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海未「ここが次の世界ですか…」


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クリスタ「え?もう出ちゃったの?」シコシコ








1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:17:07.51


海未「(今日も18:24分にこの角でトラックに轢かれて死ぬというのに)」

海未「(私には……明日がない)」

海未「(もう何千回もトラックに轢かれていますが、やはり死ぬときの感触は慣れませんね…)」

穂乃果「…?おーい海未ちゃん!」

海未「はっ、はい!?」

穂乃果「もぉー、穂乃果の話ちゃんと
聞いてよー」

海未「す、すみません…ぼーっとしてました」

海未「(この話も何度聞いたか覚えていません)」

穂乃果「じゃあここでお別れね!また明日!バイバーイ!!」

海未「はい。また明日。」

海未「(このやり取りも………)」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:23:54.07


海未「(あと5分…あと5分で私は……死ぬ)」

海未「運命には逆らえません」ニコッ




海未「あちらからトラックが……」

海未「こ……来ない……?」

海未「へ……な、なぜですか…」

海未「私は今まで何千回もこの時間にここで死んできたのに」

海未「私は死を受け入れた。死を恐ることもなくなった。生きる意志もなくなった。でも…」

海未「こんなことがあるなら……また生きたくなるじゃないですかぁ!!!」ポロポロ

ププ---
キイイイイイイイイイイ

ドシャ--ン


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:28:14.77


海未「………また死んだのですね…」

海未「少しでも希望を持った私が馬鹿でした……うぐっ…」ヒクヒク

海未「くっ…ううぅ……ぐすっ……」ポロポロ

ピカ-ン

海未「……また次の世界がやってくるのですね…」

海未「運命は……本当に変えられないのでしょうか………」


ホワワ-ン


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:31:54.46


穂乃果「おっはよー!!」

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、おはようっ」

海未「2人とも…おはようございます」

穂乃果「あれ?海未ちゃんちょっと元気ない?」

海未「い、いえ!今日も元気いっぱいですよ!」

穂乃果「そっかー、よかった!」

海未「(今日も同じ会話……)」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:36:46.78


海未「ワン、ツー、スリー、フォー」

8人「ふっふっふっふっ」

海未「(このあと…にこがこけてみんな大笑いするんですよね…)」

海未「ファイブ、シックス、セブン、エイト」

絵里「ふっふっふっキャッ!」

海未「!?」

希「エリチ、大丈夫?」

海未「(そ、そんな馬鹿な!今までずっとにこだったのに!!)」

絵里「あははは、ごめんねみんな」

花陽「絵里ちゃんがこけちゃうなんて珍しいね」

凛「猫も木から落ちるにゃー!」

真姫「それを言うなら猿も木から落ちるでしょ」

にこ「もー絵里ってばドジなんだからぁ」

海未「(こ、こんなはずは、、、)」


28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:41:53.72


穂乃果「あ、雨だ」

海未「(なっ…!!!?)」

ことり「きゃっ、今日天気予報晴れだったのにぃ」

絵里「とりあえず中に入りましょう」

ペチャペチャペチャペチャ


凛「濡れちゃったにゃー」

花陽「凛ちゃん、ちゃんと拭かないと風邪ひくよ」

海未「(お、おかしいです…こんなことは今まで一回もなかった…!)」

希「海未ちゃん?難しい顔してどうしたん?」

海未「い、いえ、別に…」

希「そっか。ちゃんと頭拭きやー」

海未「は、はい」

海未「(……もしかしたら…)」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:49:36.69


ことり「いきなり雨が降ってきたり、絵里ちゃん足くじいちゃったみたいだし、今日は大変だったね」

衿「本当にごめんなさい……」

ことり「そんな、謝らないで!仕方ないことなんだしっ」

真姫「ちゃんと湿布も貼ったんだから、ちゃんと家で大人しくしてなさいよね」

絵里「2人とも、ありがと」



穂乃果「それじゃあ外も暗くなってきたし帰ろっか!!」

海未「(17:50……いつもどおりですね…)」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 21:53:32.82


穂乃果「バイバーイ!!」

花陽「さようなら」
凛「バイバーイ!!」
真姫「じゃあね」
絵里「バイバーイ」
希「じゃあまた明日~」
にこ「絵里はちゃんと足治しなさいよ~」
絵里「わかってるわよ」

