真紅、勇者になる。
- § 前回までのあらすじ
- ドわすれ金糸雀 と 真紅VS河童無双 あたりを参照。
- § 主な登場人物
- 真紅
アリスゲームを制したローゼンメイデン第5ドール。鞄を雪華綺晶に譲って以来、特注の布団で寝ている。
雛苺
食う、寝る、遊ぶの三つしか頭にない第6ドール。考え事をこじらせると爆発する。
翠星石
いたずら大好きな第3ドール。暇さえあればカンチョーで手首までツッコんでくる。
蒼星石
翠星石の双子の妹の第4ドール。薔薇乙女最後の良心。
金糸雀
忘れ去られがちな第2ドール。酢ダコが好き。
水銀燈
自称最凶の第1ドール。フリーダムな妹達に悩まされつつも、悪くないと感じている。
雪華綺晶
コドウグの体を得て実体化した第7ドール。真紅の鞄で寝るようになってから物忘れが激しくなった。
薔薇水晶
槐メイデン。薔薇乙女の括りの中に入ったり、入らなかったりする。
- § 主ではない登場人物
- 庭師連盟・東果重工・渡し守の集い
それぞれがnのフィールド内の大勢力の一つ、お互い協力したりする時もあるが、大体は敵対関係。
カズキ
庭師連盟の盟主で連盟内で一番偉い人。十人兄弟の長男。
対外勢力だけでなく連盟内の反盟主勢力などにも悩まされている苦労人。蒼星石とは庭師仲間。
掃除係長
東果重工の社員。勤め先の施設などがことごとく金糸雀に爆破されたせいで掃除係という名の雑用班を率いることに。
掃除係AとB
掃除係の二名の班員。お互い東果の少年兵からの異動なので係長よりも実は腕が立つ。
渡し守
nフィー内の河川を管理する集いの構成員達。魂の水先案内人を謳っているが、本質はいまだ不明。
河童
nフィー内のレーテ川に集団で生息している。屁で空を飛ぶことができる。
勇者
レーテ川に棲む河童の中でも最強の実力者。真紅と翠星石を磔にしたこともある。
- § ある日、薔薇屋敷でのちょっとしたホームパーティ
- ♪とんてけ ♪とんてけ
♪とことこ ♪てんてん
cっ゙■ヅ■"っ
彡ゞ(・)m(・)、 カチ カチ
彡リ Lエエエエエj カチ
ノ@ ルリ 卯,iリノ)))〉
ノ@ @ヾ`-|l〉l^ω^ノlノ\ カチ
j@ @ @ @jV|!/'i)卯iつVヽ!
ん@ @ @ @''.y /x lヽ
~~~~~l†/しソ†| ←獅子舞かぶって踊っている水銀燈
.lノ レ
真紅「コラーッ! もっとケツを振りなさい! ケツを!」
翠星石「笑顔もかてぇーです! もっと心の底から笑え笑えですー!」
雛苺「シシマイをなめてるのよ!? 水銀燈の人はーっ!?」
雪華綺晶「鉄アレイをぶつけますわよ? 黒薔薇のお姉さま?」
水銀燈「ううう…、何で私がこんな目に…?」
めぐ「そりゃまあ罰ゲームだからねぇ」
水銀燈「罰ゲームだなんて私のキャラじゃないわぁ! 金糸雀の役でしょ、こーゆーのはっ!」
金糸雀「だって水銀燈お姉ちゃん、ババ抜き弱すぎかしら」
ジュン「というか何故に獅子舞…? 新年でも何でもないのに…」
一葉「新年に使おうと思って蒼星石が倉庫から引っ張り出して、整備していたらしい」
巴「そうだったんですか」
- § パーティホールの隅っこ
- 蒼星石「…ふう」
翠星石「あるぇ? どーしたです? 蒼星石? こんな端っこでため息なんてついて」
薔薇水晶「お疲れですか? 確かに今回のホームパーティのホストとして苦労はあったでしょう」
蒼星石「いや、そういうわけじゃないんだけど。ちょっと悩み事がね」
薔薇水晶「…悩み事?」
蒼星石「大した事じゃあない。気にせずパーティを楽しもう」
翠星石「おいおいおいおいおいおいおいぃ~、蒼星石ちゃんよぉ?
