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貴音「寒空」


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エレン「駆逐艦に勤務することになった」








1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:24:32.52


――Pの部屋・ベランダ
――03:21

貴音「ふぅ…」

P「貴音?大丈夫か?」

貴音「ふふっ。大丈夫ですよ?」

P「そうか?ちょっと…寒くないか?」

貴音「ふふっ。これぐらいが、ちょうどいいのです」クスッ

P「…」

貴音「…あなた様?」

P「そこで、寒いって言ってくれないと…手、繋げないじゃないか」ボソッ

貴音「…」

貴音「くすっ」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:27:52.16


貴音「…少し…風が出て参りましたね」スッ

P「貴音?」

貴音「そうですね。こうすれば…寒さも、凌げるかもしれません」ギュッ

P「…」

P「あったかいな」ギュッ

貴音「えぇ。とっても」

P「…」

貴音「…」

――サァァァ

貴音「風が、吹いておりますね」

P「そうだな。もうすっかり、秋だ」

貴音「秋、ですか」

貴音「わたくしは、秋が一番好きです」

P「なんで?」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:31:49.13


貴音「夏でもなく、冬でもなく」

貴音「寒くもあり、時に暖かくもあり」

貴音「なんとも、心地の良い気持ちになれるのですよ」

P「ははっ。だけど…それだけじゃ、ないだろ?」ニヤニヤ

貴音「…」ムスッ

貴音「あなた様は…いけずですね」プクー

P「じゃあ、明日に残しておいたケーキ…俺がぜんぶ食べちゃおう」

貴音「なりません!」

貴音「…」

貴音「あっ」

P「ほら、な?」クスクス

貴音「むぅ…」

――サァァァ


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:34:55.11


貴音「あなた様?」

P「なんだ?」

貴音「食欲の秋、」

貴音「という言葉もあるのですから、あまりわたくしをいじめないでください」

P「貴音が可愛くて…つい、な」ナデナデ

貴音「ふふっ」ギュッ

P「…」

P「て…あたたかいな」

貴音「えぇ。とっても」

――サァァァ

貴音「風が冷たくとも、へいきへっちゃらですね」

P「おっ?珍しいな。貴音がそういう風に言うなんて」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:38:01.55


貴音「わたくしとて、時には誰かの真似をしたくなるのですよ」

P「それは、誰のマネ?」

貴音「ふふっ。とっぷ…しーくれっと」

貴音「です」ギュッ

P「そっか」

貴音「はい」

P「…」

――サァァァ

貴音「んっ…あなた様…」フルフルッ

P「寒い?」

貴音「少々…」

P「どうする?部屋、戻るか?」

貴音「もう少し…このままでよろしいでしょうか」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:41:36.85


P「平気?」

貴音「えぇ。あなた様のてが、あたたかいので」

P「そっか」

貴音「はい」

貴音「…」

貴音「そういえば」

P「うん?」

貴音「あなた様と初めて出逢った時も、寒空の中でしたね」

P「真冬…だったからな。寒空なんてもんじゃなかったよ」

貴音「いま思えば、まこと奇縁としか言えませんね」

P「…」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:45:14.90


貴音「二月の寒空の下、わたくし達は出逢いました」

貴音「ライバルとして」

P「…」

貴音「ですが」

P「なぁ、貴音?」

貴音「なんでございましょう」

P「いま、幸せか?」

貴音「はて、幸せか…とは?」

P「あのまま…あの事務所にいればお前はトップの座に立つのも時間の問題だった」

貴音「…」

P「お前の目標、目的も今よりも貴音「あなた様は、勘違いをしております」

P「勘違い?」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:51:46.14


貴音「わたくしは、確かに目的があります。遠く、遥か遠くの民たちに希望を与えたい」

貴音「それは変わりはありません。ですが」

貴音「わたくしが、希望を持たずんば、どうして希望を与えられるでしょう」

P「…」

――サァァァ

貴音「…ふふっ。少々、お喋りが過ぎてしまいましたか」クスクス

P「時々、お前が分からなくなるよ」

貴音「ふふっ。女は、秘密があるほど、煌めくのですよ」クスクス

P「はぁ…これも、惚れた方が負けなんだろうなぁ…」ハァ...