………



穂乃果「穂乃果たちも帰ろっか!」

ことり「うんっ」

海未「…はい」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:00:52.98


穂乃果「瑛里ちゃん足大丈夫かなぁ。なんか心配になってきちゃった」

ことり「真姫ちゃんも大丈夫って言ってたし、あんまり心配する必要ないんじゃないかな。大丈夫だよきっとっ」

穂乃果「そうだよね!あははは」

海未「(もし今日のできごとが何かの予兆なら……私に明日は来るのでしょうか)」

海未「(確かに今までにも、何度かは少し変わったこともありましたが)」

海未「(それは凛が爪を切っていたり、花陽が頬にご飯粒を付けて学校に来たりなど、本当に些細なことでした)」

海未「(しかし今日の雨や、絵里がつまずいたこと…これは明らかにいつもとは違う……)」

海未「(私は…期待してもいいのでしょうか………?)」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:03:05.07


穂乃果「…?おーい海未ちゃん!」

海未「はっ、はい!?」

穂乃果「もぉー、海未ちゃん!穂乃果の話ちゃんと聞いてよー!」

海未「す、すみません…考え事をしていました」

海未「(もうすぐ……お別れですかね…)」



穂乃果「じゃあここでお別れね!また明日!バイバーイ!!」

海未「はい。また明日。」

海未「(……………ウグッ)」






38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:08:24.45


ことり「あ、待って穂乃果ちゃん!海未ちゃんの家に行くんじゃなかったの!!」

海未「!?」

穂乃果「あ!そうだった!すっかり忘れてたよ~!!」

海未「私の…家?」

ことり「ごめん海未ちゃん。最近海未ちゃん元気なかったから、今日穂乃果ちゃんと一緒に行こうって言ってたの」

ことり「今から行っちゃ、迷惑かな?おねがい?」

海未「い、いえ!迷惑なんてとんでもないです…ですが…」

ほのこと「??」

海未「いえ、なんでもありません。帰りましょうか」

ほのこと「わーい!」

海未「(18:13……)」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:16:03.17


海未「(18:22……ついにうちに来てしまいました…)」

海未「(もう……もう死にたくないです…!!私は……)」

穂乃果「海未ちゃん?中入らないの?」

海未「あ、すすみません」ガチャ

海未「ただいま帰りま………」


目の前に広がったのは赤黒い水溜まり
壁には飛び散った血
床に転がっているのは海未の母
背中には包丁で刺されたような複数の穴
海未は直感した
都合のいい幸せなどないのだと


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:20:11.30


穂乃果「……?どうしたの海未ちゃ……」

穂乃果「オ゛ッ゛オ゛エ゛エ゛エ゛エ゛エ゛」

ことり「うっ……ゲロゲロ」

海未「私は何か悪いことでもしましたか?」

海未「困っている人を助けたり、勉強も頑張ったり、廃校寸前の学校も存続させたり、善良を尽くしてきたはずです」

海未「こんなの……おかしいじゃないですか」


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:23:47.56


騒ぎを聞きつけた隣人が警察を呼び
すぐに三人は保護された
パトカーの中で海未は終始感情のない、人形のような顔で外を眺めていた

警察署で一夜を過ごした海未は家に帰ることができなかったので
親戚の家にしばらくの間住ませてもらうことになった

4日後の早朝、寝室で首を吊った遺体が発見された


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:28:14.01



……
………



海未「……………………」



海未「………また……ふりだしですか……」



海未「こんなことになるなら……」



海未「…………」



???「………ん……」



???「……ちゃん…」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:34:04.76


ザーーー(雑音)

???「……海未ちゃん…」

海未「あ、あなたは……希!?なぜ??!」

希「ごめん…ち…っとしか話さ…へんから……単刀…入……言うで…」

希「……海未ちゃ……よう……聞…てや」

希「運命……変えら……る……諦……ら……あか……」

希「…そ……は………ゃん………だい……」

海未「の、希!!消えないでください!!希ぃいいい!!!!!」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:37:38.70


