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海外の科学系ニュースサイト「livescience」が、創設10周年を記念して、過去10年間における科学的大発見ベスト10をまとめ上げていた。
たった10年で、こんなにも偉大な発見や、驚きの研究がなされていたのだ。確かに10年前、スマホは存在していなくて、その10年前、携帯電話すら一般的でなかったわけだ。人類は限界などないように次々と新しい発見をしているわけだが、この勢いならあと10年後には本当に宇宙人と遭遇できそうな勢いだ。
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10.太陽系から冥王星が外される
地球から75億キロメートル離れた場所には、元は太陽系の惑星だった冥王星がある。冥王星は2006年に太陽系の惑星から準惑星へと変更された。
冥王星が準惑星へと変更となる切っ掛けを作ったのは、2005年にカリフォルニア工科大学の天文学者マイク・ブラウンとその同僚たちが準惑星「エリス」を発見した為だ。エリスは冥王星よりも大きいか、殆ど同じサイズである事がその時の観測で確認された。
この発見により天文学のコミュニティでは各所から「冥王星がエリスと同じサイズなら、何故惑星として認識されているのか?惑星というのは星のサイズで決められるのではないのか?」という疑問が投げかけられた。そして議論の結果、国際天文学連合は2006年に太陽系惑星の正式な意味合いを改め「他の惑星の軌道を遮らず、重力を発し、その力によって周りの大き目の物体を吸収する事の出来る物体」とした。
この変更の為、エッジワース・カイパーベルトの軌道に属していた冥王星は、この軌道に属している他の冷たい準惑星と変わらぬ存在に変更されてしまったのだ。
この変更はたちまち科学コミュニティで爆発的な議論となり、ついには、こんなロゴが書かれたTシャツが発売されてしまった。「大丈夫だよ、冥王星。僕も惑星じゃないんだから」。、「僕が君ぐらいの年齢の頃に、冥王星は惑星だった」。
9.iPS細胞の発見
2006年日本人研究者、山中伸弥とその同僚たちは細胞の時計の針を戻す程の大発見をした。彼等はマウスの皮膚細胞に遺伝的リプログラミングを行い、「身体のどんな細胞にも変化する可能性」を持つ、人工多能性幹細胞を作りだしたのだ。
iPSと名付けられたこれらの細胞の発見は科学研究の分野に大きな革命を起こした。まず一つ目に、アメリカ合衆国では幹細胞は胚を元に作られるという常識があったため、胚を使う事に対し手大きな議論があったものの、人工多能性幹細胞の発見は胚を使用する事に対する議論を必要としない、幹細胞研究に新たな未来を切り開いた。
人工多能性幹細胞は数多くの病気の治療を可能にする事が出来ると考えられている。例えば重度のやけどを負った患者の皮膚を再生した後に移植したり、心筋細胞などを再生したりできるそうだ。そして今年に入り幹細胞を、視力を失った目に注入すると、視力が回復する事が分かったのだ。この発見により、山中伸弥教授は2012年のノーベル医学賞を受賞した。
8.技術的特異点。コンピューター「ワトソン」が人間に勝利
コンピューターがクイズ番組で人間に勝った。2011年、IBMはワトソンというコンピューターを使い”ジェパディ!”というバラエティー・クイズ番組の歴代王者2人と3日間に及ぶ対戦を行わせた。この戦いの為、IBM社は4年もの年月をかけて、クイズ王者コンピューターを作り上げた。ワトソンのメモリーバンクに情報を送り込むことは簡単だったが、それを引き出す為のアルゴリズムを組み立てるのが難題だったそうだ。
UCLAコンピューター科学者マイケル・ダイヤ―氏が言うには、人間は「ジョンはバットを拾い上げビルを叩いた。そこら中に血があった」と言う言葉を簡単にプロセス出来るそうだが、コンピューターにとっては「どんなバット?(英語でbatはコウモリと野球に使うバットの二種類が存在する)」「誰の血?」といった、人間では文法を見る事で理解できる情報もプロセス出来ないそうだ。
見事王者に打ち勝ったワトソンは現在「ワトソン・ディスカバリー・アドバイザー」という名前を与えられ、数多くの学術誌や論文等を保管するデータベースとして機能している。ワトソンのおかげで世界中の科学者が素早く、より多くの情報にアクセスできるようになったのだ。
