穂乃果「コトリバコだって! ことりちゃんが取られちゃうよ!」ことり「ちゅん?」
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P「プロデューサーグッズ始めました…」
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/01(金) 23:52:43.54
プルルルルルルル……
Pi!
穂乃果「あ、海未ちゃん? 今大丈夫?」
『何ですか? こんな遅くに』
穂乃果「ごめんねー。でもなんか不思議なものを見つけたんだ。それを教えたくてつい」
『不思議なもの? というか、本当になにしてるんですか』
穂乃果「えへへー。普段は入らない倉庫がね、誘うように開いてて好奇心のまま眺めてたら見つけたんだー」
『ああ、あの倉庫ですか。そういえば昔、かくれんぼであそこに隠れて、随分おじいさんに怒られましたよね』
穂乃果「海未ちゃんよく覚えてるね。私なんかさっき入るまで、入っちゃダメなんてこと忘れてたよ!」
『穂乃果……』
穂乃果「あはは……。で、その不思議なものなんだけど、あした見に来ない? ことりちゃんも誘って」
『はあ、まあ確かに気になりますね。その不思議なものというのは。一体何なんです?』
穂乃果「それは明日の楽しみ! それじゃあ明日ね。おやすみー!」
Pi!
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/01(金) 23:54:48.77
穂乃果「それにしても綺麗な箱だなー。一体何なんだろうー」
穂乃果「降ってみると……」
――カラカラカラ……
穂乃果「なにか入ってるみたいだし。でもあけ口が見当たらない……。箱の継ぎ目はあるんだけどなぁ」
――ヒュー……
穂乃果「ヒャッ! なんかちょっと肌寒くなってきたかも……。扇風機のタイマーをいつもより短くセットして寝ようっと」
――……ハコ
5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/01(金) 23:59:15.98
翌日
海未「おはようございます、穂乃果」
ことり「おはよー、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「ふたりともおはよ! さっそく上がって上がって!」
海未「失礼します」
ことり「それで不思議なものってなんなの? 穂乃果ちゃん」
穂乃果「うん。これなんだ」
―ゴト……
海未「綺麗な箱ですね。これが見せたかったものですか?」
ことり「綺麗な装飾だねー」
穂乃果「ただ綺麗なだけじゃないんだよ! ほら!」
――カラカラ、カラカラ……
穂乃果「ね!?」
海未「いや、わかりませんが」
穂乃果「もー。中に何かが入ってるの! だけど、何処にもあけ口がないんだ。不思議だよね」
ことり「穂乃果ちゃん私にも触らせて。んーー……ほんとだ。中になにか入ってるのに、あけ口がない……」
海未「よく見ると継ぎ目みたいなものがありますね。木組みなんでしょうか」
穂乃果「でもこれじゃあ中に入れたものを取り出せないよ? 入れ物の意味が無いよ」
ことり「不思議だねー」
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:01:20.32
海未「でももっと不思議なのは、こんな綺麗な箱が倉庫にしまわれていたという点ですよ」
穂乃果「え、なんで?」
海未「……。こういうのって大抵どこかに飾りませんか? ずいぶん古いものみたいもののようですが、ただの箱にしては装飾が綺麗すぎます」
海未「それなのに、穂乃果が知らないほどずっと倉庫に置かれていた。ほら、不思議じゃないですか?」
ことり「海未ちゃんすごーい! 探偵みたい!」
穂乃果「海未ちゃんかっこいいー!」
海未「あ、や、やめてください……」
穂乃果「赤くなったー」
ことり「かわいいよー!」
海未「う、あ、と、とにかく! 確かにこれがなんなのか気になります。調べてみましょう」
穂乃果「でも、どうやって調べるの?」
海未「手っ取り早いのは、穂乃果のご両親に聞くことだと思います」
穂乃果「ダメ! 勝手に倉庫に入ったことがバレちゃう!」
ことり「んー、じゃあみんなに相談しようよ」
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:04:42.21
図書館
にこ「なんなの突然呼び出して。しかも、こんなところに! 今一番来たくないところナンバーワンよ!」
希「でも来てくれたんや、にこっち」
真姫「にこちゃん、寂しがりやだから」
にこ「ち、違うわよ!!」
凛「あ、照れてるニャ―」
にこ「ぐぬぬぬぬ……」
花陽「あ、あの、それで相談ってなんですか?」
絵里「そうね。穂乃果が相談なんて珍しいわ」
穂乃果「んっふっふー! 皆さんをお呼びしたのは他でもない。これのためです!」
9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:06:48.60
にこ「箱?」
希「…………」
凛「綺麗な箱だねー」
穂乃果「綺麗でしょ? 実はこれ、中に何かが入ってるんだけど、あけ口が見つからなくて困ってるんだ」
穂乃果「そこで、なんとかはなんとかの知恵って言うから、皆の力を借りようと思ったのです」
穂乃果「ついでに図書館なら調べ物も出来るし、ついでに宿題も手伝ってくれるかも、って思った次第ですはい……」
凛(海未ちゃんの視線がすっごく突き刺さってるニャ……)
花陽「それで課題も持ってくるように言ったんですか」
にこ「まだ課題終わってないの? もう夏休みも終盤よ」
希「昨日までうちたちと~」
絵里「泣きながら課題をやってたのは~」
「だれだったかなぁ~?」ワシィ!
