ハーマイオニー「私……ロンと、離婚するわ」ハリー「……」
ハーマイオニー「本気よ。もうたくさんなの」
ハリー「……」
ハーマイオニー「あなたとジニーにも、迷惑がかかると思うわ……でも、私、限界よ」
ハリー「……」
ハーマイオニー「まだ子供がいなかったのが幸いだわね……あぁ、あなたとジニーの子供を見て、羨ましくは……思うわ」
ハリー「……」
ハーマイオニー「でも、私、決めたわ。ロンと……ちょっと?」
ハリー「……」
ハーマイオニー「ちょっと、ハリー?聞いてるの?」
ハリー「……あぁ、えっと、うん。聞いてるよ」
ハリー「この半年で三回目になる君のこの話題も、僕は一つも呆れる事なく聞いてるとも。もちのきみの旦那様でね」
ハーマイオニー「失礼ね、もう四回目よ、これで」
ハリー「君は相変わらず優秀だね、まったく」
ハリー「今度は何だって言うんだい?え?ロンがまた何かしでかしたのかい?」
ハーマイオニー「そうよ、あの人はいつだって!もう!」
ハリー「あー、熱く語りだす前に、さ。ほら、お茶だよ。これでも飲んで少しは落ち着いてくれるとありがたいな」
ハーマイオニー「あら、ありがとう……このカップ、ステキよね。いい趣味してるわ、ジニー」
ハリー「うん、何せこうやってたずねてくる君達専用にってジニーが買ってきたものだからね」
ハーマイオニー「持つべき者は親友夫婦だわ」
ハリー「親友、そっか、そう思ってくれてたんだ。よかった。僕はもう君達が僕の事、家庭問題相談所の人だとでも思ってるんじゃないかと心配していたよ」
ハーマイオニー「これまでのことを思い出してみて、ハリー!ロンはいっつも!いつだって!」
ハリー「君があぁやって怒りながら我が家の扉を吹き飛ばさん限りに入ってくる光景も見慣れてきたよ、うん」
ハーマイオニー「闇祓いを辞める時も、私になんの相談も断りもなく!私、同僚から聞かされたのよ!?」
ハリー「あー、うん、それはさ、ロンも散々悩んだことだから……」
ハーマイオニー「そう、そうよね、貴方には散々相談していたんですものね、敏腕闇払いのポッターさん」
ハリー「そこで僕にまで火の粉飛ばさないでくれよ……でもほら、その後もジョージのWWWを手伝って上手くいってるじゃないか?」
ハーマイオニー「結果論だわ!まったく……路頭に迷うことになったらどうするつもりだったのかしら」
ハリー「……でもあの時君が一番怒ってたのって確か、朝の通勤が一緒じゃなくなったからとかじゃ――あ、うん。なんでもないよ。なんでも」
ハーマイオニー「そうしていただけると忘却術する手間が省けるわ」
ハリー「二人が幸せなキスをして帰ってったところまでしっかり覚えてるよ、僕は」
ガチャッ
ジニー「ただいま。あら、ハーマイオニー。ロンは生きてる?」
ハーマイオニー「……まだ何も言っていないじゃない」
ジニー「あなた一人で家に来てたら聞かなくても大体分かるわよ」
ハリー「……お帰り。ジェームズ、いい子にしてたかい?」
ジェームズ「ろなるどよりはね。はーみーおばさん、また喧嘩したの?」
ハリー「お前にはまだ早い。ほら、あっちにお菓子があるから、おばさんにお礼言ってから食べなさい」
ジェームズ「やった! はーみー、ありがとう!」
ハーマイオニー「えぇ……ジェームズって、まだ三つよね?」
ハリー「そうだね」
ハーマイオニー「……聡明と言うか、何と言うか」
ハリー「あー、うん。名前のせいかと最近後悔してるよ……父さんに」
ハーマイオニー「シリウスだものね、えぇ……末恐ろしいわ」
ジニー「今度はロンが何したの?料理が不味いって?」
ハーマイオニー「それは先々週ね……よりにもよって、『今度の夕食、クリーチャーに作らせればどうだい?』だなんて」
ハリー「反吐反吐聞こえる気がするよ……マグル文化を馬鹿にでもしたのかい?」
ハーマイオニー「それは先月だわ。『映画?動いて音がでる、それだけだろ?それにこんなに高い金払うなんて馬鹿げてる!マーリンの髭!』」
ハリー「それは多分、勧める作品が悪かったんだと思うな……単純で面白そうな映画なら、ロンも食いついただろうから」
