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男「死にたいな…」女「殺人してみたい…」

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1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:40:33 ID:CYhM2yQA

男・女「えっ。」

男「今なんて?」

女「そっちこそ。」

男「死にたいなって。」

女「殺人したいなって。」

男・女「……」

男・女「うぇーいっ!」パチンッ




元スレ
男「死にたいな…」女「殺人してみたい…」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1414845633/


2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 21:52:54 ID:CYhM2yQA

男「いやービックリだよっ!」

男「まさか同じクラスの天才である
  女さんが殺人をしたがってたなんて!」

女「私もびっくりだよ。いつもニコニコ男君が
  自殺しようとしてたなんてー。」

男「じゃあ?」

女「早速?」

男・女「やっちゃいましょー!」




3: 刺殺 2014/11/01(土) 22:03:42 ID:CYhM2yQA

女「とりあえず刺す?」つ包丁

女「刺身包丁だよー。100均だから切れ味悪いけど。」

男「切れ味悪いってことは、痛いのかあ…」

女「やめる?」

男「いーや、試してみようっ!」

女「そうこなくっちゃ!」ブスッ!

男「いだあっ!?」バッ!

女「あれ?そんなに?」

男「結構痛い。というよりいきなり刺されてびっくり。」ズキズキ

女「んー、力加減わかんないな。」ズブブ…

男「いたいいたいいたいいたいいたいいたっいだあ”あ”あ”あ”っ!!」ジタバタ

女「ん?一回抜こうか?」ズプッ

男「はあ…すごく痛かったよ。」ダラー…

女「出血ひどいね。」

男「絆創膏貼っとこう。」ペタペタ




4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 22:06:33 ID:CYhM2yQA

男「刺すのはやだ。死ぬまでの痛みが長いもん。」

女「うーん、じゃあ……首絞め!」

男「あ!いいねそれ!」

女「でしょ?」




5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 22:14:22 ID:CYhM2yQA

女「じゃーロープの片方を柱にくくりつけて…」

男「あ、僕がやるやる。」ギュッギュッ

女「あ、ありがとー。」

女「で、これを男君の首に巻く。」グルッ

男「すでに圧迫感があるよ!」

女「そして私が…綱引きの要領でもう片方を引っ張る!」

男「ぐっ…ぅえ……!」ギュウッ!




6: 首絞 2014/11/01(土) 22:19:30 ID:CYhM2yQA

女「むぐぐ……」グイイ…

男「…が……あ……」ギチギチギチ…

女「ぐむうう……」グイイイ…

男「……ぁ…………」ギチギチギチ…

女「………」グイイイ…

男「…………」ギチギチギチ…

女「……っはあ…疲れたー。」パッ

男「うえっ。」ドサッ

女「あ、生きてた。」

男「ごほごほっ…苦しいだけで死ねなさそう。」

女「うーん残念。」




7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/01(土) 22:22:59 ID:CYhM2yQA

男「他にも何かある?」

女「うーん…」

女「ハンマーとか?」つハンマー

男「よさげだね。」




8: 撲殺 2014/11/01(土) 22:26:28 ID:CYhM2yQA

女「じゃあ行くよ。」

男「うん、いいy」ガゴンッ!!

男「っづあ…いだ」バキィッ!!

男「がふっ……」ズガンッ!!

男「」ドサッ

女「どうかな?」バキッ!ドガッ!ゴスッ!

男「」




9: 撲殺 2014/11/01(土) 22:36:43 ID:CYhM2yQA

〜30分後〜
男「…んん……ぅあ、頭いたい…」

女「あれ?起きた…」

男「うーん…駄目だ。気絶はできるけど死ねないや。」

女「なかなか手強いね。」




12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 08:27:37 ID:MwQM2bHQ

女「じゃあ焼く?」

男「?」

女「オイルかけてー、炎でボワーって。」

男「うん!やってみよう!」




13: 焼死 2014/11/02(日) 08:34:45 ID:MwQM2bHQ

女「チンケな油しかないけど、えい。」バシャッ

男「うえ、ベタベタだね。」

女「で、着火。」ボワッ

男「……あ、目の前が真っ赤だ。」メラメラ…

女「熱くないの?」

男「そんな熱くn…あつづづづあ”づい”い”い”っ!!」メラメラ…

女「やっぱ熱いんだ。」

男「うわあ”あ”ぁあ!!あづっ!あづい”い”い”い”!!」メラメラ…

女「どう?逝けそう?」

男「逆に目が冴えてきたああ”あ”あ”ぁあ”!」メラメラ…

女「駄目か。…消そっか?」

男「おねがぃい”い”い”いい”!!!」メラメラ…

バシャッ!!