そんなメチャ気になる言いっぷりを放っとけるほど翠星石は人形できてないんですよ?」
薔薇水晶「私も大変に気になりますね」
蒼星石「う…」
翠星石「白状しないのなら、くすぐりの刑にかけるしかないです」
蒼星石「ううっ!?」
翠星石「この刑の恐ろしさ! 何度か受けたことのある蒼星石なら充分承知のはず!」
蒼星石「わ、分かった! 分かったよ。素直に話すよ…」
翠星石「最初から、そう素直にしてればよかったのですぅ」
薔薇水晶「それで何を悩んでいたのです…? 蒼星石」
蒼星石「レーテ川の河童のこと、覚えてる?」
薔薇水晶「それは勿論」
翠星石「河童…? 何か微妙なキャラですねぇ、そんな奴いたっけですぅ?」
蒼星石「あれ? 翠星石覚えてないの? 思いっきり磔にされてたよね」
真紅「川の勇者を自称していた河童のことじゃないの?」ヒョイッ
薔薇水晶「真紅、いきなり話に首を突っ込んできましたね」
水銀燈「も、もう獅子舞やめてもいい…?」
真紅「駄目よ! あと三時間は罰ゲーム続行なんだから!」
雪華綺晶「ひたすら踊ってくださいお姉さま」
水銀燈「そ、そんなぁ~」
金糸雀「笑顔を崩しちゃ駄目かしら水銀燈」
雛苺「水銀燈は罰ゲームを甘く見てるの! 人生なめきった悪女なのー!」
ジュン「水銀燈も大変だな」
真紅「まあ、水銀燈の事は放っておいて河童の話を続けて頂戴、蒼星石」
薔薇水晶「河童に随分と食いつきますね真紅」
真紅「そりゃもう、彼とは激戦を経て熱い友情を育んだものだから」
巴「そうだったの…?」
- § 真紅の回想シーン
- 真紅「勝負あり…ね。これに懲りたら、もう悪さはしないことだわ」
河童「かぱーっ(泣)! 私が悪うございました~! 許してください~~!」
真紅「……」
河童「ウンコでも何でも食べるんでぇ、許してくださいいいぃ…」ガクガクブルブル
- § 回想シーン終わり
- 真紅「ふ、今となってはいい思い出だわ」
雪華綺晶「紅薔薇のお姉さま、全然違いますよ。痛み分けで逃げられましたよね、川の勇者には?」
真紅「えっ!? そ、そんな馬鹿な!」
蒼星石「雪華綺晶の言うとおりだよ真紅。勝手に自分の思い出を改竄しないで」
薔薇水晶「全くです」
翠星石「翠星石はよく覚えてないですけど、真紅の言ってたような場面は一切なかったはずですぅ」
真紅「どうして私だけ、こんな記憶違いを!? ま、まさか気付かないうちに水銀燈からnのフィールドを介しての高度な精神攻撃を…!」
めぐ「真紅ちゃん…?」
真紅「そうに違いない! そんな獅子舞かぶって間抜けな踊りをして油断させておきながら
こっそり精神攻撃しかけるだなんて! あなたって最低ね! 水銀燈ッ!!」
水銀燈「えっ! いや、私は何も…」
真紅「許せない…! ローゼン跳躍蹴りーーーッ!」ぴょいーん
水銀燈「ひっ…!?」
ジュン「落ち着け真紅!」ガシッ
真紅「止めないで頂戴、ジュン! この女は心の中で舌を出して笑っているに違いないわ!」ジタバタ
水銀燈「ちょ、ちょっとぉ…勝手に私を性悪にしないでよ」
蒼星石「…何だか、もう僕の気がかりを話すような空気じゃないっぽいんだけど」
雪華綺晶「そ、そんなことはありませんわ蒼薔薇のお姉さま!」
金糸雀「赤と黒のお馬鹿さん達は放っておいて、蒼星石の話を聞かせてかしら」
水銀燈「えっ!? 私まで真紅と同じ括りに…っ?」
めぐ「今は耐える季節よ、水銀燈」
水銀燈「くっ…」
蒼星石「…レーテ川の河童勇者が『庭師の宝杖』を持っていたこと、覚えているかな?」
ジュン「うん? そういえばライトセーバーみたいなものを持っていたな、確かに」
雛苺「けど、それって真紅が手刀で叩きおって、壊したのよね」
一葉「宝杖などの行方不明の庭師道具の捜索を庭師連盟から頼まれていたんだったな蒼星石は」
翠星石「あっ! ひょっとして真紅が壊したせいで、弁償しろとか言われてるんですか!?」
金糸雀「べ、弁償!?」
雛苺「そ、そんな…! ヒナ達そんなお金は持ってないのー!」
蒼星石「いや、違う。庭師道具が他者の手に渡っていて、回収不能な場合は最悪、破壊してもいい事になっている」
翠星石「なーんだ」
薔薇水晶「では、宝杖の件は特に何も問題ないのでは?」
蒼星石「そう、問題は何もない。けど、気がかりがある」
