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植物にとって天敵となるのは寄生生物たちである。植物からごっそりと栄養を奪っていくばかりか、その形状すらエイリアンのように変えてしまうのだ。エイリアン化した植物は人間にとっても視覚的なダメージを与える。特にツブツブ恐怖症(トライポフォビア)の人の受ける衝撃は計り知れないものがあるかもしれない。
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植物にできる様々な形状の変化は、主に寄生生物によって生じる。寄生生物にはバクテリアや菌類、そして昆虫類やダニも含まれる。インベーダーである彼らは、まるで元々その植物の一部であるかのように同化したり、高度な技をつかってツブツブやこぶを作り上げる。
下の写真はタマバチの一種が寄生して作り上げたこぶだ。オークの木に寄生したタマバチは、葉の裏側にこぶを作り栄養分を補給し、冬には落ち葉と一緒に地面に降りる。ここからはメスのみが生まれるという。
タマバチの幼虫はさなぎになった後、3月頃、こぶから出てきて卵をオークの芽に産み付ける。そこから次世代が生まれてくる。この次世代タマバチも葉に卵を産み付ける。そしてまた産まれてと、これが永遠に繰り返されるのだ。
植物のこぶは昆虫やダニだけが原因ではない。下の写真は、米オレゴン州のツガの木にできたこぶだ。菌類の一種でまるで木に宿った人面のようだ。このこぶの大きさは猫ぐらいの大きさだという。
下の写真はタマバチが原因でできたこぶ「アーティーチョークこぶ」だ。野菜のアーティーチョークに似ていることからこの名がつけられた。だが食べられないので要注意だ。ヨーロッパナラの木は卵を産み付けらると、芽が化学的な作用を受けて変形してこのようなこぶになる。
「アーティーチョークこぶ」の中には固い殻があり、秋になるまで幼虫がそこに住む。ここで育つハチは、無性となる。尾状花序(びじょうかじょ)と呼ばれる円筒状の花の集まりにも卵が産み付けられるが、そこで育ったハチが生殖可能で、また新たな跡継ぎを生む。タマバチは、昆虫の中でも数少ない、無性と生殖可能なものの両方を生む種類なのだ。こぶの中身はこうなっている。
次のこぶは「クノッパーこぶ」と呼ばれるものだ。クノッパーとはドイツ語で、17世紀に着用された、とげや房が付いたヘルメットのを意味するものだ。クノッパーこぶにはタマバチの幼虫がいくつか入っている。でっぱったり尖ったりしているのは、中の昆虫が場所の取り合いで互いに押しあった結果こうなったのである。
ハチだけではなく、アブラムシの一種も植物にこぶを形成する。ハコヤナギの葉っぱの柄に寄生し、7月になると、葉を地面に落として生まれてくる。地面で食料を探す。
中にはとても美しいこぶもある。「薔薇こぶ」あるいは「コマドリの針刺し」と呼ばれるこぶだ。タマバチの一種によりつくられるこれらのこぶには、60個もの卵を含んでいる。
中世には、このこぶを乾燥して粉砕し、歯痛の治療に使ったそうだ。頭皮にもみこめばハゲを改善し、枕の下に入れると不眠症を改善する、とも信じられていた。
見た目は美しくても、中にはぎっしり60匹もの幼虫が詰まっている。
次に見るのはショウジョウバエがつくったコブである。北カリフォルニアのブルーオークの木にあったものだ。
こぶが卵のように見えるものもあるが、実際にはこぶの内に卵がある。こぶは卵を保護する為のものだ。綺麗に見えるもののあるけれども、宿主となる植物の繁殖力を衰えさせ、最後には植物を殺してしまう。
とげとげの形をしたこぶもある。これはスローベリーの木に菌類が寄生してできたこぶだ。通称、ポケットプラム。もちろん食べられない。
まるで果実のようなこぶもあるが、この突起は中の幼虫が場所争いで押し合ってできたものであることを忘れてはならない。
芋虫っぽいこぶもある。ヤナギの一種に見られる。1つ1つが幼虫の部屋だ。
丸くて木の実のように見えるこのこぶは、オークアップル(没食子:もっしょくし)だ。直径5センチほどで、出来始めの頃はリンゴのようにも見える。アメリカでもイギリスでも見られ、呼び名も同じだが、それぞれ違う種類のハチによって生じる。
これらは人間の役に立つ。中の幼虫は釣り餌に使える。もしオークの森で迷子になって食べ物が無い時は、タンパク質たっぷりの幼虫を食べると良い。
あるオークの一種には最も奇妙なこぶができる。まるで人間の脳がぶら下がっているように見える。
ライムの木にもダニが原因で独特なこぶができる。にょきにょきとした突起が、ライムの木の葉の表面を覆う。赤い色のせいでよく目立つ。春の終り頃に見られる。
そのダニは、冬の間は樹皮の裂け目の中で過ごす。体長は約2ミリほどだが、葉にドラマティックな影響を与えるに十分な強力な化学物質を分泌する。こぶで育ったダニは秋に出てきて、樹皮で冬を過ごし、また春にはまた葉に卵を産み、と、このサイクルの繰り返しだ。
こぶは物によっては本当にエイリアンの卵のように見える。中の幼虫が成長したら人類に脅威を与えるのでは、と思えるほどだ。
via:.kuriositas・原文翻訳:Erene
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コメント
1. 匿名処理班
予想以上に気持ち悪かった
2. 匿名処理班
最初の写真からもうダメだろー><
3. 匿名処理班
虫こぶって色々あるんだねえ
4. 匿名処理班
虫瘤は、芸術的なものもあるからこっそりと好き。
パルモたん、取り上げてくれてありがとう!!
