みがほとんどなく、ただ静かに死を待っていた。しかし12歳の姉ローズは魔術の噂を信じてはいないようで、医師の支持に従えばきっと治るから安心して欲しいと母親とおばに告げていた。そして2人とも回復したのだ。

 またエボラの不合理な恐怖の結果、感染者は村八分に遭うこともある。入院患者は、特に子供の場合、家族の定期的な見舞いが不可欠である。しかし、恐れをなした家族が面会を拒否することは往々にしてある。

 このようなエボラが魔術であるという迷信は、エボラを阻止するうえでも障害となる。病気が魔女や魔法使いの呪いだと信じる人々は、医療を受診することを拒否する。病気の原因がウィルスであるということも信じないのだ。


5. 医師が意図的に人々をエボラに感染させている

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 いくつかの村では医師が病気に対して無力なのだとは考えない。逆に医師自らが拡散していると信じているのだ。そうした思いに捕われた人たちは手を差し伸べる医師を避け、ときには迫害を加えることもある。この噂が広まったのは、別の要件で病院を訪れた患者が院内でエボラに感染してしまったことが原因だろう。

 極端なケースでは、患者を治療するために訪れた医師や看護師を村人が殺すぞと脅すこともある。ギニアのコロ・ベンゴウ村では道をバリケードで封鎖し、国境なき医師団の侵入を拒むという事件が発生した。その結果、エボラはさらに拡大することになった。


4. 邪悪なヘビが感染源である

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 こんな話がある。ギニアとシエラレオネの国境付近でバッグを持った女性が見つかった。誰かがそのバッグを開けてみると中にはヘビが入っており、それを見るや否や女性は死んでしまった。そしてバッグを開けた者も次に命を落とし、ヘビは近くの草むらへと逃げ込んだ。こうしてエボラがシエラレオネに侵入した。

 根も葉もない話ではあるが、真実と一致する面もある。実はアウトブレイクはまずギニアで発生し、シエラレオネに拡大したのだと考えられているからである。エボラ・スネークを信じる者によれば、これは病気などではなくヘビの呪いなのだという。


3. エボラは白い悪魔の崇拝者によって拡散された

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 上の画像は9月にナイジェリアのウェブサイトに投稿されたものである。これと共にささやかれるのは、エボラに関する噂の中で最も危険なものだ。

 そのサイトによれば、ドクロを抱えたアニメ調の看護婦は「エボラちゃん」といい、ヨーロッパやアメリカのカルト教団で崇拝される女神である。信者は祭壇でエボラちゃんに血を捧げ、犠牲者の心臓を喰らう。そして、女神は信仰に応えエボラウィルスをアフリカ中にバラまいたそうだ。教団の医師は患者を治療するフリをして、実際にはエボラの感染を拡大させている。

 だが実際にこの画像が投稿されたのはナイジェリアからではなく、画像掲示板4chanの利用者によってであり、ここではエボラちゃんはミームとして存在していた。4chanの利用者がエボラちゃんを見た場合、「ありがとう、エボラちゃん」とコメントした後、アフリカ人絶滅に関するジョークを残す慣例があったのだ。


2. エボラ爆弾

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 ケンブリッジ大学の生物人類学者ピーター・ウォルシュ博士は、テロリストなら粉末状のエボラウィルスを充填した爆弾を製造することができると論じている。仮にこれが使用されれば、大勢の人が命を落とすことになるのは間違いない。

 現実には、バイオテロの可能性は確かに存在している。しかし数あるウィルスの中からあえてエボラウィルスを選ばなければいけない必然性はない。エボラは空気感染も、水系感染もしないため、他のウィルスに比べてかなり汚染力が弱いのだ。


1. エボラ危機がニュー・ワールド・オーダーを発動させる

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 最強の陰謀論は、エボラウィルスはニュー・ワールド・オーダーのエリートが地球の人口を削減するために開発したというものだ。「管理可能な人口」を実現するために、死ななければならない人間の数は50億人らしい。

 このとんでも陰謀論によれば、ニュー・ワールド・オーダーのエリートは人口削減の手段として、非持続可能な開発による飢餓、人為的に引き起こされる戦争、病気の製造という3つの策を持っているらしい。そして病気のワクチンはエリートにしか手に入らない。

 アフリカでのエボラ危機はその地域の人口を削減するためで、別の地域も次のターゲットとして狙われている。アメリカにエボラが上陸し、ダラスで患者が亡くなったというニュースは、この話に油を注ぐ結果となった。

via:listverse・原文翻訳:hiroching

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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 20:56
  • ID:3bv..qu60 #

