今週、アメリカの首都ワシントンＤ．Ｃ．で北米神経科学学会による記者会見が開かれました。

発表内容によると、６０代の被験者４００人を対象に行った８年間に及ぶ研究により、肥満体の人は人間

の記憶を司る脳の「海馬」と呼ばれる部分が標準体型の人に比べ、約半分縮小していることがわかった

とのこと。

画像：【海馬（黄色い部分）】

http://www.ucl.ac.uk/cdb/research/okeefe/research

１年間に約２％ずつ縮小し、その進行の早さはアルツハイマー（認知症）と同等レベル。

記憶力や集中力の低下、感情や意思決定などに影響を及ぼす可能性があると指摘しています。

研究者の１人でオーストラリア国立大学の神経科学者、ニコラス・チェルビン氏は

画像：【ニコラス・チェルビン氏】

http://www.canberratimes.com.au/act-news/experts-brainwave-leads-to-700000-grant-20120725-22rea.html

「年を取り、退職したから関係ないと思うかもしれないが、安心してはいられない」
「いま対策を打たなければ、２０年、３０年先に大きな代償を払うだろう」

と警告。

肥満と「海馬」の関係についてはまだ明らかになっていませんが、脂肪細胞から出る”免疫系化学物質”が

「海馬」の細胞を死滅させ、新たな細胞の誕生を阻害するのではないかと推測しています。

また医療系で有名なピッツバーグ大学の神経学者、ジュディ―・キャメロン氏も

「肥満と認知能力低下を関連付けた動物実験に照らし合わせると、今回の研究報告は信頼性がある」

と話しています。

（参考：http://news.nationalgeographic.com/news/2014/11/141118-obesity-brain-memory-alzheimers-aging-health-science-ngfood/）

怖い研究報告ですが、肥満傾向にある人はダイエットも真剣に考えた方が良さそうです。