MoMAがArduinoやMakey MakeyなどのDIYな電子工作キットを収集しました
目の付け所がさすがです。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)はピカソやポロックなどの近代美術で有名ですが、アーティストにより制作された作品だけでなく、ポストイットやバンドエイド、チュッパチャップスなどその時代を象徴するような製品も収集しているんです(チュッパチャップスのロゴはダリがデザインしたので芸術作品と言えそうですが)。そのような製品を「Humble Masterpieces」と呼び、2004年に展示会も行われました。
そのHumble Masterpiecesの作品群に、新たに5つのガジェットが追加されました。ワンボードマイコンの「Arduino」を始め、バナナを楽器やゲームのコントローラにしたことで話題になった「Makey Makey」、自分だけのシンセサイザを制作できる「Ototo」、ロボットが紙に描かれた線や色を識別しながら音を奏でる「Colour Chaser」、Arduinoを使ってオリジナルのゲームマシンを1から制作できる「DIY Gamer Kit」です。
中でもArduinoは、これまでの数多くのメディアアートはもちろん、これからのIoT時代にも欠かせないガジェットですよね。Makey MakeyやOtotoも子供から大人まで楽しめるコンセプトが話題となりました。
MoMAはこのような電子工作キットを収集するのは初めてではありません。2011年にはレゴ感覚で電子工作を楽しめる「littleBits」や植物とコミュニケーションするための「Botanicalls」を収集しています。
これまでは特定の目的を持つ製品が多かったようですが、より使う人の想像力を掻き立てるような可能性を持った製品が収集されているようですね。見る人・使う人によって、いかようにも解釈しうるところが“現代美術っぽい”のかもしれません。
(徳永智大)