雪華綺晶「…?」
蒼星石「宝杖について連盟に報告した際に、カズキさんからこっそり教えてもらったことなんだけど」
一葉「ふむ?」
蒼星石「どうも庭師の宝杖については、連盟が裏取引で川の勇者に引き渡していたようなんだ」
翠星石「はあっ!? なんじゃそりゃですぅ? て事は回収依頼も含めて連盟の自作自演ですか!?」
蒼星石「…連盟としては、まさか宝杖が見つかったり破壊されたりする事はないと、たかをくくっていたらしい」
ジュン「全然、意図が見えてこないぞ? 何で連盟は河童に庭師道具を?」
雪華綺晶「…おそらく、『渡し守の集い』に対する牽制でしょうね」
巴「牽制…?」
雪華綺晶「あの河童達の住処であるレーテ川は『渡し守の集い』が所有権を主張し、管理しています」
金糸雀「そう言えば、そうだったかしら」
雪華綺晶「そして河童たちは管理や支配を嫌う自由人達。
レーテ川で管理作業を行っている渡し守達とは、よく衝突を起こしているとか」
金糸雀「渡し守の集いと庭師連盟は敵対関係…、敵の敵にこっそり武器を回していたということかしら」
蒼星石「そうだ。そして仮にそれが明るみになったとしても、その庭師道具は河童に奪われたものであり
連盟としても回収作業を始めていた…という言い訳のために僕への依頼に宝杖の回収も含まれていたんだ」
翠星石「ふんがーっ! 毎度の事ながら連盟の陰湿ぶりにはブチ切れ金剛ですぅ!」
薔薇水晶「私も多少の憤りを感じます。そろそろ連盟との付き合い方を考えるべきでは? 蒼星石?」
蒼星石「それが結構難しくてね…」
水銀燈「アンタって、縁の切り方っていうのが下手糞よねぇ」
真紅「元マスターの結菱一葉の家でまだ暮らしているぐらいだしね」
蒼星石「そ、それは今は関係ないじゃないか…! あと、もう一つ気になることがあるんだ」
巴「もう一つ…?」
蒼星石「以前のレーテ川の騒ぎで、河童達は庭師の宝杖を失った上
レーテウナギによる襲撃を受けた事で、かなり弱体化している」
雛苺「ちょっとカワイソウだったのよね」
蒼星石「この機を狙って『渡し守の集い』は『東果重工』と河童の共同掃討作戦を予定している」
水銀燈「……」
薔薇水晶「そんな」
雪華綺晶「本当なのですか?」
蒼星石「レンピカに調べさせた情報だ。ネタの出所も二つ以上おさえてある。まず間違いない」
金
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- :-:2014/12/28(日) 21:21:03
- あれ・・・ネクロポリタンの連中はロゼリオン騒動で唯一力を消費してないはずだが?
結局七つの絵関連の話のみの登場だったのか?
- :-:2014/12/28(日) 21:22:00
- 真紅さんマジ少年ジャンプのライバルキャラ
- :-:2014/12/28(日) 21:30:09
- 太陽の子もキングストーンと太陽の光があれば(誇張抜きで)不死身だし、
河童の勇者も尻子玉と川の水があれば不死身なんじゃないかね。
あと赤色以外に主人公らしさを見出せない真紅さんマジでライバルキャラ。
そのうちアポロガイストみたいに「絆爆弾で死ねぇっ!」ってJUMをふっとばすんじゃないの。
- :-:2014/12/28(日) 22:04:53
- 波紋のビートを刻んだ時も真紅さんはJUMを干からびさせてたよな・・・
やっぱ真紅さんはどのドールよりも一番契約したくないわぁ~
- :-:2014/12/28(日) 22:55:21
- 動かなくなるほど吸われたら他の契約人形がヤバい気が
しかし雪華綺晶は相当弱体化してるよなー
なんだかんだでアドバンテージだったアストラルボディも普通だし
- :-:2014/12/28(日) 23:32:31
- 最終的に河童側にも被害が及んでるじゃねえかイデオンソード…
生命の剣の概要を聞いた時に真っ先に思い付いたのが、何故かアルテマウェポン(FF6)だった。
- :-:2014/12/28(日) 23:35:36
- 「みんな干しになってしまえーっ!」
「銀は獅子を舞ってしまえーっ!!」
- :-:2014/12/28(日) 23:50:38
- 俺の宝杖もきらきーに咥えこまれたいなぁと思った(小並感)