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レミリア「咲夜、お茶が入ったわよ」


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クリスタ「え?もう出ちゃったの?」シコシコ


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:06:26.37 ID:PVNWwpYR0


屋敷には、主の呼んだ楽団の奏でる、七重奏が響いていた。
主を表したというその曲にまかせながら、彼女は、三時のティータイムに向け、メイド達と茶菓子の用意をしていた。
彼女の名は、十六夜咲夜。
人間としてこの屋敷、紅魔館でメイドをしている。
主、レミリアを崇拝し、彼女のために命を懸ける、従者として完璧な人間。
「お茶菓子の用意ができました」
懐中時計をチラッと見ると、咲夜は
「もうすぐティータイムです。あなた達は休んでいなさい」
といった。


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:07:25.20 ID:PVNWwpYR0


おや?」
咲夜がレミリアに紅茶を届けようとしていると、赤い髪を持った女性に行き合った。
「美鈴、貴女はそこで何をしているのですか……」
「いやぁ、門番も暇でねぇ」
美鈴、と呼ばれた女性は、紅魔館で門番をしている妖怪だ。
武術を得意とし、さぼり魔だ。
「貴女にもんを守ってもらわないと、紅魔館に進入者が入ってきたらどうするんですか」
「大丈夫だよ……今の幻想郷は平和そのものだし」
美鈴は、外に目を移した。
釣られて、咲夜も外を見る。
青い空に、小鳥が羽ばたいていた。
小悪魔が楽しそうに、追いかけっこをしている様も見える。
「確かに、平和ですね……」
「そんなことより咲夜さぁ?」
「なんですか?」
咲夜が首をかしげると、美鈴は咲夜の手を指さし
「お茶、さめちゃうんじゃない?」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:08:41.28 ID:PVNWwpYR0


コンコン、と短くノックする。
中から、入りなさいと、まだ未発達な声帯からでる幼い声が聞こえた。
「失礼します」
大きな扉をギィ、と開け、咲夜は中に入った。
「少し遅かったんじゃない?」
全体を薄いピンクで繕った召し物を着た幼い悪魔が、部屋にはいた。
レミリア・スカーレット。この屋敷の主であり、咲夜の主だ。
「申し訳ありません。少し用事がありまして」
「まぁいいわ。お茶にしましょう」
咲夜はレミリアの左側にたつと、ティーカップに茶を注ぎ始めた。
それを皿の上に載せると、ワゴンからから茶菓子の乗った皿を持ち上げ、横に置いた。
「外の世界のものです。名前はx…xと」
「珍しいわね。外の世界のお菓子なんて」
「お気に召しませんでしたか?」
「いえ、そういう訳じゃないのよ」
レミリアは、フォークで器用に菓子を切り、口に運んだ。
「外の世界……思い出すわね、この世界に来たばかりの時の事を」
「そうですね、あの頃は、私もまだまだでした」
「そんな事ないわ、今も昔も、咲夜は優秀な従者よ」
「ありがたきお言葉です」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:10:41.58 ID:PVNWwpYR0


「美味しかったは、ごちそうさま」
しばらく談笑していると、ティータイムは終りを告げた。
咲夜はティーカップと皿を片づけ、ワゴンに乗せた。
そのままワゴンを押し、部屋から出ようとする。
そこで、レミリアに声をかけられた。
「ねぇ咲夜?」
「なんでしょう?」
「貴女、この世界に来てから何年目か覚えてる?」
「確か……






50年目かと思います」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:11:10.41 ID:PVNWwpYR0


「ありがとう。もう下がっていいわ」
「失礼します」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:11:48.33 ID:PVNWwpYR0


初めてこの世界に来たのは、咲夜がまだ幼かったときだ。
その若さからは考えられないような出世でメイド長になり、現在に至る。
年齢が20を超える日に、パチュリー・ノーレッジにかけられた魔法で、死ぬまで外見が変わらなくなった。
「あなたは、最期までレミィのそばに、変わらない姿でいてあげて」
そのとき言われた台詞を、咲夜はまだ覚えている。






