テマリ「明日は家族でお出かけをしよう」
- 2014年12月25日 21:10
- SS、NARUTO -ナルト-
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皆で夕食のキノコハンバーグをパクついている最中、テマリが突然切り出した。
シカマル「はあ? お出かけ?」
テマリ「そうだ。お出かけだ。木の葉・雪まつりってのがあるらしい」
シカマル「やだよ、めんどくせえ……」
心底嫌そうな顔で応じるシカマル。
休日は家でゴロゴロすることに決めているのだ。
家族サービスなんぞに貴重な時間を割くなんてありえなかった。
テマリ「めんどくさいとはなんだ! ほら、シカダイだって行きたいよな!」
シカダイ「行きたくねーよ、めんどくせえ……」
シカダイはそう言いつつ、こっそり母親のハンバーグにフォークを伸ばした。
テマリはシカダイの手をぴしゃりと叩いて、代わりにピーマンをドサドサと皿に盛る。
テマリ「ほらそういうとこだ!! そういうとこがお前ら無気力親子のダメなとこなんだ!!」
シカマル「あーあー! うるせえうるせえ! 俺もシカダイも行きたくねえって言ってんだろ! そんなに行きたきゃ一人で行ってこい!」
テマリ「家族で行かなきゃ意味ないんだよ! たまには家族サービスしろ、お前!」
そこから始まる夫婦喧嘩。
といってもシカマルは女は殴らない主義なので、一方的に痛めつけられて終わる。
テマリ「俺も行きたいって言え!」
シカマル「死んでも言うか! 痛だだだだ! 折れる折れる!」
シカダイ「ホントめんどくせえな、この二人……」
シカダイは溜息をついて、両親のハンバーグにフォークを突き立てた……。
ならば…………
カンクロウ「黒蟻いじくってたら閉じ込められたじゃん」
テマリ「最近、我愛羅の部屋が臭い」
カンクロウ「テマリのヌード写真、いくらで買うじゃん?」
テマリ「当たったんだよ、一泊二日のペアチケット!」
カカシ「まぁシカマルの処分は追々考えるとして……」
サスケ「うぅ……皆に会いてぇ……」
カンクロウ「口寄せ・穢土転生・改ッ!」
カンクロウ「じゃあな。また会おうじゃん?」
全力で支援せざるを得ないじゃん!
***
テマリ「うぅ……くっそォ……何でだよ……。休日は家族でお出かけって法律で決まってるのに……」
シカマル「決まってねえよ。それよりこうやって布団にくるまってみ? 明日は一日中こうしていられるんだぜ? 幸せ! ////」
夜中、背を向けて寝るテマリはハラハラと涙をこぼしているのだが、シカマルはそんなことを少しも意に介さない。
テマリ「こんなやる気なし男と結婚したばっかりに……。ぐすッ……息子にも遺伝させやがって……」
シカマル「アイツは俺に似てて可愛い」
テマリ「全然子どもらしさがないんだよッ! いちご狩りに誘っても、芋ほりに誘っても、いつもいつもめんどくせえめんどくせえって! もっとはしゃいで喜べよッ!」
テマリはイライラと悔しさで布団をバンバンと叩いた。
シカマル「まぁいいじゃねえか……。子どもだってそれぞれだ。明日は俺とシカダイは家でのんびり過ごし、お前は雪まつりを楽しむ。決定」
テマリ「……。分かった。そこまで出かけたくないなら私も家で過ごす……」
涙目で呟くテマリ。
家族で楽しいひと時が過ごせるなら、別に無理して出かける必要はない。
シカマル「い、いや、お前は行ってこいよ。きっと楽しいぞ」
テマリ「明日は家族でトランプとかボードゲームとかする……」
シカマル「む、無料で鍋が食えるそうだぞ。行ってこいって。絶対楽しいから」
テマリ「……。ならお前も一緒に来てくれるのか……?」
シカマル「いや、死んでも行かん」
テマリ「どういうことなんだよッ!」
テマリは振り返ってシカマルをキッと睨んだ。
心なしかシカマルが冷汗を流しているように見える。
……コイツ……まさか……。
テマリ「……お前……一人で出かける気だろ……」
シカマル「そんなまさか……」
暗闇でも分かる。
完全にシカマルの目が宙を泳いでいる。
テマリ「んふふ♪ シカマル~」
スススッとテマリが横にスライドしてくる。
気持ち悪いくらいニコニコしている。
シカマルは無言で布団から逃げ出そうとするも、ギュッとパジャマを握られてしまって動けない。
テマリ「……まさか家族をもっておきながら風俗なんて……」
テマリ「……行かねえよな……?」
笑顔が一瞬で能面のようになった。
右手でギリギリと思い切り尻をつねる。
シカマル「痛いッ! 違う違うッ! さすがにもう行ってねえってッ!」
テマリ「じゃあ明日どこ行くつもりだッ! 言えッ! またシカダイの前でお前の恥ずかしい話するぞッ!」
更にシカマルに詰め寄るテマリ。
シカマルは泣きそうになった。