14: 焼死 2014/11/02(日) 08:37:05 ID:MwQM2bHQ

男「ふぅ……」

女「皮膚がただれてるよ。」

男「冷却スプレーかけて…」シュー…

男「絆創膏貼れば大丈夫だよ。」ペタペタ

女「髪の毛燃えなくてよかったね。」

男「ハゲは辛いよ。」




15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 08:51:56 ID:MwQM2bHQ

男「うーん、どうしよう。」

女「なかなかしぶといね。」

男「痛くて挫折しちゃうんだ。」

女「痛くないやつかー。」

男「何かある?」

女「薬物投与?」つ注射

男「おおー。」パチパチ




16: 薬物死 2014/11/02(日) 08:56:59 ID:MwQM2bHQ

男「どんなの注射するの?」

女「科学室から、くすねてきたコレ。」つクロロホルム

男「なんかすごそう。」

女「じゃーいくよ。」

男「うわあ…僕注射痛いから嫌いなんだ。あっち向いてよ。」プイッ

女「そーれ、ぷすっとな。」プスッ

男「…あれ?痛くない。女さん注射うまいねー!」

女「看護士目指してたからねー。」

男「目指して『た』?」

女「今は殺人鬼になりたい。」

男「応援してるよ!」

女「ありがとう。」




17: 薬物死 2014/11/02(日) 11:01:10 ID:MwQM2bHQ

男「さ、どうなるかな。」

女「成功かな。」

男「わくわく。」

女「わくわく。」

男「わくわk……うぇ……」ヨロッ…

女「お?」

男「……ちょっとトイレ……」ヨタヨタ…

女「ここで吐けば?」

男「処理めんどい…」ヨタヨタ…




18: 薬物死 2014/11/02(日) 11:04:20 ID:MwQM2bHQ





男「全部出しちゃったみたい。」

女「残念。」

男「一瞬で死ぬと思ったのに。」

女「そこまで強い薬品じゃないしねー。」




19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 11:06:45 ID:MwQM2bHQ

女「よし、屋上いこう。」

男「え?立ち入り禁止じゃなかったっけ?」

女「殺人行為してる私に恐いものはないっ!」

男「確かにー。」パチパチ




20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 11:08:40 ID:MwQM2bHQ

<屋上>
女「眺めいいね。」

男「もうこんなに暗くなってたんだ。」

女「9:00だって。」

男「生徒は帰る時間だね。」

女「私達帰ってないけどね。」

男・女「あはははは!」




21: 飛び降り 2014/11/02(日) 11:10:52 ID:MwQM2bHQ

女「じゃ、そこに立って。」

男「はい。」

女「えーい。」ドンッ

男「わー。」ヒュー




ドサッ




女「どうかな?」




22: 飛び降り 2014/11/02(日) 11:14:08 ID:MwQM2bHQ








男「ただいまぁ……」ヨロヨロ…

女「失敗しちゃったかー。」

男「全身が痛いよ。」ヨロヨロ…

女「4Fからじゃ後頭部直撃でも死ねないか。」

男「湿布と絆創膏を身体中に貼り付けとかなきゃ…」ペタペタ…

女「もう遅いし続きは明日で。」

男「そうだね。じゃあまた明日。」ノシ

女「うん、またねー。」ノシ




25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 16:16:42 ID:MwQM2bHQ




男「じゃあね、って言ったけどさ。」テクテク

女「道同じなんだね。」テクテク

男「ここら辺?」

女「ここら辺。」

男「もしかして△▽中学出身?」

女「そうだったかも。」

男「わあ!一緒だ!」

女「全然気がつかなかったー。」

男「なんか嬉しいね。」

女「だねー。」




26: 衝突死 2014/11/02(日) 16:20:27 ID:MwQM2bHQ

男「あ、信号赤だね。」ピタッ

女「信号は面倒くさいね。渡っちゃう?」

男「車きてるよ?」

女「じゃあ、えいっ。」ドンッ

男「わわっ…」ヨロッ

ププーーー!!ガンッ!!




「や、やべえ!人ひいちまった!!」

「はあっ!?ど…どーすんだよおい!!」

女「……さてさて?」




27: 衝突死 2014/11/02(日) 16:24:41 ID:MwQM2bHQ

「…に、逃げよう!」

「し、正気かよ!逃げるって……」

「ここら辺人気ねーし大丈夫だろ!逃げるぞ!!」

ブルルッ……パキッ…ブーーンッ!!キュルルルルッ!!



女「最低だね。人ひいて逃げたよ。」

男「」

女「…あれ?今回はもしかして…」



男「…いたい…」

女「デスヨネー。」




28: 衝突死 2014/11/02(日) 16:36:18 ID:MwQM2bHQ

男「ねえねえ…何が痛かったか聞いてくれる?」

女「どうぞどうぞ。」

男「あの人たち急発進したでしょ?」

女「うんうん。」

男「逃げるときにも僕の右腕と右脚ひいていったんだ。」

男「骨折れたよ…」

女「あ、パキッてその音だったんだ。」




29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 17:22:11 ID:MwQM2bHQ

男「湿布貼っとこう。」ペタペタ

女「もしかして湿布とか絆創膏に魔力宿ってる?」

男「100均だよ?」

女「なるほど。」

女「…あ、家ここだから。また明日。」ノシ

男「あ、そーなんだ!またね!」ノシ




32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 20:58:46 ID:MwQM2bHQ

〜次の日〜
男「じゃあ行ってくるね!」

男父「うるせえな…喋らないでくれよ……」

男母「ほんとジャマ。帰ってこなくていいから…そのまま死んで。」

男「うん!行ってきまーす!」ガチャ…バタン!