貴音「あら、それはお合いこなのでは?」

P「あいこ?」

――サァァァ

貴音「わたくしと、てとてを取り合って良い殿方は」ギュッ

貴音「あなた様のみ、なのですから」クスクス


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:55:33.49


貴音「なんて…このような深夜、しかも寒空の下」

貴音「このように言葉を交わすのも、わたくし達ぐらいなものでしょう」クスクス

P「普通は、出ないもんな」

貴音「…あなた様」チラッ

P「…貴音」

貴音「んっ…」

P「んっ…」

貴音「…」

貴音「ふふっ。冷たい」

P「そりゃ…な」

貴音「ならば、わたくしがあたためてあげますとも」

P「どうやって?」

貴音「…こうやって」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 03:57:52.22


貴音「あむっ」

貴音「んっ…んっ…」

貴音「ぷぁ」

貴音「どうです?先程よりも、あたたかくなったと思いませんか?」

P「なった…かも」

貴音「素直じゃないですね」

P「じゃなきゃ、貴音の相手なんて務まらないからな」ニヤニヤ

貴音「ふふっ。口ばっかり」クスクス

貴音「…」

P「…」

P・貴音「「ふふっ」」






16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:01:11.01


貴音「あっ」

P「どうした?」

貴音「いま、星が」

P「うん?」

貴音「星が流れたと思ったのですが、気のせいでした…」

P「流れ星だったら、どんなお願い事してた?」

――サァァァ

貴音「…」ギュッ

P「…」ギュッ

貴音「そうですね」

貴音「民と、あなた様の、幸せでしょうか」

P「自分の事は、お願いしなくていいんだ?」ナデナデ

貴音「ふふっ」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:04:48.06


貴音「わたくしの事は良いのですよ」

P「なんで?」

貴音「だって、」

貴音「わたくしの事は、あなた様が叶えてくださるのですから」クスクス

貴音「星に、願わずとも」

P「貴音…」

貴音「なのですよね?あなた様」

P「そうだな。それこそ、先に惚れた俺の責任だ」

貴音「くすっ。期待しておりますよ?」

貴音「旦那様…」ボソッ

――サァァァ

P「ん?何か言ったか?」

貴音「くすっ」

貴音「いいえ。なんでも」クスクス


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:08:18.57


貴音「さて、そろそろ部屋に戻りましょう。これ以上いたら、風邪を引いてしまいます」

P「そうだな。明日はオフだ。風邪なんか引いて休みが潰れたらもったいないからな」

貴音「あなた様?明日は、えいがを観に行きませんか?」

――ガラガラガラ

P「映画?」スタスタスタ

貴音「えぇ。たまには、よろしいかと」トテトテトテ

――ピシャッ
――カチリッ


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:13:40.02


―――
――


――Pの部屋・寝室
――

寒空の下で、語り合うのがわたくしは好きなのです。
そうすれば、自然とあの方と触れ合えるから。
あの方は、気付いておられないようですが、わたくしは、意外としゃい、なのです。

P「…」zzz...zzz...

貴音「…」チラッ

P「ぐぅ…ぐぅ…」zzz...zzz...

貴音「ほんと」

貴音「鈍感にも、程があります」クスクス

P「んがっ…」

――カタカタカタ

貴音「!」ビクッ

貴音「わ、わたくしも寝てしまいましょう」ビクビク


20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:14:28.37


貴音「それでは、おやすみなさいませ」

おわり


23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/10/24(水) 04:15:17.86


乙、いいしっとり感










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ひろし「俺がクビ?」