海未「はっ!!」バサッ

海未「はぁ…はぁ…朝…ですか……」

海未「………さっき希の声がしたのは…一体………」

海未「…あ……目覚ましより30分も早く起きてしまいました」

海未「まだすこし横になってましょう」

海未「……………zzz」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:42:59.68


穂乃果「(海未ちゃん!当たってるよ!!)ボソボソ」

先生「こら園田!!お前が寝てるなんて珍しいじゃないかぁ???」

海未「あ、す!すみません!!」

海未「え、えっと……x=4のとき、極大値は27、x=0のとき、極小値は-14です」

先生「正解だ。さすがだな」

海未「(あれ……私……いつのまに……)」

穂乃果「(さすが海未ちゃん!!寝起きでも解いちゃうなんてすごいっ!)ボソボソ」

海未「(と、当然です……)ボソ」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:49:37.62


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン



穂乃果「いやー、今日もパンが美味い!」

海未「(朝から4時間目までの記憶がない……一体何があったのでしょうか……)」モグモグ

穂乃果「それにしてもめずらしいよねー。海未ちゃん遅刻しちゃうんだもん」

ことり「海未ちゃん最近元気なさそうだけど…どうかしたの?」

海未「ち、遅刻!?い、いえなんでもありません」

海未「私はいつもどおりですよ、ことり」

ことり「そっかー、それならいいんだけど」

海未「(最近、おかしいことばかり続いています………それに希言葉……)」

海未「(はっきりとは聞こえませんでしたが……私次第と言っていたのでしょうか…)」

海未「(というか、なぜ希が?…)」

海未「(考えても分かりません。放課後聞きに行きましょう…)」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 22:52:29.32


穂乃果「さぁー!練習だー!!行こっ海未ちゃん!ことりちゃん!」

ことり「もぉ~穂乃果ちゃん待ってぇ~~」

海未「すみません、私は少ししてから行きます。先に行っててください」

穂乃果「わかった!じゃあ後でね~!」

海未「…………」

海未「行きましょう…」






60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:04:11.50


生徒会室
コンコン

希「はーい。おっ、海未ちゃん。どないしたん?」

海未「希だけですか?…よかったです」

希「?…まぁ座り」



海未は今までのことを全て話した
必ず死んでしまうこと
世界が繰り返されていること
最近いつもとは違うことが突然起こり出したこと
今朝、世界の繋ぎ目に希が出てきたこと