男「父さんと母さんは優しいよね。」テクテク

男「僕のこと嫌いなのに、僕の言葉に反応してくれるからね。」テクテク

男「僕には真似できないよ。」テクテク




33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 21:02:57 ID:MwQM2bHQ

女「……パンかたい…」モグモグ

女母「……」

女「…あ、そーいえばパパは?」モグモグ

女母「最近はずっと忙しくて、こっちには帰ってこれないらしいわ。」

女「へー。」モグモグ

女母「じゃ、これ今日のお昼代ね。勝手に食べてて。」つ1万円

女「ん。」パシッ

女「あ、そういえば昨日ねー、テストで…」

女母「じゃ、会社行くから。」スタスタ

女「…うん、いってらーしゃーい。」




34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 21:06:27 ID:MwQM2bHQ

<学校>
ワイワイ

男「それでねー!こんなでっかい毛虫がさー!」

男子たち「なんだよそれ気持ちわりいwww」アハハハハ!!




女「あー、この問題?この公式を応用するだけだよ。」カキカキ

女子たち「あっ!なるほどー!やっぱ頭いいねー。」カンシン

女「逆に勉強しか取り柄ないけどね。」




35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 21:24:24 ID:MwQM2bHQ

-放課後-
男「じゃーねー。」ノシ

男子たち「あれ?男はかえんねーの?」

男「家だと宿題さぼっちゃうから、ここでやってから帰るー!」

男子たち「そっか、頑張れよー!」ノシ



女子たち「女さん帰ろー。」

女「あー、ごめんね。復習するの癖になっちゃってるからー。」カキカキ

女子たち「すごいねー…じゃあ仕方ないね。また明日ー!」ノシ

女「ばいばーい。」ノシ




36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 21:51:18 ID:MwQM2bHQ




男「さて、今日は何しよっか!」

女「まずは感電とか?」

男「いいかもね!」

女「やっちゃいましょー!」




38: 感電死 2014/11/02(日) 22:27:30 ID:MwQM2bHQ

女「コードの端を剥いて?」

男「はいはい。」ベリベリ

女「それを心臓近くに貼り付けてー。」ペタッ

男「なるべく多く貼り付ける?」ペタペタ

女「うんうん。そんな感じ。」

男「これって、いたくないn」

女「えい。」カチッ

男「」ピクッ

女「……どう?」

男「……体のコリがほぐれたよ!」

女「それは良かった。」




40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 22:38:34 ID:MwQM2bHQ

男「さ、元気になったからどんどんいこー!」

女「じゃー、ちょっと手荒な方法で。」

男「?」

女「…爆弾。」つばくだん

男「おおー。」パチパチ




41: 爆死 2014/11/02(日) 22:41:52 ID:MwQM2bHQ

女「学校だとばれるからー、どっかいこう。」

男「だね。」



<ひとけの無いとこ>
女「うん、よさげ。」

男「楽しみだよ!」




42: 爆死 2014/11/02(日) 22:51:33 ID:MwQM2bHQ

女「これを取り付けて…」カチッ

男「結構重いね。」

女「5こぐらいでいいかな?」カチカチ

男「1こでも足りるんじゃない?」

女「うーん、無理そう。」

男「そっか。」

女「……」タッタッタッ…ポチッ

男「あれ?どこいk」ボンッ…ドガガンッ!!

男の姿は、一瞬で炎に隠された。

こちらまで熱風が伝わってくる。





女「……あんま期待できないねー。」




43: 爆死 2014/11/02(日) 23:09:23 ID:MwQM2bHQ





男「ごほっ!かはっ……喉熱い…」

女「凄まじい生命力だねー。」

男「……最初の爆音で耳がやられたんだ。」

女「ふむふむ。」

男「それで、気づいたら燃えてて、体が宙を舞っててー…」

女「うんうん。」

男「あれ、これお腹えぐれてない?なんか違和感あるよ。」

女「え?あー、どれどれ?…爆弾の破片めりこんでるね。」

男「あー、やっぱり。」




44: 爆死 2014/11/02(日) 23:12:29 ID:MwQM2bHQ

女「抜く?」

男「おねg」

女「でいっ。」ズボッ

男「あぐう”っ…」

女「抜けたよ。」

男「いつも行動が早いね。」

女「せっかちなのです。」

男「絆創膏&冷却スプレー&湿布ー。」シュー…ペタペタ

女「フルコースだね。」




45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/02(日) 23:25:38 ID:MwQM2bHQ

女「次どーしよ。」

男「ネタ切れ?」

女「爆弾でいけると思ったんだけどね。」

男「逝けなかったね。」




47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/03(月) 09:21:15 ID:rJEbQHfY

女「あ、じゃあこれは?」つ銃

男「うわあ!どうやって手に入れたの?」

女「企業秘密。」

男「だよね。」




48: 銃殺 2014/11/03(月) 09:29:57 ID:rJEbQHfY

女「ちなみにショットガンだよ。」

男「ショットガン?」

女「弾がいっぱいでる。」

男「致死率高そうだね!」

女「そうだね。」バキュンッ!

