シャア「アムロ、君はガンプラバトルというものを知っているかな?」
アムロ「モビルスーツのプラモデル同士で戦うというやつか。聞いたことはある」
シャア「私と君との決着、そのガンプラバトルで付けるというのはどうだ?」
アムロ「・・・決着?だがオレはガンプラはおろか、プラモデルを作った経験もほとんどないぞ」
シャア「だから私、シャア・アズナブルが教えてやろうというのだ、アムロ!」
アムロ「シャア・・・」
シャア「ここだ。ここが私の行きつけのイオリ模型店だ」
アムロ「なかなか良い雰囲気の店だな」
シャア「そうだろう。最近は家電量販店などでも定価より安くプラモデルが販売されている。しかしやはりこういった地域に根差した模型店こそガンプラの能力を広げることが出来るのだ」
アムロ「??・・・あぁ、そうだな・・・」
ウィーン
セイ「いらっしゃいませ。あ、シャアさん。こんにちは」
シャア「やぁ、セイ君。こんな昼間から店番か?君のような若者は学校に行ってきちんと教育を受けなくては・・・」
セイ「春休みですよ。シャアさんこそ毎日来てますけど、仕事はいいんですか?」
シャア「今日は私の友人を連れてきた」
セイ(無視された・・・)
アムロ(情けない奴・・・)
シャア「アムロ・レイという人を知っているかな?」
セイ「もちろんですよ!うわぁ!アムロさん!本物だぁっ!!」
アムロ「やぁ、こんにちは。セイ君だね」
セイ「はい!感激だなぁ・・・。ずっと見てました!一年戦争も、グリプス戦役での活躍も、第二次ネオ・ジオン抗争の激闘も!!!あの・・・よかったら後でサインしていただけませんか?」
アムロ「あぁ、いいとも」
セイ「やったぁ!!」
シャア「水臭いな、セイ君。サインなら私も・・・」
セイ「今日はガンプラをお探しですか?」
アムロ「そうなんだ。シャアがガンプラバトルをしたいというのでね」
シャア「・・・。私、シャア・アズナブルもサインをしてやろうというのだ、セイ君!」
セイ「じゃあ今、ガンプラのカタログを持ってきますね」
シャア「・・・」
アムロ「すごいラインナップだな。ガルマ専用のザクまであるのか」
シャア「その通り。特にHGUCシリーズはメジャーな機体はもちろん、アニメには登場しなかったマイナーな機体まで豊富にそろっている」
アムロ「デンドロビウム!こんなものもあるのか。こいつは乗ってみたいな」
シャア「ッ!!?あ・・・アムロ・・・。そんな巨大なモビルスーツは君には似合うまい・・・」
アムロ「だがパイロットなら誰でも一度は憧れるだろう」
シャア「し・・・しかし・・・」
セイ「す・・・すみません・・・。デンドロウビムはうちには置いてなくて・・・。もし欲しければ通販サイトのJABUROで手に入ると思いますよ」
アムロ「そうか。しかし通販では今日買ってすぐにバトルというわけにはいかないな・・・」
シャア「そ・・・そうだとも。もっと君に似合ったモビルスーツを選ぶのだな」(まったく・・・冗談ではないっ!)
アムロ「じゃあ、店内の商品の中から探すことにしよう」
アムロ「やはり思い入れの深いRX78にするか。種類も豊富だ。こいつなんてどうだろう?大きくて作りやすそうだ」
セイ「ぱ・・・パーフェクトグレードですか?」
シャア(デンドロウビムの次はパーフェクトグレードだと!?えぇい!アムロの予算は化け物か!私なんてマスターグレードさえ許されないというのに!)
