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翌朝は会社の研修で出張の為、５時に家を出なきゃいけなかったし
食事も終わってこれからお風呂に入って寝ようと思っていた矢先だった。

いかにも泊まっていきたそうだったけど、彼氏とは言えまだプラトニックだったし
事情を話して今日は無理って言ったら

「腹減ったから何か食べさせて。そしたら帰るから」

と言うので果物ぐらいしかないんだけどって言ったら

「何か作れるでしょ、なんでもい いから」

としつこい。

それで一応

「何も材料ないから大したもの作れないけど、食べたら悪いけど帰ってね」

って言ったら「冷たいなー冷たいなー」とおどけながら上がった。

改めて冷蔵庫を見たら小分けに冷凍していた小海老と、冷凍うどんの付属で
使わなかった天かすがあったから薄切りにした玉ねぎを甘めに味付けしためんつゆで煮て、
そこに海老と天かす放り込んで卵でとじて海老天丼を作った。

前にテレビで紹介されていた簡単な海老天丼の作り方で、海老と天かすは口にはいれば
海老天と一緒っての。一人暮らしの私には海老という食材は例え小海老でも超貴重品だったのに
他に何もなかったから。

なのに彼「ええええ、海老天も作れない のぉ？」と不満顔。

「こんな時間にいきなりやってきて何言ってんの。今から油出して天ぷらなんて出来ないよ」

って言ったら

「ホントは作れないんでしょ？出来るんなら作って見せてよ」

って。

本気でムカついたので

「どうするの？食べるの？食べないの？食べるんならさっさと食べて！
　食べないんだったらさっさと帰って！」

と喧嘩腰。
とにかく彼の顔を見たらイライラした。

私の剣幕にビックリして

「やだなぁ。結婚相手としてどうか、料理が出来る女かどうか試しただけじゃん」

って言われた。

その一言で完全に冷めた。

「だったら、それって意味ないから帰って。私、あなたと結婚する気ないから」

って言ったら

「え？あれ？どうい うこと？俺のこと好きなんじゃないの？」

って言われたから

「好きだったの。過去形ね。今完全に冷めたから」

って玄関の靴放り投げてやった。

何が試しただ。ふざけんな。

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