シカマル「うぅ……変なとこには行かねえよぉ……。ただナルトたちとカニの食い放題に行くだけだよぉ……」
テマリ「何で私らも連れてこうとしないんだッ!」
シカマル「だって家族3人って……いくらかかると思ってんだ……」
テマリ「うるさい! 自分だけ良い思いしようとしやがって!」
テマリはスッと立ち上がると、シカダイの部屋へ走った。
シカマル「あ、アイツに言ったって無駄だぞ! きっとめんどくせえって……」
慌てて後を追うシカマル。
畜生ッ!
まだ本当の美味さも分からんガキんちょに喰わせるカニなんかあるかッ!
もったいねえッ!
ダッダッダッダッダ!
バンッ!
テマリ「シカダイッ! 明日父ちゃんがカニの食い放題に連れてってくれるってさ! 行くかい?」
シカダイ「ちょッ! ノックくらいしろよ母ちゃんッ! でも食い放題は行くぜッ! ////」
自慰にふけりながらも、カニと聞いてよだれを垂らすシカダイ。
テマリは無言でシカダイの机の上に開かれていたエロ本を奪い取った。
***
翌日、奈良一家は仲良くカニの食べ放題の店に行った。
いや、仲良くというのは誤りだ。
昨晩エロ本のことで尋問されたシカマルの両頬には真っ赤な手のひらのあとが残り、彼は悔しそうな目で息子を睨んでいる。
シカダイ「火影様が来るってことはボルトも来んのかな?」
テマリ「そりゃあそうだろ。火影様は家族思いで立派な方だからな! 誰かと違ってなッ!」
シカマル「……ナルトの奴、優しい嫁を貰って羨ましいぜ……」
シカマルは財布を開いて溜息をついた。
ナルト「シカマルッ! こっちだってばよ! それによく来たテマリにシカダイッ! お前らも早く座れ!」
上機嫌のナルトが奥の座敷から顔を出す。
すでに食べ始めているらしく、カニのハサミが口からはみ出している。
ヒナタ「ナルト君ッ! 行儀が悪いよッ!」
ナルト「おう、すまねえすまねえ……」
そう言って顔を引っ込める。
奥の方から笑い声が聞こえた。
どうやら盛り上がっているようだ。
テマリ「ナルトの他には誰が来てるんだい?」
シカマル「詳しくは分かんねえけど結構大勢だ。チョウジとかイノも来てるし……」
シカダイ「ならチョウチョウやイノジンも来てんのか」
テマリは「きっと来てるさ。なんたって皆家族思い。以下略ッ!」
テマリは笑いながらふすまに手をかける。
そのときフッと、テマリの心をノスタルジックな思いが駆け抜けた。
ああ……。
こんな何でもないような平和も、昔は到底考えられなかったよな……。
あの第4次忍界大戦……。
世界が亡びるかどうかの瀬戸際だった。
でも私たちはなんとかこの平和を手に入れた。
二度と手放しちゃいけないんだ……。
シカマル「……どうした? 早く開けろよ」
テマリ「お、おう……」
シカマルに言われてハッと我に返る。
そうさ、今は感傷に浸るよりも楽しむことを考えなきゃ……。
テマリ「遅くなってすまない! 皆盛り上がってるかい?」
テマリはそう言って勢いよくふすまを開けた。
カンクロウ「遅かったじゃん」
テマリ「うわッ……カンクロウ……」
目の前に立っている黒子姿の男。
一度見たら忘れられない、あの嫌らしい隈取。
穢土転生特有の黒目反転の不気味な目がニタニタと笑っている。
皆ご存じ、テマリの弟、カンクロウであった。
シカダイ「カンクロウおじちゃん、ウィーッス!」
カンクロウ「よぉシカダイ! 大きくなったな。あとでお土産のDVDやるじゃん」
シカダイ「やりい!」
一度木の葉と砂の里をペインの襲来から救ったカンクロウ。
彼は自分の命と引き換えに10万の木の葉の民を甦らせた。
そのときは両里から英雄と称えられ、風影の屋敷の前には銅像も建てられた。
……そのままなら、良かったのだ……。
安易にカブトがカンクロウを穢土転生なんかしなければ、彼はそのまま英雄として人々の心に残っただろう。
……しかし運命はいつも残酷なのだ。
テマリ「ええいッ! シカダイに近づくなッ! お前がうちの子に自慰なんか教えるからッ!」
カンクロウ「うわ、そんな怒んなって! お前も再不斬もたかだか自慰でうるさすぎるじゃん」
カンクロウからシカダイを引き離すテマリ。
憎しみを込めた目で、目の前のゴキブリを睨みつける。
……カンクロウの復活後は、それはそれは凄惨だった。
別に操られてもいないのに戦争で戦っている最中のくノ一の衣服をはぎ取ろうとしたり、ナルトとオビトが真剣な話をしている横で平然とオナニーをしたりと、とにかくやりたい放題だった。
どうせ穢土転生の解術と共に自分はいなくなるだろうとタカをくくっていたのだ。
……しかし何故かカンクロウと白と再不斬だけ、そのまま現世に残ってしまった。
白と再不斬はおそらく穢土転生前に穢土転生・改で甦ったことがあるのが関係しているのだろう。
カンクロウは分からない。
