1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:04:01.54ID:awf4bEIj0
2/23 夜

浪人生「ついに、国立の前期かぁ……。」

浪人生「不安だ……。経済的に二浪はできないし……。」

浪人生「去年の悪夢がフラッシュバックする……。」

浪人生「……。」

浪人生「……いや、大丈夫、大丈夫。今日のために一年間がんばったんだ!」

浪人生「ゲーム、友達との遊び、いろんな誘惑を耐え抜いてきた!」

浪人生「周りの浪人生が付き合ったり、酒飲んだりしてる間に、必死に勉強してきたんだ。
    自分を信じて……ん?」


浪人生「>>4からメールだ!」

内容 >>8







4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:06:47.93ID:gdT+RFCt0
ばあちゃん




5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:07:13.49ID:BBu9i6KV0
もう死ね




6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:08:33.51ID:ShW2RkmC0
孫よ 死ね




7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:08:52.04ID:CHQ3yxt0O
言われた通りお金振り込んでおいたよ
これで良いのかい?




8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:08:54.12ID:q/1MYEjST
私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です




10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:15:52.62ID:awf4bEIj0
浪人生「ばあちゃんからだ……。応援かな?」

浪人生「今年は本当にお世話になったな……。
   ぜひ合格して恩返ししなくちゃ!」

浪人生「迷惑かけたぶん、いいところに就職して
    安心させてあげたいなぁ。」

浪人生「……みてみよう。」


タイトル:孫へ

本文:私の息子と息子の嫁が死んでから育ててきましたが
もう限界です


浪人生「え……。」

浪人生「……。」

浪人生「……えっ!?」




11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:27:12.31ID:awf4bEIj0
浪人生「そんな……。」

幼い頃に両親を亡くした俺は、ばぁちゃんに育てられた。

ただでさえ少ない年金の額。
それなのに、部活も、高校も、予備校さえも通わせてくれた。

なんでこんなババァと暮らさなきゃいけないいだ!
そんな風に反発した時も会った。

だけど、ばぁちゃんはいつでも笑顔で
俺のことを受け止めてくれて……。

浪人生「いきなりどうしたんだろう……。」

浪人生「どうしよう……。」

浪人生「今からでも行きたいけど、受験できなくなっちゃう。」

浪人生「でも、ばぁちゃんが……。」

どうする?>>14

1.ばぁちゃんに会いにいく
2.メールで心配する
3.邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁとメールする
4.無視する
5.その他




12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:35:54.69ID:pqHOts+IO
1




13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:37:58.27ID:BBu9i6KV0
5 amazonnで練炭を頼む




14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:38:42.70ID:mzjh5ODi0
3




16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:45:39.54ID:awf4bEIj0
浪人生「……いや、やっぱりやめとこう。」

浪人生「明日のために、すべてをかけてきたんだ。」

浪人生「てか、それぐらい、ばぁちゃんもわかってるはずだろ!」

浪人生「……なんか腹たってきた。」

浪人生「こうなったら……。」


タイトル:うるせぇ!

本文:邪魔すんじゃねぇよ、ばばぁ!

浪人生「……ったく、ばばぁのメンヘラなんて需要無いだろ……。」

結果は>>19

1.返信きた(内容も)
2.音沙汰なし
3.そのた




18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:51:04.33ID:tdGMDXqN0
3

彼女から




19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:51:14.61ID:hL0FF13S0
実は浪人生を試すための神からのメールだった




20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:52:37.43ID:JzmaMnAC0
おいおいファンタジーか




21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 21:59:16.92ID:awf4bEIj0
浪人生「……ん?返信か?全くいい加減にしてくれよ……。」

