今月8日、GPシリーズ第3戦・中国杯で中国人選手と激突してケガを負いながらも直後の試合に出場し2位に入賞した羽生結弦選手(19)。
“脳震盪は起こしていなかった”との医師の診断もあり出場を決めたといいますが、実際は脳震盪を起こしていた可能性が高いのだそうです。
もし脳震盪を起こしていたとしたら、その後に脳に衝撃を与えることによる致死率は50%とも報じられています。
あの時あの現場で何が起こっていたのか…週刊新潮が詳細を報じています。→ Geinou Ranking
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羽生選手が中国人選手と衝突した瞬間の動画は今もネットに出回っていますが、羽生選手はおよそ1分間という長い間、氷上に倒れたままになっていました。
→ 羽生結弦は2位、公式練習で中国選手と激突し負傷(動画あり)
もう少し早く誰か救いの手を差し伸べるものじゃないかと不思議に思っていましたが、そこにはこんな裏事情があったといいます。
(以下引用)
「練習中に事故が起きた場合、レフェリーが練習を止め、大会の公式ドクターがケガをした選手に駆けつけることになっています。
ところが今回、レフェリーはパニックになってなんの指示も出せず、中国人の大会ドクターもアタフタするだけで動きませんでした。
見かねた国際スケート連盟のスタッフが
“担架を持って行け!”
と怒鳴って初めて、大会ドクターが衝突した2人に駆け寄ったのです」(現地に帯同していた関係者)
(以上引用 週刊新潮)
それだけフィギュアスケートという競技はケガや事故が少なく、スタッフも非常事態に慣れていなかった…ともいえるかもしれません。
これがボクシングやラグビーなどであれば、まったく違う対応になっていただろうことは間違いありません。
今回、事故が起きて初めて、日本チームはドクターを帯同していなかったことが判明し問題にもなりました。
(以下引用)
「中国人の公式ドクターに治療をしてもらいたくない、という理由で、羽生選手の治療はアメリカチームの白人女医に頼むことになった。
彼女を中心にアメリカの医療スタッフが処置室で治療し、羽生選手は頭に包帯を巻かれ、顎にばんそうこうを貼った姿で出てきました」
羽生クンが処置室に入ってから、治療を終えて出てくるまでに要した時間はおよそ11分。
その間、もうひとつの重要な判断が下されていた。
「チェックの結果、アメリカのドクターは、脳震盪は起こしていないと判断した。
それを聞いたブライアン・オーサー・コーチが羽生に
“脳震盪じゃなかった”と伝え、“どうする?”と促すと、羽生は
“滑りたい”と主張。
コーチも脳震盪じゃないなら大丈夫だろうと、出場を決断したのです」(別の関係者)
(以上引用 週刊新潮)
中国の公式ドクターに治療をしてもらいたくないというのは、言語とかそういった問題だったのでしょうか。
羽生選手は英語は堪能だそうですから、日本語が通じるドクターがいない以上、英語が通じるドクターのほうが安心だったのかもしれません。
それと、コーチは“どうする?”と聞いたとありますが、報道ではこうなっていましたね。
(以下引用)
世界選手権覇者の羽生は、あごを数針縫い、頭部は医療用ホチキスで傷口をふさぐ必要があるほどのけがを負ったが、医師の許可を得ると、ブライアン・オーサー(Brian Orser)コーチに
「今はヒーローになる時ではない」
と警告されながらも、フリースケーティング(FS)に臨んだ。
(以上引用 ライブドアニュース)
この辺りは、この関係者が聞いていないときにコーチがこう言ったのかもしれませんし、純粋に誤報とも思えませんが、ちょっとニュアンスが違いますね。
そしてこの関係者は、この流れにこんな疑問を投げかけています。
(以下引用)
「アメリカのドクターは脳震盪を起こしていないかどうか、ちゃんとチェックしたのでしょうか。
というのは脳震盪のチェック項目には、目を瞑って両足を縦に開き、1本の線上に20秒間、ふらつかずに立ち続けられるかを見るバランステスト、自分が今どこにいて今日はいつで、などと問うて脳の機能を確かめる認知テストなど、22もある。
ほかのスポーツでは、ひとつでも引っかかれば、その日はドクターストップにして選手に安静を命じ、精密検査を受けるように促します」
(以上引用 週刊新潮)
ちょっと検索してみたら、『スポーツ脳震盪評価テスト』というものがありました。
これが医師が行う脳震盪のチェック項目と同じものかはちょっと不明ですが、これをチェックするだけでも確かにかなり時間がかかりそうです。
→ Sport Concussion Assessment Tool 2 (スポーツ脳震盪評価テスト第 2 版)
Wikipediaにはフットボールで脳震盪が疑われた場合のチェック項目が書かれていました。
(以下引用)
脳震盪の疑いの所見とは、
・意識消失
・ぼんやりする
・嘔吐
・不適切なプレーをする
・ふらつく
・反応が遅い
・感情の変化(興奮状態、怒りやすい、神経質、不安)
脳震盪の疑いの症状とは、
・頭痛(プレーを続けることができない程度)
