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未完の超高層建造物6棟、その悲しき運命 : ギズモード・ジャパン

未完の超高層建造物6棟、その悲しき運命

2014.11.20 23:00
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最初はみんな鳴り物入りなんですけどね…。

家を作るのって、楽しいながらも結構なストレスです。まして超高層ビルを建てるとなると、途中いろんな問題が起きてカオスです。建設工事が始まっても、それは戦争や政治、経済情勢変化などなどいろんな事情でストップさせられてしまいます。

大規模プロジェクトの停止は世界中どこでも珍しくありません。米国に本拠を置くNPOの高層ビル・都市居住協議会(Council on Tall Buildings and Urban Habitat、CTBUH)が、これら失敗した高層ビルプロジェクトの中でも特に興味深いものをまとめていました。建設が始まったのに、途中で凍結されたプロジェクトです。

以下は、完成すれば世界一高いかそれに近い建物になれたのに、未完で終わったもののリストです。CTBUHでは「未完」のプロジェクトとは「現場での工事が始まったが、完全に停止してしまい、今後工事が再開されるという情報もない」ものと定義しています。こちらのPDFには、CTBUHによる調査結果がフルにまとまっています。


ナキール・タワー:杭打ち中


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Image: Inhabitat


2008年のリーマン・ショックが一番目に見えて影響した都市はドバイで、そこでは数十件もの著名プロジェクトが停止の憂き目にあいました。そのひとつがナキール・タワー、提案段階では3,300フィート(約1,000m!)の超々高層ビルで、エレヴェーターは156基もできるはずでした。

ナキール・タワーはドバイの街の隣に作られた世界最大の人工島パーム・ジュメイラに位置し、経済的にもビジュアル的にもその中心となるべくデザインされていました。でもその島は今、本土側の海岸線侵食や環境問題の原因として指摘されています。


ロシア・タワー:掘削開始


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こちらも2008年経済危機の産物です。高さ2,008フィート(約612m)のロシア・タワーは、景気が急降下したときはすでに工事開始から1年以上経過していました。その時点でデヴェロッパーが必要な30億ドル(約3,500億円)を支払えないと発表し、現場は駐車場に作り変えられることになりました。


インド・タワー:基礎工事中


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ムンバイのインド・タワーは上ふたつとは違い、不景気になってから生まれたアイデアでした。高さ2,356フィート(約718m)のタワーは2010年に計画されたのですが、工事が始まった次の年に停止され、今もそのままになっています。


ドーハ・コンベンションセンター:基礎完成


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高さ1,808フィート(約551メートル)のこちらは、世界最高層ビルのひとつになるはずでした。ただ問題は、あまりに高すぎて近くのドーハ国際空港での離着陸の邪魔になることが懸念されたことです。工事は新たにハマド国際空港が完成できるまで保留されたあげく、最終的にはキャンセルされてしまいました。


ブルジュ・アル・アラム:杭打ち中


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このリストにはドバイのビルがたくさん出てくるのですが、こちらもそのひとつです。ドバイの不動産ブームは2008年まで指数関数的成長を遂げていて、この手のドラマティックで見目麗しいタワーが流行っていました。花を模した形で高さは1,670フィート(約510m)の予定でしたが、徐々にトーンダウンして結局2013年にキャンセルされました。


ソビエト宮殿:建設開始


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Image: Pabouk


ソヴィエト宮殿は、帝政ロシアに対するアンチテーゼでした。それは救世主ハリストス大聖堂を破壊した跡地に人民の宮殿として建設され、新生ソビエト連邦の代表者が集まる党大会会議場となる予定でした。完成すればそれは高さ1,624フィート(約495m)となり、当時世界一高いビルになるはずでした。実際に工事も始まったのですが、第二次世界大戦開戦で停止されてしまいました。


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Image: Pabouk


でも終戦後に円形の基礎部分はモスクワ水泳場に変身し、数十年の間世界最大級のプールとなっていました。さらにソ連崩壊後にはもともとあった救世主ハリストス大聖堂の再建が開始され、こちらは2000年に無事完成しています。長い時間を経れば、本当に望まれるものは作られ、そうでないものは淘汰されていくということなのかもしれません。


source:CTBUH

Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文
(miho)

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