セイ「い・・・一応ガンプラバトルのレギュレーションでは使用ガンプラは1/144かSDでないと・・・」
アムロ「なるほど、サイズオーバーか・・・」
セイ「やっぱり初めてならHGUCが良いと思います。このνガンダムなんてどうでしょう?出来もすごく良くて・・・」
シャア「セイ君ちょっと・・・」
セイ「はい?」
シャア「憧れの英雄に会えてうれしいのはわかるが、アムロは私の友人だ。彼のガンプラは私に選ばせてもらう」
セイ「あ・・・す・・・すみません。出過ぎた真似をしてしまって・・・」
シャア「君が謝る必要はない。それも若ささ」
アムロ「シャア、決めたぞ。このνガンダムに・・・」
シャア「待てアムロ。君はガンプラ初心者だろう。初心者にそのキットは相応しくない」
アムロ「そうなのか?だがセイ君が・・・」
シャア「そんな決定権が彼にあるのか?私に任せてもらおう。私のライバルに相応しい機体を選んでやる」
アムロ「・・・わかった。あなたに任せるよ」
シャア「そうだな・・・。こいつがいいだろう。パーツ数も少なく、すぐに組みあがるだろう」
アムロ「では作ってこよう。セイ君、工作室を借りていいかな?」
セイ「あ、どうぞ。工具も塗料も好きなだけ使ってください」
アムロ「無償で借りるなんて申し訳ない。使った道具はすべて買い取らせてもらうよ」
セイ「え・・・?」
シャア「・・・アムロ、一つ聞いていいか?おまえは何でそんなに経済力があるのだ?」
アムロ「なに、仕事がうまくいっているだけさ。玩具を買う余裕ぐらいならある」
セイ「・・・あの・・・アムロさんのお仕事って・・・」
アムロ「アッムル社を知っているかい?」
シャア「あのザクレロソフトと双璧を成しているIT企業か!?」
セイ「すごい!あんな大企業に就職されたんですね!」
アムロ「いや、就職というか、オレの会社なんだ」
シャア、セイ「え・・・?」
アムロ「昔から機械いじりが好きだったからな。その延長がたまたま上手くいっただけさ」
セイ「すごいですね・・・。アムロさんって・・・」
シャア「・・・あれでこそ私のライバルだ」
セイ「そうですか?」
シャア「・・・年上をいじめないで頂きたい」
セイ「ところでシャアさんはどんなガンプラを持ってきたんですか?」
シャア「私のガンプラはこれだ」
セイ「サザビーですか。すごい完成度ですね!腰のパイプの光沢なんてすごく綺麗ですよ!どうやって塗ったんですか?」
シャア「ふふ。やはり気づいたか。流石セイ君だ。そこにはマニキュアを塗ったんだ」
セイ「マニキュア?シャアさんがマニキュア使ったんですか?」
シャア「ナナイが塗ってくれたのだ」
セイ「・・・女の子にプラモデル塗ってもらったんですか」
シャア「・・・」
シャア「アムロの奴遅いな・・・。ファーストグレード一つ作るのにどれほど時間がかかるのだ。いくらモビルスーツの扱いは上手くても、ガンプラづくりに関してはやはり初心者だな」
セイ「そんなの当たり前じゃ・・・って、ファーストグレード!!??シャアさん、アムロさんにファーストグレード渡したんですか???ファーストグレード相手にサザビーで戦うんですか!!??」
シャア「アムロ、私はあこぎな事をやっている・・・」
セイ「自覚あるならやめろよ・・・」
シャア「認めたくないものだな、じぶ・・・」
セイ「認めてください」
シャア「・・・年上をいじめないで頂きたい」
アムロ「待たせたな、シャア」
シャア「遅かったな、アムロ」
アムロ「すまない。こういう細かい作業はやり出すと夢中になってしまうんだ」
セイ「こ・・・これアムロさんが作ったんですか!?」
アムロ「あぁ・・・。初めてだから時間がかかってしまったよ」
セイ「初めてでこれって・・・すごすぎますよ!塗り分けも完璧だし、各部のディテールもファーストグレードとは思えないほどアップされている!」
アムロ「頭部にはLEDを仕込んで、メインカメラが発光するようにしてみた」
セイ「すごいすごい!!ファーストグレードに電飾しちゃうなんて!!」
シャア「ガンプラの出来の違いが、戦力の決定的差でないことを教えてやる!!」
セイ「ここのパネルラインはプラ板ですか!?初めてでプラ板工作まで!!」
アムロ「使ったプラ板もちゃんと購入させてもらうよ」
シャア「・・・ガンプラの出来の違いがっ!!戦力の決定的差でないことを教えてやるっっ!!!!」
セイ「そんなのいいですよ!アムロさんに使ってもらえて幸せです」
アムロ「そんなわけにはいかないさ」
シャア「・・・」
Please set your GP-base.
セイ「アムロさんは初めてなんですよね?操作方法わかりますか?」
アムロ「マニュアルは一通り目を通した。後はやりながら覚えるさ」
Beginning plavsky particle dispersal.
シャア「ガンプラの出来の違いが、戦力の決定的差でないことを教えてやる!!」
Field 1 : space.
セイ「ファーストグレードは関節が少なく、可動範囲にも制限があります。気を付けてください」
アムロ「あぁ、その辺もオレなりに作りながら考えてみた」
Please set your GUNPLA.
ガシャ、カシャン
シャア「見せてもらおうか!アムロの作ったガンプラの性能とやらを!!」
Battele start.
アムロ「アムロ、ガンダム出る!!」
シャア「サザビー出る!!」
セイ「す・・・すごい・・・!!夢みたいな光景だ!!!」(モビルスーツの性能差はともかく・・・)
シャア「懐かしいなアムロ」
アムロ「あぁ、こうして宇宙で対峙するのも第二次ネオ・ジオン抗争以来だ」
シャア「あの時のようにはいかんぞアムロ。動かないファーストグレードで宇宙戦をする羽目になるとは、君もよくよく運の無い男だな」
セイ「自分が選ばせたくせに・・・」
シャア「戦いは非常さ。悪いが早々に決めさせてもらう!」
ピシュンッ!