にこ「キャン! に、にこでした……だからそれは、やめ、やめて……」
真姫「」フンス
花陽「真姫ちゃん鼻息あらいよ……」
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:09:29.79
穂乃果「それで一体これは何で、中に何が入ってるのか知りたいんだ。だから皆、力を貸して!」
凛「凛はそんなことより課題を手伝って欲しいニャー」
にこ「私はもう終わってるから手伝って上げないこともないわ!」
希「にこっち」
真姫「しょうがないわね。凛は私が手伝ってあげるわよ」
凛「真姫ちゃんありがとー」
海未「皆さん図書館ではお静かにっ」
絵里「でも手伝ってって言われても、どうやって調べるつもりなの? 残念だけど私はこういったものに詳しくないわ」
にこ「にこも」
凛「凛も」
真姫「凛はこっち!」
花陽「凛ちゃん……なんでこんなに課題が残ってるの……?」
ことり「希ちゃんは?」
希「うーん……」
海未「希?」
希「あ、え?」
穂乃果「どうしたの? ボーっとして」
希「ちょっと考え事をしててん。なんでもないんよ」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:12:40.61
結局、みんなを集めたのにかかわらず、箱の中身も、箱自体のことも分からなかったんだ
最終的にみんな飽きちゃって、私と凛ちゃんの課題を見ることに楽しみを感じ始めちゃってきて大変だったよ~
帰路
穂乃果「結局勉強会になっちゃったね」
海未「まあ、箱のことよりも、課題のほうが大事ですから」
ことり「明日も頑張ろうね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「うえぇぇぇ……」
――……ハコ
穂乃果「え?」クルリ
海未「どうかしましたか?」
穂乃果「ことりちゃん、なにか言った?」
ことり「? 言ってないよ」
穂乃果「あれ?」
海未「勉強で疲れているんですよ。今日は早く休んだほうがいいですね」
穂乃果「うん。そうする……」
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:15:49.97
夜
穂乃果「スー、スー……」
――……リバコ
穂乃果「スー……ンガ!? んー?」
――パタパタパタ……
穂乃果「……雪穂?」
――パタパタパ……
穂乃果「ゆ、雪穂……なの?」
――ドンッ! ヒタヒタヒタ……
穂乃果「ひゃんっ! て、天井……? な、何かいるの」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:20:06.93
穂乃果「それに、何でこんなに寒いの……?」カタカタ
――コト……
穂乃果(ベットの、下から音……?)
穂乃果(そーっと、そーっと……)ゴクリ…
穂乃果(な、なんだ。なにもないじゃない……)
「そりゃなにもないよ」
穂乃果「そうだよねーあはは」
穂乃果「え?」
――
―
.
16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:21:50.98
――オキテ! オネエチャン!
「ご飯だよ!」
穂乃果「……あ、あれ?」
雪穂「夏休みだからってダレすぎだって、お母さん怒ってるよ」
穂乃果「頭がいたい……アレ?」
穂乃果「机に置いた箱がない……」
穂乃果「あれれ~~? どこ行ったんだろう。ちゃんと置いたはずなんだけどなぁ」
ゴソゴソ
穂乃果「あ、ベットの下にあった! 何でこんな所にあるんだろう……?」
穂乃果「ベットの下……ひぅっ!」ポイ!