13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:12:24.05 ID:PVNWwpYR0


「お嬢様、お茶が入りました」
「ありがとう咲夜。今日は時間ぴったりね」
今日も、咲夜は従者として生きる。
この時計の止まる日まで。


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:15:41.83 ID:PVNWwpYR0


「遊びに来たわよ。咲夜」
心地のいい昼の日、珍しい客が遊びに来た。
アリス・マーガトロイド。魔法使いで人形使いだ。
「珍しいですね、貴女が遊びに来るなんて」
「そうね。気が向いたから来ちゃった」
「お嬢様に?」
「いえ、貴女に」
アリスの唐突な指名に、咲夜は困惑する。
「ねぇ、二人だけで話せるところは無いかしら?」
「図書館なら、あるいは」
「いいわ、図書館に行きましょう」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:16:56.96 ID:PVNWwpYR0


「それで、用はなんですか?」
咲夜の物言いに、アリスは顔を近づけながら
「貴女、死ぬまでここにいるつもり?」
といった。
「えぇ、そのつもりですが」
唐突に発せられたアリスの言葉に動揺しながらも、いつも通りの平静さで咲夜は答えた。
「貴女、人間よね?」
「えぇ」
「もうすぐ死ぬのよね?」
失礼ともとれる質問に、咲夜はムッとしながら
「そうですよ、もうすぐ私は死にます」
と答えた。
その答えを訊き、アリスは少し動揺しながら
「死にたくないとは思わないの?」
と訊いた。
「思いません」
動揺しているアリスと違い、咲夜はきっぱりと答えた。
「私は、言い方はおかしいですけど死にたいんです。いつまでも生き続けるのは、ある意味で地獄より惨い世界に放り込まれるという事なんですよ」
「……たしかにそうね」
「いつまでもお嬢様にお仕えしたいという気持ちもありますが、お嬢様も不死身ではありませんし」
「……」
「それに、私の最期はお嬢様にそばにいてもらいたいです」
「……貴方もなかなかお嬢様ラヴね」
「主人も愛せない人間が、主人にお仕えできるとは思えませんが」
「……そうね」


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:17:46.55 ID:PVNWwpYR0


「……じゃあね、また遊びに来るわ」
「えぇ、今度は紅茶を淹れておくわ」
「楽しみにしているわ。それじゃ」
手をふるアリスに、咲夜は手を振り返す。
アリスが見えなくなると、踵を返し屋敷に向かった。
「……そこにいるのはわかっているわ、美鈴」
紅魔館の柱のカゲに向かって、咲夜は声をかけた。
美鈴は影から姿を現すと、ゆっくり近寄って


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:18:15.65 ID:PVNWwpYR0


咲夜の頬を殴った。

「……ッ!」
美鈴は咲夜の顔を見ない。
しかし、その肩は震えていた。
「なんでよ……」
「何がですか……!」
美鈴は、やはり肩うを震わせながら、しかし先ほどとは変わり力強く
「何で死にたいとか言うのよ!」
と、言った。
「貴女がいなくなったら、誰がお嬢様に紅茶を淹れるのよ!」

「貴女がいなくなったら、誰がこの紅魔館のメイド達を仕切るのよ!」

「貴女がいなくなったら、いったい誰が……誰が……」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:18:57.20 ID:PVNWwpYR0


「美鈴」

「私がいなくても、この館のメイド達は私と同じくらい上手に紅茶を淹れられます」

「私がいなくても、お嬢様はもう一人で立てます」

「私がいなくとも、この幻想郷は廻ります」

「私がいなくても……もう、いいんですよ……」






23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:19:50.69 ID:PVNWwpYR0


それから、幾らかの時が流れた。
その間も、咲夜は従者としてレミリアに使えていた。

秋の紅葉が、紅魔館の庭をにぎわせていた、秋の日。
「お嬢様、お茶がはいりました」
「ありがとう、咲夜」
「本日は、煎茶を入れてみました」
コトッと湯飲みをレミリアの前に置くと、咲夜は本を胸の前で抱きしめた。
「博霊神社の巫女が、たまにはお嬢様に差し入れでもしないとね、と申しておりました」
「あの巫女、また食料難なのね……。いいわ、明日の夜の食事には霊夢もさそいましょう」
「わかりました」
ズズズっと茶をすすると、レミリアは咲夜の目を見て
「咲夜、死ぬときは私の側でお願いね?」
といった。
それに対し
「……ありがたいお言葉です」
そう、呟いた。


