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「北朝鮮の強制収容所に10年いました、何か聞きたいことはある?」海外掲示板で質問を受け付ける:らばQ
2014年11月15日 18:23
 

北朝鮮の強制収容所に10年いました00
北朝鮮についてよく知らなかったとしても、強制収容所の環境が過酷であることは想像に難くありません。

海外掲示板に、「北朝鮮で10年間、政治犯として強制収容所に入れられていた」という人が、質問を受け付けていました。

北朝鮮の強制収容所に10年いました01
「私と家族は祖父が反逆罪で捕まったときに、一緒に政治犯の収容所に送られました。 北朝鮮から脱出して以来、ジャーナリスト、作家、そして人権活動家になりました。 現在、非政府組織である「北朝鮮ストラテジーセンター」の代表をしながら、北朝鮮の報道の自由を目指しています。 今日は(英語の)通訳と一緒に座りながら、みなさんの質問に受け答えしたいと思います。」(Reddit

Q: 脱北してから一番驚いたことは何ですか?
A: 川を渡り、夕食を与えてもらったとき、その食事の量の多さにショックを受けました。あまりに多い量だったので。
そして韓国では歯ブラシを買うときに10種類もありました。同じ機能を提供する同じ製品の種類の多さに、いったいどれを買っていいのか選べませんでした。

Q: 人々は理解していますか? つまり平均的な北朝鮮の人がどれくらい自国の現状をひどいか理解しているのでしょうか?
A: 平均的な北朝鮮の人が、日本の植民地時代や朝鮮戦争時と比べてさえも、良くないということはわかっています。そして今はさらにひどくなっています。 例えば、日本の植民地時代には松の木の樹皮を食べていました。だけど今はそれすらありません。少なくとも植民地時代には自由に旅行や売買ができていました。今ではほぼ不可能です。それから拷問の方法は植民地時代に比べてさらに過酷になりました。人々は植民地時代と常に比べています。
市場経済を知る今時の若者は少し違った見方をしています。彼らは中国が発展しているのを国境越しに目の当たりにしています。世界が発展していく間に自分たちが停滞していることを知っています。北朝鮮の全員がこの状況に気づいているわけではありませんが、以前より多くの人が気づき始めました。

Q: 北朝鮮についての一番の誤解は何だと思いますか? 欧米人が知るべきことで最も重要なことは何だと思いますか?
A: 自分が思う北朝鮮についての一番の誤解は、北朝鮮の人々が単純でナイーブ(うぶ、だまされやすい)と思われていることです。集団としての彼らは多くの苦難を乗り越えていて、彼らが困難な状態を乗り越えてサバイバルする能力は、想像されているよりもずっと高いものだと思います。 統一化は北朝鮮を全く無力化するように思われているようですが、絶対に彼らはうまくやると思います。 それから北朝鮮の人々が市場経済にとまどうと思っている人が多いようですが、ブラックマーケットは成長しており、政権の鼻先でそれが行われ、人々はその環境で働くことに慣れています。北朝鮮の人々はナイーブではありません。

Q: 北朝鮮の次の10〜20年はどうなっていくと思いますか? どんな社会を予測していますか?
A: もはや北朝鮮のシステムをこのまま維持できるとは思えません。現政権が崩壊するように後押しするには中国と韓国政府の役割が重要ですが、今のところそうした動きはありません。内政の問題だけ続いています。祖父の時代には国は安定していましたが、経済の問題はありました。この危機に韓国は援助と支援を行いました。しかしながら今ではそれがなくなり北朝鮮は変わるよりほかに選択もありません。中国をモデルとして北朝鮮が変わっていくことを心に描いています。10年以内に北朝鮮と韓国の国交が開かれていることでしょう。

Q: いろんな経験をした後、元の生活に戻るのはどのくらい困難でしたか?
A: 韓国の生活に適応するのはそれほど難しくありませんでしたが、もう一度学び直す必要はありました。 資本主義社会は人間の希望に沿っているということです。自由に動き、会いたい人に会い、この社会では自分の希望通りに生活ができました。なので韓国に適応するのにストレスはありませんでした。
家族は北朝鮮に住む前に日本に住んでいました。日本の近代的な文化のおかげでクラシック音楽を聴く機会がありました。韓国に来たときには友人からビートルズを紹介してもらい、すぐにCDを買い、友人もありがたがってくれ、それが今でも人気があると教えてくれました。

