魚が生息する水深の世界新記録が打ち立てられた。深度8,145mというに住む魚が発見されたのは、フィリピン東部から日本南部にかけて伸びるマリアナ海溝の海底であり、これまでの記録を500mも更新した。
今回発見されたのはクサウオの一種と考えられており、オタマジャクシのようなぼんやりとした姿をしている。大きな頭部に小さな目がついており、ウロコは持たない。体長は人間の手よりもわずかに大きい程度だ。
スコットランド 、アバディーン大学のアラン・ジェミーソン博士によれば、この深海で発見された魚はこれまで見たこともない姿をしているそうだ。身体は非常に傷つきやすく、羽のような大きなヒレと、漫画に登場する犬のような頭をしている。
Amazing Discovery: Deepest Ever Fish Found
この発見は、スコットランド、アバディーン大学と米ハワイ大学の共同調査で、マリアナ海溝を105時間に渡って撮影したビデオに捉えられていたものだ。撮影は、アバディーン大学の研究者が開発した”ヘイダルランダー”という高解像度カメラ搭載の深海潜水艇によってなされた。
30日間の調査期間中、マリアナ海溝全体で92回もの潜水調査が試みられ、クサウオの他にも、その周りで泳ぐ非常に珍しい”超巨大”端脚類の姿も写されている。体長28cmに達するエビのような姿をした生物は、2012年にニュージーランドの研究者が発見したものだ。ジェイミーソン博士は新種の発見どころか、珍しい生物の自然環境下における生態や、他の生物と一緒に生きる姿まで撮影されたことで、「本当に驚きです」と興奮を隠せない。
赤い丸の中の魚はクサウオの一種と考えられており、オタマジャクシのようなぼんやりとした身体にはウロコがない。周囲には甲殻類が泳いでいる
多くの研究者がマリアナ海溝の調査に参加しているが、その生態の理解は非常に限られたものでしかない。こうした状況を「山頂からだけの風景を見て、山の生態系を理解しようとしているかのようです」と、共同研究者であるハワイ大学のジェフ・ドラゼン博士は語る。
アバディーン大学の研究チームは、これまでマリアナ海溝を13回に渡って調査しており、未記録だった深度で3種の魚の撮影に成功している。また同チームではヘイダルランダーを利用して、マリアナ海溝の最深部である水深10,545mのシレナ・ディープにも到達している。これほどの性能を持つ潜水艇であるが、ほとんどがスコットランド北部にあるアバディーンシャーの村々で製作されたものだ。
今回の発見は、マリアナ海溝を105時間に渡って撮影したビデオによってなされたものだ。この撮影は、アバディーン大学の研究者が開発した”ヘイダルランダー”という高解像度カメラ搭載の深海潜水艇によってなされた
水深7,012mでは、ソコダラ、十脚甲殻類、”超巨大”端脚類、クサウオが群れる姿が撮影された。発見者のジェミーソン博士は、新種の発見どころか、珍しい生物の自然環境下における生態や、他の生物と一緒に生きる姿まで撮影されたことで、「本当に驚きです」と興奮を隠せない
今回の発見によって、人間の影響から無関係でいることはできない、深海の理解が一層進むはずだ。なお、こうした深海調査の成果は、”
超深海生態系研究(The Hadal Ecosystem Studies)”で公開されているので、関心があるお友達は要チェックだ。
Life in the Mariana Trench
via:dailymail・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
何かもうあっちこっちから圧力掛かってて逆に無重力(低重力)みたいな動きしてる。
2. 匿名処理班
こんなところを海パンいっちょで
歩きまわったのび太は弱虫なんかじゃない。
大人でも怖くて腰抜かすわ。
3. 匿名処理班
こんなめちゃくちゃな環境にも生態系があるなんて進化って凄いわ、繁栄は出来なくても適応しちゃえば深海は環境変化がなくて安定してそう。
4. 匿名処理班
江戸っ子一号は7800mだったか
白いエビっぽいのがキモい・・・
5. 匿名処理班
>体長は人間の手よりもわずかに大きい程度だ
じゃあ水圧のかからない所に持って行ったら
何倍にもでかく・・・・ならないか、(−−)
でもどうなんだろ(・ω・)
6. 匿名処理班
これまで最深部の魚類とされていたのと種類は一緒ですかね。”超巨大”端脚類は画像に写っているヨコエビの一種と思われますが、これも発見ごとにでかくなっていくような・・・。
7. 匿名処理班
圧力で人間が住めない世界なんだよね?
なんでこいつら平気な顔で餌食ってんの・・・?
8. 匿名処理班
そら魚やからよ
逆に魚からしたら、「あいつらなんで水につかってないのに平気なんだ?」
って目で人間を見てる
9. 匿名処理班
※7
人間が平気な顔で飯食ってるとこにこいつら連れてきたら爆発する
10. 匿名処理班
たまたま海にいた魚とか釣り引き上げた魚が深海魚の
新種で大騒ぎになるほど摩訶不思議な世界なようで
誰が発見者になっても不思議でない分野
この動画見た研究者ってハッスルしまくりだろうな
11. 匿名処理班
※7 あちらさんサイドからすればこちらがおかしいわけで
12. 匿名処理班
深海は低水温・低酸素・少食料と三拍子揃った、極て厳しい環境。
尚、高水圧(814気圧)は関係無い模様。
13. 匿名処理班
>>7
逆にこっちは低圧力でやつらが住めない世界なんだよね。
14. 匿名処理班
これでエンケラドスの海底深くに生命体いる可能性は高くなったな
15.
16. 匿名処理班
こんな深い海底の生き物と我々が同じ地球に生を受けたこと
人間の胎児期に、鰓が存在することの不可思議・・・
2つ目の動画のBGMもいいな
17. 匿名処理班
甲殻類はヨコエビの1種かな?
18. 匿名処理班
外の圧力に体内の圧力を合わせているだけだからな
19. 匿名処理班
これ、2008年に水深7703mで撮影された魚とは別の生物ですか?
20. 匿名処理班
※14
wktkですな
21. 匿名処理班
うなぎいぬ!
22. 匿名処理班
単純に言うと、圧力が高くても水はほとんど圧縮されないから体がほとんど水でできてれば潰されない。体に気体を含んだ部分があるとそこは完全に潰される。
深海に缶を沈めて潰れる映像とか見たことあるかと思うが、あれは中に気体が入っている場合で、最初から蓋を明けて中も水で満たしておけば潰れない。
潜水艇やらなんやらが大変なのも、内部に空気を保たなければならないからだ。
23. 匿名処理班
下に行くほど、圧が強まるのか。面白いな
24. 匿名処理班
おいしいのかな?