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錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」新人鉱夫「その3!」|エレファント速報:SSまとめブログ

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錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」新人鉱夫「その3!」

1 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:30:11 ID:qzw0FWDc

■前回のあらすじ!

バターピーナツ器が爆発した。

ワイドレンジピーナツ器が誕生した。



錬金術師「面倒だけど経営難に立ち向かう事になった」

錬金術師「経営難に立ち向かう事になった」女店員「その2!」



2 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:30:45 ID:qzw0FWDc
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【 錬金術師のお店 】


錬金術師「…」ポリポリ

錬金術師「…」ポリポリ

錬金術師「…」ポリポリ

錬金術師「…」ポリポリ


女店員「…店長」


錬金術師「んあ」



3 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:31:15 ID:qzw0FWDc
 
女店員「いつまでポリポリしてるの!早く仕事して!」バンッ!

錬金術師「おいおい…。このバニラピーナツが絶賛の嵐なんだよ」

女店員「な、に、が、絶賛の嵐なの!」

錬金術師「ちまたで話題なんだよ」

女店員「店長がここ最近、外に出てるの見たことないんだけどなー?」

錬金術師「ばれたか」ポリポリ

女店員「バレバレだから!!」


…ガチャッ

新人鉱夫「ただいまですー」

銃士「ただいまー」



4 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:31:53 ID:qzw0FWDc
 
女店員「あっ、お帰りなさい二人とも」

新人鉱夫「外まで声が響いてましたよ~」

銃士「相変わらず毎日元気だなーって話してたところさ」アハハ

女店員「あう……」


錬金術師「まぁまぁ…許してやってくれよ」

女店員「誰のせいだと思ってるのかな、誰のせいだと」

錬金術師「新人鉱夫かな」


新人鉱夫「ふぇっ!ご、ごめんなさい……」シュンッ


女店員「て~ん~ちょ~……!」ギロッ

錬金術師「申し訳ございませんでした」



5 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:32:24 ID:qzw0FWDc
 
女店員「本当に、営業でもなんでもいいからしてよ!」

女店員「ワイワイレンジでチンだか分からないけど、あのせいで260万も使ったの分かってる!?」


錬金術師「ワイドレンジピーナツ器だっつーの。相応の支出だ」キリッ

女店員「壊していいの?」

錬金術師「使いすぎました、ごめんなさい」

女店員「はい」


銃士「うーん…。私はあまり、経営に物言いしたくはないが…」

銃士「出納帳見て、ある程度儲けも出たと思ったが…あれから1か月もたち、客が全然来ないのはちょっとな…」


新人鉱夫「倉庫は潤って素材は増えていくけど、売れないと意味もないですよね」


錬金術師「素材が沢山…。素材…素材…?何か忘れているような……」

錬金術師「…」

錬金術師「…あっ」

錬金術師「あ…!あぁぁっ!!」ガタッ!



6 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:33:06 ID:qzw0FWDc
 
女店員「!?」

銃士「!?」

新人鉱夫「!?」


女店員「ど、どうしたの?」

錬金術師「忘れてたぁぁ!!」

女店員「何が?」

錬金術師「…鍛冶屋に鉱石届けるの!!やべえ!!」

女店員「…」

錬金術師「ちょ、ちょっと鍛冶屋んところ行ってくる!!」ダッ!



7 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:33:39 ID:qzw0FWDc
 
女店員「先週、別の固定ルートを結んだから、もういらないと言われたんだけどね」

錬金術師「」

ズザザァ!!ドシャアッ!


錬金術師「…ま、まじか」ムクッ

女店員「折角の契約だったのに。まぁ、私も言い忘れてたから悪いんだけど……」

錬金術師「…」

女店員「現状、うちの商品とってくれるところはないし、どうするの…」

錬金術師「…」


銃士「う~む…。ちょっと話を割るが、今の利益とかはどうなってるんだ?」
 

女店員「プラス240万ゴールドにはなってるけど、給料含めてそこから60万を引いて…」

女店員「今月の時点でお店の利益としては180万かな…。雑費とかは別にして計算して、だけどね」



8 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:34:14 ID:qzw0FWDc
 
銃士「…かろうじて、プラスか」

新人鉱夫「残り180万で出来る事といえば……。うん、難しいですね…」

女店員「…」ハァ

錬金術師「はは…客がこねえとな…」


…コンコン


錬金術師「!」

女店員「って、こういうタイミングでのお客さん!」

錬金術師「こういう時のお客って、たいていお金運んできてくれる気がするぞ」


女店員「じゃあ、精一杯の笑顔で!」

錬金術師「いらっしゃいませー!どうぞぉっ!」ニコォッ



9 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:34:47 ID:qzw0FWDc
 
ガチャッ…

親父「相変わらず、だな」


錬金術師「」

女店員「」

新人鉱夫「」

銃士「」


親父「…」


錬金術師「親父かよ!」

親父「少したったら、店の様子を見に来るといっただろう」



10 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:35:46 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師「ちっ…。なんだ、何の用だ……」

親父「結果、出してるんだろうな。あれから2か月になる」

錬金術師「…」

親父「出納長の1つくらいは、つけてるんだろう。見せろ」

錬金術師「…ほらよ」ポイッ

…バサッ!


