女「ねえねえ、超展開ってなあに？」男「う～ん……」
男「んー？」
女「超展開ってなあに？」
男「う～ん……」
男「なんていえばいいのかなぁ……」
女「突拍子もない？」
男「いきなり、今までの流れからは考えられないような展開が来る、みたいな……」
女「たとえば？」
男「たとえば……そうだなぁ……」
男「キミがいきなり、オレをひっぱたくとか」
バチンッ！
男「ぶっ！？」
女「こう？」
バチンッ！
男「べっ！？」
バチンッ！
男「いだっ！ や、やめ──」
バチンッ！
男「あばっ！ 待って待って待って──」
バチンッ！
男「あぐっ！」
バチンッ！
男「おぼっ！」
女「どうだった？」
男「……なかなかよかったんじゃないかな」
女「ホント！？」
男「喜んでもらえて嬉しいよ……痛かったけどね」
それはあまりに突然の出来事であった。
なんの前触れもなく、男の肉体が轟音とともに爆発したのだ。
しばらくして、我に返った女が周囲を見回すと、
あちこちに“かつて男を構成していたもの”が飛び散っていた。
女「いやっ……！ いやぁぁぁぁぁっ！！！」
女「アナタは……男さん！？」
肉片「そう」
肉片「もっとも、このとおり肉片になってしまったけどね」
女「ビックリしたわ……これが超展開っていうものなのね！」
肉片「分かってもらえて嬉しいよ」
肉片「もはやオレは肉片だから、人権も選挙権もなにもない」
肉片「肉片を雇ってくれる企業なんてないだろうから……お金も稼げない」
肉片「まいったなぁ……」
女「！」ﾊｯ
女「わたしにいい考えがあるわ！」
次に女は厚手のフライパンを用意し、十分に加熱すると、
油を垂らし、フライパンの隅々にまで行き渡らせる。
そして、肉片をフライパンの中に放り込む。
ジュワァッと大きな音を立て、熱せられる肉片。
肉片がキツネ色に変化する。それにつれて、辺りにジューシィな香りが漂ってきた。
女「肉汁が浮いてきたら、ひっくり返して、と……」ﾋｮｲｯ
女「裏面もじっくり焼く！」ｼﾞｭﾜｧｧｧ…
女「あとは皿に盛りつけて──」ｻｻｯ
女「出来上がりよ！」ｼﾞｬﾝ!
ステーキ「おお、すごい！ 我ながらうまそうだ！」
司会「“無敵の料理”ＶＳ“最強の料理”！」
司会「両シェフともに料理が完成したもようです！」
司会「それではさっそく、審査員の方々に試食していただきましょう！」
司会「まずは“無敵の料理”からどうぞ！」
シェフ「カレーライスです」
司会「香ばしいいい匂いが漂っていますねぇ～」
シェフ「最高級のお米と希少なスパイスの組み合わせ、どうぞご堪能ください」
司会「では、審査員の方々、ご試食下さい！」
審査員Ｂ「気持ちいい汗をかけるカレーライスだね！」
審査員Ｃ「おいしいです！」
審査員Ｄ「おぉ～、ルーとライスのハーモニーがたまらぁ～ん！」
審査員Ｅ「シンプルにして、極上のカレーライス！ まさに無敵の料理です！」
司会「おおっ、これは高得点が期待できそうです！」
女「ステーキよ」
司会「ちなみになんのお肉ですか？」
女「ナ、イ、ショ」
ステーキ「企業秘密さ」
司会「おおっ、しゃべるステーキとは珍しい！ ではご試食下さい！」
審査員Ｂ「気持ちいい唾液を流せるステーキだね」
審査員Ｃ「とってもジューシィですね！」
審査員Ｄ「…………」
審査員Ｅ「濃厚な味わい！ まさに最強の料理の名に恥じぬステーキです！」
司会「こちらも高評価！ さぁ、判定はいったいどうなるのでしょうか！？」
司会「本日の勝者は！？」
無敵の料理 ９７ ─ ９８ 最強の料理
司会「わずか一点差で、“最強の料理”ステーキの勝利です！」
シェフ「くそぉ～……！」
女「やったわ！」
女「これで……ようやく分かったわ！」
女「男さんを爆殺した犯人がね！」
司会「えええええ！？ 分かってしまったんですか！？」
シェフ「い、いったい誰が……！？」
女「犯人はアナタよ！！！」ﾋﾞｼｯ
審査員Ｄ「！」
審査員Ｄ「な、なぜ私が犯人だと……！？」
女「だって……アナタだけわたしの料理に口をつけなかったもの」
女「知ってたんでしょ？ あれが男さんの肉、つまり人肉だってこと……」
女「だから、アナタは口をつけられなかったのよ！」
審査員Ｄ「う、ぐぐぐ……！」
女「そうよ、全ては犯人をおびき出すためにセッティングしたの」
女「審査員にしたアナタたち五人の誰かが犯人ってところまで絞り込めていたからね」
女「さ、司会さん……じゃなくて警部さん、彼を逮捕してちょうだい」
司会「ありがとう。本当は恋人を殺したヤツのことが憎くて仕方ないだろうに……」
女「それは……いわないで……」
司会「……すまん」
今回の事件で彼女が負った傷はあまりにも大きい。
しかし、こうしている間にも、今もどこかで悪は善良な人々を脅かし続けている。
女探偵である彼女に、立ち止まっている時間はない……。
女（男さん……。わたし、アナタのこと絶対に忘れないわ……）
女「男さんを殺した犯人を必ず捕まえてみせる！」 ～ 完 ～
転載元
女「ねえねえ、超展開ってなあに？」男「う～ん……」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1418649874/
女「ねえねえ、超展開ってなあに？」男「う～ん……」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1418649874/