ジニー「じゃあ、何なの?今更頼りがいがないとか女々しいとか、ウドの大木とか甲斐性無しとか、無神経のとーへんぼくでハリーにべったりなのをどうにかしてとかは聞き飽きたわよ?」
ハリー「二人だと僕との時以上に辛辣なんだね……最後なんだいそれ」
ハーマイオニー「あの、ね……」
ハーマイオニー「ロンが……浮気、してるのよ!!!」
ジニー「ハリー、私、お茶淹れてくるから」
ハリー「頼むよ。あ、ジェームズ。全部食べるんじゃないぞ?父さんたちにも……」
ハーマイオニー「真面目に聞いて!!」
ハリー「えぇ……だって絶対に、君の勘違いだよ。闇祓いの勘がそう言ってる」
ジニー「ロンにそんな器用なまねできないと思うわ。元シーカーの直感が確信してる」
ハーマイオニー「いいえ、絶対よ!だから私は、今度は!本気なの!」
ジニー「それ、前回も前々回も聞いてる」
ハリー「仕事仕事でそんな暇もないと思うけどなぁ……ダイアゴン支店は今じゃロン一人でやってるんだろう?」
ハーマイオニー「えぇ」
ジニー「でも、きっとハリー程じゃないわね、忙しさで言えば」
ハリー「キングズリーのおかげさまでね……ハーマイオニーはそれ以上だけど」
ハーマイオニー「私の事はいいのよ。そう、でも、それもフリだったに違いないわ」
ハリー「ロンが君を騙せるところが想像できないよ」
ジニー「マーリンのマの字も言えずにレジリメンスされそう」
ハーマイオニー「……さっきから二人とも、ロンにきつすぎない!?」
ハリー「離婚しようとしてる人が何か言ってるよ……」
ハーマイオニー「分かったわ……そこまで疑うなら……本当は、二人をここまで巻き込むつもりはなかったのだけど」
ハリー「思えば君達二人の問題が僕らに伝わらなかった事が今まであっただろうか」
ジニー「ないわね。今日もハーマイオニーが来なかったら、ロンが此処にいるに決まっているし」
ハーマイオニー「さぁ、これをみて!これが、証拠よ!」
ハリー「写真?……あー」
ジニー「……ロンが……これ、漏れ鍋の一室?あー、相手はこっちに背を向けてて、分からないけど」
ハーマイオニー「相手が女性なのは分かるわね!それで、泣いているようだと言うのも!?」
ハリー「……うーん」
ジニー「……」
ジェームズ「僕、ちょっと外で遊んでくるね」
ハリー「あぁ、気が利く息子で嬉しいよ……これは、誰が?」
ハーマイオニー「とあるコガネムシに依頼したの。ほら、私いま規制管理部だから、例のあれの事で脅し、オホン。相談して」
ハリー「……どうりで奴さんが、僕らに関してはこき下ろすのに、君に関する記事だけはマイルドな表現なわけだよ、あぁ」
ポッター家庭
ジェームズ「……」
ガサガサッ
ジェームズ「……」
ジェームズ「クソ爆弾一箱でどう?」
……
ガサガサッ
バサッ
ロン「足元見やがるなぁ……ほらよ。透明マントもってきたかい、チビスケ」
ジェームズ「うん。もちのロナルド」
ロン「この際呼び捨てなのは見逃してやるよ。さ、裏口から入ろうか……これ以上こじれると、後が恐いしね」
ハリー「でもさ、ハーマイオニー……」
ハーマイオニー「でもも杓子もマクゴナガル先生もないわ!」
ジニー「この写真、音が入ってないね。そっちのが多いけど、あのリータ婆ぁならしっかりその辺り押さえそうだけど
ハーマイオニー「隠密撮影だったから、とか言っていたわ……そんな場所で密会して、二人で……」
ハリー「まずは落ち着いて……ほら、お茶だよ」
ハーマイオニー「えぇ、ありがとう……でも、何であろうと、私に黙ってこうやって――」
グビッ
ハーマイオニー「知らない誰かと……ヒック」
ハリー「……ハーマイオニー?」
ハーマイオニー「あぁ、熱いわ……ヒック……ロン、ロンなんて……あのおたんちん!!」
ハリー「……ジニー」
ジニー「……もう酔いつぶれてもらおうと思って、さっき淹れたお茶に……ウィスキーを」
ハリー「よりによって……」
ハーマイオニー「マーリンの猿股!!!!」
ハーマイオニー「今度という、ヒック!今度は!ヒック!」
ハリー「は、ハーマイオニー、ほら、水、水を……」
ハーマイオニー「思えば学生の頃から!ヒック!あの人は!ヒック!」
ハリー「そうだね、うん。あいつは困ったやつだ、うん」