海未「何か知っていますよね…?知らないなんて言わせません!!!」ドン

希「……ごめん…ほんまにうちには何もわからへん……」

海未「そ、そんな………!じゃあなぜあなたはいたのですか!!?全部説明してくださいよ!!!もう……もう死にたくないんです!!!」ウルウル

希「ごめん………でも…」

海未「………?」

希「そのウチが言ったことはほんまやと思う。海未ちゃんが変えられるんやと思う。海未ちゃんが変わらないといけないんやと思う」

海未「…私が……?」

希「うちにはそれしかわからへんけど……明日を作るのは自分やん?」

海未「…明日を作るのは………自分……」

希「うち、信じてるから」

海未「………」


バタン


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:11:58.81


海未「ワン、ツー、スリー、フォー」

海未「(結局何もないまま放課後になってしまいました)」

海未「(希は…用事があると言って帰ってしまいましたが……)」

海未「(他の人たちはいつもと同じですね………)」

海未「ファイブ、シックス、セブン、エイト」

にこ「きゃっ!」

花陽「にこちゃん!だいじょう……ブッ!!」

凛「プププッにこちゃん変な頭たにゃー!」

真姫「こ、こけた…衝撃で……髪が……ププ」

絵里「ハラショー(笑)」

穂乃果「みんな!笑っちゃ…失礼だよ……ブフフフフ!!」

ことり「もぅ!穂乃果ちゃん!プププ」

にこ「ちょ!なんなのよ!!そんなに笑わなくたっていいでしょ!!」

海未「(いつもの光景…)」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:19:31.68


穂乃果「バイバーイ!」

5人「バイバ-イ」

穂乃果「穂乃果たちも帰ろっか!」

ことり「うんっ」

海未「……」

海未「(またこの時がやってきました)」

海未「(結局何も分からないまま…私は死んで、今朝の出来事は記憶から消えていくのでしょう)」


穂乃果「あっ、そうだ!今から海未ちゃんち行かない!?」

ことり「あっ賛成~!」

海未「え?」

穂乃果「ほら、最近海未ちゃん元気ないじゃん!!私もことりちゃんも心配してたんだよ!!」

ことり「今日は名づけて、海未ちゃん元気づけ大作戦!!」

海未「ちょ、ちょっと!!」

ことり「おねがい?」トロン

海未「わ、わかりました…」

海未「(また昨日のように……)」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:22:06.52


海未「え?」

海未母「なに立ってるのよ。早く入りなさいよ」

穂乃果「中入ろうよー」

ことり「おじゃましま~す」

海未母「久しぶりねぇ。また大きくなったんじゃない?」

ことり「いやんそんなことないですよぉ」

海未「(また…変わってる……)」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:28:56.72


海未「(18:39……死んでない…!!)」

穂乃果「もう!行くよ海未ちゃん!」ドカドカ

海未「えっ、あっ」

ことり「お騒がせしてすみませんっ」

海未母「いいのよ。ゆっくりしていってね」


ガチャ
海未部屋

ガールズトーク



海未「(あまりあたまに入りませんでした)」

穂乃果「もー!しっかりしてよ!海未ちゃんが元気ないと穂乃果たちまで元気なくなっちゃうよ!」

ことり「そうだよっ!海未ちゃんはμ'sの柱なんだからね!」

海未「す、すみません」

穂乃果「それじゃあ帰るね!バイバイ!」

ことり「またあしたね!」

海未「はいっ、さようから」


海未「(……)」

海「(本当に明日は来るのでしょうか…)」


66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:32:03.03


海未「少し眠るのが怖いです…」

海未「少し読書でもしていましょうか…」

海未「……………………」ペラ

海未「……………………」ペラ

海未「……………………」ペラ

海未「……………………」zzz


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:37:28.27


チュンチュン

海未「んっ……」

海未「………朝…?」

海未「本を読んでる間に寝てしまったみたいですね…」スタンドポチッ

海未「…あ……目覚ましより30分も早く起きてしまいました」

海未「少し早いですが学校の準備でもしていましょう」

ゴソゴソ

海未「よしっ」



ニュースを見ながら朝食中

海未「(また昨日と同じような事件ですか…物騒ですね)」



海未「では、行ってきます」


70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:43:14.97


海未「(少し早く家を出たので、神社にお参りでも行きますか)」



ガラガラガラガラ

海未「………」パンパン

海未「(さて、行きますか)」




海未「あれ、ここは……?」

真っ暗な空間に海未の日常を写した
画面なようなものがたくさん浮いている

海未「私…?」



ププ---
キイイイイイイイイイイ

海未「あ、危ない!」

ドシャ--ン

海未「あっ、あぁ……」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/08/31(日) 23:53:58.21


海未「うっ…うぅ……」口を手で押さえる

海未「やめてください………!」

パリン
ひとつの画面が割れた


海未「あっ…こっちでは……お母さんが……」ウウウ

海未「こんなもの……見たくありません!!」

パリン
ひとつの画面が割れた


海未「あっ…」

海未「こ、これは……見たことのない光景です」

μ'sのメンバー9人が電車の1両目に乗っている
映画の帰りだろうか、にこと花陽が片手にポップコーンを
希と凛が二人で一つのパンフレットを持って一緒に見ている
電車はカーブに差し掛かると、そのまま速度を落とさずにビルに突っ込んだ