――ゴドン……!
穂乃果「昨日のは夢……? でも……」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:24:15.36
図書館
ことり「……」
海未「……」
穂乃果「……」カリカリカリ…
ことり(なんか、今日の穂乃果ちゃん怖いね……)
海未(そ、そうですね。それに凄く疲れた顔してます)
ことり「ね、ねえ、穂乃果ちゃん。大丈夫?」
穂乃果「…………え?」
海未「これは相当ですね」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:26:43.03
穂乃果「……こんなことがあったの」
海未「ゾッとしない話ですね……」
ことり「夢でよかったね穂乃果ちゃん」
穂乃果「それが夢とも言えないんだよことりちゃん!」
穂乃果「朝起きたらベットの下の何があったと思う? 昨日のあの箱が落ちてたんだよ!」
海未「落ち着いて下さい。それとなにか関係があるんですか?」
穂乃果「…………あれ?」
海未「夢は夢。箱は箱。どこにも共通点はありませんよ」
穂乃果「でもでもでも! いつの間にかベットの下に移動してたんだよ!?」
海未「たまたま落ちて転がって入っただけじゃないですか?」
海未「そんなことより、課題が終わらないほうがもっと怖い結果になりますよ」
穂乃果「うううう……本当に怖かったのにぃ~」カリカリカリ…
21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:30:04.46
夜
穂乃果「トイレ……」
――ザー……
穂乃果(居間から明かりが。お父さんまた寝落ちしてる……)
穂乃果「もう、いい加減寝落ちする前に布団に行けばいいのに……」
――Pi!
ザー……
穂乃果「あれ? (Pi!) なんで消えないんだろう」Pi!
――ザー……イデ……
――ザザー…サナイデ……
穂乃果「ひっ! な、なんなの!? 何で消えないの!?」Pipipipipi!
――僕を殺さないでッ!
穂乃果「あう……」バタン
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:36:19.46
ことり「なんだか穂乃果ちゃん、日に日にやつれていってる気がする」
海未「やっぱり何かあるんでしょうか」
ことり「箱。やっぱりあの箱だよ海未ちゃん」
ことり「ねえ、もうちょっと調べてみよう?」
海未「そ、そうですね……。このことは穂乃果には内緒にしましょう。心配させてしまいますし」
ことり「そうだね。みんなの力も借りようよ」
海未「私がみんなに連絡を取ります。ことりはなんとかしてあの箱を持ちだして下さい」
ことり「え、箱も必要なの?」
海未「必要不必要以前に、あれが原因であるならば、余計に穂乃果の近くに置いておく事は出来ません。
穂乃果から放しておくのが、恐らくいいと思うんです」
ことり「サー! わかりましたサー!」
海未「な、ぶふ……、何ですか今の……く……」
ことり「昨日の映画が面白くって~」
海未「ふ、く…、もう、不意打ちはやめて下さい!」
ことり(海未ちゃん怖い顔してたから……)
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:40:07.68
Pipipipipi!
海未(希から。丁度いいタイミングですね)
―海未ちゃん? うちやけど
海未「希、丁度よかった。いま電話しようと思ってたところです」
―あ、そうだったん? それよりちょっと聞いて欲しい話があって。本当は穂乃果ちゃんに直接話したかったんやけど、繋がらなくて
海未「穂乃果に? 繋がらない……。実は私の方も穂乃果についての話だったんです。それで希の要件とは?」
―うん。実は穂乃果ちゃんが持ってたあの箱。どうやらかなり良くないものらしいんよ
それで、うちがお世話になってる神社に持ってくるように言われて……
海未「箱……なにかわかったのですか?」
―いや、うちは特に詳しくは……。ただ神主さんが随分慌ててて
海未「そうですか……。箱だけでも大丈夫ですか?」
―んー。取り敢えずそれでええと思う。神社で待ってるよ
30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:42:13.74
穂乃果「ウア……ヤメテ…イタイヨ…」ガタガタ
―コワイ…チガウ……ワタシハソンナンジャ……
―クライ……
雪穂「おねえちゃん……」
ことり「ほ、ほのかちゃん……」
雪穂「一昨日からずっとこの様子なんです。ご飯も食べなくて。でもお水だけは飲んでるみたいで、減ってるんです」
ことり「う、海未ちゃん。これは想像してたよりも、もっと大変な事態になってるよ……」
あの明るかった高坂家
今はなりを潜めたように暗い
穂乃果だけではなく、妹の雪穂もどこか様子がおかしい
あの陽気な母親も、目に生気が感じられなかった
33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:47:43.57
「フッフッフッフッ……お困りのようね……」
「話しは聞かせてもらったわ!」ガラッ!