エボラより人間の業がおそろしいという

2

2. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:10
  • ID:djV2ifca0 #

エボラちゃんは元はPixivに投稿された日本人絵師の画像を、米国の4chan(日本の2chや双葉みたいなもの)の住人が拡散したりアレンジしていったものと聞いてる。

3

3. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:10
  • ID:LH1kks8c0 #

陰謀論なんて自分の信じたことをゴリ押したいがための暴論でしかないのに
陰謀論を唱える輩は往々にして自分が正しい、世界は悪だという自身の考えに陶酔しきっていて
まったくお話にならないレベル

4

4. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:27
  • ID:WdlYiCMi0 #

ニューワールドオーダーは万能やで

5

5. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:35
  • ID:aJxpCSb50 #

今の時代は国際資本が完全に買収済みのメディアや国連の情報を鵜呑みにするのも同レベルに危ない

6

6. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:37
  • ID:4iaUZi4u0 #

>塩水を飲めばエボラが治る
濃度と量によるが、エボラに感染してなくても死ぬだろ…

7

7. 通りすがり

  • 2014年10月29日 21:46
  • ID:NWS8T2KU0 #

エボラちゃんが大変なことになっている(笑)

それは兎も角、細菌兵器云々に関しては
それほど根も葉もない話じゃないような……

8

8. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:51
  • ID:785MIVI10 #

助けなきゃ「助けろ」って言うし、
助けに行けば「医者が広めてる」って言うし、
どうしろってんだよ。

9

9.

  • 2014年10月29日 21:52
  • ID:pj0FQ8kP0 #
10

10. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 21:59
  • ID:QWiDS6lb0 #

感染者に90cm近づいたものは、感染度中だとよ。
しかもWHOがwww

11

11. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 22:02
  • ID:ExY7aYMu0 #

3. 2次画像、スペイン風邪のときにも誘うような腰つきの
魅惑的な女性がよく風刺画で書かれていた。おまけにレース内に
微笑を浮かべた骸骨
時代は変わっても基本的なものは同じようだ

12

12. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 22:16
  • ID:yHwvghpl0 #

陰謀論者が言うようにそんなにアメリカが万能で世界を
裏から操ってるならもっと世界はアメリカに良いように動くっつーの
最近のアメリカとオバマは馬鹿にされて低く見られっぱなしのに

13

13. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 22:23
  • ID:rTcdH.W20 #

恐怖は既に感染しているようですね

14

14. ナパチャット

  • 2014年10月29日 22:23
  • ID:3A4LfVup0 #

あなたの知らない世界かよw

15

15. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 22:25
  • ID:JddqqafJO #

人間の無知の無明の闇に比べたら、エボラウイルスの方が可愛く思える。

16

16. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 22:29
  • ID:tlAB8MQo0 #

50億も死んでみろ、エリート共の足元ごと文明が消え去るぞw。

17

17. 空缶

  • 2014年10月29日 22:32
  • ID:UXL3rHBu0 #

SFという皮相なジャンルに馴染んだ一人として
かねてより、こういうバカな流言には流されない自信があったが
例の311後の困窮の中で、それがとんだ過信であったと苦々しく自覚した。
正しい知識も洞察力も切実な欲求の前では力を失う。
その欲求が生存にかかわる事なら尚更。
そして、どんなに俺は俺とくくってみても
いつの間にか「空気」に呑まれている群生動物の悲しさ。
監獄実験の最中に「もうやめましょう、バカバカしい」と言える、
そういう強さだけが自分を救える力に違いない。

18

18. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 23:05
  • ID:XLTBSN4m0 #

錯綜する情報が錦織さん情報に見えたから寝ます。

19

19. 匿名処理班

  • 2014年10月29日 23:08
  • ID:cNKBwXO20 #

大体が、こんな危険なモノに対する国際的認識や見識を高めねばならない時に
くだらない邪推や推論を、「あたかも事実」であるかの様に流布する愚かな連中の方が、
人類にとって最も最悪な存在と言えるんじゃ無いだろうか、と思うんですよね。
感染者が多い地域では未だにエボラが病気では無く、先進国が撒き散らした毒のせいだ、
と言って国際医療派遣団の治療を拒み、感染を拡大させている、と聞きます。
問題は、これが如何に危険なモノであるか、という事を衆知させる事だと思う。
医師の言う事より呪術者の言う事の方が正しい、と信じて疑わない人への衆知は相当困難ではあるとは思うのですが。

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