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パッケージ・トラップにご用心(アルバトロス編)
column コラム
レンタル屋さんで借りてきたDVDをいざ鑑賞したら、なんじゃこれ!?見たかったやつと全然違う!
なんてことありませんか?
パッケージはそっくりなのに、よく見たらタイトルがちょっと違うっ!?
我々はコレを「パッケージ・トラップ」と呼んでいます。(我々というのが誰かはわかりませんが)
そんなパッケージトラップ作品を次々と世に送り出している会社があります。
知る人ぞ知る「アルバトロス社」。
今日は彼らの徹底した模倣犯っぷりをその目で確かめ、悲劇を二度と繰り返さないようにしましょう。
では、アルバトロスの作品の数々を見てみましょう。
『ダ・ヴィンチ・コード』→『ダ・ヴィンチ・プロジェクト』
まずはこちら。全世界で大ヒットしたダン・ブラウン原作の「ダヴィンチ・コード」。
対するアルバトロスは贋作「ダヴィンチ・プロジェクト」を世に送り出しました。
全然違うんですけど、不注意な人はうっかり間違えちゃいますね。
右は「モナリザ」でもないし・・・「白貂を抱く貴婦人」です。
・・・知らないし。
変な髪形のトム・ハンクスがいるほうが正解です。
『トランスフォーマー』→『トランスバトラー』
続いては超大作大ヒットSF映画「トランスフォーマー」。
対するアルバトロス社がぶつけてきたのはフィリピン制作「トランスバトラー」。
これはもう同じ種類のロボットとしか思えません。
が、よく見るとバトラーの方はサイズ感がだいぶ小さいです。車のサイズからすると推定18m位です。
出演するフィリピン女性が美人だとamazonレビューで高評価を得ております。
フィリピン好きな社長に勧めると商談がまとまりやすくなるかもしれません。
トランスフォーマーのことを「ロボットが出てるSF映画」程度しか知らないとトラップの餌食です。
『ジュラシック・パーク』→『ジュラシック・レイク』
超メジャー作品「ジュラシック・パーク」にもアルバトロスは果敢に立ち向かいます。
これは模倣やパクリではなく挑戦なのかもしれません。
ただ、これを間違えるとなると救いようがありません。間違えたほうにも責任があります。
その人の今まで見てきた映画は全て別物の可能性もあります。
パッケージ自体は一瞬迷いますが、「奴らは生きていた」でなんか違うっ!と我に返りましょう。
『SAW』→『JIGSAW』
「ソリッドシチュエーションスリラー」という意味のわからないジャンルを確立した「SAW」。
アルバトロスは「JIGSAW」(原題:EYES OF CRYSTAL)というタイトルで勝負。
いわゆる「続編風トラップ」です。
この手法は多くの被害者が続出しています。本家の人気にあやかった便乗手法です。
多くの場合は、続編でもなんでもないよくわからないB級映画です。
「JIGSAW」も、もちろんSAWの続編でもなんでもありません。
ジグソーという言葉も本編には全くでないし。
にもかかわらず、何故かシリーズ化されているひそかな人気のあるシリーズ作品です。
『パラノーマル・アクティビティ』→『パラノーマル・エンティティ』
なんかこうなってくると、もうどっちでもいいやって感じになります。
『スイミング・プール』→『ミステリアス・サマー』
フランスの奇才、フランソワ・オゾン監督のサスペンス映画「スイミング・プール」。
こういったミニシアター系にだって、アルバトロスは牙をむきます。
見てくださいよ、これ。左が本物ですよ。間違えないで下さい。
映画館に行こうと思って行けなかったアレ、なんだったっけ?あのポスターだけは覚えてんだけどなぁ、っていう人がターゲットです。
タイトルフォントの両サイドの垂れ具合に模倣職人のこだわりを感じられます。
『40歳の童貞男』→『13歳のハゲ男』
語呂で攻めるというパターンも持っています。
どちらにしても嫌なタイトルですが、これを間違える人はなんか自業自得ですね。
ただ、間違えてもそんなに被害が少なそうでもあります。
『インディ・ジョーンズ』→『レディ・ジョーンズ バカチン帝国と失われた秘宝』
みんな知ってるアドベンチャーアクション大作「インディ・ジョーンズ」。
これはもはや間違いようがありませんが、好奇心はかき立てられます。バカチン帝国って・・・。
ジャンルは「セクシーアドベンチャー」。好奇心は書き立てられます。
聖なるエロス像を探すらしいです・・・なんていうか、その、バカですね。
ついでにこちらはアルバトロスじゃないですが我慢できずに紹介します。
インリン・ジョーンズって。。。
こちらもきっとセクシーアドベンチャーなんでしょうね。知らないけど。
インリンの左下に見えるのはイジリー岡田になります。
あ、じゃあセクシーアドベンチャーですね。
『プラダを着た悪魔』→『悪魔のような双子』
OLみんな大好き「プラダを着た悪魔」。
アルバトロスはここにも冷酷な罠をしかけていきます。
彼女に借りてきてと頼まれて「悪魔のような双子」を借りてきてしまうととんでもない悲劇になります。
なんてったって「悪魔のような双子」はエロティックサスペンスですから。気をつけてください。
もしかしたら、逆に二人の関係が一気に縮まる可能性もありますが、お勧めはできません。
『プラダを着た悪魔』→『何も着ていない悪魔』
OLみんな大好き「プラダを着た悪魔」第2弾。
これぞアルバトロスの真骨頂!プラダなんか脱ぎ捨てました。
このネーミングセンスは素晴らしい。ただの裸ですもんね。真逆です、真逆。
これを許すともう何でもありな気がします。
「帰ってこないウルトラマン」「ハリーポッターと秘密じゃない部屋」「ミッション・ポシブル」
全然興味わかない映画が大量にできちゃいます。
もちろん、これもエロティックドラマ。
『アルマゲドン』→『アルマゲドン20XX』
最終的にシリーズでこんなに作っちゃいました。そこまでやるかアルバトロス!
壮絶な地球の物語を感じることができると思います。
2007年、地球に月が落ちてきました。
2008年、地球に巨大隕石が落ちてきました。
2009年、やっぱり地球に巨大隕石が落ちてきました。(貫通してるし)
2010年、地球に巨大彗星が落ちてきました。もう地球爆発直前。
2011年、地球に無数の流星雨が落ちてきました。ATフィールド作動!
2012年、最終的に地球をブラックホールが襲ってきました。吸われる地球。
大丈夫か地球!
こうなってくると毎年ずっと続いて欲しい!そんな気持ちになってきます。
いかがでしたでしょうか?
アルバトロス社のパッケージトラップ作品の数々。
彼らの作品の被害にあった人もいるでしょう。
時間を返せ!意外に面白かったぞ!様々な意見があると思います。
確かに「パッケージ・トラップ」には多くの問題があるかもしれません。
しかし、私は自分に問うてみます。
「パッケージ・トラップ」はサービス過剰の日本で疑うことをしなくなった日本人への警鐘ではないか?
はたまた、このコンテンツ消費社会へ対するひとつのアンチテーゼを提唱しているのではないか?
そして、私はひとつの答えを確信します。
いや、ただ単純に便乗してるだけだと。