男「ぐふうっ!……ごぽっ………」ブシャッ!!

女「……」バキュンッ!バキュンッ!

男「……かはっ……ぐぶうっ!?」グヂュウッ!ブシュッ!

女「……」バキュンッ!バキュンッ!

男「……」ビクンッ……ビクンッ…

女「…あ、弾切れ。」カチッカチッ

男「……ぅあ…」

女「…やっとマシな反応したね。」

男「…いたい……ごぽっ…げほ……」

女「本当は痛いじゃすまないんだけどね。」




49: 銃殺 2014/11/03(月) 09:34:26 ID:rJEbQHfY

女「死ねそう?」

男「…出血死で死ねるかな?それが無理なら駄目そう…かはっ…」

女「…ほとんど出血止まってるよ……」

男「…あー…残念だね。」

女「脳とか心臓に当たらなかった?」

男「当たったような気もするけど、わかんない。」

女「そっか。」

男「処置しとこ。」ペタペタ

女「弾、体に埋まってないの?」

男「多分いつか溶けるよ。」

女「そっか。」




50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/03(月) 09:38:31 ID:rJEbQHfY

男「もう大分暗いし…帰ろっか?」

女「そうだね。」

女「…あ、その前に聞きたいことがあるんだー。」

男「あ、奇遇だね!僕もなんだ。」

女「あ、そうなの?先にいいよ。」

男「いや、女さんからでいいよ。」

女「じゃあ聞かせてもらうね?」

女「なんで死にたいの?」

男「……やっぱそれかー。」




51: 理由 2014/11/03(月) 10:07:28 ID:rJEbQHfY

男「うーん…改めて聞かれると……」

男「『何となく』かなあ……」

女「…ほんとに?」

男「……」

男「……なんかね?つまんないんだ。この世界。」

女「……」

男「起きて、食べて、歩いて、笑って、帰って、寝て。」

男「おなじことの繰り返しなんだ。」

男「今日より辛い明日がくるわけでもないけど…」

男「かといって今日より楽しい明日もこない。」

男「…ね?この世界つまんないでしよ?」

女「……」




52: 理由 2014/11/03(月) 10:14:52 ID:rJEbQHfY

男「しょうがないから子育て。」

男「表面上の笑顔。」

男「つまんない。どれもつまんないものばっかりなんだ。」

男「だから思ったんだ。」

男「『死んだあとの世界は面白いかな?』って。」

男「それ考えてたらなんだかワクワクしてきて。」

男「死んだら別の世界に行けるかもしれない。」

男「早く逝きたいなぁ……別の世界に。」

女「…それが理由だったんだ。」

男「うん。…あ、僕の質問m」

女「『殺人したい理由』でしょ?」

男「うん!」




53: 理由 2014/11/03(月) 10:19:22 ID:rJEbQHfY

女「簡単だよ。」

女「注目してもらいたかったの。」

女「ニュースとかでも、こーゆーこと言ってる人よくみるでしょ?」

女「悪い意味でいいから、注目してほしかった。」

男「女さんは女子の皆から注目されてるよ?」

女「ううん、親に注目されたかったの。」

女「必要最低限の関わり。」

女「その壁を破りたかったんだー。」




54: 理由 2014/11/03(月) 10:26:16 ID:rJEbQHfY

女「私は昔から頭が良かったみたいで…」

女「テストは90〜100が当たり前だった。」

女「手も器用だった。苦手な事が全然無かった。」

女「だから『凄い』のが『当たり前』になった。」

女「一回100点とると、次95じゃ誉められない。」

女「同じ100でも誉められない。」

女「じゃあ誉められるには?」

女「…わからなかった。」

女「そのうち、誉められるどころか見向きもされなくなった。」

女「そのとき思った。」

女「『見向きされるだけでいいや』って。」

女「誉められなくてもいいから。」

女「私の方を見てほしかった。」

女「私の事を見てほしかった。」

男「……」




68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 20:36:26 ID:UHJu8sDk

>>54から
男「……」キュルルル…

男「おなかすいたね。」

女「よくこの雰囲気で言えたね。」

男「KYって言うんだっけ?」

女「空気読めない。だね。」

男「空気読める。とも言えるね!」

女「確かに。」




70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 20:47:44 ID:UHJu8sDk

男「それにしても暗いよね。」

女「森だしね。真っ暗だよ。」

男「…あ!その変わりに星がキレイだよ!ほらっ!」

女「…」チラッ…

夜空を見上げると、確かに星が綺麗だった。
今の季節(冬)の方が星は綺麗に見えるんだって。

女「…はー……」ゴロンッ

夜空を見上げたまま寝転がる。

男「よいしょっ。」ゴロンッ

女「自然って美しいね。」

男「周りには森、空には星、近くには底無し崖!自然だね!」

女「崖いらないね。」




71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 20:52:10 ID:UHJu8sDk

男「このまんま寝ちゃおー。」

女「帰らなくていいの?」

男「うーん…今の気持ちのまま帰りたくないかな。」

女「ふむふむ……」

女「まあ…私も気持ちは同じだけど。」

