上条(近くて遠い……)
- 2014年12月28日 20:40
- SS、とある魔術の禁書目録
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近くて遠い……
手が届かない
ごめんな……お前は泣いている?
かつんかつんと靴の音。
現れたのは二人の男女。
御坂美琴とステイルだ。
花束を置く。
上条さんのためにわざわざそんな花を備えてくれて嬉しい。
あはは、、御坂にステイル。
泣くなよ。
俺はもう死んでいる。
死人のために涙を流さないでくれ。
御坂が口を開く。
御坂「ごめんなさい……ごめんなさい……」
あはは、そんな泣くなよ。
綺麗な顔が台無しだ。
ステイル「すまない、上条当麻……僕達が至らないばかりに……」
おいおい、お前が泣くなよ。
お前はこれから俺の変わりにあいつを守らなきゃいけないんだぞ?
御坂「ごめんなさい……これから定期的にくるから……ごめんなさい……」
ステイル「上条当麻……まだ僕は君に借りを返していない……」
二人は頭を下げて出て行く。
ああ、後は任せた。
かつんこんかつんこん
靴の音と杖の音。
これはあいつだ。
一方通行「よォ、三下」
学園都市第一位、一方通行。
ん?
何だよ一方通行。
お前の目に涙は似合わない。
一方通行「はァ……ヤッパリいやになるなァ……」
一方通行は溜め息を吐く。
一方通行「テメェがそうなってンのみると、自分の無力が嫌になる」
何を戯れ言を、お前は学園都市第一位だろう?
一方通行「ま、またきてやンよ三下」
一方通行は去る。
こつこつ
軽やかな革靴の音。
これは……ああ、わかった。
土御門元春「よ、かみやん」
土御門元春だ。
土御門元春「かみやん……報告だけはしておくぜい」
土御門は一人虚空に話しかける。
死人に話さなくてもいい、俺はそう思った。
だけど死人の意見は土御門に届かない。
土御門元春「インデックスはかみやんのおかげで助かった。かみやん、かみやんはそれが一番聞きたかっただろう?」
ああ……ほっとした。
ありがとう、土御門。
土御門「お前がフィアンマを止めたから、世界は救われた」
ぽつりぽつりと土御門は言葉を発する。
土御門「だけど……誰も笑わない」
その眼からは涙。
土御門「かみやん……みんなお前のことが……」
土御門はそれだけ言って去った。
気にしなくてもいいのに……俺はもう死んだんだから。
年月は過ぎる。
俺が死んで1年が経過する。
あいつは来ない……。
大丈夫なのか?
ひょん
風を切る音。
ああ、白井だ。
白井「……」
白井は無言で花を置いて、背中を向けた。
白井「ありがとう、ですの」
白井……泣いてるのか?
白井は去った。
そういえば、ここに来る人は少ないな……。
なんて思ってみる。
父さん母さん御坂ステイル神裂土御門一方通行打ち止め浜面白井五和くらいか。
やっぱり……みんな怒ってるか……。
当たり前だな……あの時御坂の手を取れば俺は助かった。
そうだ、この死は俺の愚かさが原因。
わかっている。
神裂「上条当麻……」
うおっ! 神裂か。気配無かったなぁ……。
ん? なんか凄い顔色悪いな……どうしたんだ?
神裂「あなたに少しの報告を……」
神裂は神妙な顔で言う。
神裂「インデックスはおそらくずっと此処には来れません……」
え?
戸惑う。
神裂「上条当麻……彼女はあなたの事を想っている……だから現実を受け入れられない」
神裂は拳を握りながら言う。
神裂「今頃、彼女は御坂美琴の介抱を受けている」
言っている意味がわからない。
神裂「彼女は現実を拒否しすぎる余り……」
神裂は言い放つ。
神裂「ここに来ようとすると過呼吸により倒れます」
ああ、ごめんな……。
俺のせいだ。
深々と降る雪。
まだ誰も前に進んでいない。
なぁ、みんな。
進んでくれ。
俺を引きずらないでくれ。
静かな時間。
誰も来ない時は一人考える。
ガチャ
扉が開く音。
木原数多「コレが一方通行が言ってたもんか」
顔面刺青男が上条さんの墓荒らし!?
木原数多「……」
顔面刺青男は俺の墓を見る。
木原数多「0・001%、か」
墓荒らし顔面刺青男は一言わけのわからない事を言って去った。
浜面「大将……」
墓荒らし顔面刺青男が去った一週間後、浜面が来た。
浜面「なんでこうなったんだよ……」
浜面の顔は涙と鼻水と目脂でぐちゃぐちゃだった。
浜面「なんで俺じゃなくて大将がこんな目に!」
浜面は涙に濡れる。
泣くなよ、浜面。
お前に涙は似合わない。
お前は滝壷を守らなきゃいけないんだろう?
