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江ノ島「誕生日にはとびっきりの絶望を」|エレファント速報:SSまとめブログ

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江ノ島「誕生日にはとびっきりの絶望を」

1: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:03:19.78 ID:bPVXJZA7O

・このssには苗ノ島のカップリングを含みます。苦手な方はご注意を
・一部書き溜めあり。書き溜め無くなったらちまちま進めます



2: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:04:36.73 ID:bPVXJZA7O

12/1



苗木「江ノ島さんってば放課後に教室に来いって言ってたけど何のようなんだろ……?」

苗木「あれ、誰もいない……のかな?」


江ノ島「メリーエノシマス!」


苗木「わっ!え、江ノ島さん!」

江ノ島「メリーエノシマス!」

苗木「えっ……?」

江ノ島「復唱しろよ」

苗木「ええっ!?」

江ノ島「……というわけで」

江ノ島「待っていたわ!私様は待っていたのよ!苗木誠、あなたが来るのをね!」

苗木「何が『というわけ』だよ。そもそもまだクリスマスじゃないし」

江ノ島「そう、そのクリスマスなんだ。今月の24日……アタシとむくろの誕生日ってのは知ってるだろ?」

江ノ島「苗木クンにはね、そのお祝いを頼みたいの!」

江ノ島「一言で言うならプレゼント持ってきてください。これはあなたにしかできないことなのです」

苗木「ボクにしかできないって……。他の人にも頼んだ方がいいんじゃないの?誕生日を祝うならなるべく大勢いた方がいいしね」



3: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:05:58.57 ID:bPVXJZA7O

江ノ島「アマいアマいアマいんだよ苗木ィー!オメェにしかできないスペシャルなプレゼントを用意してもらいたいんだよ!」

江ノ島「というか生半可なものでは喜べません……。何を貰っても喜べないなんて絶望的ですよね……」

江ノ島「うぷぷ……。だからこそキミには『とびっきりの絶望』をプレゼントしてほしいのさ」

苗木「と、とびっきりの絶望!?」

江ノ島「以上で伝えたいことおーわり!アタシ帰るねー」

苗木「ちょちょちょちょっと待って!いきなりすぎて脳が状況に追いつけてないんだけど!」

江ノ島「えー、苗木ってばこの程度の説明でも分かんないのー」

苗木「途中までは理解できたよ。絶望の下りで全部台無しになったけどね!」

江ノ島「しょうがないなあ……。じゃあ苗木クンのために質問タイムを設けようじゃないか」

苗木「えっと、とびっきりの絶望ってどういうことさ」

江ノ島「お答えしましょう。その名の通り私を絶望させてくれればいいのです」

江ノ島「方法は問いません……。あなたが死ぬことでもいいし、私を殺すことでも問題ありません……」

苗木「いや問題しかないよ……。なんで例えが人の死なのさ」

江ノ島「なんでもいいから絶望だ!絶望を持ってこい!」



4: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:06:54.54 ID:bPVXJZA7O

苗木「こんな話を聞かされてボクがキミの誕生日を祝うと思ってるの……?」

江ノ島「アタシとアンタの仲じゃないか、これくらいどうってことないだろう?」

苗木「いやでも絶望なんてそんな曖昧な物持ってこいって言われてもね……」

江ノ島「苗木クンってばつれなーい。『超高校級のお人好し』であるキミなら絶対どうにかできると思ってたのにぃー」

苗木「勝手に変な才能付けないでよ!とゆうか才能ですらない!」

江ノ島「では私様は誰から絶望をもらえば良いというのだ」

苗木「なぜ絶望をもらうというその発想が間違ってることに気づかない……」

江ノ島「なんて絶望的なことを言うんですか……。絶望は私にとって酸素のような存在なんですよ……?絶望するなって生きる価値否定されたようなもんじゃないですか……」

苗木「じゃあ希望を持って生きていけばいいんじゃないかな」

江ノ島「オレは希望が嫌いだ!希望みたいな絶望の踏み台にしかならないものなんざ必要ねえんだよ!」



5: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:08:23.52 ID:bPVXJZA7O

江ノ島「うぷぷぷ……。というわけで頼んだよ苗木クン。ボクに絶望を持ってこれるのはキミしかいないんだよ」

苗木「だから!ボクはキミの誕生日を祝うなんて一言も……」

江ノ島「じゃあさ、勝負をしようじゃないか。アタシがアンタのプレゼントに絶望したらアンタの勝ち。絶望しなかったらアタシの勝ちだ」

江ノ島「アンタが勝ったら……そうだね、アタシのこと好きにしなよ。せっかくの聖夜なんだから寒い夜に体と体を交えた熱い交流も悪くはないと思うな」

苗木「キミが勝ったら……?」

江ノ島「あなたを絶望させます」

苗木「ずいぶんシンプルだね」

江ノ島「で、どうするのかなー?この勝負受けてくれるかなー?」

苗木「……ボクが勝ったらキミが一つ言うことを聞いてくれるって解釈でいいのかな?」

江ノ島「そんな感じです……。私はどんなプレイでも文句言わずに遂行しますよ……」

苗木「……よし、決めた。その勝負受けようじゃないか」

江ノ島「苗木!オメェってばやっぱり猿なんだな!こんな条件付けられたら男としては逆らえないってか!」

苗木「ボ、ボクはそういう目的で引き受けたわけじゃない!」



6: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:10:15.18 ID:bPVXJZA7O

江ノ島「さてと……そろそろ質問タイムを打ち切りたいんだけど」

苗木「…………」

江ノ島「沈黙は肯定と受け取りまーす。じゃあ今度こそバイビー!」ダッ

苗木「あ、そうだ」

苗木「どうしてボク以外の誰にも誕生日のことを相談しようとしなかったの?江ノ島さんは結構顔が広いはずなのに」

江ノ島「…………」

江ノ島「質問タイムは終了しましたー!またのご利用をお待ちしておりまーす!」ダダッ

苗木「あっ、待って!」





苗木「行っちゃったよ……」

苗木「本当に自由な人だな、彼女は」



7: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:11:43.53 ID:bPVXJZA7O

苗木(さて、肝心の絶望についてだけど)

苗木(江ノ島さんを絶望させるほどの絶望ってなんだよ。自分で言ってて意味が分からなくなってきた……)

戦刃「あの……苗木くん」

苗木(江ノ島さんも江ノ島さんだ。なんでボクなんかに……)

苗木(こういうのはもっと彼女をよく知っている人に頼むべきだと思うんだよな)

戦刃「な、苗木くん……」

苗木(でも、勝負を受けた以上ボクも引き下がれないよな)

苗木(で、その与える絶望が分かればこんな悩んでないんだけど……)