男「女さんも野宿すれば?きっと楽しいよ!」

女「そうだねー。楽しくはなさそうだけど。」

男「やった!一人より二人のが楽しいはずだしね!」

女「ぼっちは辛いね。」




72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 20:59:56 ID:UHJu8sDk




女「寒くないの?」

男「なんで?」

女「半袖だから。」

男「よくわかんない。半袖しか持ってないし。」

女「なるほど。」

男「女さん寒いの?」

女「凍りそう。」

男「これ使う?」つ学生服

女「持ってたんだ。」

男「持ってるよ?」

女「着てたとこ一回も見てないからね。」

男「暑いしね。」

女「異常だねー。」




73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 21:05:03 ID:UHJu8sDk

とりあえず学生服を布団変わりにする。

女「おー、暖かいね。」

男「役に立ててよかったよ!」

女「じゃー寝るね。おやすみ。」

男「うん!おやすみっ!」

まぶたをとじる……






『……じゃあさ?殺そうよ!僕のこと!』




74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 21:07:35 ID:UHJu8sDk

…なんだろう?


『そのノコギリで僕の首を……』


夢……か。


『さっそく開始だね!』


どうやら夢でも、私は男君を殺そうとしているらしい。




75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 21:09:01 ID:UHJu8sDk

…あ、死んじゃった?


夢では簡単だけどねー……


このあと私はどうなるんだろう?


……………………




76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 23:04:38 ID:UHJu8sDk




目を開ける。多分朝だ。

女「……」

横を向くと、座りながら空を眺める男君がいた。

男「……」

今までに見たことないくらい、真剣な顔をしてる。

女「…どーしたの?」

男「…あ、おはよ!」パッ

すぐさま、いつもの顔に戻った。




77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 23:08:46 ID:UHJu8sDk

男「…あれ?なんで泣いてるの?」

女「…え?泣いてる…?」ポロ…

涙が一粒こぼれ落ちる。

女「…本当だ。……なんで…」ポロポロ…

泣いてる事に気づいたら、更に涙が溢れてきた。

女「うぅ……ひっぐ………なんで…」ポタポタ…

男「悪い夢でも見たの?」

女「…わるい…ゆめ………」ポタポタ…




78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 23:25:34 ID:UHJu8sDk

女「…そうかもね……ぐすっ…」ポタポタ…

男「どんな夢見たの?話すと楽になるって聞いたことあるよ。」

女「…殺しても無駄だった……」

女「見向きも…されなかった……」

女「虚しさ…悲しさ…怒り…罪悪感…悔しさ………」

女「そういうのが…一気に押し寄せてきて……それで…」

女「……私は…両親も……殺した…」




79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 23:40:18 ID:UHJu8sDk

男「…夢で良かったね!」

女「……?」

男「?何で意外そうな顔してるの?」

女「……『みんな別の世界に行けたんだ!やったね!』」

女「…とか言うのかと思ってた。」

男「昨日までの僕なら言ってたかもね。」

女「…もしかして、男君も何か夢見たの?」

男「わ、鋭いね!」

女「でしょ?」




80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/07(金) 23:51:37 ID:UHJu8sDk

女「そっちはどんな夢?」

男「んーとね……飛んだよ。」

女「なるほど。わかったよ。」

男「ほんとに?」

女「そこの崖とか?」

男「うん、大正解。」

女「私に殺されずに自殺したんだ。」

男「二人で飛んだよ。」

女「なるほど。」




81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/08(土) 00:07:12 ID:V95UFvjU

女「…それで、そのあとどうなったの?」

男「わかんない。」

女「そっか。」

女「…で、尚更死にたいと思ったんじゃないの?」

男「うーん…逆だね。」

女「なんで?」

男「…つまんなかった。全然面白くなかった。」

男「…それにね、死ぬよりもっと面白いことみつけちゃったから。」

女「もっと面白いこと?」




82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/08(土) 00:14:33 ID:V95UFvjU

男「うん。それはね?女さんにずっと…」

女「……え?」











男「殺されつづけることっ!」

男「…あ、正確にいうと、殺されそうになること!かな?」

女「……まあ、君らしいといえば君らしいね。」

…?私は何を期待してたんだろう?