アムロ「当たるものかっ!」
シャア「なに!!避けただと!あの動き、関節の少ないファーストグレードの物ではない!バカな!!」
アムロ「各関節はwabeやコトブキヤの物に置き換えた!」
セイ「流石アムロさんだ!あれならほとんどHGと同じ・・・いやそれ以上に動かせる!」
ピシュンッピシュンッ!!
シャア「ええい!ライフルではアムロは落とせん!ならばっ!!」
ヒュンヒュンヒュン!!
アムロ「なに!?ファンネル!?そんなものまで再現できるのかっ!!」
コメント一覧
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- 2014年12月10日 20:12
- 続けよ
シャアが駄目な感じ好き
アムロの天才感も好き
何より、アムロがシャアをあなた呼びしてる関係性すごく好き
あのクワトロの時に二人で話してたシーン思い出すわ
Zん時のキャラいいんだよな
ハヤトも良いし、でも一番かっこいいのはカイさん
レポートとかも大好きだわ
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- 2014年12月10日 20:13
- シャーかっこいい(小並感)
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- 2014年12月10日 20:14
- いい再現だった
トライファイターズ版もお願いします
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- 2014年12月10日 20:16
- 1(二)セイラ「いっそ死んでくれれば」
2(左)カミーユ「馬鹿な人です」
3(中)アムロ「情けない奴!」
4(三)ララァ「大佐邪魔です」
5(一)シロッコ「ニュータイプのなりそこない」
6(遊)レコア「世界が自分を中心にして動くと思うな」
7(右)ハマーン「無様だな」
8(捕)フル・フロンタル「敗北した人間」
9(投)ギュネイ「大佐はロリコン」
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- 2014年12月10日 20:28
- つぎはプラモ狂四郎でするんだ
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- 2014年12月10日 20:28
- このシャアはアクシズに永久にへばりついてていい
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- 2014年12月10日 20:40
- 互角の条件で戦いたいがために、敢えてアムロ側にサイコフレームの技術を流した
逆シャア時のシャアはどこに…
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- 2014年12月10日 20:45
- ※1、2
ホモ特有の文豪
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- 2014年12月10日 21:02
- パイロットとして一流で政治もできる男と
パイロットとして一流で工作も得意な男
どちらがガンプラバトル向きかなんて言うまでもないなw
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- 2014年12月10日 21:13
- 年上をいじめないで頂きたい
このフレーズ気に入ったんだろうな
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- 2014年12月10日 21:14
- このシャアはサザキ妹(小学生)にも負けそうだ
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- 2014年12月10日 21:28
- シャアも平和の中で色々と気が抜けてこんなダメな人になったんだろうなw
しかし各ガンダムパイロットがこぞって自分のガンプラ作ってそうな世界だ。
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- 2014年12月10日 21:45
- 総帥とかごっつい仕事してきたんだから出来ることあるだろ……
勇気出せよ。
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- 2014年12月10日 21:57
- 情けないやつ
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- 2014年12月10日 21:57
- 総帥とかゴツいことしてたからこそ普通には就職出来んのかもな…
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- 2014年12月10日 22:00
- アムロが某ラノベ主人公並みのハイスペックwww
このシャアもセイと特訓してやろうと毎日通ってたりなんだかんだでイイキャラだな
職はないけど
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- 2014年12月10日 22:36
- 妹はガン☆コレのポスターになってるというのにこの兄ときたら・・・
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- 2014年12月10日 22:57
- アムロは機械いじりの延長で社長はわかるがシャアは政治家くらいやらせてやれよ…
でもこのダメなシャアも好き
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- 2014年12月10日 23:23
- 初心者でプラ板からLEDまで使いこなすアムロさんスゲェ…
あ、自分はまだパチ組みしかしたことないっす
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- 2014年12月10日 23:29
- ん
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- 2014年12月10日 23:30
- 他社のパーツ使ったらプラ粒が反応しないんじゃ
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- 2014年12月10日 23:44
- 平和すぎて、シャアさんダメ人間になってるんやなw
マジなら兎も角、ギャグ話でなら「30云才超えてダメ人間」なのもまぁ許す。
原作は、比べる相手が悪すぎてなぁ。
お前ら色々言うけど、あの鬼畜天パと殴り合い宇宙できる奴がどれだけいるんだ、
って話だよw
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- 2014年12月10日 23:46
- やりました、やったんですよ、必死に!その結果がこれなんです!
大人ですらないダメキャラという風潮はあんまり好きじゃないな…
話は面白かった