戦刃「苗木くんってば!」

苗木「どわっ!?い、戦刃さん!?」

戦刃「良かった、気づいてくれた……。ただでさえ盾子ちゃんに無視されてるのに苗木くんにまで無視されたら私……」

苗木「ご、ごめん!ちょっと考え事してて……」

戦刃「考え事って盾子ちゃんのこと?」



8: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:13:22.40 ID:bPVXJZA7O

苗木「えっ、な、なんで分かったの?もしかしてエスパー?」

戦刃「さっき教室から盾子ちゃんが出てくるのを見て、その後苗木くんが出てきたから何か二人で話してたんじゃないかなって」

苗木「その通りだよ……。ちょっと誕生日に関することをね」

戦刃「誕生日?そういえば私も今月誕生日だった!」

戦刃「でも私誕生日プレゼントなんて貰ったことないや……。ここ数年間はずっと戦場で誕生日過ごしてきたし」

苗木「だったらボクが用意しようか?戦刃さんには日頃お世話になっているしね」

戦刃「そそそそそんな悪いよ!な、苗木くんが私にプレゼントだなんて……」

苗木「そんな遠慮しなくていいんだよ。年に一度の祝いの日なんだし、たまには他人の好意に甘えるのも悪くはないよ」

戦刃「苗木くん……」

戦刃「そ、それじゃあ、あの……ななな、苗木くんは24日は予定とかある、かな……」

苗木「24日か……。そういえばキミたちの誕生日を祝うことばかりで大まかな予定とかは決めてなかったな」

戦刃「そ、そそそれなら、あの、その、わ、私の家に来て、くれないかな……」



9: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:14:58.50 ID:bPVXJZA7O

苗木「戦刃さんの家に?」

戦刃「そ、その……今年は久しぶりに日本に戻ってきたから盾子ちゃんと一緒に過ごそうと思ったんだけど……」

戦刃「苗木くんが来てくれるなら盾子ちゃんも喜んでくれるはずだし、わ、私も嬉しいから……」

戦刃「だ、駄目かな……?」

苗木「駄目なわけないじゃないか。戦刃さんがボクを誘ってくれるなんてとっても嬉しいよ!」

戦刃「ほ、本当に!?良かったあ……」

苗木「それで、ボクは何時頃行けばいいかな?まあ、何時でも空いてるんだけどさ」

戦刃「来たい時に来てくれれば何時でも……。あ、でもあまり朝早くだと盾子ちゃんも困っちゃうかも」

苗木「分かったよ。それじゃ午後のうちに向かうとしようかな」

戦刃「ふ、ふつつかものですがよろしくお願いします!」

苗木「戦刃さん、それ使う場面間違ってるよ……」



10: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:16:16.59 ID:bPVXJZA7O

苗木「っと、そうだ!戦刃さんに聞いておきたいことがあったんだ」

戦刃「聞きたいこと?私でよければ何でも答えるけど……。あっ、で、でも個人的な質問は無しにしてね!好きな人とか!」

苗木「いや、ちょっと江ノ島さんの誕生日プレゼントを考えてて……。戦刃さんなら江ノ島さんの好みも分かるんじゃないかって」

戦刃「盾子ちゃんの好みか……。ごめんなさい、私にもあの子の好みを掴むのは難しくて……」

戦刃「一昨年は軍服を、去年は小銃の模型を贈ったんだけど結果は『オマエのプレゼントは焼却炉にぶちこみました』って返事ばかりで……」

苗木(なんだろう、江ノ島さんの気持ちが分かる気がする)

戦刃「でも今年は盾子ちゃんの顔を見て贈れるから実用性も兼ねて心のこもったミリタリーブーツを贈ろうと思ってるの!」

苗木(まずい、このままだと戦刃さんが焼却炉行きになってしまう)

苗木「い、戦刃さん!江ノ島さんは『超高校級のギャル』なんだしもっとそれらしいものを贈ったらいいんじゃないかな!」

戦刃「それらしいもの……。でも私ファッションとか流行には疎いから……」

苗木「それはボクも同じだよ。だけど戦刃さんが江ノ島さんに関連するものを持ってきたらそれだけで喜んでくれるはずだよ!」

戦刃「そっか……そうだよね!盾子ちゃんもきっと心の中では私のプレゼントを待ち望んでいるはずだよね!」