85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 16:05:37 ID:Gl5Bpb0o

男「それで、女さんはこのあとどうするの?」

女「このあと?」

男「殺人しても無駄だったんでしょ?」

女「夢だけどね。…でも、現実でもそうなる気はする。」

男「まだ僕を殺す?」

女「…どうしようかな。」

女「なんかね…私夢で男君を殺したときに…」

女「もちろん、罪悪感はあった。
  …でも、それとは別のなにかが…内側からこみあげてきて…」

女「その『何か』がなんなのかは…わからないけど…」

女「…とにかく…死んでほしくない……」

男「…それって……死んだ僕の顔が
  予想以上に気持ち悪かったから…とか?」

女「すごい被害妄想だね。」

男「それほどでも!」




86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 16:09:26 ID:Gl5Bpb0o

…ちらり。

腕時計を見ると、その短針は9を指している。

女「学校遅刻だねー」

男「あ、そっか!平日だったね!」

女「まあいいや。今日は休む。」

男「僕も休もうと思ってたんだ!気が合うね!」

男・女「いぇーいっ!」パチンッ




87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 16:16:03 ID:Gl5Bpb0o




女「学校サボったことで、怒ってもらえるかなあ。」

男「そうなるといいね!応援するよ!」

女「男君は怒られる?」

男「学校から連絡の電話が入ったら
  『面倒かけやがって…死んでくれよ』って言われるかな。」

女「ふむふむ。」




88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 16:23:58 ID:Gl5Bpb0o

女「親と仲良くしたい?」

男「仲良く?」

女「家族全員笑顔になりたい?」

男「うん!」

女「じゃあさ、うまくいく確率のほうが低いけど……」

男「……!」




男「すごいね!面白そうだよ!」

女「じゃあ、早速行こっか。」




89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 16:40:05 ID:Gl5Bpb0o

ピンポーン…

男母「…誰?」ガチャ

女「はじめまして。男君の友達の女って言います。」

男母「……あなた、学校は?」

女「男君の事が気になったので、休んできました。…男君いますか?」

男母「…?あいつに何があったの?」

女「…今週ずっと元気無くて……昨日は特に酷かったんです。」

女「いつも一緒に帰ってるのに、昨日はとっくに帰っていたし…」

女「それで、今日の朝学校に行ってみたら…いなくて…」

女「それで、様子を見に来たんですけど…」

男母「……」




90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 23:15:53 ID:Gl5Bpb0o

男母「大丈夫。男はさっき夫が病院に連れていったから。」

女「…本当ですか?」

男母「…なに?」

女「私、さっき嘘つきました。」

女「昨日の帰り…本当は男君を追ってたんです…」

女「男君が思い詰めた様子で学校から帰るのを見かけたので…」

女「そしたら、男君は森に入っていきました。」

女「見失っちゃって……それで、次に見つけたときには…もう…」

男母「……え?」

女「……」




91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 23:23:22 ID:Gl5Bpb0o

男母「…それ、本当なの?」

女「……」コクリ…

男母「…ふ……ふふ…ねぇ、本当なのよねえ?」

男母「生きてましたとか言わないわよね?」

女「…え?はい……」

男母「そう!ふふ、ふふふふ……」

女「何で笑ってるんですか?」

男母「…機嫌が良いから教えてあげる。」

男母「あの子はね…もともと産むつもりじゃなかった。」

男母「あの子のせいで高校も中退して…私の人生は狂った…」

男母「いらなかった…いらなかったのよあいつは!」

女「…だってさ。」

男「ね?僕の予想通りだったでしょ?」

女「うん。心配しなかったね。」

男母「!?な…生きてるじゃないの!!騙したのね…!」




92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/10(月) 23:28:43 ID:Gl5Bpb0o

女「でも、死んでほしいみたいなので…」

女「男君には死んでもらおうと思います。」

男母「……?」

女「今日はこれです。」つマシンガン

男母「なっ…なんでそんな物を!」

女「はい、こう持ってくださいね。」

男母 「!?」

女「そして、男君に向けて、ここを押す。」

男母「…はっ!?」カチッ

ダダダダダダダダダダダンッッ!!

男「…ぐっ……が…はぁっ…」ポタポタ…

血まみれのまま、立ち尽くす男…

男母「は…ああ…?ええ?な、何が、私が殺し…?」




94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 21:47:59 ID:naAq..YY

女「…」

男母「な……」

女「な?」

男母「何てことしてくれたの!私は悪くない…
   あなたよ!あなたが殺したの!
   そう…私は何も悪くない……!」

女(ここまでして自分の心配かー)


そのとき、不意に男が口を開く……

男「…ぅ…おかあ……さ…」

男母「…!」




95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 21:53:17 ID:naAq..YY

男「…今まで…僕の……こと…」

男「嫌い…なのに……育ててくれて…ありが……と…」ニコッ

男「……」ドサッ…

男母「……っ…」ズキッ…

女「…男君、多分死んじゃいましたね。」

男母「……」

女「良かったですね。望み通りになって。」

男母「……ぁ…」

女「?」




96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 21:58:42 ID:naAq..YY

男母「ぁ…ああ…う”あ”あ”あ”あぁぁぁあああ”あ”あっっっ!!!」

頭を押さえ込みながら、
奇声を上げてうずくまる母…

女「どうしたんです?」

男母「…ちがう……ちがう…」

男母「…私は…本当は……そう…最初は……」

女「……」

男母「なんで……こんな酷い…違うのに……私…」


そのとき


男「さてっ、もういいかな!?」ガバッ!!