海未「いやああああああああああ」

パリン
ひとつの画面が割れた


84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:12:18.67


パリンパリンパリン
ひとつを残して他の画面が全て割れた

海未「ひっ……もう……いや………」

海未「穂乃果ぁ……ことりぃ………」



希「しっかりしいや」

海未「の、希…」

希「その画面は海未ちゃんの今までの世界、これからの世界を表してたんよ」

希「残ってるのはあとひとつ。あとはわかるやろ?」

海未「あっ待ってください…なぜ今の希はハッキリとしてるんですか?あと……なぜ私はこんなことになってるんですか……?」

希「ここは神社。うちのスピリチュアルパワーがよく集まってるんよ。この前はちょっと離れてたからちゃんと言えなくてごめんな」

希「あと、もうひとつの質問は……自ずとわかるはず」

海未「そうですか………では私は…」


海未「あれ…?……神社…」






88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:21:09.72


海未「私は………」

海未「あっ、遅刻してしまいます!急がなくては!」



海未「はぁ…はぁ……」

海未「……ふぅ………」

海未「…………」

海未「…信号…長いですね…」

海未「…………」


90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:28:21.67


海未「(あっ…8:31……もう遅刻確定ですね……)」

海未「………」

老婆テクテク

海未「(さっきの画面が未来と過去の世界を表していたとしたら……)」

老婆こけた

海未「(この世界が最後ということなのでしょうか……)」

トラック

海未「(もし死んでしまったら、私はどうなってしまうのでしょう…)」

海未「………あっ!!危ない!!」



ドシャ-ン


91:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:34:07.36


ピ-ポ-ピ-ポ-
ガラガラガラガラ

海未「あれ…私……」

海未「私が…運ばれてる…?」

海未「あぁ…私は死んだのですね……」

海未「結局…半日だけ寿命が伸びただけで……」

海未「あまり意味はありませんでしたね…」

海未「でももう新しい世界に行くことはないでしょう…」

海未「これで…良かったんですね……」

海未「…………」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:42:32.95


希「…い…わけ……ないやん……!」

海未「希…?」

希「…………ずに………うみ……ひ………んや……!」

ピカ-ン

海未「ウッ!!!!」




海未「……」

海未「ここは……いっ…!」

穂乃果「海未ちゃん…!!海未ちゃあああん!!!よ゛か゛っ゛た゛よ゛お゛お゛お゛」

ことり「海未ちゃん!!!」

5人「海未(ちゃん)!!!」

海未「私は……生きてたのですか……」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:48:17.14


海未「いっ痛いです穂乃果!!」

穂乃果「だ゛っ゛て゛え゛え゛え゛海未゛ち゛ゃ゛ん゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

ことり「穂乃果ちゃん、本当に痛そうだよ」

穂乃果「ご゛め゛ん゛ー゛ー゛ー゛」

花陽「それにしても本当に無事でよかった…」

凛「うぐっ…凛…怖いこと考えてたにゃ……ひぐっ…ごめんにゃあああ」

真姫「よかった…本当に……ウグッ」

にこ「あ、当たり前じゃない!!……メンバーが減るなんて…ありえないじゃないの……」

絵里「ひぐっ…うっうぅ………」

海未「みなさん………」


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 00:55:34.03


それから数週間が経ち、海未は無事退院した
その帰り道

穂乃果「いやー!退院できて本当に良かったね!」

海未「ありがとうございます。みなさんのおかげです」

ことり「やだなぁ照れるチュン」

海未「そういえば希は一度も見舞いに来てくれませんでしたね。何かあったのでしょうか」

穂乃果「?……のぞみって誰…?」

海未「え?」


103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 01:06:47.29


海未「希ですよ…?」

穂乃果「ことりちゃん知ってる?」

ことり「ううん、知らないなぁ」

海未「そんなっ、冗談はやめてください!そんなわけないじゃないですか!!」

穂乃果「!!う、海未ちゃん落ち着いて!!」

海未「ありえません!!そんなこと!!」ダッシュ