7.人類の祖先、アルディ(アルディピテクス)の発見
ホモサピエンス以前の我々の先祖の骨は、もはや風化され発見されることは困難だった。ところが2009年、440万年前の我々の先祖と思われる人骨が発見された。アルディと名付けられたその人骨ははほぼ完全な白骨状態で発見された。
アルディの発見者であるカリフォルニア大学故人類学者のティム・ワイトは「アルディは私達の先祖がチンパンジーと人間に分類する前の分岐点なんです。彼女は最初の人間なのです」。と語った。
未だにアルディの生態等については多くが謎ではあるが、2011年の発表によると、アルディは川で暮らしていた事が判明している。
6.太陽系外惑星の撮影に成功
最初の太陽系外惑星は1992年に発見されたが、これを写真に収めることができたのは、その12年後たった。2004年、欧州宇宙機関が保有する、チリに設置された赤外線を使った大型望遠鏡が撮影したものだ。しかし、この太陽系外惑星が実際に「星である」と確認されたのは2005年の事で、この惑星は木星の5倍もの大きさがあることが分かった。
しかし、赤外線は人間には見えない為、科学者らは2008年に可視光線のみでの星の撮影を成功させた。これは、世界で初の「可視光線を用いた太陽系外惑星の撮影」であった。この時撮影された惑星は木星の8倍の体積をほこり、地球から500光年離れた惑星で、地球の300倍の速度で動いている事が研究により確認されている。
5.恐ろしいウイルスが人工的に作られる
”H5N1”、別名鳥インフルエンザとしても知られるこのウイルスは、「鳥から鳥へ」という単純な感染経路が主であったが、鳥から人間へと感染するようへとなっていった。アメリカの発表によると、2003年から2011年までの間で、毎年650件以上の鳥インフルエンザが確認されていたという。
しかし2011年になり、世界に衝撃を与える研究論文が発表された。その内容は「人工的にH5N1ウイルスを改造し、鳥から人間への感染力を強め、インフルエンザのパンデミックを引き起こすことが可能である」。というものだった。
この研究に対して世界中から批判が殺到したのは言うまでもない。特に多かった批判は「ウイルスがラボから何らかの方法で出てしまったらどうするのだ!?」というものや、「パンデミック人為的に引き起こす為に科学者の家からウイルスのデータを盗む奴がいたらどうするんだ!?」というものだった。
大きな反響により、研究論文は掲載されるのを一時停滞させられたものの、最終的にバイオケミカルソサエティーは研究論文を2012年の学術誌に掲載する事を決定した。
しかし、バイオセーフティーの問題が解決したわけではない。現在人工的に改造されたH5N1ウイルスはバイオセーフティーレベル3の施設で取り扱う事が認められているが、これは最高レベルの4の一歩手前である。このセキュリティレベルを上げる事で安全性を高める事が出来るのだが、その代りにバイオセーフティーレベル4の施設は世界的に見ても少ない事が欠点としてあげられる。
4.人工DNAから生命を生み出す
世界初の人工DNAから生み出された生命は15年という長い年月と、4000万ドル(46億円)という莫大な予算を使い、2010年に完成した。
2010年5月に作られたこの人工生命体はJ・クレイヴ・ヴェンター研究所の研究員等によって作り出された。研究チームは、マイコプラズマ・ミコイデスというバクテリアのDNAを、人工的に別のバクテリア(マイコプラズマ・カプリコルム)に注入した。マイコプラズマ・ミコイデスは全く違った細胞環境に送り込まれ、マイコプラズマ・カプリコルムの細胞内で生き残る為にDNAの改変を行ったのだ。ついに研究者らは新しい生命体を作り上げたのだ。今後この技術を基盤とし、絶滅したゲノムや火星の生命移住計画を計画しているそうだ。
3.ヒッグス粒子が長い暗闇から解き放たれる
2008年、初の稼働実験を行った大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は。その4年後、長い間、その存在自体に疑惑が持たれていたヒッグス粒子を発見した。この発見により、ヒッグス粒子という粒子が世の中の物質全てに「質量を与えている」事を証明したのだ。
