すてきなホーリィ真紅
- § 主な登場人物紹介
- 真紅
この時期になると近所の子供からサンタクロースと間違えられるローゼンメイデン第5ドール。
その度に「テメーにやるプレゼントはねぇ!」と叫んで子供の夢を潰している。
雛苺
この時期になるとサンタに頼むプレゼントを一日中考えてばかりいるローゼンメイデン第6ドール。
しかし結局、プレゼントの内容は苺大福になる。桜田家にとっては安上がりで助かる存在。
翠星石
この時期になると近所の子供からクリスマスツリーと間違えられるローゼンメイデン第3ドール。
道端で休憩がてら居眠りしていたら電飾を施されてしまったことがある。
蒼星石
翠星石の双子の妹の第4ドール。青色LEDの話題を聞く時、何とも言えない幸福感に包まれる。
ブルジョワ生活が好きなのか、未だに結菱一葉の薔薇屋敷に住んでいる。
金糸雀
みんなから忘れ去られがちな第2ドール。尊敬する人物は江頭2:50。
水銀燈
自称最凶の第1ドール。「ダメよぉ~ダメダメぇ」が自分が最初に言い出したことにならないかなと思っている。
雪華綺晶
末っ子街道を邁進していた第7ドール。この時期になると人里に現れては雪を降らせる…というのは嘘。
なんやかんやあって実体化してからは、人肌恋しさに巻かなかった世界の大ジュンの背中によく抱きつく。
桜田ジュン
マイスターローゼンを継いだ中学生。ただし真紅達からは電池扱いされる事もまだまだ多い。
- § 桜田家
- 真紅「いやー、コタツって最高ね翠星石。ぬくぬくだわ」
翠星石「全くですぅ。コタツを発明した人には感謝してもしきれんです」
真紅「そうね。最大限の感謝の証として私のローザミスティカをその人にあげてもいいわ」
翠星石「なっ!? だったら翠星石だってローザミスティカを献上してやるですぅ!」
真紅「でも、発明者はきっともう死んでるから、できないわ」
翠星石「そうですねぇ、残念です…」
真紅「今はただ、このぬくもりを享受しましょう。それがコタツ発明者に捧げる鎮魂歌よ」
翠星石「しかし一度入ってしまうと、コタツから出る時にはとてつもない勇気を発揮せねばならんです」
真紅「その通りだわ。アバンのしるしがあったら間違いなく輝くわね」
翠星石「ああもう~、このままコタツといつまでも一緒にいられたら、どれだけ幸せか…」
真紅「そんなにコタツが好きなら鳥海皆人に頼んで、コタツと合体させてもらったらいいじゃない」
翠星石「鳥海なんて最初から何処にもいなかったんじゃねーですか?」
真紅「あれ? ジュンの脳内にはまだいるはずだわ。だってジュンはたまに『鳥海皆人は俺の友』って言ってるもの」
翠星石「おうおう、チビ人間の心の闇はまだまだ深ぇですね」
真紅「あ、ごめん。さっきのは『俺の友』じゃなくて『俺の強敵(とも)』の間違いだったわ」
翠星石「どっちでもいいですよ。そんな世紀末なルビ…」
雛苺「♪ク~リスっマっスが~今年もぉ~、やってくる~」ピョンコラピョン
翠星石「お、寒さをものともしないうちのお天気娘が帰ってきたですね」
真紅「お帰りなさい雛苺。苺大福買ってきてくれた?」
雛苺「うぃ」
真紅「あと、どうだった? 外の様子は? 今日も変わったことは無かった?」
雛苺「あのねぇ~、同じCDを何枚も何枚も買っている人がいたのよ。きっとサンタさんなの」
真紅「ふっ、そうね。日本経済に対して私財をなげうって貢献している立派なサンタさんだわ」
雛苺「それ以外はいつも通りで、この町は今日も平和だったの! ヒナのパトロールのキズモノなの。報告終わり!」ビシッ