男母「!?」

女「…あーあ。」




97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 22:03:59 ID:naAq..YY

女(計画ぶち壊しだね。)

男「…あれ?早かったかな?」

男母「…お、男!生きてるの!?」

男「え?うん、多分生きてるよ!」

男母「本当に!?無事なの!?」

そう言って、男を抱き締める母…

男「…!?わ、わっ……え?どうしたの?
  もしかして……熱とかある…?」

男母「違うの……ごめんね…今まで本当にごめんなさい……」ポロ…

男「…泣いてるの?僕のことで?」

男母「そうよ……本当に良かった…生きててくれて…」

女(…状況が飲み込めない。)




98: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 22:16:27 ID:naAq..YY

落ち着いたお母さんは、
男君を嫌っていた理由を話してくれた。

高校生で妊娠してしまい、
家族に相談したときにはもう中絶もできなくなっていて…

親からは縁を切られ、夫(男父)からは何故中絶しなかったと責められた。

それでも、男の事はずっと守っていこうと決めていた…


が、夫からの暴言・暴力が毎日続き……

矛先を男に向けさせて、自分は逃げてしまったのだという。




99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 22:20:11 ID:naAq..YY

男母「謝って済むことじゃないけれど…本当にごめんなさい…」

男母「私はあなたが大好きだった…なのに、夫が怖くて…夫に賛同してあなたを嫌うフリをしていたら…本当にわからなくなってしまって……」

男「……」

男「…あはは!僕は幸せ者だね!お母さんに好かれてたなんて!」

母「男…」

女(……)




100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/18(火) 22:24:14 ID:naAq..YY

そのあと、銃と血は偽物だとちゃんと説明しておきました。

まあ、本物だったけどねー。



女「私が予想してたより、ずっとハッピーエンドだったよ。」

男「女さんのおかげだね!ありがとう!」

女「それで、このあとどうする?」

男「もう決まってるよ!」

女「?」

男「女さんの家!」

女「……え?」




105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 22:47:57 ID:DG87LH0s

ガチャ

女「ただいま。」

女母「あら、お帰りなさい女。」

女「…あ、お父さんもいたんだ。珍しいね。」

女父「今日は仕事が早く終わってな。」

女「…」


『僕に考えがあるんだ!あのね…』


女(本当に大丈夫なのかな…)




106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 22:52:08 ID:DG87LH0s

女「お父さん、お母さん。」

父・母「…?」

女「私って…嫌われてる?興味ない…?」

女父「…どうしたんだ?誰にだ?」

女母「学校で何かあったの?」

女「…違う……私は…」

女「……あなたたちに嫌われてるって…思って…」

女父「…なんでだ?私たちが暴力でもふるったか?」

女母「ご飯だって…つくれないときはお金置いてるじゃないの。」

女「……」




107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 23:03:07 ID:DG87LH0s

女「…3回。何の数字だと思う?」

父・母「……?」

女「……」

女「私が誉められた回数。だよ。」

女「転んで泣かなくなったとき。」

女「初めて100点取ったとき。」

女「一人で留守番できるようになったとき。」

父・母「……」

女「全部小学生にもなってないときの記憶。」

女「小学生の私は…そんなこと出来て当たり前だったもんね?」




108: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 23:07:41 ID:DG87LH0s

女「どんなに良いことをしても…どんなに成績をあげても…」

女「何をしても……二人はこっちを見てくれなかった。」

女「でも……」





女「死ぬ瞬間なら心配してくれる?」ザクッ

父・母「!!」




109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 23:12:04 ID:DG87LH0s

隠していたナイフを取りだし、手首に深く突き刺す。

女「……っ」ズキッ…

そのまま手前にひく…突き刺す…ひく…



パシッ!


手を掴まれた。降り下ろせない……

女父「やめなさいっ!!」

女「……!」




110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 23:15:57 ID:DG87LH0s

今、この瞬間。

対等な立場で私は見られてる。

私に怒ってくれてる。

私を見てくれてる。

私という一人の人間に対して、話しかけてくれている。



価値観がおかしいのは分かってる。

嬉しい。




111: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/11/26(水) 23:20:32 ID:DG87LH0s

女父「私たちは……お前にこんなことをさせるまで…追い込んでいたのか…」

女母「お願いだから…自分の身は傷つけないで…」

女「……?」

思ってたのと違う反応。

『何馬鹿なことしてるんだ!』みたいな感じで
叩かれて怒られるのかと思った。




114: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/01(月) 00:14:41 ID:QhcjUj8o

女母「私たちはアナタを嫌ってなんかいないの……」

お母さんの目からは涙がこぼれていた。

女「じゃあ…なんで私に無関心なの?私のことが嫌いだから…興味ないからじゃないの?」

女父「無関心……確かに私がしていたのはそう呼ぶべき行為だったな……すまない…」

女父「でもな、女…私たちはお前を嫌っていないし、興味がない訳じゃないんだ。」

女父「…言い訳でしかないが…私たちはどちらも忙しい身だということは女も分かってると思う…」

女父「仕事は早く始まり、遅く終わる……疲れて自分の事で精一杯になってしまっていた……」

女父「もちろん、そんな境遇で子供をしっかり育てている親はいくらでもいる…だからこれは言い訳にしかならない。すまなかった、女…」

女「……」

女母「あなたは昔から物覚えが良かったから…なんでも任せられて…」

女母「確かに、『できて当たり前』だと思ってしまっていた…全然誉めてあげてなかったわね…本当にごめんなさい…」




115: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/01(月) 00:25:01 ID:QhcjUj8o