ことり「にこちゃん、真姫ちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん」
にこ「まさかこんなことになってるなんてね」
真姫「海未からは箱だけでいいって聞いたけど、なんかそれじゃあダメそうな感じね」
凛「凛も手伝うよ!」
花陽「な、なんだかここすっごく寒いです……」
にこ「ぐ、ぐぐぐぅぅ……はあ、はあ。何よ、どんな力してんの? びくともしないんだけど!」
真姫「にこちゃん非力だから」
にこ「なんですって」
真姫「凛」
凛「はいニャー!」
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:49:43.02
にこ「さすが体力全振りね。ぐったりしてる人間を軽々担ぐなんて」
凛「b」
花陽「凛ちゃんすごいよぉ!」
真姫「さ、希たちが待ってるわ。いきましょう」
ことり「みんな……」
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:51:38.87
.
凛「ハァ、ハァ、ハァ……。つ、疲れたよ~」
花陽「凛ちゃんガンバッテ!」
凛「なんか耳元で囁いてくるし、心なしか重くなってくるし、怖いニャー!」
にこ「アイドルに重いは禁句よ」
真姫「にこちゃん、突っ込むところズレてる」
ことり「もうちょっとだから頑張って、凛ちゃん!」
絵里「やっときた!」
真姫「絵里」
絵里「神主さんが待ってるわ。さあ」
にこ「さ! ラストスパートよ!」
38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:53:00.51
神社
海未「ことり!」
ことり「海未ちゃん」
希「穂乃果ちゃんも連れてきたん? 大丈夫やった?」
にこ「なかなか動かなくて大変だったわ。箱も手放そうとしないし。だからそろって連れてきたのよ」
真姫「頑張ったのは凛だけどね」
凛「疲れたにゃ~……」
花陽「凛ちゃんお疲れ様」パタパタ
凛「かよちんありがとー……」
にこ「それで? 連れてきたけどどうするの? 神主さんも見えないんだけど」
―シャン……
―シャン……
希「きたよ」
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 00:57:31.22
穂乃果「アア……ウウウアアアア……」
ことり「穂乃果ちゃん!」
神主T「随分なものを見つけなさったな」
海未「神主さん!」
神主T「あなた達は随分な幸運のもとに生まれたようだ。本当に運が良かった……」
神主は、箱を抱えた穂乃果に静かに額ずいた
彼女たちが呆然と眺める中、神主はゆっくりとそして柔らかい口調で、なにかを唱えていく
子供をあやすような優しさがあり、彼女たちは思わずまぶたが重くなってきてしまった
ふところ刀を取り出し、自分の人差し指に小さく傷をつけた
滴り落ちる血を穂乃果の口へ……
穂乃果「ゲボ! げほゲホ!」
―ビシャビシャビシャ………
神主が用意した桶に、どす黒い吐瀉物を際限なく吐き出した
穂乃果!
穂乃果ちゃん!!
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:00:43.92
神主T「彼女が目覚める前に、あなた達にも」
くるりと向きを変えて、さっきよりも短いが、先ほどと同じことを行なった
神主T「これで大丈夫でしょう」
海未「あの、一体何がどうなってるんですか?」
神主T「……あれは、あの箱は、『コトリバコ』という箱」
「コトリバコ?」
神主T「左様。本来のアレは、女性だけを取り殺す呪いを振りまくもの」
神主T「呪いが強すぎて、決まった年数を、決まった方法で保管して家々を回し、呪いを弱めなければならないものだ」
神主T「アレの使い方は、呪いたい家の軒下に置くことが多い。そうすると家は呪われ、男だけを残し、あらゆる女性を殺傷する」
神主T「あまりに呪いが強いために、近づいただけで即死する場合もある、危険なものだ」
にこ「でも、私達は無事よ?」
神主T「希さんから聞いた時は焦ったよ。特徴があまりにも似ているからね。しかし、近づいた希さんにはなんにもその徴候が現れなかった」
神主T「実際見て確信したよ。これは出来の悪い模倣品だって。恐らく伝え聞いたものを試行錯誤して行なったものだろう」
神主T「それでも呪いは生まれる。彼女がおかしくなったのも、変なことに悩まされてるのも、全てこれが原因だ」
ことり「じゃあ、もう穂乃果ちゃんは大丈夫なんですか!?」
神主T「ああ」
神主T「さあ、君たちはこれでお帰り。後のことは私と希さんに任せなさい」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:02:26.59
プルルルルルルル
―ガチャ!