まぁ根本的に普通の人間と異なるカンクロウのことだ。
考えるだけ無駄なのだ。
ちなみに今では白も立派なオナニストとして活躍している。
カンクロウに自慰の何たるかを叩き込まれ、すっかりその世界にはまってしまったのだ。
テマリ「当たり前だッ! 大切な人をオナニーマシンに改造されて、怒らない奴があるかッ!!」
カンクロウ「気持ちいいものを汚らしいと思う、お前の心が汚いじゃんッ!」
テマリ「なにをこの自慰気ちg」
サスケ「やめろお前ら……。うちのサラダの前でそんな卑猥な会話をするな……」
吸い込まれるような輪廻眼で二人を睨みつけるサスケ。
テマリとカンクロウはすっかり押し黙ってしまった。
コメント一覧
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- 2014年12月25日 21:30
- 平和な世界
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- 2014年12月25日 21:31
- 続くんかい
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- 2014年12月25日 21:33
- 影響力すごすぎワロタ
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- 2014年12月25日 21:40
- 08066309063俺の電話番号
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- 2014年12月25日 21:42
- ※4
それがどうした
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- 2014年12月25日 21:47
- これまだ続いてたのかよwwww
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- 2014年12月25日 21:53
- オ○ロウ、最高!!!!
ハッピークリスマス
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- 2014年12月25日 22:06
- 追悼動画ワロタw
どんだけ好きなんだよw
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- 2014年12月25日 22:10
- まさかの続編ww
シカマルはもう少しだけでもテマリに優しくしてやれ
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- 2014年12月25日 22:24
- 遠からんものは音に聞け、近くば寄って目 にも見よ!
伝説の三忍すら凌ぐ、天上天下唯我独尊、オ○影ことオ○ロウ様の復活だ!
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- 2014年12月25日 22:33
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アニメ一話分くらいの丁度よさ
うーん面白い。ニヤニヤした
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- 2014年12月25日 22:34
- うれすぃー!
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- 2014年12月25日 22:43
- テマリとサスケかわいい
しかし白までONAの道を行くとは…
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- 2014年12月25日 22:58
- 目を出したり入れたりすんなwwwww
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- 2014年12月25日 23:07
- サスケかわいすぎわろた
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- 2014年12月25日 23:09
- もうこっちが正史でいいよwww
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- 2014年12月25日 23:43
- 続いてたwwいいぞもっとやれ
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