Q: 収容所の中では囚人同士が共有する感情を抱いたり、何らかの関係を持つことは簡単、あるいは可能ですか? それとも孤独になるように支配されていますか?
A: 私は同じく政治犯の収容所にいた、もうひとりの人物といっしょに脱出しました。そして他にも投獄された時期は違っても、同じ場所にいた囚人たちもいました。彼らとは良い関係を築けました。最初は囚人同士で敵対心を抱いたりしたこともありましたが、しばらしくすると全員で協力し合わなくてはいけないと思い始めました。なので良い関係を保っていました。

Q: あなたが見た中で最悪だったのは何ですか?
A: 最悪の記憶は収容所にいたときのことです。公開処刑が普通に行われ、みんながそれを見ます。あるとき2人の兵士が逃げようとしました。すぐに引き戻され、次に彼らは吊るされました。囚人たちは彼らに投石するよう強制され、皮膚が引きちぎれ、その後24時間放置され、カラスが彼らを食べ始めました。今でもそのときのことを鮮明に覚えています。

Q: 北朝鮮へ行く観光客についてどう感じていますか? 政権へ金銭を与えていると怒りを感じますか?
A: 観光そのものは続けられるといいと思いますが、ただ観光内容の制限については疑問を抱くべきです。 ケン・ベイやマヒュー・ミラー(拘束されたアメリカ人)たちは何か悪いことをしたというわけではありません。北朝鮮で写真を撮ったというだけで罰されたのです。観光は北朝鮮にポジティブな影響を与えるべきで、政府に制限を強要されるべきではありません。政府は観光者たちに自由に表現させ、好きなことを言わせるべきなのです。そうやって初めて北朝鮮にポジティブな影響となるのです。

Q: 北朝鮮の一般人は、中国やロシアからの影響をどのように考えていますか?
A: 一般の人々は中国やロシアに興味はありません。ただどうやって自分たちが食べていくか心配しているだけです。おそらくエリート階層は中国やロシアに意見があるかもしれません。

Q: 世界に知ってもらいたい、北朝鮮の事情をいくつか教えてください。
A: 北朝鮮政府は不誠実だと思っています。どんな形の援助さえ、決して人民には届かず、政権のみの利益となっていることを知って欲しいです。 例えば、大学や学校を建てるために資金を集めた教会がありました。それは今では他国へのサイバーテロに使われています。ニュースでは政府に向かってみんなが歓声を上げているシーンをよく見ますが、あれも全部嘘です。
元ロシア人囚人であるナタン・シャランスキーは、ロシアの抑圧された政権で生活する人は、二重生活をするようになると書いています。彼らは疑問でいっぱいです。表面上は政府を支援していますが、これは暴力につながります。彼は「なぜ、民主主義を世界に広げるのか」“The Case for Democracy”という本を出していますが、一読をオススメします。

Q: 初めて中国に到着したとき、どうやって中国語を学んだのですか? 中国には助けてくれる人はいましたか? 自活のためにどんな仕事をしましたか?
A: ヤル川を渡った先には朝鮮系中国人がたくさんいたので、言葉には不自由jはしませんでした。彼らが助けてくれたのですが、最初は観光客だと思われたようです。違うことがわかると通報されそうになりましたが、他の朝鮮語を話せる人が瀋陽市までの切符を買ってくれました。別の人が北京までの切符を買ってくれて、さらにその先で知り合った北朝鮮人がソウルまでのボートチケットを買ってくれました。3人が助けてくれたのです。
北朝鮮から中国に渡ったときにはいくらかのお金を持っていたので、しばらくはそれで過ごすことができました。大連市に着いた私を助けてくれたのは、韓国にヘビに密輸をしている人でした。すごい量のヘビがいて、面倒を見る人が必要だったので、宿泊や食事と引き換えにその世話を手伝いました。
韓国人はヘビを美食とみなしていて、収容所では何も食べるものがないときに(しかたなく)ヘビを食べていたので、理解することが困難な概念でした。

Q: 北朝鮮の亡命者として身の安全に不安に思うことがありますか? 現在住んでいるところが安全だと思いますか?
A: 今いるところを安全に感じていますが、北朝鮮の政府からは私を殺すという声明文が出され続けています。それに屈するようなことはありませんが、自分に対して言われる嘘については、かなり不服に思っています。幸運にも韓国の警察が保護してくれています。


多くの質問に丁寧に答えていました。

情報を拡散していくことが大切と感じているも、なかなか一般人へのリーチが困難なようです。

こちらもどうぞ。
「北朝鮮について何でも答えます」脱北した女性、海外掲示板で波乱万丈な体験を語る

I spent ten years living as a prisoner inside of a North Korean political prison camp.

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zeronpa | カテゴリ:政治・法律  海外の反応
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