橘志狼「よーしっ公園で自主練だ!」橘ありす「私たちが使う予定なんですけど」
橘ありす(12)
佐々木千枝(11)
結城晴(12)
赤城みりあ(11)
市原仁奈(9)
公園
ありす「みなさん遅いですね。せっかくいい場所を見つけたというのに」
晴「オレらが早すぎたんじゃねーの。ふああ~、眠い、ラジオ体操出るんじゃなかったぜ」
千枝「でも、朝早い方が涼しくていいよ。紫外線こわい時期だし」
仁奈「ふぁ~ひつじの気持ちになるですよ……Zzz……」
みりあ「ああっ、仁奈ちゃんが着ぐるみを寝袋っぽくして寝てる~!」
ありす「どうしてそんなに眠いんですか。確かにいつもより少し早いですけど、学校行く時みなさん早起きしないんですか?」
晴「色々あんだろ? テレビ見たり、意味も無く夜ふかししたりすんの。夏休みなんだからよ」
千枝「そうだねー、電話でおしゃべりしたりしてたら遅くなっちゃうよね」
ありす「私はなるべく早く寝るようにしていますよ。人間は睡眠時に成長するそうですから」
千枝「あはは、流石ありすちゃん」
ありす「とはいえ、みなさんが揃うまで練習ができませんね。まあ、誰もこんな時間に公園を使わないでしょうが。計算して、余裕を持ったスケジューリングをしていて正解でした」
みりあ「うわぁ、デキる女っぽい~!」
ありす「これしきのこと当然ですが……ふふん」
晴「おい、デキる女さんよ。すけじゅーりんぐはありがたいんだけど、誰か公園に入ってきてっぞ」
ありす「えっ」
志狼「なっ! ここいいだろー!? それなりに広いし、木陰もあって涼しいし、ここでなら思う存分特訓できるぜっ!」
直央「ほんとだ、いいところだね」
かのん「れべるあっぷ、だよっ!」
橘志狼(11)・岡村直央(11)・姫野かのん(9)
ありす「なっ!」
志狼「んじゃ、荷物を置いて始めっぞー!」
直央「うん。木陰に置いとこっか……」
かのん「ふわぁ、朝すずしくて、いーねー」
志狼「まずはストレッチで体ぐにゃぐにゃにしとけっ!! それが終わったら――」
ありす「すいません。立ち退いていただきたいんですが」
志狼「うおっ! なんだお前?」
ありす「この公園の使用に先約を入れていたものです。私達が使おうとしているのに、横から場所を取られると困ります」
志狼「あん? なんだそれ?」
直央「さ、先に公園使おうとしてたんだって……」
志狼「公園はみんなのものだろ? なんでオレらが使うのダメなんだよー。ってかお前誰?」
ありす「……橘ありすと申します。呼ぶなら、橘と」
志狼「ふーん。そんでありす、オレらも公園使いたいんだけど」
ありす「っ! 橘と呼べと言ったでしょう……? 聞いてなかったんですか」
志狼「だってよーオレも名字橘だからよー、わけわかんなくなるじゃん」
直央「あっ、そうか、同じだ」
志狼「だからありすって呼ぶ」
ありす「勝手に決めないでくださいっ」
志狼「なんでだよー、いい名前じゃん。お前もオレを志狼って呼んでいいぜー」
ありす「誰があなたの名前を聞いたんです……!」
千枝「あの、ありすちゃん……」
晴「名前の話で盛り上がってんなよ。どいてもらうんじゃなかったのかよ」
ありす「……そうです。別に忘れていませんよ。説得の第一段階のあいさつを済ませただけですから」
晴「それなら、いいんだけどよ」
志狼「なんか仲間が増えたぞ」
ありす「おほん、話を戻しましょう。ともかく、この公園は私達が先に使おうと思い、あなた達より先に来て、場所を取っていたんです。残念ですがあなた方は」
志狼「どくのヤダぜ」
ありす「……言ってもわかりませんか」
直央「ね、ねえ、譲ってあげても……」
志狼「いーやっ、ヤダねっ!! こっちだって使いたいのに、場所取りしてたからどいてくださいなんて言われて納得できるかよ。公園は仲良く使うもんだろー?」
