桜田家のコタツ与太話
- § 桜田ジュンの部屋
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,》@ i(从_从))
||ヽ|| ^ω^ノ いや~、ぬくぬくだわ
/ ̄旦 ̄/ヽ
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翠星石「お、真紅! いいもんに入ってるじゃねーですか」
雛苺「おコタなのよー!」
真紅「あら、お帰りなさい二人とも。ジュンに付き合ってのお買い物ご苦労だったわね。
寒さに震えて帰ってくるあなた達の為にコタツを押し入れから引っ張り出してきたのよ」
ジュン「…本当か? 単に自分が入りたかっただけじゃあないのか」
真紅「そんなわけないでしょ。もっと、この真紅ちゃんの優しさに感激して頂戴」
雛苺「感激なの~」
翠星石「感激ですぅ! やっぱアリスになる乙女はキチガイができるですよ、キチガイが」
真紅「それを言うならキチガイじゃなくて『気遣い』だわ翠星石」
ジュン「……」
真紅「ほら、ジュンもいつもみたいに『おったまゲボリューション!』ってゲロまきちらしながら驚いてもいいのよ?」
ジュン「そんなリアクション一回もやったことないけど…、まあいい。そろそろコタツを出そうとも思っていたところだ」
雛苺「それじゃヒナもおコタに入るのよ」
翠星石「翠星石もですぅ」
真紅「入る時は中の暖気が逃げないように0.1秒でお願いね」
翠星石「ラジャーです」ババッ
雛苺「ラジャーなの」ササッ
ジュン「じゃあ、僕も…」
翠星石「おぉーっとチビ人間、残念ながらこのコタツは三人用なのです!」
ジュン「はぁっ?」
雛苺「うぃ! ジュンはチャンスを逃しちゃったのよね」
真紅「そうやって一生チャンスを見送り続けているのがジュンにはお似合いだわ」
ジュン「ふざけるな。どう考えても四人は入れるだろ。ほら、一面残ってる」
真紅「仕方ないわね。なら、コタツに入れさせてあげる代わりに、オヤツとかみかんを持ってきて」
雛苺「ヒナはうにゅー!」
翠星石「翠星石にはチーズバーガーを」
ジュン「それぐらい自分で取ってこい。あとチーズバーガーは無い」
真紅「あなたこそふざけないで頂戴ジュン。コタツに入っていない者は、入っている者の命令に絶対服従」
翠星石「そうです。それがこの世界のジャスティスですぅ」
雛苺「じゃすてぃすっ!」
ジュン「くっ…! 何があってもコタツから出ないつもりかお前ら」
真紅「ほらほら、早く言われた物を持って来なさい。そうしたら入れてあげるから」
翠星石「翠星石もチーズバーガーが無いんだったら、チーズ的なものであれば何でもいいですぅ」
雛苺「ヒナは絶対にうにゅーなの。TPPには譲歩しても、うにゅーだけは譲れないの」
ジュン「お前、TPPって何か知ってんのか」
雛苺「それぐらい知ってるの! タオパイパイなの!」
ジュン「……」
翠星石「ともかく、コタツに入りたいならとっととミッションをコンプリートしてこいですぅチビ人間」
- § 5分後
- ジュン「ほらよ、サラダせんべいとチーカマとみかんと苺大福を持ってきたぞ」
