魔王娘「勇者、魔王は私が倒す」
勇者「これでとどめだ!」
バンッ!
魔王娘「待て、勇者!」
勇者「なに!?」
魔王「フッ……よく来た我が娘よ。勇者はもう虫の息、殺せい!」
魔王娘「……」
勇者「くっ……(もう一人居たのか、流石にきっついな……)」
魔王娘「勇者……魔王は私が殺す」
魔王・勇者「何!?」
魔王「あの黒装束はお前だったのか!!」
魔王娘「ええ、あなたが味方と思ってた私です。おかげで勇者には全て筒抜け」
勇者「勇者に味方する謎の魔族……黒装束の女……あんただったのか」
魔王娘「ええ」ニコッ
勇者「!!」ドキッ
勇者「ああ、女神からそう聞いている」
魔王娘「でも、封印でなく、私が塵も残さず消し飛ばしたらどうなるかしら……」
魔王「やめろ、魔王娘……お前は何を考えている……」
魔王娘「もうたくさんよ、こんな地獄。私利私欲の限りを尽くし、お母様を死なせ、私の身体を汚した罪、本当の死を以て償わせてあげるから……」
魔王「やめろ、やめろぉ!!」
魔王娘「さようなら……お父様……」
勇者「爆発魔法!?しかもこの魔力量はヤバい!」
ピカッ
ドオォォン………
国王「勇者よ、暴虐の限りを尽くした魔王は遂に封じられたのだな!」
勇者「……はい」
国王「本当によくやってくれた、国民を代表して礼をいうぞ!」
勇者「俺は……」
国王「言わずともよい!そなたには感謝の言葉では言い表せない恩が出来たのだ、困った事があったら何でも頼むがよい!」
勇者「……」
国王「ん?もう何か困った事でも起きたのか?」
国王「はは、それもそうだな。しばらくは城で英気を養ってくれ」
勇者「いや、すぐに出発します。まだ困ってる人がいっぱい居ますから」
国王「なんと、それは残念だ」
勇者「すみません、失礼します……」
国王「おぉ、これ、勇者殿を城門まで送るのだ!!」
親衛隊長「はっ!」
勇者「もう十分だよ、ありがとう」
親衛隊長「勇者様、お気をつけて……」
勇者「じゃ、国王に身体を大事にしろって伝えてね」
親衛隊長「はっ!」
勇者「ふぅ……」
魔王娘「溜め息は幸運を逃がすと言いますよ」
勇者「それ人間の言い伝えだぞ」
魔王娘「溜め息をついたあなたは人間じゃない」
勇者「……」
勇者「お前が魔王を消したからな」
魔王娘「ある程度は予想してたけど、四天王全員が各々の部下を連れて覇を唱えるとは思わなかったわ」
勇者「今や魔界は群雄割拠の時代」
魔王娘「高度な情報戦にまでなってるわ、あちこちにスパイが紛れてて、大変みたい」
勇者「たった数日でここまでなるとは……」
魔王娘「私も予想外だわ……」
勇者「女神の加護もなくなって、死ねる身体になっちまったしな」
魔王娘「それは歴史を見る限り魔王を封印してもなるみたい」
勇者「そうなのか……」
勇者「何が」
魔王娘「魔王の最期」
勇者「お前が消したじゃないか」
魔王娘「ええ、正真正銘消したわ。でも、あいつ……笑ったの」
勇者「……は?」
魔王娘「まるで死ぬのも策の内みたいにね……」
勇者「……」
魔王娘「あいつの掌の上みたい……気持ち悪い……」
魔王娘「……嫌。気持ち悪い。吐き気がする」
勇者「おい、おい!」
魔王娘「……ごめんなさい、あまり考えないようにするわ」
勇者「……」
魔王娘「はぁ……勇者、あなたに聞きます」
勇者「なんだ、改まって」
魔王娘「私のお願い、聞いてくれますか?」
勇者「勇者は困った人が居たら助けるもんだろ?」
魔王娘「私は人でなくってよ」
勇者「んあー……じゃあこれまで助けてもらった礼って事で」
魔王娘「ありがとう」
勇者「薄情な奴らだな」