みりあ「そうだよね、そう思うよね……ありすちゃん、交代で使おうよっ」
ありす「いえ、大丈夫です。これしきの侵略者に折れることはありません」
千枝「えっ?」
ありす「ふぅ、朝から論破をすることになるとは思いませんでしたね…………えっと、志狼さんでしたか? 私達はですね、この公園を『実効支配』していたのです」
志狼「なにーっ!! じっこうしはいだとーっ!!」
かのん「わー! かわいい着ぐるみっ!」
仁奈「もふもふしてーですか?」
かのん「うんっ、もふもふもふ……っ!」
仁奈「おー、これはいいもふもふでごぜーます! さては使い手でごぜーますな?」
志狼「ってじっこうしはいってなんだ?」
直央「わからずに驚いたの!?」
ありす「実効支配とは、実態上支配しているということです」
志狼「うっ、じったいじょう……!?」
ありす「この公園が誰のものでもない、あるいは行政の管轄下にあるとの主張は、その厳然たる現実の前では意味を為さないのです」
ありす「それが実効支配――――『理論はことごとく現実の前にかしずくべし』ということなのです」タブレットスッスッ
志狼「うおおっ、なんてこった……!!」
ありす「ふっ、最近勉強中の概念が役に立ちました。論破完了です」
晴「それちゃんと正しいのか?」
直央(はわわ、歴史的根拠もなく所有権を主張されてもそれは実効支配じゃなく単なる不法占拠だよ……しかも支配してるって割には簡単に公園に入れたし……でもそんなこと言えない空気……)
志狼「くそーそれじゃあオレ達は……」
ありす「ええ……そうです。取るべき道は一つしかありません」
志狼「支配に抗うしかねーな! 勝負だっ!!」
ありす「なんでそうなるんですか!」
晴「おっ、中々熱いセリフ吐くじゃん。マンガの主人公みてー」
志狼「そうか? にししっ」
ありす「漫画脳でしたか……!」
みりあ「勝負ってなにするの? ケンカはしたくないよー」
志狼「そうだなー……あ、お前、サッカーボール持ってんじゃん! それ使おうぜ!」
晴「え! サッカーすんのか? お、オレは、べつに、いいけどっ!?」
千枝(すごい嬉しそうな顔してる……)
志狼「あーでも、人数差あんなー。代表3人がPKして決めるってのはどうだ?」
ありす「却下ですっ」
晴「まぁ、待てよ! 練習前のウォーミングアップもかねてちょっとやってみようぜ!」
ありす「私はやりませんよ」
志狼「じゃ、まずは1on1でいいか。パス出しからスタートして、ボールを奪い合いながら先にゴールした方が勝ち」
晴「そんなとこだな。ペットボトル二本置いとくから、その間がゴールな。パス出しはそこのメガネくん、やってくれ」
直央「え、僕ですか?」
志狼「フェアにやれよ! んじゃ、ライン簡単に引くぜ。ピッチの広さはどーする?」
晴「ハーフコートのちょっと狭いぐらいってとこだろ。この公園なら」
千枝「わースイスイ決まってく。休み時間の男子が遊び方を決めているみたい……」
かのん「かのんも着替えてきたよ~っ」モッコモコ~
仁奈「おおお、これは、しょーどーがおさえられねーですっ」モコモコモコモコモコモコ
かのん「あはは、くすぐったいよぉ~!」キャッキャッ
志狼「よし、準備かんりょーっ! 負けないぜ……えっと、お前なんていうんだっけ?」
晴「結城晴。ま、オレはあっちのやつと違って名前で呼ばれてもかまわないぜ」
ありす「私のことを心が狭いように言われるのは心外なんですが……」
志狼「そうかよ。じゃ、晴。男同士、正々堂々とやろうぜっ!」
晴「オレは女だっ!!」
千枝(ふふ、まだ大人の階段を上ってないから女の子だよ、晴ちゃん)
直央「ボールをそっちに向かって蹴るだけでいいんだよね? じゃ、じゃあいくよ。――えいっ!」ドカッ!