女「…もう…いいよ。私の方こそごめんなさい。急に変なことして…二人に心配かけて…」

女父「女が謝る必要はない…」

女母「…ほら、手首みせて?」

お母さんが小さめの包帯やキズ薬を持ってきた。

女「あ、いいよ、自分でやるから…」

女母「…ふふ、子供の頃なんでも女自身にやらさせてた分、今から少しずつ返していきたいのよ。」

お母さんはそう言いながら私の手首に、薬を塗ってくれた。
……よかった、染みないやつだ。

女父「私にできることは……」

女母「…何もないかしらね?」

女父「……」

女「……ふふっ。」

こんなに簡単だったなんて……

心の声を表にだすだけで…変わってたんだ。




116: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/01(月) 18:25:04 ID:4ovbA1Go




男「…あ!女さん、どうだった?」

女「ばっちり…なのかな?よく分かんないけど…仲直りできたよ。」

男「そっか!おめでとう!」

女「うん、ありがとう男君。」

男「…それで、これからどうするの?」

女「これから?」

男「もう殺人しないの?」

女「んー…殺人が趣味な訳じゃないしなー。」

男「そっか…」




117: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/01(月) 18:27:58 ID:4ovbA1Go

女「…?どうしたの?珍しく落ち込んでるね。」

男「え?よく分かったね!?」

女「顔に全部でてるよ。」

男「僕ポーカーフェイスは一番苦手なんだっ!」

女「ふむふむ。…それで、何で落ち込んでるの?」

男「……」

少しうつむいて考えた後…




118: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/01(月) 18:32:54 ID:4ovbA1Go

男「僕は死にたかった。」

女「?」

男「女さんは殺人したかった。」

女「うん?…うん。」

男「そんな奇跡が起こって、僕たちは一緒に行動するようになった。」

女「ギブ&テイク…かな?」

男「でも、もうその繋がりがなくなっちゃったね。」

女「……」

男「正直言って僕も死ぬ理由は無くなったしね。」

男「お母さんを守っていかないと。」

女「繋がり……か。」




121: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 20:41:20 ID:CK39BWKY

女「……」

女「確かにそういう関係は無くなったけど…」

女「私は…あなたとの繋がりが無くなったとは思ってないよ?」

男「…え?」

女「別に、殺す・殺されるの関係じゃ無くなっても…私は男君と会話するし、なんなら家に遊びに行ったりもする。」

男「女さん…」

女「まだ色々と知りたいしね。男君のことについて。」

男「…僕も女さんと、もっと色々な話がしたい。」

男「人と話してて『楽しい』って思えたのは初めてだったから。」

女「これが『友達』っていうのかな?」

男「ううん!違うよ!」

女「?」

男「友達以上……『親友』とかかな!」

女「親友……」




122: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 20:48:22 ID:CK39BWKY

男「…すごいや!今日一日だけで一気に世界が変わっちゃった!」

男「つまらなかった世界に色がついて…僕なんかが愛されてて…親友までできた!」

女「私も…本当にこんな未来が訪れるなんて思ってなかった。」

女「私達には奇跡が起こりすぎてるみたいだね。」

男「いつか一気に反動がくるのかもね!」

女「ありそうだね。」




123: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 20:53:39 ID:CK39BWKY

そのあとも、くだらない会話を延々と交わす。


どうでもいい話。


…なのに楽しい。矛盾だね。


時間はあっという間に過ぎていく…




124: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 20:55:49 ID:CK39BWKY

男「夕日が眩しいね。」

女「今の時間帯が、車の事故発生率が一番高いらしいよ。」

男「本当に!?気を付けないとね!」

女「昨日までなら飛び込みたがってたのにね。」

男「死にたくないからね!」




125: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 21:00:10 ID:CK39BWKY

女「最初に言った言葉覚えてる?」

男「?」

男「…あ!思い出したよ!」

男「死にたいな…だよね?」

女「そう。それ。」

女「今じゃ180度逆のこと言ってるよね。」


男「生きたいな。」

女「人を助けてみたい。」


男・女「……なんてね。」アハハ

女「上手い言葉が思いつかなかったなー。」




126: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 21:02:56 ID:CK39BWKY

女「…ねー男君。」

男「え?何?」

女「このあと時間ある?」

男「僕はいつでも暇だよ!」

女「じゃ…散歩でもしない?」

男「…?もちろんいいよ!」

女「…」スッ…

男「……?」




127: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 21:07:42 ID:CK39BWKY

女「死にたくないんでしょ?死なないように守ってあげる。」

男「手を繋ぐのと守るのって関係あるn」グイッ


言い終わる前に、私は男君の手を引っ張り歩き出す。


はー…あんな言い回しじゃなくて、正直に言えたらなぁ…


男「おっとと…相変わらず早いね!」

女「せっかちなのです…ふふっ。」


ま、これから言えるようになっていけばいーよね。




To be continued……




128: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 21:12:28 ID:CK39BWKY

『To be continued』は、
二人の人生はまだ始まったばかり…
的な意味合いだと思ってくだされ。別に続編は書きません。




129: 以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/04(木) 21:38:32 ID:uq4xt6Tk







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