翠星石「それを言うならキズモノじゃなくてタマモノですよチビ苺」
雛苺「みょわわっ! わ、わざと間違えただけなの!」
真紅「ともかくご苦労だったわ雛苺隊員。コタツで休みなさい」
雛苺「わぁい」
翠星石「そういや真紅は今年はサンタ活動をしねーのですぅ?」
真紅「サンタ活動?」
翠星石「いや、大体クリスマスが近づくとサンタに対して闘志むき出しーの、対抗心バリバリーのだったじゃねーですか(※)」
※真紅、サンタになる。 や 真紅、サンタになれない。 参照。
雛苺「そう言えば、そうだったのよね。二度ある事は三度四度と続くの」
真紅「何度も何度も同じ過ちを繰り返すわけないじゃない。冬はじっとしているのが一番」
翠星石「…うーん、グータラな真紅を見ているのは、ちょっち辛いですねぇ」
雛苺「真紅はアリスになったからって、人生が守りに入っちゃってるのよ」
真紅「聞き捨てならないわね。私がいつ守りに入ったって?」
雛苺「昔の真紅はもっと目がギラギラしていたの」
翠星石「ですぅ。キングクリムゾン並に目ん玉ひん剥いてアリスゲームの頂点を目指していたです」
真紅「ふっ、馬鹿言わないで。私は今だって頂点の座であり続けるために常に緊張感あふれているわ」
翠星石「本当ですぅ?」
真紅「この間だって若気の至りで他所でこさえたメイデンを、密かに暗殺してきたところよ」
翠星石「またまたぁ~、嘘ばっかり言うなです」
雛苺「その冗談はちょっと笑えないのよ」
真紅「嘘じゃないわ。珪孔雀をこの手で…」
雛苺「えっ!?」
真紅「たとえ雑誌企画のオリジナルメイデンであろうとも私の絶頂を脅かす新キャラは許さない」ゴゴゴゴゴ
翠星石「あわわわわ、真紅の瞳が漆黒の殺意で燃えているですぅ…」
雛苺「これは人殺しの目なのよ~! 目的のためなら自らの人間性まで殺せる目なの!」
真紅「しかし、たまには暗殺とかばっかりじゃあなく、目立つ活動をしなくてはならないようね。
あなた達から見た私が、そんなグータラ乙女として映っていただなんて」
翠星石「むぅっ? ようやく動き出すつもりですか真紅?」
真紅「ええ。でも、まだクリスマス前の今からサンタ活動するのもアレよね…」
雛苺「うにゅにゅ…?」
真紅「よし。クリスマスがもうすぐやって来るということで
この街に起きた『悲しかった出来事』を一つ一つ消し去っていきましょう」
翠星石「悲しかった出来事ぉ?」
真紅「ええ、そして慈悲あふれる聖母真紅として聖夜にはサンタよりも崇められる存在になってみせるわ」
雛苺「聖母真紅ぅ~?」
翠星石「どっちかっつーと聖母殺人伝説(ジェノサイド・エクストリーム)の方が真紅にはお似合いですぅ」
真紅「ほら、行くわよ翠星石、雛苺」
雛苺「うぇぇ?」
翠星石「行くなら一人で行ってこいですよ。嫌ですよ翠星石は」
雛苺「ヒナも嫌なの! ヒナさっきお外から帰って来たばかりなのに!」
真紅「じゃあ翠星石だけでいいから、ついて来なさい。誰かが見てくれてないと真紅様の頑張りぶりが伝わらないじゃない」
翠星石「他人の目を気にして出したり引っ込めたりするのは本当の慈悲じゃねーですよ…」
真紅「だまらっしゃい。いいから来るの! アリスの命令は絶対よ」
翠星石「へいへい…。しょーのねー妹ですねぇ」
雛苺「うぃ、翠星石ガンバってきてなの」
- § クリスマス商戦にうかれる商店街
- 翠星石「悲しかった出来事を消し去るということだったですが、どこもかしこも幸せそうですよ真紅」
真紅「気に入らないわね。いろいろあったでしょ今年も。なのにそれを忘れたふりをして浮かれるとは」