・ふらつき
・霧の中にいる感じ
・以下の質問に正しく答えられない(見当識障害・記憶障害)
『自分のチーム名を言いなさい』、
『今日は何月何日ですか』、
『ここはどこの競技場ですか』、
『今は、前半と後半のどちらですか』
バランステストとは、
『利き足でないほうの足を後ろにして、そのつま先に反対側の足の踵をつけて一直線上に立つ。両足に体重を均等にかけ、手を腰にして、目を閉じて20秒間じっと立つ。もしバランスを崩したら、目を開けて元の姿勢に戻してまた、目を閉じて続ける』を行う。
このとき、20秒間で、6回以上バランスを崩したら(下記のようなことが起こったら)、退場
・手が腰から離れる
・目を開ける
・よろめく
・5秒以上、元の姿勢に戻れない
(以上引用 Wikipedia)
この中のひとつでも該当する選手は、即刻退場となり競技および練習を継続することはできず、医師の診察や医療機関受診が義務付けられます。
そして、その後最低14日間は、いかなる運動も禁止して安静にしなければならないのだそうです。
週刊新潮では大学アメフト部でトレーナーを務める理学療法士の原田長氏に話を聞いています。
(以下引用)
「11分間で治療も脳震盪のチェックも終えるのは、難しいと思います。
脳震盪のチェックには、アメフトが専門で慣れている私でも10分はかかる。
ましてや、滅多にやらないフィギュアのドクターならもっと時間がかかるはず。
加えて外傷の治療もすれば、11分ではとても足りないでしょう」
そう言って、続ける。
「ヘルメットもしていない人間が、あれだけの強い衝撃を頭に受ければ、普通は脳震盪になります。
羽生選手が激突した翌日、日本臨床スポーツ医学会に出席したのですが、そこでも羽生選手の話題で持ちきりになって、どのスポーツに関わる先生も
“(強行出場は)ありえない”
と口を揃えていました。
アメフトやラグビーなら、少しでも脳震盪の危険性があれば、即座にドクターストップです」
(以上引用 週刊新潮)
※もし脳震盪だったとしたら…羽生選手は本当に命が危なかった…
→ 羽生結弦は極めて危機的な状況にあった!? 致死率50%の「セカンドインパクトシンドローム」とは?
専門の方が10分かかるものを、専門外の方が10分以内でやるというのは…やっぱりちょっと難しそうですよね。
ちょっと怪しくなってまいりました。
何と言っても頭です。
頭を打った場合は、本人が特に異常を感じていなくてもしばらくは安静にしなければならない、って言いますし、あれだけ激しく衝突した後なんですから、脳震盪は起こしていなかったとしても、競技続行はやはり周囲の大人が止めるべきだったような気がしますよね。
そのあたりをスケート連盟に聞くと、こういう答えだったそうです。
(以下引用)
「日本チームにドクターは帯同しなかったので、衝突時の羽生選手の状態についてはわかりません。
ケガの状態を見て連盟が判断するというルールもなく、現段階では、コーチと選手が出場すると決めたら、止めることはできません」
(以上引用 週刊新潮)
衝突時の羽生選手の状態は“わかりません”。
“止めることはできません”。
何とも他人事です。
これで羽生選手に重大な後遺症が出たりしたらどうするつもりなんでしょうか。
どうするつもり、というか、もし万が一そういうことがあった場合にも連盟には責任ないですからね!っていう主張でしょうね、これ。
あくまでコーチと本人が決めたんだからね!ってことですか。
酷いですね。
競技後の羽生選手の様子はというと…。
(以下引用)
「バックヤードの運ばれて医療用ベッドに寝かされ、母親やコーチが見守る中、演技前に応急治療をしてくれたアメリカの白人女医にあごは7針縫い、頭部3か所を医療用ホチキスで止めてもらいました。
元気そうでしたが、衝突で打ったお腹が痛く、
“演技中は呼吸ができずに辛かった”
と話していました」(先の帯同した関係者)
(以上引用 週刊新潮)
呼吸できないほどのお腹の痛みに耐えながらのあの演技ですか…すさまじい精神力ですね。
羽生選手の頑張りは本当に素晴らしく、それを批判するつもりは全くないのですが、やはり周囲がもう少しきちんと対応するべきですよね。
お腹にだって大切な臓器がたくさん入ってるわけで、その時は大丈夫のように思っても後から何か異常が出てくるということだってないわけではないでしょうし。
とりあえず今回は羽生選手が無事で本当によかったです。
しかし、これは単に運が良かっただけで、このままの状態でシステムに何の改善もなく同じようなことが繰り返されれば、次は悲劇が待っているかもしれません。
公式練習のやり方からドクターの配置、脳震盪の診断からその後の措置まで、改善すべき点は山盛りだと思います。
今回大丈夫だったから、でなあなあで済ますのではなく、スケート連盟にはきちんとしたルール作りをお願いしたいですね。
※この噂もちょっと心配…。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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