晴「おらあああっ!!」ダダダッ!!
志狼「うおおおおっ!」ダダダッ!!
みりあ「最初のボールの奪い合い……! 勝つのはどっち!?」
志狼「すらいでぃーんぐっ!!」ズザーッ!!
晴「ちっ! 取られたかっ!! 迷いなくスライディングしやがって!」
千枝「が、がんばってー!」
ありす「もう……結城さんなにをやっているんですか」
晴「抜かせないぜ志狼っ!!」ディーフェンスッ! ディーフェンスッ!
志狼「ぐっ! こいつプレッシャーすげー!?」
志狼(ここは、そう、事務所の兄ちゃん達のアドバイスを思い出すんだっ!!)
――――
――――――
蒼井享介「えっ、サッカー教えてくれって?」
志狼「ああ、サッカーうまいやつってカッコいいじゃん!」
蒼井悠介「そうだな。とりあえずご飯はたらふく食べて体作りが基本だな、俺らはそんなガタイ良くなかったから苦労する場面多かった」
志狼「え、飯?」
享介「後は密度の高い練習かな。どっかのジュニアユースに入るのがいいけど、メニューならオレも考えられるから、作ってあげようか?」
志狼「いや、そういうんじゃないんだけど」
蒼井悠介(18)・蒼井享介(18)
悠介「コツっていってもサッカーはチームプレイだよ?」
享介「とりあえずどんな選手になりたいかぐらいは決めておいたらいいよ」
悠介「享介、試合録画してたよな。見せてあげれば」
享介「おっけー! いやー、未来の日本代表を志す子どもが増えてくれるのは嬉しいな」
志狼「えー……」
――――
志狼「…………サビア……ロボ……船山……」ブツブツ
直央「動きが止まってる!?」
晴「もらったーっ!」ズバッ!
志狼「ありっ!?」
みりあ「わ、すごい! 取った!」
晴「ゴールはもらったーっ!!」
志狼「く、くそっ!」
志狼(まだだっ! また兄ちゃん達が教えてくれたことを思い出せっ!!)
――
――――
志狼「なー、ボクシング教えてくれよー」
大河タケル「……強くなりたいのか?」
志狼「ああっ! 強い男ってかっこいーじゃんっ!」
タケル「ああ。男は強くなくちゃ駄目だ。いいぜ、教えてやる。……最強の格闘技をな」
牙崎漣「ああっ、なァにヌカしてやがるチビども! ボクシングが最強~!? あんま笑かすんじゃねーぞっ!」
タケル「ち、お前か。下がってろ。入ってくるなよ……」
漣「誰がテメーらの輪の中に入りたいつった? 最強を取り下げりゃいつでも消えてやるよ。ま、取り下げなきゃ……そっちに消えてもらうがよ」
円城寺道流「おー最強議論か、若いねぇ」
大河タケル(17)・円城寺道流(24)・牙崎漣(18)
漣「いいか、11歳チビ。こっちの17歳チビの格闘技には蹴り技がねーんだ。魅力ねーだろ?」
道流「……そう思っていた時期が俺にもありました」
漣「黙ってろラーメン屋!」
志狼「あー、キックもカッコいいよな!」
タケル「……必要なのは拳のみだ」
漣「ハッ、負け犬の遠吠え
コメント一覧
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- 2014年11月10日 22:28
- これ、前に載せてなかったっけ?
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- 2014年11月10日 22:39
- ドッジボールの前作?
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- 2014年11月10日 22:51
- ※2
多分そう
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- 2014年11月10日 23:28
- 加蓮のノリの良さ
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