韓国・仁川アジア大会に日本代表として参加中、現地メディアの高級カメラ(時価約80万円)を盗んだとして、

処分を受けた競泳の冨田尚弥(とみたなおや 25才)選手が、会見を開き、「冤罪」を主張しました。

画像:【冨田尚弥・選手】
冨田尚弥・選手
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2014/11/06/gazo/G20141106009236700.html

6日、名古屋市内で開かれた会見に國田武二郎弁護士(元・仙台高検検事)と一緒に現れた冨田選手は、

騒動で「急性ストレス反応」になったことを明らかにした上で窃盗行為の疑惑を完全否定

「突然、後ろから左手を強くつかまれ、バッグから手を離して振り払った時に男が変なものをバッグの中に入れた」
「ゴミだと勘違いして、途中で捨てようと思ったが、ゴミ箱が見つからず、選手バスに乗ってしまった。バスの中でもすいていて一人で座っていたからほかの仲間に言うこともなかった」
「男は濃い緑色のズボンをはいたアジア風の男。40才前後」

と語り、韓国警察の事情聴取で容疑を認めたことについては

「認めれば刑は軽くなる。大ごとにはならずにすぐ帰れると言われた」
「証拠とされる記録映像はスマートフォンで見せられて小さかったし、画面も遠かった。
その人が映っているのか、僕が盗んだという映像もはっきり見えなかった」

とし、取材陣に対し、

「僕はカメラを盗んでいません」

とはっきり否定しました。

JOC(日本オリンピック委員会)や水泳連盟の対応や処分については

「僕が韓国の警察で認めたのは事実。水連やJOCに迷惑をかけた。
(処分は)仕方なかったと思う」

と擁護。

一緒に大会に行った仲間やファンに伝えたいことを問われ、

「僕が強い意志を持って韓国でやってないと言えば絶対に変わった。
僕の心が弱くて言えず、迷惑をかけて本当に申し訳ない」

と涙ながらに語りました。

また同席した國田弁護士も

冨田尚弥・選手と弁護士
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2014/11/06/gazo/G20141106009237260.html

「富田選手にはカメラを盗む動機がない」
「記録映像の撮影時刻は午前10時48分とされているが、その時刻には富田選手が同大会で自由形に出場した松田丈志選手と雑談をしていたという証言が複数得られ、アリバイがあってありえない」

と強調しました。

現在はストレスなどで水泳の練習もする気になれず、1ヶ月ほど家にこもりっきりで体重も4~5キロ落ちた

とのこと。

今後については

「現役を続けるとすればアメリカのコーチのところでやろうと思っていたんですけど、今は給料がなくていけない状態なので、(韓国での処分がくつがえり、水泳連盟の選手登録停止処分の期間が)短くなっても続けることは難しいと思います」

國田弁護士は

「韓国から判決が送られてくるのは11月から12月ごろ。
可能であれば、正式に不服申し立てをしたい」

としました。

【騒動の経緯】

▼9・25 文鶴水泳場のプールサイドの記者席から記者が離れた隙にカメラのレンズを外し、本体を盗んだとされる(本人は否定)
▼9・26 韓国警察が事情聴取
▼9・27 規律違反があったとして日本選手団から追放
▼9・27 日本選手団の青木剛団長、所属のデサントが謝罪
▼9・29 仁川地検が罰金100万ウォン(約10万円)の略式起訴処分
▼9・30 選手村を離れる
▼9・30 日本オリンピック委員会(JOC)橋本聖子選手強化本部長が謝罪
▼10・1 金浦空港で謝罪、帰国「やってない」発言
▼10・1 所属のデサントが謹慎処分
▼10・3 日本水泳連盟の鈴木大地会長が謝罪
▼10・7 所属のデサントが解雇処分
▼10・30 日本水泳連盟が1年5カ月の選手登録停止処分決定
▼10・30 旧所属のデサント社長が謝罪
▼11・6 弁明会見

◆冨田尚弥(とみた・なおや)1989年(平元)4月22日、愛知県東海市出身の25才。
豊川高、中京大を経てチームアリーナ入り。
2010年広州アジア大会男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得。
11年の国際大会代表選考会では北島康介を破り、同年の世界ランク1位の2分8秒25をマーク。12年ロンドン五輪は出場を逃した。1メートル74、74キロ。


(引用元:http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2014/11/06/kiji/K20141106009236640.html)
動画:【元競泳日本代表・冨田尚弥の弁明会見(前半)】
動画:【後半】

撮影された記録映像がどのようなものなのかが重要ですね。

國田弁護士は韓国側にハメられた可能性もあると語っています。