真紅「ご苦労…と言いたいところだけど、これじゃあ片手落ちよジュン」
ジュン「はいはい、ちゃんとマヨネーズとペットボトル入りのお茶も持ってきてます」
真紅「流石ね」
翠星石「真紅のマヨラーっぷりも大概ですねぇ…」
雛苺「真紅はサラダせんべいにも馬鹿みたいにマヨネーズをかけるのよね」
ジュン「人間だったら生活習慣病まっしぐらだな」
真紅「大丈夫。このマヨネーズはカロリーハーフのやつだから通常の二倍かけられるの」
ジュン「アメリカンジョークか」
真紅「あと冬ってあれじゃない、アレがアレだからマヨネーズをたくさん食べてカロリー摂らないとアレなのよ」
雛苺「うみゅ~? アレばっかりで真紅が何を言っているのか分からないの」
翠星石「真紅もついにボケたですか」
ジュン「…寒くて体温維持のためにカロリーが必要だってのか? 人形が何を言ってんだ」
真紅「まあまあ…」
翠星石「うぉうっ!? 真紅とチビ人間の間では会話が成立していたみたいですよ!?」
雛苺「るろうに剣心なのね」
真紅「以心伝心」
ジュン「…さて、いい加減コタツにも約束通り入らせてもらうぞ」ゴソゴソ
翠星石「うひぃ~、もっと手早く入れですチビ人間~っ!」
雛苺「コタツのあったかい空気が全部逃げちゃってるのー!」
真紅「このノロマ! グズ! 今すぐハラキリして日本人の誇りを貫きなさい!」
ジュン「ああもう、うるさい。コタツの入り方が下手なくらいで切腹なんてやってられるか」
- § コタツに入って10分後
- 雛苺「うにゅにゅ…、このみかん酸っぱいの~」
真紅「苺大福なんて甘いものを先に食べるからよ」
翠星石「サラダせんべいを間に食えですチビ苺。そうすりゃ万事解決ですぅ」
雛苺「そうするぅ…」
ジュン「…おい」
真紅「何? ジュン? 今さらお菓子の食べ過ぎだとか文句言うんじゃないわよね?」
ジュン「そうじゃあない。さっきから僕の足をコタツの中で蹴り続けている奴がいる」
翠星石「ああ、それ翠星石です」ゲシゲシ
ジュン「しらばっくれるつもりもねーのか! 特に理由のない暴力はやめろよ、地味に痛いだろ」
翠星石「やめないでーす。コタツの中にチビ人間がいる限り、その足を蹴るのは翠星石のカルマですぅ」
ジュン「やれやれ…」
真紅「えいっ! えいっ! みかんの皮の汁で目つぶし攻撃」ピュッピュッ
雛苺「にょわわ~っ! 目がっ! 目がぁあ~~っ」
- § コタツに入って20分後
- ジュン「よっこらせっと」バサッ
真紅「ちょっ!? ジュン! 何いきなり断りもなくコタツから出ているのよ!?」
翠星石「いくらなんでも勝手がすぎるですぅー!」
雛苺「温厚なヒナでもブチギレ金剛なのよ…それは」
ジュン「な、なんだよ! いいじゃないか別に。コタツを出るにもお前らの許可がいるのか?」
真紅「当然よ。現に今もジュン、あなたが無造作に出たことでコタツ内の貴重な温度が失われた」
ジュン「……」
雛苺「おコタの中のぬくもりは桜田家の貴重な共有財産なのよー!」
翠星石「そうです! 資源の少ない日本に唯一残された資源、それがコタツです!