浪人生「えっと、開封で……って、うわぁ!?」

開封をおした刹那。
俺のiphoneが光り始めた。
目もくらむ様な閃光の中、意識が遠のいていく……。

気がつくと、一様に白な神々しい世界。

浪人生「いたた……って、ここは?」

???「受験を戦い抜く戦士よ……。
    我を刮目せよ!」




23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:09:50.19ID:awf4bEIj0
浪人生「誰だ!?お前がこんなとこに連れてきたのか!?早く返せ!!」

???「落ち着いて話を聞くのだ、若者よ。」

???「その早計な貴様の性格が、去年の悪夢を生み出したのは理解しているはずだ。」

???「冷静になれば、計算ミスなどしなかったものの……。」

???「sin^2θとsin2θを読み間違えるとは・・・。」

浪人生「お前には関係ないだろ!って、なんでそんなことを……?」

浪人生「一体、何者だ!?」

???「我は受験を司る神。すべての受験生を監視し、その適性を見定める“天空の面接官”だ。」

浪人生「なんだって!?」

神「先ほどのメールは、貴様を試させてもらった。」

神「受験の神として、貴様に“合格者”の素質があるのかをな……。」

神「そして、その結果は>>26だ!(理由も)」




25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:17:33.77ID:pnAU38KU0
饅頭くれないから不合格




26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:17:51.86ID:UgzvliFF0
不合格
顔がタイプじゃない




28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:24:48.48ID:awf4bEIj0
神「そして、その結果は不合格だっ……!!」

神「残念だったな、貴様には十分な素質がない。」

受験生「……くっ!」

受験生「そんなの納得できねぇ!!」

受験生「俺はこの一年間、誰よりも勉強してきた自信がある!!」

受験生「チャートもやりこんだし、ターゲットもボロボロになるまで暗記した!!」

受験生「理由を……納得できる理由をくれ……。このままじゃ……。」

神「顔だよ」
受験生「え?」

神「だから、顔。」

神「タイプじゃないんだよ、貴様。」




29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:33:38.59ID:awf4bEIj0
浪人生「……。」

神「顔を直して出直せ、若者」

神「顔。顔。顔だよ、顔。」

浪人生「……ざけんな。」

神「あ?」

浪人生「ふざけんなって言ってんだよ!!」

浪人生「いくら神だからって、そんな横暴許されるかよ!」

浪人生「確かに、俺の顔はお世辞にもかっこいいとは言えねぇ……。」

浪人生「でも……だからこそっ!」

浪人生「受験ってのは、容姿が足りなくても、運動ができなくても!」

浪人生「勉強という努力は、誰にだってできる!!」

浪人生「自分のチカラでつかみ取れる!!」

浪人生「どんな奴にだって与えられる、最後のチャンスなんじゃないかよ!!」

浪人生「答えろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」




30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:40:32.65ID:awf4bEIj0
神「……。」

浪人生「それとも何だよ……。」

浪人生「生まれた時に、すべてが決まってるってか?」

浪人生「全ては運ですってか!!」

神「……。」

浪人生「……確かに、そういう部分はある」

浪人生「人生、自分だけじゃ何もできないことも多い。」

浪人生「俺だって、現役の時に講習や予備校に行けていたら……って、
    思うときもあったよ……。」

浪人生「両親が生きてたら……、こんなババァに育てられなければって……。」

浪人生「でも、全部仮定の話だ。」

浪人生「幻想だ。言い訳だ。」




31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:45:34.23ID:awf4bEIj0
浪人生「所詮、俺たちは無力だ。なんて諦めても。」

浪人生「今あるものの中で生きていかなきゃならねぇ。」

浪人生「それでも、どんなに貧しくても。」

浪人生「俺はここまで来られた。」

浪人生「先生、友人、ばぁちゃん。天国の両親。」

浪人生「みんなの支えがあってここまで来れた……。」

浪人生「だから、俺は証明しなくちゃなんねぇ!」

浪人生「こんな俺でも合格できるっ!!」

浪人生「自分のために、みんなのために。」




32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:52:52.78ID:awf4bEIj0
浪人生「だから、俺の前に立ちはだかる者は」