5. 匿名処理班
気持ち悪いは気持ち悪いんだが、生命の神秘を感じずにはいられない。
寄生だけでこんなに見事に色や形まで違うものが出来るのか
6. 匿名処理班
ある意味閲覧注意
7. 匿名処理班
>もしオークの森で迷子になって食べ物が無い時は、タンパク質たっぷりの幼虫を食べると良い。
嫌です
8. 匿名処理班
む、虫の開けた穴が・・・穴が・・・
そして最後の・・・・!!(@Д@。;)
ひさしぶりの蓮コラで背筋がぞわわって・・・・!!
あかんてパルモたん
9. 匿名処理班
虫こぶをわざわざ集めて染料なんかに利用する例もある
お歯黒の材料も虫こぶだったはず
10. 匿名処理班
リアルつぶつぶだけはあかん。リアルぶつぶつだけはあかん。
蓮コラ以上の破壊力がある。なのになぜか見てしまい背中が痒くなる。
11. 匿名処理班
一枚目からキツすぎ
12. 匿名処理班
アッこれアカン…
13. 匿名処理班
あかん。かゆい。あかん。
14. 匿名処理班
うーん キモい
15. 匿名処理班
軽い気持ちで見た事を後悔するほどだった
16. 匿名処理班
焼き払いたい
17. 匿名処理班
こぶとり爺さんのこぶって幼虫が入ってたのかも
18. 匿名処理班
最後のはサビ菌か
たしか一回紹介記事あったよね
19. 匿名処理班
ラストが最もエグい形状だった件
20. 匿名処理班
人間から見たら気持ち悪い寄生産物でも、植物から見たら「おしゃれ」なのかも知れない
例えば、男性をイケメンにする寄生バクテリアが進化したら戦略的には大成功なのだろう
21. 匿名処理班
自然が造り出す嫌悪感に人間の想像力じゃ太刀打ち出来んね
それはそうと珍しく記事読みにくかった
22. 匿名処理班
あまりのぶつぶつ感に、手がワナワナした
23.
24. 匿名処理班
とにかくキモい…
場所の取り合いでどうしてあんなに尖るのかも不思議だ
25.
26. 匿名処理班
こういうの。こういうのだよ、俺がカラパイアに求めてるのは。
27. 匿名処理班
キてるねぇ
28. 匿名処理班
首筋がゾクゾクッ!
29. 匿名処理班
全部に断面図もしくは顕微鏡図ついてればよかったのになあ
主が見たい
30. 匿名処理班
ギャー
31. 匿名処理班
最後の画像きめえええ
RPGの中盤あたりにある森ステージのボス
32. 匿名処理班
芋虫に似てるコブって芋虫に間違えられて鳥なんかに食べられるっていう危険性はないんだろうか
木の実に似てるのもそうだけど
あえて危険度の増す擬態って感じで不思議だな
33. 匿名処理班
いいねーこういうの
34. 匿名処理班
パルモん、同世代だな
35. 匿名処理班
ぱっくり割れて寄生獣の幼虫が出てきそう
36. 匿名処理班
お前ら繊細だな
37. 匿名処理班
そいつは蟲の仕業だ
38. 匿名処理班
閲覧注意って書いてあるのに、そして案の定、震えがくるほど気持ち悪いのに、結局最後まで見てコメントまでしてしまうのはなぜなのか。
自分が分からない。
39.
40. 匿名処理班
知らなかったら実と間違って食べちゃいそうだ
41.
42. 匿名処理班
あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ… ブツブツ系と赤いのがニョキニョキしてるのはマジでアカン… 頭皮が鳥肌ぞわわわわわ(;´Д`)
43. 匿名処理班
首筋が痒くなる…
44. 匿名処理班
オークの森のやつ寄生獣が出てきた卵に似てる
45. 匿名処理班
中が見たい。わくわく。
46. 匿名処理班
一枚目に一番キツイのが来たな
47. 匿名処理班
無理無理無理!!!途中からスクロールバー全下げしたよ、これぞカラパイアだようおおお無理いいい!!!
48. 匿名処理班
最後のレギオンっぷりと言ったら・・・
49. 匿名処理班
こうゆうのを見てゾワゾワするのは生物の本能なんかね?
恐らく見るものに対して恐怖や嫌悪感を感じさせることで、寄生生物は捕食者から自己の生存率を上げているんだろうけど