なのに、それがチビ人間のブシドーによって無駄になってしまったのですぅ」
真紅「ブシドーじゃなくて無思慮(ムシリョ)よ翠星石」
翠星石「そ、そうとも言うです」
真紅「何にせよ、コタツから出る時はその場で同じコタツに入っている人に一声かけてから出るのがマナー」
雛苺「そして、その人がおコタから出ていいか、みんなで相談なの。ミンシュシュギにのっとるの!」
翠星石「それ相応の理由が無ければコタツを出ることは許されないのですぅ」
ジュン「めんどくさい奴らだな。オナラだよ、オナラしたいから僕は外に出たんだ。これで問題ないだろ」
真紅「え…?」
翠星石「オナラ?」
雛苺「オナラしたいのよ? ジュン?」
ジュン「そうだよ。コタツの中でオナラされるなんて嫌だろ? だから…」
真紅「ジュン、あなたって男よね?」
ジュン「あん? 今さら何を…」
翠星石「男子たるもの、たかがオナラ程度でコタツを出るとは何事ですか!」
真紅「信じられないほど女々しいわね。コタツ内での放屁は日本男子たるもの当然の所作」
雛苺「オナラも大切なオコタの中での熱源なのよー!」
翠星石「そうです、コタツでオナラはもはや常識! この世界の鉄の掟(アイアン・ホリック)です!」
雛苺「じゃすてぃすっ!」
ジュン「本気で言ってんのかお前ら」
雛苺「もうっ! ジュンは本当にはデリバリーのない男なの」
ジュン「デリカシーな。と言うか、デリカシーあるから外でオナラしようと…」
真紅「だまらっしゃい! ジュン! いみじくもコタツを同じにした私達の間に詭弁はいらないわ!」
翠星石「そうです! 言葉は要らんです! 態度で誠意を示せですぅ!」
ジュン「誠意?」
雛苺「お菓子のおかわりを持ってきてなの」
ジュン「はいはい、結局そういうことになるわけね…」
- § コタツに入って45分後
- 真紅「…そこで私は水銀燈にこう言ってやったのよ。『つまりコロンブスは忍者だ』…とね」
翠星石「がっはっは! んなわけねーです! ったく、本当に面白いやっちゃですね真紅は」
雛苺「うぃ、ユーモアに満ち溢れているの」
ジュン「水銀燈を騙してやるなよ…」
真紅「何よ! ジュンなんて、どうせ教科書とかでしかコロンブスを知らないくせに」
ジュン「それ以外にコロンブスを知る方法あるのかよ」
翠星石「その程度の知識でクリコロの底を見たかのごとき言動はやめてほしいですね」
雛苺「うぃ、クリコロさんは凄い人なのよ」
ジュン「(クリストファー)コロンブスをクリコロって略すな。大体、雛苺はコロンブスを知ってるのか?」
雛苺「ゆで卵を発明した人なのよね」
ジュン「……」
真紅「まあ、それはそれとして話は変わるけど」
翠星石「うん?」
真紅「火の用心~、マッチ一本火事のもと~ってのがあるじゃない」
翠星石「あー、あるですね。え~と、あの…火打石でカチカチ鳴らすやつですよね」
ジュン「拍子木だ。火の用心で火打石を叩いたら逆効果だろうが」
雛苺「ヒナあれやってみた~い! アレがやれるなら、もう死んでもいいの!」
真紅「その、火の用心ってやつだけどジャパニーズトラディショナル伝統じゃない」
ジュン「トラディショナル伝統て…」
真紅「で、その伝統を日本好きのアメリカンがロサンゼルスで真似したそうなのよ」
翠星石「ほお? ビーケアフォー・ファイヤーとでも言って練り歩いたのですか?」
真紅「多分まあ、そんな感じ。で、その日本好きのアメリカ人を仮にボブ・マイケル君としましょうか。彼はどうなったと思う?」
ジュン「へ?」
雛苺「何か事件でも起きたのよ?」
真紅「さあ、レッツ・シンキング真紅ターイム! みんなで考ましょーう」
翠星石「ふむぅ? 何だかめんどくせークイズですね」
ジュン(シンキング真紅って何だ…?)
真紅「♪テレテテテレテテ~(スーパーマリオ3の氷のステージのBGM)」
雛苺「むむ~、難問なの~」
ジュン「うーん、火の用心よりもテメーの用心をするんだな、とか言われて銃で撃たれたとか?」
真紅「あなたロスを何だと思ってるのよジュン。思考が世紀末すぎ」
ジュン「ぐ…」
雛苺「ヒント! ヒントが欲しいの~真紅!」
真紅「しょうがないわねぇ。だったら三択問題に変えてあげるわ」
翠星石「おっ! 本当ですか? 真紅は太っ腹ですぅ」
真紅「その一、マッチ一本火事のもとのくだりがマッチ会社から営業妨害だと言われて訴訟された」
翠星石「訴訟
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- 相変わらず真紅は乙女の恥じらいもクソもないな…
発言に一切の躊躇いもない
いやションベンはスピリタスと混ぜようか(彼は狂っていた)