浪人生「軍隊だろうと、悪魔だろうと!」

浪人生「たとえ、神だろうと容赦なく叩き潰す!!」

神「……。」

神「……。」

神「……ふっ。」

浪人生「……なっ!?」

神「……ふふっ…ははは……っ…………ははははははははは!!」

神「あははははははははははははははははははははは!!!!」

浪人生「何がおかしい!俺は『神「いい顔してるじゃねぇか。」』…え?」

神「顔だよ、顔。」

神「今のお前の顔、タイプだよ。」




33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 22:56:19.67ID:k2c7UVyl0
ツンツン頭のレベル0を思い出すな




35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:04:19.63ID:awf4bEIj0
神「くくっ……大人しそうな顔して、貴様、なかなか言うではないか!!」

神「よかろう……。気に入った!」

浪人生「ホントか!?じゃぁ……!!」

神「ただし、あくまでもチャンスだ。」

神「すぐに合格というわけにはいかない。」

神「ただし……」

神「貴様の言うとおり、誰にも負けない努力をしたなら。」

神「それだけの力があるなら。」

神「きっと、手に入れられるだろうよ。」

神「サクラはサクはずだ。」




36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:12:40.68ID:awf4bEIj0
神「それでもいいなら……」

神「元の世界に戻してやる。」

神「どうだ?」

浪人生「……。」

浪人生「……。」

浪人生「……わかった。」

浪人生「必ず証明してやるよ。」

浪人生「このチャンス無駄にはしねぇ。」

浪人生「自分を信じて、掴み取ってみせる。」

浪人生「だからさ……。」

浪人生「合格発表、ちゃんとみてろよな!!」

神「…はははは…あはははははははっ」

神「くくっ……生意気な。」

神「まぁ、いい。楽しみにしてるぞ。」

神「せいぜい足掻くことだ。」




38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:19:02.69ID:awf4bEIj0
神「さてさて……。」

神「そろそろ……時間だな。行くぞ、若者よ。」

浪人生「……。」コクッ。

受験の神の右手が、不思議なオーラをまとい始める。
それは徐々に大きくなり、周囲の空間を取り込んでいく。

神「それでは!!さらば!!」

再び、光に包まれ視界が霞んでゆく。
薄れゆく意識の中で、誰かが微笑んでるのが見えた。

暖かくて、心地よい温もり……。

……。



「必ず、できるはずだよ。大丈夫、大丈夫。」



……。

気がつくと、もとの世界に戻っていた。
確認してみたが、
メールは友達の応援だけで、あのメールは届いていなっかt。




41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:32:29.28ID:awf4bEIj0
光はやがて霧散し、空気に溶け込む。

神「これでよかったのですか?」

浪人生が消え去った不思議な世界に、
受験の神がポツリと、溜息とともに漏らす。

???「えぇ、あの子ならきっと大丈夫です。」

神「こんな試すような前をしなくても……。」
神「一言、声をかけてあげるだけでも違ったのでは……?」

???「信じていましたから。それに……。」

神「それに……?」

???「……いや、なんでもないですよ。」

???「さて、本来の世界に戻りましょうか。」

???「向こうで待っているだけなのも可愛そうですから。」

神「しかし……。」

???「神様?エスコートお願いしますね。」

神「……喜んで。」

そういって、手を取り二人も、希薄な大気の中に溶け込んでいった。




42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:38:41.24ID:awf4bEIj0
2/25 朝

今日は、ついに受験だ。

やっと……ここまでたどり着いた。

あの不可思議な体験が現実だったのか、夢だったのか。
確かめる術は、ない。

でも、あの出来事のおかげで
迷いを断ち切ることができた。

もう、どんなことがあっても揺らぎはしないだろう。

受験会場に着くと、皆そわそわしていた。
無理もない。たった一度の試験で人生が変わるのだ。




45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:45:17.38ID:awf4bEIj0
友人と話している受験生も目立つ。
後ろのグループでも知り合い同士なのだろうか。
会話の内容がちらほら聞こえる。


現役生A「ぜってー、浪人なんてしたくねぇよなwww。」

現役生B「わかるわwww。人生最大の汚点だろwwwwww。
     よくまたここまで来れるよなww。」

現役生C「てか、浪人するくらいならこんなカス大学受けねぇわwww。」

現役生A「浪人生(笑)」




46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:51:06.83ID:awf4bEIj0
以前の自分なら、どうだっただろうか?

