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女「何、このメール……」|エレファント速報:SSまとめブログ

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女「何、このメール……」

1:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:22:53.65 ID:ApOP0bQf0.net

タイトル:天気の話
差出人:明日の世界
受取人:女
本文
天気の話は会話のきっかけに丁度良い。
会話のとっかかりになるし、生活に大きく関与する部分だから、誰にだって通じる。
インドアな読書家でも、本の湿気を気にしたり、雨の音をBGMにしたりする。
どんな人にだって天気の話は通じるし、あなたの好きな人にだって例外じゃない。
だから会話に困ったときや、話したい相手がいるときは、何だって話してみるのがいい。
天気の話は、あくまでとっかかりに過ぎない。



3:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:25:35.12 ID:ApOP0bQf0.net

女「変なメール……」

女(天気の話?でも、言われてみれば確かに切っ掛けにはいいよね)

女「明日、やってみようかなー」

母「まだ起きてるの?明日日直で早いんでしょ?早く寝なさーい」

女「あ、はぁーい」



4:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:32:01.27 ID:ApOP0bQf0.net

翌日
放課後、教室にて

女「終わったー……」

男「……女さん?何してんの?」

女「へ?」

男「あ、日直?」

女「あ、男くん。……男くん!?」

男「え、うん。どうしたの?」

女「えとえーと何もないよていうかどうしたの?もう学校終わりだよ帰らなくていいの?」

男「あ、うん。忘れ物しちゃって」

女「わわわすれもの?ノートか何か?」

男「えーとね、本なんだ」

女「本?」

男「そう、これ」

女「日本の政治思想……ムズカシソー」



6:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:38:44.33 ID:ApOP0bQf0.net

男「そんなことないよ。ただ読むだけなら誰でも出来るし」

女「ヘェー……」

男「うん……」

女(会話途切れちゃった……きっかけ……きっかけ……きっかけ?そういえば昨日のメール……)

天気の話は会話きっかけに丁度良い。

女「い、いい天気だね!」

男「もう夕方だけどね。そういえば、女さんはどうして残ってるの?日直の仕事は終わったみたいだけど……」

女「あ、えーと、日誌。先生にとどけないとだから」

男「なるほど。俺も先生に鍵返しに行くし、一緒に行こうか」

女「え、うん。行く行く」

女(あのメール、すごく助かった……。変なメールとか言ってごめん)



7:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:42:21.37 ID:ApOP0bQf0.net

男・女「失礼しました」

女「図書室行ってたんだね。何か借りたの?」

男「いや、借りたい本はなかった。でもちょっと立ち読みしちゃって」

女「何かおもしろかったの?」

男「えっとね……開いちゃうと読んじゃうんだ。あらすじだけのつもりだったんだけどね」

女「それでこんな時間まで?」

男「字があると読んじゃうんだ。ついつい、ね」

女「ふふ、本、好きなんだね」



9:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:51:31.14 ID:ApOP0bQf0.net


女の部屋

女「たくさん男くんと話せたなー……」ニヤニヤ

ピロリーン

女「メール……まただ……」

タイトル:本の話
差出人:明日の世界
受取人:女
本文
ヴェネツィアを泳ぐ魚や、アルジェンティーノ広場の猫。
カルピ村のマンブレッティ氏の車。
30と30は同じ数なのに、車なら多くて髪なら少ない。
アントニオをやめたおじいさんや、魚になったトーダロさん。
不思議な話はお好きかしら?
彼はきっと好きですよ。



10:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:55:29.89 ID:ApOP0bQf0.net

翌日
学校・図書室

男「あ……」

女「あ……」

男「こんにちは。放課後にどうしたの?」

女「なんとなく……。昨日話したから、ここにいるのかなーって」

男「うん。基本的には毎日いるよ」

女「何してるの?」

男「図書室でやることはひとつ」

女「本?何読んでるの?」

男「見た目が変われば受け取られ方も変わるって話を読んでた」

女「んんん?」

男「家族から冷たくされたおじいさんがね、猫になったら可愛がられるんだ」



11:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 09:59:34.82 ID:ApOP0bQf0.net

女「ねこ……」

男「猫は好き?」

女「うん、好きだよ、猫」ニャー

男「俺も好きだな。かわいいし」

女「私は、うん。私もそう思う」

男「何か他に理由があるの?」

女「好きなときに好きなこと出来て、羨ましいから……」

男「あー。なるほど。わかるよ。俺もそういうこと考えたことがあるし」

女「……そのおじいさん、もしかしてアントニオさん?」

男「知ってるんだね。こんなマイナーな作品」

女「ううん。聞いたことがあるだけだよ。なんていう作品なの?」



12:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:02:46.92 ID:ApOP0bQf0.net

男「短編集なんだけどね。こういう名前」

女「猫とともに去りぬ?」

男「そう。よかったら貸してあげるよ」

女「え?どうして?」

男「なんだか楽しくてね。あんまりこういう話してくれる人が友達にはいないから」

女「私がそういう人になってくれればいい?」

男「そういうわけじゃないけど、好きな作品のことを知っていてくれたから、嬉しくて」

女「じゃあ……うん。借りるね」

男「ありがとう」



13:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:08:39.46 ID:ApOP0bQf0.net


女の部屋

女「ふふ。髪が30本なんだ……ハゲだ……でも車は30台も持ってるんだ……」

ピロリーン

女「メール?そういえばまたあのメールに助けられたな……明日の世界さん……」

タイトル:勉強の話
差出人:明日の世界
受取人:女
本文
猫の話はできた?
本を読むと少しは賢くなれた気がするよね。
賢いといえば、期末テストがもうすぐだけど大丈夫?
しっかり勉強しないとね。彼に本を返すついでに勉強しちゃうといいんじゃない?



15:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:14:06.01 ID:ApOP0bQf0.net

翌日放課後
図書室

女「本、ありがとう」

男「もう読んだの?早かったね」

女「すごく不思議で、気付いたら引き込まれてた」

男「どの話が面白かった?」

女「やっぱり、社長と会計係かな。髪の話とか笑っちゃった」

男「確かに面白いね。マンブレッティが出てくるのは笑えるよ」

女「あ、そうだ、勉強しなきゃ。ごめんね、今日はちょっと勉強して帰るよ」

男「あ、テスト勉強?そうだな、俺もやってくよ。どうせ誰も来ないから、二人でやろうか」

女「へ?いいの?」

男「お互いわからない部分教えあえるしいいと思うよ」

女「ありがとう。じゃあ早速始めよっか……!」



16:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:21:27.02 ID:ApOP0bQf0.net

約3ヶ月後
女「あ、またメール……」

タイトル:99回目のメールですね
差出人:明日の世界
受取人:女
本文
あなたが羨ましい。
私も幸せになりたい。

女「いつもと違う……」

タイトル:Re:99回目のメールですね
差出人:女
受取人:明日の世界
本文
いつも助けてくれてありがとうございます。
すごく助かってます。
おかげで男くんっていう男の子と仲良くなれそうです。
あなたが幸せになれるように、私にお手伝い出来ることはありますか?



19:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:27:07.41 ID:ApOP0bQf0.net

翌日・放課後
図書室

女「えっと、男くん」

男「ん?どしたの」

女「今度の休みの日、暇?」

男「えっ、うん、ひま、だよ」

女「一緒に映画、行かない?友達と行く予定だったんだけどね、行けなくなっちゃってね、だから、ね」

男「え、うん、落ち着いて落ち着いて」

女「うん、落ち着いてるよ、だからね、デートとかじゃなくて、えーと、だからー」

男「行く行く。そういう誘い方するってことはチケットは取っちゃったんでしょ?」

女「え……うん。取っちゃった……」

男「なら付き合うよ。待ち合わせどうしようか?」

女「えっと……」



20:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:32:10.10 ID:ApOP0bQf0.net

休みの日・昼
映画館近くの喫茶店

女「男くんまだかな……私変な格好してないよね……」ソワソワ

ピロリーン

女「メール……明日の世界さんだ」

タイトル:とうとう100回目ですね
差出人:明日の世界
受取人:女
本文
あなたが私の為に出来ることがあるとすれば、仲良くなってる男の子を邪険にすることくらいです。
だからお願い。どうかその男の子と距離を取って。
その子と仲良くされるのは辛いの。私だって仲良くしたいのに。
その男の子をちょうだい?
私も男くんのこと好きなの。



22:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:37:17.01 ID:ApOP0bQf0.net

女「え……」

タイトル:Re:とうとう100回目ですね
差出人:女
受取人:明日の世界
本文
どういうことですか?
98回目までは仲良くするためのメールをくれたのに、99回目から明日の世界さんは何か変ですよ。
今日、男くんに告白しようと思ってます。
明日の世界さんが応援してくれたおかげでここまでこれました。
どうして今になってそんなことを言うんですか?

女「送信っと」ポチ

男「ごめん、ちょっと遅刻したね」ゼェゼェ

女「ううん。私も知り合いとメールしてたから。待ってないよ」

男「ごめんね、お詫びに昼食……にはもう遅いから、映画まで甘いものでも食べに行こう」

女「やったー!」



26:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:45:08.88 ID:ApOP0bQf0.net

映画の後
帰り道

女「ホントに送ってもらってもいいの?」

男「うん。あ、ちょっと待ってて」

女「うん?」

男「飲み物買ってくるから」

女「うん、待ってる」

男(昼間の女ちゃんのメール……気になる。アドレスは覚えてるから、メールしてみるか?)

男「文字を読んじゃう癖、やめなきゃなー……」

男(明日の世界さん……。俺のことを好きって言ってくれたけど……何者だろうか)



28:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木) 10:49:36.55 ID:ApOP0bQf0.net

タイトル:あなたは誰ですか?
差出人:男
受取人:明日の世界
本文
俺に話があるなら、こちらのメールアドレスに直接連絡してください。
女ちゃんに迷惑をかけないようにしてあげてください。
メールを見ているときの不安げな顔が忘れられません。

男「送信……。さて、冷えてきたし暖かい飲み物にしとくか……」

一方女
女(……帰ってきたら言う。好きって言う。言う!)

女「ハァー……寒くなってきたな……」

女(……好き好き好き好き好き……好き……よし、予行演習おわり!言うぞ……言うぞっ!)



31:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2014/12/11(木
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月11日 20:59
      • あん??
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月11日 21:00
      • 5 ええやんけ
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月11日 21:01
      • ご都合主義だったけどいいと思います
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月11日 22:12
      • ご都合主義だからこそ良いと思います
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月11日 22:51
      • いいと思います!!
        次回も期待してますね!

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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