The Pirate Bayが閉鎖されたくらいでは、海賊行為は止まらない
こうして、イタチごっこは続くのでした
「自然は真空を嫌う」とはアリストテレスの言葉です。何も無い空間があると見るや、自然はそこに物質を詰め込もうとするわけですね。ある意味、これはインターネットにも言える事かも知れません。The Pirate Bayの閉鎖が良い例です。
あのメジャーなP2Pファイル共有サイトがスウェーデンの警察によってネットから消滅し、オンライン海賊行為の王が失墜しましたが、結局何一つ変わりませんでした。Variety誌によれば、反海賊行為ファームExcipioの調査の結果、12月8日の時点で1億150万件のIPアドレスがファイル共有サイトにアクセスしてダウンロードを行っていました。The Pirate Bayが閉鎖されて600万程減りましたが、二日後にはまた1億を超えていました。これはExcipioの計算で一日あたりの平均値となります。
結局のところ、The Pirate Bayの差し押さえなど、既に決壊したダムに指を突っ込むようなものなのです。洪水は既に発生した後。どうしようもありません。どれだけ政府が差し押さえたり下らない公共広告を打っても効果はないという事です。これは繰り返された歴史でしかありません。オランダは以前The Pirate BayへのアクセスをブロックするようISPに命令しましたが、その後の調査でブロックの期間中トレント数はむしろ増加していた事が判明しました。
Torrentファイル共有の未来に、The Pirate Bayの閉鎖(といっても密かに生きているようですが)がいかなる意味を持つのかと問われれば、意味は無いとしか言いようがありません。Torrentファイルとインターネットの繋がりは最早切っても切れません。KickassTorrentsが明日閉鎖されても、新しいサイトが取って代わるのみ。インターネットは真空を嫌うのですから。
source: Variety
Darren Orf - Gizmodo US[原文]
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- KADOKAWA / 角川学芸出版