11: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:17:27.86 ID:bPVXJZA7O

戦刃「ありがとう苗木くん!私、なんか希望が見えてきたよ!」

苗木「どういたしまして。さてと、ボクも彼女へのプレゼントを考えなきゃな」

戦刃「盾子ちゃんもきっと苗木くんから貰ったものなら何でも喜んでくれるよ!」

苗木「だと、いいんだけどね……」

苗木(戦刃さんでも分からないんじゃ難しくなるだろうな)

戦刃「私盾子ちゃんに苗木くんが来るってこと伝えてくるから。じゃあね!」タッタッタッ

苗木「さようなら、戦刃さん」



12: ◆6zDpBnlluo:2014/12/24(水) 00:20:28.49 ID:bPVXJZA7O

戦刃「あ、いたいた盾子ちゃーん!」

江ノ島「この残姉が!」ブンッ

戦刃「ひゃあっ!な、なんでいきなり殴ってくるの!?」

江ノ島「アンタが苗木にデレデレしてる間に話は聞かせてもらったわ。そして結論をだした。アンタは馬鹿だ!」

戦刃「えっ、えっ?ご、ごめんなさい……」

江ノ島「そうやってすぐ謝るとこが実に残念だな。私様はそんなあなたに絶望しているのよ?」

江ノ島「だいたいアタシがアンタの渡すプレゼントに喜ぶわけないじゃん……。アンタは自分の価値というものを分かっているのかい?」

江ノ島「そ・れ・に・だ!オメェオレの許可なく勝手に苗木のこと誘ってんじゃねーよ!誘うのは夜の誘いだけにしろ!」

戦刃「ええっ!?でも苗木くんって人気だから早めに誘わないと予定埋まって来てくれないかもしれないし……」

江ノ島「いいじゃないですか、来なくても。それはそれで絶望を味わうことができるというわけです」

江ノ島「そんなことも分からないなんて本当に残念なんですねむくろお姉ちゃんは……」

江ノ島「ま、ぶっちゃけ言うと本当はボクが先に苗木クンを誘おうと思ったんだけどね。こんな奴に出し抜かれるなんて絶望的だなあ……」

戦刃「ごめんなさい……本当にごめんなさい……」

江ノ島「もういいよ、計画がうまくいかないのはいつものことだもんねー。さてさて苗木クンは絶望を得るためにどんな働きをしてくれるのかな」

江ノ島「今から結果が楽しみ!アッハハハハ!」

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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 11:44
      • いち
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 13:14
      • そっから先は?
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 13:37
      • 面白かった
        苗ノ島なssって、あまり他の女性キャラとはフラグ建たないよね
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 13:55
      • ただただ素晴らしいの一言
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 14:06
      • なかなか面白かった
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 14:20
      • 桑田の親戚の子って絶対絶望葉隠のカノンだよな。
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 15:26
      • 前置きちょっと長いなー。ひとりひとりを駆け足で書くなら省いてもよかったかな
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年12月27日 15:54
      • インビトロローズって女性に対してはだいたい喜ばれたようなきがするんだが・・・嫌悪側のステータスでる娘いてたっけ?

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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