親父「…」

親父「…180万、か」


錬金術師「文句あんのかよ」

親父「情けないな。これがお前の言う結果か?」



11 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:36:28 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師「…始まったばっかだろ」

親父「部下を3人も持っている癖に、これしか利益をあげられないとは」

錬金術師「うっせぇ!」

親父「それともなんだ、お前の部下は無能か?」

錬金術師「何…?」


女店員「…」

新人鉱夫「…」

銃士「…」


親父「見ろ、部下のあきれた顔を。お前のリーダーシップとしてのゴミさに、笑顔すら忘れてるんだろう」

錬金術師「てめぇが来たからだろうが!」

親父「…俺がいなければ、お前と女店員は重罪だったんだぞ?その口のきき方……!バカ息子が!」

錬金術師「うぐっ…」



12 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:37:10 ID:qzw0FWDc
 
親父「本来なら、今日まで結果を出さなければ店をつぶす気でいたんだが…」

錬金術師「…」

親父「お前の働きは知っている。今回も特別に見逃してやる」

錬金術師「働きって、何のことだ」


親父「"アルスマグナ"」


錬金術師「!」

親父「俺が知らないとでも思っているのか。あそこの副機関長は中々うるさいハエでな。困っていたんだ」

錬金術師「…別に俺は、アルスマグナ自体にダメージを与えるようなことはしてねーぞ」

親父「なに?」

錬金術師「確かに、あそこには行った。だがアルスマグナを騙しただけで、特別なことはしていない」

親父「……まさかお前、知らないのか?」

錬金術師「何がだ」



13 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:37:43 ID:qzw0FWDc
 
親父「副機関長な…死んだぞ」


錬金術師「!?」

女店員「!」

新人鉱夫「!」

銃士「!」


親父「お前が作った偽黒魔石を使用して、首をナイフで掻っ切ったそうだ」

錬金術師「…っ!!」

親父「…お前が殺したのと一緒だな」ククク

錬金術師「う、うそだろ!!」

親父「…なら、アルスマグナへ行ってみたらどうだ?」

錬金術師「嘘つくなよコラァ!!」



14 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:38:41 ID:qzw0FWDc
 
親父「嘘など言わん。完全にアルスマグナが消えたとは言えないが、副機関長がいなくなったのはでかい」

親父「俺は少し楽に事業を進められるわけだ…。」

親父「それに免じて、今回は見逃しておこう。ではな……」

ガチャッ…バタンッ…


錬金術師「なっ…な…!」

女店員「て、店長…」

錬金術師「俺が…殺したのか……」

女店員「店長!ち、違うって…店長のせいじゃないでしょ!」

錬金術師「一緒だろ…。そう仕掛けようともしていた…からな…!」ギリッ


銃士「店長、気にすることはないよ。元々あいつらが悪いんだから」

新人鉱夫「そうですよ!気にするだけ損です!」


錬金術師「…っ」



15 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:39:17 ID:qzw0FWDc
 
女店員「…」ギュッ

女店員「そ、それに…店長……」


錬金術師「ん…」


女店員「私だって、店長に協力したから…。私も、その人を殺したのと一緒だよ…」

銃士「…それなら私もだな」

新人鉱夫「僕もですね…」


錬金術師「違う!お前らは関係ない!」


女店員「関係なくなんかない!」

錬金術師「!」

女店員「関係なくなんか…ない…」

錬金術師「…」



16 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:39:48 ID:qzw0FWDc
 
女店員「…だから、店長…。一人のせいじゃないから…」ブルッ

錬金術師「…っ」


女店員「…」

女店員「…」グスッ


錬金術師「…わ、わかったよ!わかった、わかったわかった!」

女店員「…!」

錬金術師「お、俺は気にしない事にする。気遣ってくれて、ありがとうな」

女店員「…うんっ」ゴシゴシ


銃士「…」フッ

新人鉱夫「はは…」



17 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:40:21 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師(これ以上いうと、お前が本気で泣きそうだ。泣き顔はあまり見たくねえしな…)

錬金術師(そこまで想ってくれたのを、泣く寸前まで分からないとか…情けねえなぁ)

錬金術師(だが…俺が殺したのには変わりはない。あの時、そう言っちまったんだから…)

錬金術師(くそっ……!)


女店員「…」グスッ


錬金術師「…さ、さぁて!店を潤わせる作戦でも考えますか!?」パンパン

女店員「うん…」コクン

銃士「そ、そうだね!」

新人鉱夫「そ、それがいいと思います!」



18 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:41:01 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師「えーっと、意見のある人!」

銃士「…」バッ

錬金術師「はい、銃士さん」ビシッ

銃士「せっかく素材があるんだから、ココだけじゃなくて、別の場所で売れないのかな?」

錬金術師「別の場所って…支店ってことか?」

銃士「そんな大それたものじゃなくていいと思うけど…」


錬金術師「…」

錬金術師「…市場に出してみる、とかか?」


女店員「市場って、前に行った麓町だか麓村の…?」

錬金術師「そうそう。貸しスペースは料金がかかるが、それ相応の儲けは出るとは思うな」

女店員「!」



19 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:41:41 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師「女店員、悪いけど倉庫にある在庫を、何がどれだけあるか確認してもらえるか?」

女店員「うんっ、見てくる」

トテテテ…


錬金術師「…銃士、ナイスアイディア」ビシッ

銃士「店長が本当は浮かぶべきでは…」

錬金術師「…銃士、ナイスアイディア」ビシッ

銃士「…そ、そうだな。どういたしまして」


新人鉱夫「でも、市場って基本的に素材のままの販売が基本ですよね?」

新人鉱夫「うちにある在庫は、店長さんが既に錬成しちゃったりしてませんでしたっけ?」



20 : ◆qqtckwRIh. 2014/12/04(木) 21:42:20 ID:qzw0FWDc
 
錬金術師「それは問題ない。加工品でも、販売できるっちゃ販売できるし」

新人鉱夫「そうなんですか?」


錬金術師「…確かに市場は、素材目的で安価で手に入るが、加工品だって売っていいんだ」

錬金術師「まぁその