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:21:03.75 ID:PVNWwpYR0


「お嬢様、お風呂の準備が出来ました」
日が沈み、月光りが紅魔館に降り注ぐころ。
レミリアの部屋を咲夜が訪れた。
「ありがとう咲夜。……そうだ」
「なんでしょう?」
「背中流してくれない?」

「わかりましっ……」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:24:57.75 ID:PVNWwpYR0


「………!……!」
誰かが、名前を呼んでいる。
……
気がする……。

誰なのかは……。


27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:39:49.48 ID:PVNWwpYR0


「……咲夜!」
「お嬢様……」
ぼやけた視界には、召し物からかろうじてレミリアだと理解できるものが映っていた。
「待ってて、今永琳を呼んでくるから」
ドアをバタンと閉める音が聞こえ、部屋には静寂が訪れた。
が、その静寂はすぐに終りを告げる。
ノックの音が響き、すぐにドアが開いた。
「……咲夜、目覚めた?」
アリスだった。


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:44:55.51 ID:PVNWwpYR0


ここまで投下しておいてなんですが
スレ落としといてください


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:50:03.26 ID:PVNWwpYR0


閲覧者様がいらっしゃるのなら再開いたします


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:55:21.54 ID:iMGntlcq0


>>30
このレスのキモさがやばい


37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:59:11.66 ID:PVNWwpYR0


>>35
ありがとうございます


鎮魂歌と送りの鐘が鳴り響く紅魔館には、一人の人間が欠けていた。
眠りについた彼女は、幼い悪魔と、客人に見守られながら。

眠りについた。


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 21:53:37.89 ID:PVNWwpYR0


「永琳、私は死ぬんでしょう?」
「そうね、体細胞が老化の限界を超えているところを、無理矢理術で動かしている状態なの」
「なるほど……ね」
「……ねぇ咲夜。生きたくないの?」


「えぇ、もう……充分だわ」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 22:06:16.66 ID:PVNWwpYR0


ドアをノックされ、レミリアは「どうぞ」と返事をした。
「久しぶり、レミィ」
「……アリス、貴女が訪ねてくるなんて珍しいわね」
「そうね、咲夜の遺言がなければ、私もこんなところ来ないわ」
「……咲夜の遺言?」



「……」
「良いわね?レミィ?」
「咲夜の遺言なら、仕方ないものね」
「流石、物分かりがよくて助かるわ」






39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 22:06:41.57 ID:PVNWwpYR0


レミリアの屋敷に行った日から、アリスは家に引きこもっていた。
毎日、朝から晩まで、人形作りに没頭した。
それは、咲夜の遺言である人形だった。


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 22:07:14.87 ID:PVNWwpYR0


「……出来た」
「とうとう、完成したのね」
もうすぐ完成の報を受けて跳んできたレミリアとアリスは、パンっとハイタッチをした。
「じゃあ、動かすわよ?」
「えぇ、お願い」
アリスは、でき上がった人形を持ち上げると、背中にぜんまいを差し込み、回した。


「おはようございます、お嬢様。」

「おはよう、貴女の名前は十六夜咲夜よ」





オルゴールに身をまかせ、踊る銀の三つ編み。

テーブルの舞台の上、いつまでも続く物語。


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 22:10:08.72 ID:PVNWwpYR0


以上で完結になります
稚拙な文章なのにもかかわらず最期まで読んでいただきありがとうございました

途中 私のレスを不快に思われた方がいらっしゃったようです
その方々には、謝罪の意を表明いたします


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/13(水) 22:13:45.26 ID:PVNWwpYR0


参考とさせて頂きました楽曲になります


ToHo Rock
モノクロ殺人現場
彼女と時計と人形と





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ちなつ「あかりちゃんキスの練習しよ?」