元々「卓上の理論」であったヒッグス粒子だが、実験による発見の後にいくつかの計算を重ねていく上で、本当である事が分かった。しかし、ヒッグス粒子の多くは謎に包まれている。「この粒子がどういった崩壊を起こすのか?」という謎の解明には至っていない。
2.失われたイングランド王「リチャード3世」の発見
イングランド王の墓を見失うという事も不思議だが、その王が数100年後、某駐車場の地下から見つかるというのも不思議な話である。
2013年、考古学者等はイングランドのレスターにある駐車場の地下から、15世紀のイングランド王「リチャード3世」の遺骨を発見した。歴史的文献によると、リチャード三世は薔薇戦争で戦死し、鎧は剥がされ、丸裸にされたのちにレスターにある「グレイフライアーズ」という教会に埋葬されたとされているが、数百年の月日が流れてしまい、この教会の居場所は失われてしまったと言われている。
2013年に発見されたリチャード三世の遺骨から判明したことは、リチャード三世は側弯症と回虫に寄生されていた、という事だ。また、遺骨から彼は生前非常に健康であった事が判明している。
考古学者等はイングランドの歴史解明の為にリチャード三世の遺骨の一部を削り、DNAを採取した後、遺骨の全てをレスターにある礼拝堂に埋葬したそうだ。
1.ビッグバンの痕跡を発見
今年に入り、科学者らはまた新たな大発見をした。宇宙のインフレーションを肯定する証拠を初めてつきとめたのだ。つまり、ビッグバンの痕跡を見つけたのである。
ビッグバンが起きた時に発生したエネルギーは重力波という形で、未だに我々の宇宙空間に存在している。当時科学者等は宇宙マイクロ波背景放射の存在から、ビッグバンが起きたと言う推論を立てるしかなく、宇宙マイクロ波背景放射によって生じた光というエネルギーはビッグバンの38万年後までの宇宙空間の存在しか証明できなかった。
しかし、重力波という物は光よりも早くビッグバンの直後に生まれた為、重力波の存在がビッグバンの解明へと大きな一歩を踏み出すものになると考えられている。
via:livescience・原文翻訳:riki7119
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コメント
1. 匿名処理班
SFでよく使われる世界滅亡、人類滅亡のピースが揃いまくっているんですが我々はどうすればいいのでしょうか
2. 匿名処理班
リチャード3世、ここに混ぜんの?
3. 匿名処理班
>>1
SFでよく使われるユートピアのピースもちらほらあるから信じるしかない
4. 匿名処理班
No2が場違いすぎる件
5. 匿名処理班
フェルマーの最終定理はギリギリはいらなんだのかな?
6. 匿名処理班
天文学って我々にどんな恩恵があるんだ?綺麗な銀河の映像を見たって何の足しにもならん。500光年先に地球型の惑星があるって云われても誰かがたどり着けるわけない。研究者の自己満足だけじゃぁ無いんか?
7. 匿名処理班
ビッグバンの痕跡の発見は最近怪しくなってきちゃったんだけどね。
8. 匿名処理班
ス……STAP細胞は……?(震え声)
9. 匿名処理班
もし世界中の人間を日本人のような生活水準にまで引き上げるとしたら地球があと五個くらい必要になる
天文学や宇宙開発は他の星でそれらに匹敵する資源を得られる可能性を秘めているから必要なんじゃないかな
その前に地球か人類が終わってるかも知れないけど
10. 匿名処理班
天皇陵墓だって訳わかんないんだからどこの王族の墓だって分かんなくなるのが普通だって。
11. 匿名処理班
※6
ファッションセンスを磨くのに他人の観察が必要だろ?
それと同じで地球環境を知るためには沢山の自分以外のサンプルが必要なんだよ。
12. 匿名処理班
ビッグバンとか素粒子とかの話は、さっぱり解らねぇww
13. 匿名処理班
※6
地球に向かってくる隕石を割と早く見つけることが出来る
そしてその対策に、より多くの時間を充てることが出来る
でも地球の技術では衝突を防ぐことは出来ないので
実際アルマゲドンな状況になったら
知って怖い思いした挙句に死ぬ
14.
15.
16.
17.
18.