浜面「またくる……」
浜面は涙に塗れながら去る。
ありがとう、浜面。
俺のために泣いてくれて。
溶けない雪は無い。
終わり無い坂は無い。
明けない夜は無い。
今は未だみんな引きずっている。
いつかみんな俺を忘れてくれたら嬉しい。
アレイスター「」
ふっと気がつくと、学園都市のえらいさんが立っていた。
アレイスター「」ペコリ
一礼して去った!?
一体何がしたかったんだ……
「君に願わくばハッピーエンドを」
奇妙な声が響く。
おそらくは学園都市のえらいさんの声。
ハッピーエンド?
何だ?
静かに人は時を刻む。
静かに雪は溶け出す。
たらりたらり水は滴る。
誰もが前に進むのはいつだろう?
チュンチュン
小鳥の歌声。
春が来た。
暖かい日差し。
かつんかつん
靴音が響く。
アガガガガ
キャー! ヤッパリインデックスガカコキュウ!
ムギノン、イシャノタマゴトシテタダチニショリヲトミサカハ
ダレガムギノンジャ! ハマヅラー、イソイデニサンカタンソヲ
ハイヨ
ダイジョウブ、ジョイムギノンニコキツカワレルハマヅラヲオウエンスル
なんか騒がしいな……
ステイル「全く、騒がしい連中だ」
ステイルはそんな騒ぎを俺が聞いてる中入ってきた。
ステイル「すまないな……上条当麻……。彼女は未だ此処には来れないみたいだ」
ステイルは目を瞑り言う。
ステイル「いつかきっと連れてくる」
ステイルはそれだけ言って去った。
全く、涙流しながら言うなよ。
俺が心配するだろう?
風が吹く。
肌をなぞるような優しい風。
人はなぜ風に憧れるのか?
死んでから考える。
ああ……停滞しないからだ。
佐天「あなたが御坂さんの友達……」
この子は……ああ、御坂の友達か。
佐天「あなたの話は御坂さんから聞きました」
礼儀正しい子だ……。
佐天「世界を救ってくれて、ありがとうございます」
お礼を言って御坂の友達は去る。
そうか、俺の行動は、あいつのためとはいえ誰かを幸せにしたんだ……。
世界を救った。
そっか、俺がしたのはかなり大事だったのか。
御坂ステイル神裂青ピ土御門アックア一方通行打ち止め五和浜面父さん母さん……そしてインデックス。
俺はみんなを守った。
ならそれで良いか。
御坂の友達、有り難う。
俺の死に意味を与えてくれて。
久し振りに思いだす。
彼女の笑顔、泣き顔、困り顔、普通の顔、拗ねた顔、みんなみんな……俺にとっては日常だった。
大好きだった。
ああ……ごめんなさい
かつかつかんかんと靴と杖の音
一方通行「よォ、ヒーロー」
一方通行か。
一方通行「顔見せくらいしてやる」
花束と果物を置いて一方通行は去る。
全く……相変わらず不器用だな
コメント一覧
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- 2014年12月28日 21:10
- これはないな
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- 2014年12月28日 21:10
- 近くて便利…
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- 2014年12月28日 21:16
- セブンイレブン…
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- 2014年12月28日 21:18
- ※2、3
ふざけんなよwwww
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- 2014年12月28日 21:21
- ※2〜3
で、いろいろ吹き飛んだぞwww
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- 2014年12月28日 21:28
- 俺はいいと思うぜ
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- 2014年12月28日 21:38
- ※2・3
お前らのその連携の良さなんやねんwww
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- 2014年12月28日 21:46
- ※2,3
吹いたぞバーローww
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- 2014年12月28日 21:48
- コメントしようと思ったら
※2〜3に全部持ってかれたw
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- 2014年12月28日 22:06
- いい話だと思ったけど※2,3にやられた
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- 2014年12月28日 22:11
- ローソン「解せぬ」
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- 2014年12月28日 22:20
- 作品を台無しにするコメントはしまっちゃおうね~w
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- 2014年12月28日 22:23
- ファミリーマート「俺の方が」
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- 2014年12月28日 22:27
- サークルK「東海地区なら…」
-
- 2014年12月28日 22:35
- テッラ「誠に遺憾である」
-
- 2014年12月28日 22:47
- ミニストップ「くっ…来年こそは・・・」
-
- 2014年12月28日 23:10
- 少し古さを感じたと思ったら二年前か
-
- 2014年12月28日 23:15
- デイリー「………」
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