川上氏:
そういえば,よく「任天堂はスマートフォンにゲームを出すべきだ」みたいな話ってありますよね。
僕的には「そんなのあり得ない!」と思っているんですけど,
実際のところ,岩田さんはどうお考えなんですか?
岩田氏:
そうですねぇ。確かどこかのインタビューで川上さんが発言されていたと思うんですけど,
川上さんは「スマートデバイスのプラットフォームの会社にはコンテンツの価値を高くする動機がない」
ということをおっしゃっていたじゃないですか。
「彼らにとって,コンテンツはあくまで客寄せなんだ」と。
川上氏:
はい。だって,実際そうだと思うんですよ。
岩田氏:
そのお話でいうとですね。私たちは,
逆に「コンテンツを売りたいからプラットフォームを作ってる」んですよ。
考え方がまったく違うんです。だから,そんな私たちからすると,
世の中でコンテンツの価値がなくなる,
低くなるというのが最悪の未来なわけです。
川上氏:
そうですよね。
岩田氏:
コンテンツの価値を守る動機があまりないプラットフォームに行って,
そこでコンテンツの価値を保つのって,それはそれでものすごく大変な勝負だと思うんです。
実際,音楽産業も映画産業も,自分達のコンテンツの価値を守るっていうことが,
私見ですけれど,あまりうまくいっているようには見えなくて。
川上氏:
はい。
岩田氏:
でも,私はゲームの価値を守りたい。例えば,もっと安くしたらもっと売れるかもしれません。
けれど,むやみに一回だけ遊んで二度と起動しないっていう人がたくさん出てくるよりは,
「あれは本当に遊んだよなぁ」とか「今遊んでも面白いな」って言ってもらえることの方が,
ずっと大切なんじゃないかって。そういうことを含めて,
ゲームの価値をどうやったら維持できるのかってことを考えています。
まぁ,それがね。私たちがやり方を変えていない大きな理由なんですけど。
岩田氏:
その意味で言うと,2年くらい前でしたかね。「Wii U」の発売直後に,
川上さんからいろいろご指摘頂いたときに,やっぱり,
とても悔しい思いをしまして。
いろいろな部分で「次こそ絶対」と思ったんですけど。
川上氏:
あ,すいません。いろいろと無神経なことを言ってしまったかもしれません。
岩田氏:
いえいえ。でも,だからまぁ,この悔しさをね。絶対に「次」につなげたいし,
つなげられるように頑張っているんです。
一同:
おお……。
川上氏:
でも,任天堂さんは「根本から変えられる」のが,やっぱり強いですよね。
それこそ,ソフトウェアを書き直すだけじゃなくて,ハードごと変えちゃうじゃないですか。
岩田氏:
まぁ,こういうことを実現するためには,どういうアプローチが一番合理的かっていうのを,
ハードから,OSから,全部選べますからね。
そして,プラットフォームをやってる会社の一番の強みのはずなんです。
そういうことを,世界中の億単位のお客さんを相手にできる会社って,
日本ではそんなにたくさんないので,そこはちょっと頑張りたいんですよね。
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Author:バルカズ
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