ことり「う、海未ちゃぁん!!」




神社

海未「ハッ…ハッ…ハッ………」

海未「希!希!どこですか!!返事をしてください!!」

海未「あなたには…聞きたいことがまだあるんです!!」

海未「それだけじゃない……μ'sは9人揃ってμ'sなんでしょう!?」

海未「一人でも欠けることなんてないんですから!!!」

ピカ-ン

海未「うわッ!」


118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 21:47:19.17


あの空間

希「海未ちゃん」

海未「希!!」

希「ほんまに今までお疲れ様」

海未「なぜ…そんなことを言うのですか…?」

希「実はな、海未ちゃんが何回も世界をぐるぐるしてたのはウチのせいやねん…」

海未「どういうこと…ですか?」

希「あの日、海未ちゃんは交通事故で亡くなった。それでうちも穂乃果ちゃんたちは本当に悲しんだ」

希「うちはその事実を受け入れられへんかった。だから、…なんていうか……自分の命?まあスピリチュアルパワーみたいなもんを使って」

希「海未ちゃんが死なないように頑張ったの。で、やっと海未ちゃんが死なない世界にたどり着けた」

希「それは、海未ちゃんが今までで一番生きたいという気持ちが強くなったからやと思う」

希「そして、この世界でちょうどうちのスピリチュアルパワーが尽きてしもた…でも海未ちゃんが生きてるからうちは幸せや!」

海未「そ、そんな……」ウルウル


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 21:55:38.47


希「あぁ、もうもたへんわ…」

海未「待ってください!行かないで!!希!!あなたのいないμ'sなんてμ'sじゃないじゃないですか!!」ウルウル

希「………」

海未「絵里はどうするんですか!?あなたは絵里の無二の親友じゃないですか!」ウルウル

海未「にこは!!あなたがいないと…ちゃんと卒業できないかもしれませんよ!!!」ウルウル

希「………あの子らは強いから……大丈夫や…」

海未「そんなわけないじゃないですか!2人とも……あなたがいない時はいつもおっちょこちょいで……」

海未「2人ともとても希に感謝してるんですよ!!」

海未「だから勝手に消えたりなんかしないでください!!!」ブワッ

希「……ごめんな……でもうちは海ちゃんがいない世界なんか…意味ないと思うんよ…」

希「…勝手……ごめんな……」フワン

希「………んな……ちを……許……」ホワワン

希「……生……て…」シュワン



海未「希ぃいいいい!!!!!!」泣き崩れる


122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:01:47.33


海未「うぅ……」



海未「……れ…」

海未「………どれ…」

海未「…戻れ!!!」

海未「…世界よ!!少しでいいので戻ってください…!!お願いします!!」

海未「希のいない世界なんて………!!」


ピカカ-ン

海未「うっ!!」






123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:06:35.47


海未「……ここは……家の前…?」

海未「それに…制服とカバン……登校前ですか?」

海未「戻ったのですね!!早く神社に!!」



神社

海未「はぁ…はぁ…」

希「おっ海未ちゃん。おはよう」

海未「希……うぅっ…」ポロポロ

希「………」

海未「もう……もうやめてください……うぅ…」ポロポロ

希「もしかして……」

海未「はい……未来から来ました……」

希「ほんなら、海未ちゃんは運命を変えられたんやね。よかった……ほんまに………」グスン


124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:14:48.71


海未「だからもう自分の身を削るなんてことはやめてください!!」

希「……無理や…」

海未「……え?」

希「スピリチュアルパワーは全部の世界に共通なんや……」

海未「そっ…そんなっ……」

希「うちも…今日中に消えてしまうかもしれないんよ」

海未「それでは戻ってきた意味が……」ウッ…

希「……ごめんな…」

海未「謝らなくてはならないのはこっちです!…」

海未「本当に……」

希「海未ちゃん、今から海行こっか」

海未「海……ですか?」

希「最後に思い出でも作りたいやんっ」

海未「……最後なんて言わないでください………」


126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:25:49.65


ガタンゴトン

海の方へ行く電車は朝の割には混んでいなかった
電車の中で二人はほとんど話さなかった
ここでたくさん話してしまうと…
もう希がいなくなることが心にしみてしまうからだ