神主T「――さんですね? なぜ貴方の所にアレがあるんですか? 貴方は先代にアレの処理を頼んでいたはずです」
『…………』
神主T「アレの力が霧散していたからいいものの、下手をしてたら、貴方の義娘さん、お孫さん。それだけじゃない、そのお友達までも巻き込んでしまったかもしれないんですよ!」
『…………』
神主T「貴方の恨みが、お孫さんを犠牲にしたかもしれなかったんですよ」
神主T「話して貰えますね?」
『……はい』
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:04:11.05
.
事の経緯はこうだった
高坂翁は、当時恨みを持つ相手がいた。
いわゆるライバル店だ。いつもいがみ合っており、小さなことで喧嘩していた
高坂翁を更に苛立たせたのは、常にライバル店のほうが一歩上をいっていたことだった
高坂翁は若かった。その若さに任せてある過ちを犯したのだ
ありとあらゆるもので負け続けた高坂翁は、ある時地方から来たという男と出会った
男と意気投合した高坂翁は、男から一つの口伝を授かった
それが蟲毒「コトリバコ」だったのだ
一週間の逗留の後、男は地方へ帰っていった
残されたのは呪殺兵器と嫉妬に狂った高坂翁だけだった
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:05:57.91
.
だが、ここで一つの間違いが起こる
男から聞いていた効果が出なかったのだ
正確に言うと呪いは発現したのだ
確かにライバル店は没落した。しかし、その呪いはとどまるところを知らなかった
他の関係ない家や店も巻き込んで、呪いを辺り構わず振りまき始めたのだ
困った町民たちは神職へ相談を持ちかける
当時の神主は、苦心してこの呪いについて調べあげ、対処法を身に付けたのだ
そして見事呪いは収束した
このことで一番肝を冷やしたのは高坂翁だった
ことの発覚を恐れたこともあったが、自分がしたことの大きさに恐怖したのだった
.
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:08:31.87
.
そこで密かに神主に懺悔したのだった
神主はそれを黙って聞いていた。一言も彼を責めず、ただただ聞いてた
聴き終わった神主は一つのことを告げる
貴方は騙されたのだ、と
.
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:09:57.53
呆然する高坂翁にさらに追い打ちをかける
神主が言うには、その男も間違ったものを教わったということだった
間違ったものをさらに捻じ曲げて伝えた、ということだ
下手をすれば、呪いは逆に貴方を蝕み、とり殺していたかもしれない
このことは神主と高坂翁だけが知る事実だった
それからは、神主が編み出した鎮呪の方法で、箱の呪いを鎮めてきた
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:13:15.64
.
それから時は流れ、この騒動につながる事件が起こる
約束の時の前に、先代神主が逝去してしまったのだ
その上、時が経った今。高坂翁は今更あれに関わるのが怖くなってしまった
当然先代から引き継ぎを終えた現神主は、高坂翁へ確認を行なった
それに高坂翁はこう答えた
「もう、すでに終わっている。先代に鎮めてもらった」
と
その報告で現神主は、先代がそれを書き記す前に逝ってしまったのだろうと思ってしまったのだ
それが今のこの騒ぎを引き起こす、きっかけとなってしまう
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:17:53.79
.