魔王娘「魔王がやってきた事を考えれば当たり前だけどね」
勇者「魔族にまで?」
魔王娘「自分の思い通りにならなければ誰でも死刑だから」
勇者「うわ……」
魔王娘「四天王は勇者が魔王城の近くまで来たら戦いの準備を始めてた。他の四天王と戦う準備をね」
勇者「四天王とは実際戦ったぞ」
魔王娘「手合わせみたいなものをね。私兵は一切出さなかったはずだし、本人もさっさと逃げたでしょ」
勇者「かなり激戦だったんだが……」
魔王娘「そりゃあ四天王も手は抜かなかったはずよ。自分らに負けるなら魔王には勝てないんだし」
勇者「なるほど」
魔王『お前たちには任せてはおけぬ、私自らが出る!!』
魔王娘「とか言ってたし」
勇者「……」
魔王娘「ある意味、みんなグルだったって感じね。魔王の不信も今回は好都合だったって訳」
勇者「俺は強くなれたのか不安になるな」
魔王娘「それは間違いなく魔界でも敵なしなくらい強い」
勇者「そこまで言われると照れる」
魔王娘「だから魔界に連れ出せない」
勇者「どうしてさ」
魔王娘「利用される。私も大義名分を得る為に必要って言われたもの」
勇者「……」
魔王娘「仲間にならないなら殺す。そういう世界だから」
勇者「ああ、よくわかってる」
勇者「……行くのか?」
魔王娘「……行きたい。すごく嫌な予感がする」
勇者「なら転移魔法で魔王城付近にでも」
魔王娘「待って、いきなりは危険すぎる」
勇者「……」
魔王娘「魔界と人間界のつなぎ目……あそこから魔界の情報を少しでも集めたい」
勇者「わかった、次元の裂け目だな。あそこの門番なら知り合いだ」
女騎士「ふあぁ……ん?」
勇者「よ、隊長」
女騎士「ゆ、勇者さま、おしさひぶりです……」
勇者「あはは、久しぶり」
魔王娘「……この方は?」
勇者「ああ、そういえば帰りは転移魔法だったから初めてだったね。彼女はこの次元の裂け目を守る女騎士さん」
女騎士「ご紹介に預かりまひた、女騎士です……!?」
魔王娘「……」
女騎士「……あなた、魔族?」
魔王娘「はい、そして魔王の娘です」ペコリ
女騎士「なんだって!!?」
女騎士「なっ……」
勇者「いろいろあったみたいだよ。でも身分を隠さなくても良いのかい?」
魔王娘「勇者様の友人でしたら、隠して変に疑われたくありませんから」
女騎士「すごいね……魔王の娘、本当みたいだね。その肝の据わり方、国王以上だよ」
勇者「ちょ、女騎士、いきなり鎧を脱ぐな」
女騎士「大丈夫だ、別に鎧の下はパンツ一丁じゃない。鎧越しは失礼だからだ。えーっと、名前は?」
魔王娘「……魔王娘」
女騎士「魔王娘、僕はしがない田舎の見張り番だが、君の力になりたい」ニギッ
女騎士「勇者様が認めたんだろ?なら君は女神の加護を受けた仲間も同じだろ?」ギュッ
魔王娘「うぅ……」
女騎士「哀しい目をするな。我慢をするな。つらかった事もあったろうが、辛さを軽くするのが仲間の役目だからな」ダキッ
魔王娘「ありがとう……ありがとう……」ヒクッ
勇者「あのー……」
女騎士「!!」
魔王娘「ぐす……ひっく……」
女騎士「勇者……さま……(居たの忘れてた!)」ギューッ
勇者「ありがとう、女騎士。正直、心配だったんだ」
女騎士「彼女の事ですか?初めはびっくりしたけど、なにか我慢しているように見えて……」
勇者「君の観察眼にはいつも驚かされるよ」
女騎士「そんな……」ギュッ
魔王娘「(苦しい……)」
女騎士「それで、この場所まで来たと」
魔王娘「はい」
勇者「でも、魔界の近くまで来て大丈夫かって不安はある」
女騎士「確かに気持ちは分かるが……ん?」
バチッ!