怒りに身を悶えながら、
歯を食いしばっていたかもしれない。

羞恥心から、固まってしまっていたかもしれない。

でも、今は違う。
確固たる信念があり、夢があり、理想がある。
全く気にならないわけではないが
心は不思議と平穏だった。

それに、彼らの気持ちも痛いほどわかるから。




47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/25(月) 23:57:23.03ID:awf4bEIj0
みんな不安なのだ。

人生で初めて、たった一人。
乗り越えなくてはいけない、最初の試練。
それは、かつて経験したものでも、
いや、だからこそ
足が震え、動揺し、恐れおののく。

そんな不安をかき消したくて、
自分を維持したくて
周りを中傷する。

決して褒められることじゃないが、自然な反応。
人間の防御本能。

それが痛いほどわかるから、
俺は傷つかない。




48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:00:35.63ID:Ba9cN/fR0
浪人生「それに、俺は一人じゃないもんな。」

心の中でつぶやく。

試験官「よーい、始め。」

運命の時が来た。

俺は微笑み、ひと呼吸して、問題用紙をめくった。




51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:08:48.24ID:Ba9cN/fR0
4/? 入学式

学長「えー、我が大学は伝統と……。」

新入生「……ふぅ。話が長いのは大学でも変わんないのか。」

新入生「ばぁちゃん、寝ちゃいそうだなぁ……。」

新入生「……。」

新入生「……もし、一緒に来られてればなぁ。」

新入生「向こうに行くのは、もう少し待って欲しかったぜ。」

新入生「……畜生。」

俺が不可思議な体験をしたあの日。
ばぁちゃんは亡くなった。




54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:14:53.08ID:Ba9cN/fR0
だいぶガタが来ていたらしい。

俺が出発したあとすぐに入院したみたいだ。

父さんたちが俺に知らせようとしたのを
ばぁちゃんは必死で止めた。

あの子の邪魔はしたくない。
せめて最後くらいは、邪魔したくない、と。

新入生「一緒に、入学式行こうって言ったじゃねぇか……。」

新入生「俺の夢を……邪魔すんじゃねぇよ、……ばばぁ。」




57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:23:42.78ID:Ba9cN/fR0
新入生「……。」

新入生「なぁ、天国から見てるか?」

新入生「もしかしたら、母ちゃん、父ちゃんと一緒にいるのかな?」

新入生「まさか、受験の神様とも会ってたり…なんて。はは。」

新入生「……。」

新入生「安心して眠ってくれ。」

新入生「こっちの方は任せろ。」

新入生「だって、ばぁちゃんの自慢の孫だからなっ!!」」

新入生「それに……
―――――――――――――――――――――――――

「それに……心の中で生きていますから。

……これから、どんなに辛いことがあっても

大丈夫、大丈夫。」

―――――――――――――――――――――――――


おわり




58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:25:00.90ID:cQLdgEjUO
素晴らしい、乙




61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:30:20.98ID:ybASu1c90
乙!
よく綺麗にまとめたな




62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/02/26(火) 00:31:41.93ID:Ba9cN/fR0
マジキチからのくぅ疲wにするつもりだったのに、
某そげぶっぽくなっちまった。

読んでくれた人ありがとう。
あと受験生。前期ダメでも
後期も来年もあるから諦めずがんばれ。


転載元
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1361793841/l50






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