ザバァ

希「ええ風やね」

海未「はい……」

希「ほんま楽しかったなー、この一年は」

海未「………」

希「海未ちゃんたちとμ'sができてよかった」

希「ありがとう」

海未「うぅっ……」ボロボロ

希「海未ちゃん、こっちむいて」

海未「えっ」

チュッ



希「ファーストキスはうちがもらった!」

海未「はぁぁ…!!カアア///」

希「にっひっひ!」

海未「も、もう!!///やめてくださいよぉ…」ポロポロ

海未「うっ……うわああああん」ぼろぼろ

希「海未ちゃん……」ギュッ

海未「希ぃいい!!!ああああんん!!」ボロボロ

希「ほんまにありがとうな……」


127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:32:16.89


海未「うぅっ!!行かないでくださいぃ!!!」ボロボロ

希「ごめんな……もうあかんみたい……」ホワン

海未「私は…うぐっ……希のことが……すっ」

ピト

希「海未ちゃん…その言葉は…穂乃果ちゃんに置いとき……」ホワワン

海未「希っ…」

希「またいつか……生まれ変わったら会おうなっ」

海未「は゛い゛!゛!゛」ウワアアアン

希「………」シュワワン



海未「うぐっ……うっうぅ………」


130:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:37:27.00


ガタンゴトン

気づいたら海未は電車の中にいた
午前11時頃
周りに人は誰もいない
一人で電車に揺られぼーっとしている海未

海未「………」



家の最寄駅に到着


海未「………」

海未は無言で学校へ歩いて行った


131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:41:20.34


穂乃果「(海未ちゃん!当たってるよ!!)ボソボソ」

先生「こら園田!!お前が寝てるなんて珍しいじゃないかぁ???」

海未「あ、す!すみません!!」目をゴシゴシ

海未「(あれ……なぜ涙の跡が……)」

海未「え、えっと……x=4のとき、極大値は27、x=0のとき、極小値は-14です……」

先生「正解だ。さすがだな」

海未「(しかも……なんだか……悲しい……心に穴が空いてるような……)」

穂乃果「(さすが海未ちゃん!!寝起きでも解いちゃうなんてすごいっ!)ボソボソ」

海未「(えっ、あっ、と、当然です……)ボソ」


136:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 22:49:36.55


キ-ンコ-ンカ-ンコ-ン



穂乃果「いやー、今日もパンが美味い!」

海未「穂乃果はいつもパンですね(あれ……何か忘れてるような…)」

穂乃果「だって、うち和菓子屋さんでしょ?こういう洋風のパンは珍しいんだもん!!」

海未「そうですね(……思い出せませんが…大したことでもないでしょう)」

ことり「海未ちゃん最近元気なさそうだけど…どうかしたの?」

海未「私はいつもどおりですよ、ことり」

ことり「そっかー、それならいいんだけど」

穂乃果「そういえば海未ちゃん、今日は珍しく遅刻してたよね。どうかしたの?」

海未「い、いえ。なぜか急に海を見たくなってしまって一人で見に行ってたのです」

海未「時間も忘れてしまって…結果遅刻してしまいました……トホホ」

ことり「へぇ~海未ちゃんにもそんなことがあるんだねぇ~」

海未「お恥ずかしいです…」


139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 23:05:55.35


穂乃果「さぁー!練習だー!!行こっ海未ちゃん!ことりちゃん!」

ことり「もぉ~穂乃果ちゃん待ってぇ~~」

海未「穂乃果ったら、練習だけはしっかりやるんですから。もうちょっと勉強にも…」

穂乃果「もう!勉強の話はやめてよぉ~!!」

海未「ふふっ、そうですね。練習に行きましょう」


140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 23:10:28.47


穂乃果「ふぅ~疲れた~」

海未「今日はみんな一段と張り切ってましたね」

海未「ですが……」

真姫「何よ」

海未「何か物足りない気がするんです……何かが欠けているというか…」

にこ「は?何言ってるのよ。8人みんな揃って、今日は舞台や照明まで使わせてもらったんだから」

絵里「そうよ。まだ不満でもあるのかしら?(笑)」

海未「い、いえ…」

花陽「(なんだか海未ちゃん……悲しい顔してる……)」

凛「じゃあ今からみんなでどっか寄るにゃ!」

穂乃果「いいね!どこ行く?」

ことり「私は穂乃果ちゃんが行きたいならどこでもっ」

ワイワイガヤガヤ

海未「(………?)」


141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 23:14:44.82


凛「レッツゴーにゃー!」



絵里「なにぼーっとしてるのよ」

にこ「置いてくわよ!アイドルは待ってくれないんだから!!」

海未「意味がわかりませんよ」


テクテク

7人「ワイワイガヤガヤ」

海未「(うーん……何かが……)」



???「あっあの!!」


海未「はい…?あなたは……3年生の……」


???「えっと…うちも…μ'sに入れてください!!」




END






148:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/01(月) 23:53:32.54



面白かった



150:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/09/02(火) 00:08:21.52


いいオチ










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