神主T「……。私は貴方がこれまでしてきたことを責めるつもりはありません。ですが、貴方はこの罪を償わなければならない」
神主T「貴方の行いに巻き込んでしまった家族に。言っていることはわかりますね?」
『はい……全て、全てお話します……』
神主T「あの箱に関わった、お孫さんのご学友にも聞いてもらいます。あの子達も当事者だ」
神主T「明日、みんなを連れてこの神社へ来て下さい。話す場を提供しましょう」
神主T「その間に貴方の家を清めさせてもらいます。いいですね?」
『はい……』
―
――
――――
50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:19:31.94
―それから、私達の心に深く刻みついた事件ですら、何事もなかったように夏休みは幕を閉じた
凛「うわーーー! かよちんタスケテーー!」
花陽「な、なんでまだこんなに残ってるノォォーーー!?」
真姫「ふたりともしっかりして! 凛は騒いでないで手を動かして!」
凛「真姫ちゃんも助けてニャー!」
真姫「あ、ちょっと絡みついて来ないで!」
…
希「にこっち~」ワキワキ
にこ「な、なによ! 別にちょっと休んだって……」
絵里「それ、一時間前にも聞いたわよ~」ガシ!
にこ「いや、勉強はいやぁ~~」
希「ほう、ワシワシのほうがお望みやと?」
絵里「見た目の割にエッチなのね」
にこ「タスケテ……」
…
穂乃果「なんで手伝ってもらったのにまだ残ってるのぉーーー!?」
海未「まあ、終盤放心した状態でやってましたからね。意味不明すぎてやり直さざるを得ないわけで……」
ことり「私達も手伝うから頑張ろ? 穂乃果ちゃん」
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:21:30.58
穂乃果「結局、あの事は本当にあったことなのか、今となっては非現実的すぎて夢の事のように感じてる
でも確かにあの時は真実だった
おじいちゃんが流した涙も、お父さんがおじいちゃんを殴ったことも、全部現実」
穂乃果「神主さんは最後に因果応報ということを語って聞かせてくれた
ぶっきょうようごらしく、詳しいことはわからなかったけど、伝えたいことは分かることが出来た」
穂乃果「悪いことをしたら悪いことが、良いことをしたら良いことが自分に返ってくる、と言う話
おじいちゃんは、悪いことをしたから廻り回って、自分の幸せを壊すような事が返ってきたということなのだ」
.
53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:24:00.34
.
穂乃果「私達はスクールアイドルをやっている。いろんな人に元気を与える役目を持っている
でも、目立てば妬みをうけ、上を目指せば他人に嫉妬するという世界に身を置いている」
穂乃果「幸い、私達はそういったことにはまだ出会っていない
でも、このまま続けていけばきっとそういった事が自分の身に、或いは自分自身がそうなってしまう時がくると思う」
穂乃果「その時は誰かを頼るといいって神主さんは教えてくれた
自分だけで抱え込むことが出来なければ、誰でもいい、誰かに話す事が大事だって
神主さんも、その時は私も力になりますって約束してくれたよ」
穂乃果「これで私達が体験した、忘れることの出来ない夢の様な夢じゃない、不思議なお話しは終わります」
穂乃果「まだ課題が終わってないんだ……だから頑張らなきゃ!」
54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:24:21.22
おわりますん
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:25:10.08
乙
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:26:24.74
乙
57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:26:38.01
.
エピローグ
海未「でも、まさか神主さんもμ'sを知っているなんて、驚きですね」
ことり「応援してくれてたんだよね~」
穂乃果「私達もビックになったよね!」
海未「わ、私達が知らないうちにものが大きくなってきて、ちょっと怖いです……」
ことり「知らないうちって……でも嬉しそうだよ、海未ちゃん」
海未「う、そ、そんなこと……は、恥ずかしい……!」
穂乃果「海未ちゃんは相変わらずだね」
海未「もう! 穂乃果は課題が終わったんですか!? もう明日ですよ!」
穂乃果「うえぇぇ~。それを思い出させないで~」
穂乃果「課題が終わらないだなんて夢だよね……もう! 踏んだり蹴ったりだよぉーー!」
fin
.
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:30:51.62
元ネタのコトリバコをラブライブでやっただけ。でも、女の子しか居ないから、出しただけで全滅確定なんだよね
そんな血なまぐさいことさせられっかい!
ところどころ捏造したけど、まあ明確な設定がなさそうだったし、大丈夫だったよな?
にこと海未の動かしやすさは異常
おやすみ
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:32:58.85
面白かった 乙
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:34:39.04
おつかれさま
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/02(土) 01:36:22.16
乙!おやすみ
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