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サンタ「おーい童貞!プレゼントだぞ~♪」|エレファント速報:SSまとめブログ

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サンタ「おーい童貞!プレゼントだぞ~♪」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:40:00 ID:npsOpn.c

J( 'ー`)し「あらサンタちゃん。今年もご苦労さま」ガラッ

サンタ「いえっ、これも仕事っスから」

J( 'ー`)し「あらあら、若いのに偉いわぁ」

サンタ「いえいえ♪ところで、タカシ君います?」

J( 'ー`)し「ごめんなさいねぇ。実は今日いないのよ」

サンタ「えっ、クリスマスなのに?」

J( 'ー`)し「そうなのよ。なんか用事があるから帰って
     これないって」

サンタ「そうっすか…」シュン



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:41:08 ID:npsOpn.c

J( 'ー`)し「そうだ!サンタちゃん、悪いんだけど見てきて
     くれないかしら?」

サンタ「見て来るって……タカシ君をですか?」

J( 'ー`)し「ええ。もしかしてあの子道に迷ってるかもしれないし」

サンタ「うーん…」

J( 'ー`)し「お願いっ♪」

サンタ「むー、他ならぬカーチャンさんの頼みなら仕方ないっすね」

J( 'ー`)し「ありがと♪」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:41:42 ID:npsOpn.c

サンタ「それでタカシ君はどこに行ったんですか?」

J( 'ー`)し「待って。今地図を渡すから……はいコレ」ガサッ

サンタ「どもっ」

J( 'ー`)し「じゃ、あの子よろしくね?」

サンタ「はいっ!ちゃんとプレゼント渡して家まで連れて帰ってきます」

J( 'ー`)し「期待してるわ♪」

サンタ「あいっ」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:42:16 ID:npsOpn.c


トコトコトコ


サンタ「えーっと場所は……と」ガサッ

サンタ「げっ、意外と遠い?」

サンタ「タカシの奴いったいこんなトコまで何しに…」

サンタ「まさか彼女とクリスマスパーティーを!?」

サンタ「……いや、ない。ないって!」

サンタ「あの根暗で引き籠りなタカシに彼女なんか…」

サンタ「…………でも」



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:42:53 ID:npsOpn.c

サンタ「もし……もし、タカシが彼女といたらあたしどうすれば…」

サンタ「どんな顔してプレゼント渡せば良いんだろ…」

サンタ「……」

サンタ「だ~~~!だからないって!」

サンタ「そうそう!あんなの好きになる奴なんてこの世であたしくら……」

サンタ「ちっ、ちがうもん!別に好きなんかじゃ!」

サンタ「むぅぅぅぅぅぅ!」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:43:29 ID:npsOpn.c

サンタ「いいもん!別にタカシがドコで何してようが全然いいもん!」

サンタ「どうせ見苦しい童貞どもと闇鍋でも囲んで泣きながら『うめえ、うめえ』
    って頬張ってんのよ!」

サンタ「そうに決まってるもん!」

    ヒソヒソ ネーアノオネエチャン サッキカラヒトリゴト シッ ミチャイケマセン

サンタ「あ……」

サンタ「~~~!!!」

サンタ「ふんっ!タカシの馬鹿っ!」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:44:00 ID:npsOpn.c

そして30分後。


サンタ「え~っと、ここであってるよね?」

           ガサッ

サンタ「うん、間違いない」

サンタ「でもここってどう見ても……」

           シャランラーン♪

サンタ「ラブホ、なんですけど…」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:45:12 ID:npsOpn.c

サンタ「いや、でもやっぱり住所は……ん?」

サンタ「なんかこの地図、よく見たら部屋番号が書いてある?」

サンタ「0721号室…」

サンタ「ココにタカシが!?」

サンタ「ど、どうしよう…」

サンタ「もし彼女と性なる夜を過ごしていたら…」

サンタ「……」

サンタ「考えても仕方ないか」

サンタ「突撃あるのみっ!」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:45:45 ID:npsOpn.c

彼女はそれだけ言うと、ホテルに足を踏み入れた。

途中フロントの係員に止められたが、「あたしはサンタだから!」
と、大きな声で自己紹介したら意外にもすんなり通してくれた。

便利だね、サンタって。

とにかく、彼女はもう止められない。

エレベーターに颯爽と駆け込む姿はまさしく、世紀の大泥棒
ルパンを彷彿とさせる身のこなしだった。

そしてついに!
彼女はタカシの待つであろう0721号室に辿り着く。

「ちーっす。お届けものでーっす」

彼女は部屋の中を窺いながらノックした。
ポップな、しかしどこか沈んだ声のトーンのまま。



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:46:19 ID:npsOpn.c

やはり口では強がりを言っても、胸中穏やかではないのだろう。

彼女の沈んだ声のトーンからも、その表情からもそれを読み取る
ことはたやすい。タカシの事が気になって仕方ないのだ。

無理もない。

彼女とタカシは幼稚園に入る前からのご近所付き合い、所謂
「幼馴染」という奴だった。

しかし、幼馴染とは言っても彼女たちのそれは漫画やゲームに
出て来るような腐れ縁の友達付き合いなんかでは決してなく、
ただ毎年、クリスマスに彼女がタカシにプレゼントを渡しに行く
だけというシンプルなものだった。

それ以外の関係は一切なかった。



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:46:54 ID:npsOpn.c

だからなのだろう。

今までこんな気持ちにならなかったのは。

だからなのだろう。

いつしかサンタとプレゼントを待つだけの子供という間柄で
満足してしまったのは。

しかし、だからと言ってそのことで彼女を責めるのは酷である。

なぜなら……。
なぜなら、プレゼントは子供にしか渡せない。

もしタカシと彼女が恋に落ち、関係を持ってしまったら!?
もう彼女はタカシの前に姿を現す事が出来ない。

タカシが『子供』じゃなくなるから!!!