バチバチバチッ!
魔王娘「次元の裂け目が!」
勇者「おい……これやべーんじゃ……」
女騎士「何か来るぞ!」
ギュゥーン
夢魔「へべっ!」
勇者「魔族!?」
夢魔「はぅ……ここはどこですか……あ、魔王娘さまだ……そっかここは夢の世界なんですね……」
勇者「知り合い?」
魔王娘「それ以上かな。私が小さかった頃から身の回りとか、ずっと助けてくれたの。お姉さんみたいな存在かな」
女騎士「お、お姉さん?」
魔王娘「ええ、人間の子供みたいだけど、なんでも出来るの」
勇者「おい、それよりも……それ大丈夫か?」
夢魔「ふひひ……マコちゃんのないちちおっぱーい」モゾモゾ
魔王娘「……」
ピカッ!
ドォン!
魔王娘「胸触りながら言わないでくれる?」
夢魔「ま、遊んでられないのも確かだけど。魔王娘様、少し大変な事が起きました」
魔王娘「……その呼び方、まだするの?」
夢魔「あ……でも仕事ではずっとこの呼び方だったし……」
魔王娘「もう魔王の事は全部消したから」
夢魔「そうだ、その話なんです。あ、呼び方はマコちゃんでも大丈夫ですか?」
魔王娘「もうちゃん付けされる年じゃないんだけど……」
コメント一覧
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- 2015年01月06日 12:21
- 状況描写が分かりづらいから地の文入れて欲しかった。
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- 2015年01月06日 12:23
- 時間軸が飛びまくっててわかりにくい
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- 2015年01月06日 12:40
- 状況がとにかく分かりにくい
おかげで黒い霧によって精神が云々やファンタジーとSFの融合などの設定を理解するのにとても労力がいる
舞台作りとキャラ設定はいい(のかもしれない)から、お友達に推敲してもらうとか客観視が必要だ
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- 2015年01月06日 13:35
- なげえ
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- 2015年01月06日 13:50
- 自分の書きたいことに実力が伴ってない感じ。
もっと書き慣れてたら面白かったはず。
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- 2015年01月06日 15:12
- 話がとっちらかっててわかりずらい
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- 2015年01月06日 15:20
- 実力不足は否めないが面白かった
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- 2015年01月06日 15:38
- とってもとっても、わかりにくかったです
超 展 開 多くなかったですかね?
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- 2015年01月06日 15:40
- お前らの好きな川村ゆきえを黒髪ロングゴスロリの姿にした合成写真作った広島弁(千葉県民)ネカマ
(私の目や頭空想理想から出来たヌエなんだよそのネカマは。実在しないんだよ)かな?
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- 2015年01月06日 19:53
- きっとシナリオは面白いんだろうと思うけど、なんか文章に引き込まれなくて、読むのが苦痛になってきたので、3割くらいで挫折しました。
海の四天王さんを倒したのはわかりました。
だれか、全体のあらすじを教えてくださいますと幸いです。
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- 2015年01月06日 20:07
- 冒頭のドキッ、で投げた
提督「竜崎一矢よ。勇者の中でもひときわ秀でたる勇者よ」
他人ん家に土足で上がり込んで樽やツボを投げて壊し/割りたおし、鏡を指紋だらけにしよる外道が!
どくばり で いきのねを とめ られても おきあが る魔物の方がまだ可愛いわ。