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コメント一覧
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- 2014年12月16日 21:20
- 人肉を食わせるとか鬼畜
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- 2014年12月16日 21:23
- 超展開って？
-
- 2014年12月16日 21:26
- まるで意味が分からんぞ！
-
- 2014年12月16日 21:26
- 超展開って批判されがちだけどそれを逆手に取ってて面白かった
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- 2014年12月16日 21:27
- メタルウルフカオス
-
- 2014年12月16日 21:27
- ※3
どうしてこうなった
予想外デス
を超越したわけがわからないよ
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- 2014年12月16日 21:33
- わけがわからないよ
-
- 2014年12月16日 21:39
- 面白かった
-
- 2014年12月16日 21:51
- エロゲで超展開といえば3days
-
- 2014年12月16日 21:55
- 超展開過ぎワロタw
-
- 2014年12月16日 22:07
- 超展開だわ…
申し訳ないがカニバリズムはNG
-
- 2014年12月16日 22:08
- ※3
ああ！
-
- 2014年12月16日 22:12
- 夢で見た内容そのまま書き出したような感じ
-
- 2014年12月16日 22:26
- ただ突拍子もないというだけでは意味は無い
読者やプレイヤーが着いていけないほどの急展開、しかし面白く惹き込まれる展開、それこそ本当の意味での超展開というべきものではないだろうか
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- 2014年12月16日 22:34
- 実際は大抵の作品には超展開ってあるよな
有名どころだけどメジャーではないのだとドラコンボールで主人公が実は宇宙人だったー、って超展開だったよな当時は
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- 2014年12月16日 22:42
- スレタイでハードルあがってたせいか、意外とまともだったな
-
- 2014年12月16日 22:50
- ※16いやいやドラゴンボールは伏線張りまくってたじゃん
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- 2014年12月16日 22:50
- ほむら「インキュベーターが二匹……弾を二発無駄にしたわ。」バンッバンッ
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- 2014年12月16日 22:55
- これは超展開というかただ脈絡が無いだけ
-
- 2014年12月16日 22:56
- いや、これは超展開を勘違いしてる
-
- 2014年12月16日 22:59
- ベクター「超展開といえば俺様だろぉ？」
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- 2014年12月16日 23:03
- ※22
あんたはむしろ想定の範囲内だったし…
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- 2014年12月16日 23:08
- 展開が無いのはなあ
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- 2014年12月16日 23:15
- 俺とお前で！オーバーレイ！
-
- 2014年12月16日 23:18
- 自分のことだけど？
-
- 2014年12月16日 23:19
- その昔、超空間っつーエロゲブランドがあったんだよ。ハイパースペースだったか？
それが凄まじい糞ブランドで意味不明なストーリー展開をしたから
超展開と呼ばれるようになったというお話
詳しくはエロゲ板で聞け
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- 2014年12月16日 23:27
- 遊馬「超かっとビングだ！俺！！」
↓
鮫「なんだ…？力がみなぎる……！」遊馬「」
これ
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- 2014年12月16日 23:58
- 女「わたしにいい考えがあるわ！」
女司令官それはフラグですやめて下さい！！
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まあ超展開といえば遊戯王・ボーボボの二強だよね