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:47:32 ID:npsOpn.c

だから彼女は、今までタカシにその思いを打ち明ける事は
出来なかったのだ。

「…………」

しかし、それもこうなってしまってはいよいよ同じか。
ラブホテルの一室にタカシが居るという時点で答えは出ている
ようなものだ。

もう、彼は子供じゃないのかもしれない。

「ねえ、タカシ。聞こえる?あたしの声」

彼女はドアに向かって声を掛ける。

これが最後かもしれないから。
これでもうサヨナラかもしれないから。だから……。



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:48:13 ID:npsOpn.c

「あたしさ。本当はあんたのこと好きだったんだ……」

「ずっとずっと、ず~~~っと大好きだった」

「あんたは知らないかもしれないけどさ。あたしが初めてあんたに
 プレゼント渡しに行った時からずっと……」

「でも、もうサヨナラだね。タカシ」

彼女は言った。
頬には涙が伝っている。

「タカシ……あたし、あんたを好きになって良かった」

そうして、彼女は部屋のドアを開けた。
タカシに最後のプレゼントを渡しに行く為に。



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:48:46 ID:npsOpn.c

「…………えっ?」

しかし、彼女の目に飛び込んできたのはさっきまで自分が想像、
いや妄想していたものとはまるで違う光景だった。

タカシは縛られて……縛られて、一人悶え苦しんでいた。

「ちょ?あんた何やってんの?」

慌てて駆け寄るサンタ。

「ぷはっ!?はー、はー、はー?」

口を塞いでいるガムテープを外してやると、タカシは大きく
息を吐いた。

「し、死ぬかと思ったぁぁぁぁ……」

半泣きである。



15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:49:33 ID:npsOpn.c

「ねぇ……」

「あ、あんがとなぁ。マジでもうダメかと思ったよ」

何が何だか分からない。

「ちょっと聞いて良いかな?」

「おう、なんでもどうぞ。でも出来たら縄を解いてからにして
 ほしかったり」

「黙れ」

「あ、はい……」

「はぁぁぁぁぁぁ……」

彼女は思いっきり溜息を吐いて、それから

「ここで何してたの?」

と、聞いた。



16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:50:09 ID:npsOpn.c

しかしそれに対するタカシの答えは曖昧というか

「あ、あぁ実は俺もよく分からないんだ。家で漫画読んでたと
 思ったら気ぃ失って気が付いたらココに……」

といった、良く分からないものだった。

「本当?」

「信じてくれよぅ。俺だって被害者だぜ?」

サンタは顎に手を当て、考える仕草を見せる。

「となると、考えられるのは……あっ!」

だが考えるまでもなかった。

「もしかして、カーチャンさんが仕組んだの、コレ!?」

答えは初めから分かり切っていた。こんなの手の込んだ誘拐、
実行するのはあいつしかいない。



17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:51:02 ID:npsOpn.c

「でもだったらなんで……」

そこまで考えが及んだ所でサンタは理解に苦しんだ。

カーチャンはタカシが子供じゃなくなったら、あたしとはもう
会えなくなるのも分かっている筈。

だったらなんで?
もしかしてあたしがタカシにとって邪魔だったから?

いや、いくらなんでも……。



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:51:40 ID:npsOpn.c

「それよりサンタ。よくここが分かったね」

「ああ、うん。あんたのお母さんから地図貰ったから……」

「ふーん。あっ、それよりさ。今日は……」

「分かってる。だからあたしがいるんでしょ?」

「へへっ」

サンタは取りあえずこの事は一旦胸にしまって置くことにした。
後で考えよう。

それよりも、こうして今年もタカシにプレゼントを渡せた事だし、
来年もまだ渡せそうなのは間違いない。

彼女にとってはそれだけで十分だった。



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:52:19 ID:npsOpn.c

サンタは肩に掛けている大きな袋に手を突っ込んだ。

この袋、実に便利な構造になっており、プレゼントを渡そうとする
相手が欲しいものを、どこからともなく届けてくれるという優れもの
なのだ。

「えーっと」

「わくわく」

タカシは目を輝かせている。

先程まで死にかけて、現在もまだ縛られていて、しかもここはまだ
ラブホテルの一室だというのにプレゼントをせがむという、何とも
楽天的な男である。



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:52:59 ID:npsOpn.c

けれどここで想定外の出来事が。

「あれ?」

「どしたの?」

「なんか、届かない」

「え~~~?」

「おかしいな~」

「そんな、楽しみにしてたのに……」

それはあたしも同じよとサンタは言いたかった。
毎年この為だけに存在していると言っても過言ではないのだ。

しかも彼と会えるのはプレゼントを渡すこの瞬間のみ。



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/12/22(月) 19:53:38
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月22日 23:18
      • ケツを気を付けないとな
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月22日 23:33
      • 嘘は最低。作者は輪廻いっぺん廻った方がいい
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月22日 23:40
      • これは見事な叙述トリックだ!まんまと騙されたぜ(適当)
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月22日 23:52
      • なんだ……ホモか…(安心)

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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