ハーマイオニー「そうよ!私といっつも一々言い合って!」
ハリー「楽しんでた節があることに僕はすぐ気づいたけどね、うん」
ハーマイオニー「あなたとも、ハリー!何度も、ヒック!私が、ヒック!どれだけ心配したと!」
ハリー「うん、あー、僕もあの時は意地になってたし。おあいこさ」
ハーマイオニー「そうよ!私が、あなたを支えてる間!ヒック!ロンは!まったく!」
ハリー「うん、うん。君は頼りになるよ、本当。君のおかげさ」
ハーマイオニー「そうよ、えぇ。私、あなたのため、ヒック……あぁ、ハリー」
ハリー「なんだい?」
ハーマイオニー「わたし……ヒック……あなたと結婚すればよかった」
ハリー「……あー」
ジニー「きゃー、うわきよー」
ハリー「……ジニー、そりゃね、もうすっかり定型句になってるけどさ。少しは焦ってほしいな、夫としては」
ハーマイオニー「そうよ……そうよ!どうして私、ヒック!ロンじゃなくて、あなたと結婚してないの!?」
ハリー「そりゃ、君がロンと結婚したからだろう?」
ハーマイオニー「私、あなたとずっと一緒にいたのに!ロンが離れてる間も!」
ハリー「あー、三年生の時以外はね」
ハーマイオニー「あれも、あなたの為を思って、ヒック!ファイアボルトのことを報告したからだわ!」
ハリー「うん、君にはとても感謝してるよ、うん。でもほら、前にも言ったけど……お互い言ったはずだけど……君はほら、妹みたいに想ってるから」
ハーマイオニー「ジニーは、ロンのなに!?」
ハリー「……妹だね?」
ハーマイオニー「ほら!あなた、妹でもいいんじゃない!!」
ハリー「帰ってきてくれハーマイオニー、頼むから。何言ってるの君」
ハーマイオニー「だいいち……私が妹!?ポッターさん、ちょっとおふざけが過ぎるんじゃないかしら!]
ハリー「
コメント一覧
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- 2014年11月23日 20:17
- これ、ハニーの人でしょう
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- 2014年11月23日 20:22
- またお前かwww
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- 2014年11月23日 22:28
- 末永く爆発しろwwwww
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- 2014年11月23日 22:30
- ハニーの人でタグ作った方が良いレベルだろ
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- 2014年11月23日 22:35
- やったぜ。
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- 2014年11月23日 22:49
- お前のSSは毎度毎度…素晴らしいぜっ!!!
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- 2014年11月23日 22:57
- 良かった、最近アレな人ばかりだから不安だったけどいつもの人だ
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- 2014年11月23日 23:02
- この人のSSってハリポタは良いけど禁書のは大嫌い
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- 2014年11月23日 23:10
- 上手いなぁ
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- 2014年11月23日 23:57
- 相変わらずの腕前だなこの作者は
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