翠星石「いや、忘れたふりをしているわけではないと思うですが」
真紅「え? じゃあ素で忘れていると言うの!? この街の人達は!? あれほどの事件を!?」
翠星石「人は忘れるからこそ生きていける存在ですぅ。大体、あれほどの事件って何です…?」
真紅「ドブ川に傷ついたアザラシが流れ着いたり、街中を戦車が走りまわったりしたり
一日署長を務めていたくんくん探偵がベロぶち抜かれて死にかけたりしたじゃない!」
翠星石「それ全部、真紅の仕業じゃねーですか…(※)」
※桜田ジュンの出頭『ドールズ&戦車』、真紅、号泣する。そして真紅、舌を引きちぎる。参照
- § ストリート散策中
- 子供「うぇえええええん! びぇえええんん!」
真紅「ん? あれは…?」
翠星石「分っかりやすく、クソガキが泣いているですね」
真紅「そのようね」
翠星石「真紅、見てのとおり現在進行形で『悲しい出来事』発生中ですよ。消し去らなくていいのですか?」
真紅「いいのよ。あの泣き声は親を呼び寄せるための動物的本能に基づいた正しい行為よ。
下手に邪魔するより、あのまま泣き叫ばせておいた方が良い」
翠星石「そういうもんですか…? しかし、何もしないで放っとくというのは…」
真紅「なら、私のローゼンファイナルオーバーサーキュレーションであの子供を消し去る?」
翠星石「子供ごと『悲しい出来事』を消し去ろうとするなです…て、むむむ? 子供に誰かが近づいていくですよ…?」
水銀燈「うるっさいわねぇ! こんな通りの真ん中で泣いてんじゃぁないわよ。迷惑でしょ、皆の!」
子供「だっでぇ~、ママがぁ…っ!」エグエグ
水銀燈「はんっ、迷子ってこれだから嫌なのよ! 泣けば全部解決すると思って!
どこではぐれたの? もしくはお母さんの特徴は? それぐらい言ってみせなさい!」
子供「お、お姉ぢゃん…? 探してくれるの? ママを…」
水銀燈「勘違いすんじゃあないわよ。あんたのやかましい泣き声をこれ以上聞いていたくないだけ」
子供「あ、ありがとう…」
水銀燈「礼は母親が見つかってからになさい。ほら、行くわよ…」
翠星石「……」
真紅「……」
翠星石「…真紅」
真紅「翠星石、私達は今、何も見なかった。それでいいわね」
翠星石「はいですぅ…」
- § 小一時間後・まだ散策中
- 金糸雀「♪かっかっかしらの金糸雀は~風に吹かれてゆ~らゆら~」テクテク
真紅「あら、金糸雀じゃない」
翠星石「相変わらず、ヘンテコな歌を歌いながら歩いているですねぇ」
金糸雀「あら真紅に翠星石、どうしたのかしら? こんなところで? お使い?」
真紅「いいえ。真紅様は今、この街の悲しかった出来事を消し去って、聖真紅領域を広める活動中」
金糸雀「相変わらず言うことがぶっ飛んでるかしら真紅。アリスになって頭のネジが取れたの?」
翠星石「残念ながら真紅はこれで正常運転なのです」
金糸雀「そう…」
真紅「そう言えば、金糸雀って『悲しみの乙女』の二つ名を持つほどの不遇キャラだったわね」
金糸雀「えっ!? 何、急にロボ
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- :-:2014/12/15(月) 22:46:12
- 聖母殺人伝説……
コルネットは作者の悪ふざけの最大の犠牲者だったと思う
あれはあれで可愛いかったけど!
- :-:2014/12/15(月) 23:13:05
- ジュンや蒼星石に言われるほど悪くないむしろ良かったよな今回の真紅…
あ~気圧配置どうなってるかな