戦刃「わ、私が苗木くんの専属メイド?」
戦刃「ねえ盾子ちゃん、今日の夜空いてるかな。たまには姉妹水入らずで一緒にご飯でも食べようかなって思ってるんだけど」
江ノ島「パス」
戦刃「そ、そんなこと言わないでよ。私だって盾子ちゃんとゆっくりお話がしたいって」
江ノ島「パス」
戦刃「うう……。盾子ちゃんのために特別なレーションを用意したのに……」
江ノ島「パアアアァァァァスッ!だいたいなんだよオマエさっきから!アタシは嫌だっつってんだろうがよ!」
戦刃「で、でもレーションが……」
江ノ島「デモも抗議もあったもんじゃないっつーの!あーやだやだ、口を開けば戦争だ銃器だレーションだ。いつからこんな姉になったのかねーホント」
戦刃「そ、それは小学生くらいの頃から……」
江ノ島「そうじゃない!アタシが言いたいのはオマエがミリオタになった経緯じゃないんだよ。どうしてここまで残念になったかってことなんだよ!」
戦刃「ざ、残念って……。私、残念なんかじゃないよ……」
江ノ島「はっ、他人の役に立てない時点でオマエは戦うことしか脳のない産業廃棄物だってことが分かんないのかねー」
戦刃「わ、私だって誰かの役には立てるよ。現に盾子ちゃんの……」
江ノ島「どこで?ねえどこで役に立ってんの?オマエと一緒にいてもアタシ苦痛しか感じないんだけど〜?」
戦刃「じゅ、盾子ちゃんじゃなくても他の人が……」
江ノ島「証明できんの?」
戦刃「それは……」
江ノ島「ハイ、おしまーい!まあまあよくやったところね。65点くらいか」
戦刃「へ?な、何が?」
江ノ島「もちろんこの話題を引き出すのにかかった時間を点数化したらの話よ」
戦刃「え?え?」
江ノ島「本日はそんな誰かの役に立ちたいという残姉のために特別な企画を用意しましたー!」
江ノ島「題して……『専属メイドになってあなたを冥土までご奉仕します作戦!』ちなみにタイトルは今考えた」
戦刃「専属メイド……?」
江ノ島「ほら、やっぱ誰かの役に立つっていったらメイドじゃん?ご主人様の身の回りの世話しつつあんなことやこんなことしたくなるじゃん?」
戦刃「そ、そうなの?よく分からないけど……」
江ノ島「アンタの残念っぷりを治すには誰かの下について身の回りの世話をさせるしかないと踏んだわけよ」
江ノ島「いや、誰かとは言わねー。アンタには苗木の下についてもらおうか!」
戦刃「ええ!?なんでそこに苗木くんの名前が……」
江ノ島「そりゃアンタが一番やりやすそうだからに決まってんじゃん。ちなみに期間は今から72時間だから」
戦刃「今から!?」
江ノ島「正確にはアンタがメイド服を着て苗木の部屋に押しかけてからね。メイド服はあらかじめセレスの奴から借りといたから」
戦刃「そんな急に言われても心の準備が……」
江ノ島「あ、制服のスカートはミニとロングどっちがいい?」
戦刃「動きやすさを考慮してミニで……じゃなくて!わ、私はやらないよ。いくら盾子ちゃんでもこんなことはさすがに許容できないよ!」
江ノ島「ふーん。じゃあアンタはずっとこのままでいいんだ。ずーっとずーっとアタシから残念だって罵られる毎日でいいんだ」
江ノ島「正直アタシも予想できなかったわー。せっかくアンタの残念っぷりを治そうと思ったのにさー」
戦刃「盾子ちゃん……」
江ノ島「ねえ、分かんない?アタシの役に立ちたいって言うならやるべきでしょ?これを断ってる時点でアンタは本当の役立たずなのよ?」
戦刃「……そっか、そうだよね。ごめんなさい、私が間違ってたよ。私、盾子ちゃんのためにもメイドとして一生懸命頑張るよ!」
江ノ島「お姉ちゃん……。よし!それならさっそく着替えて苗木の部屋に向かおっか!」
江ノ島(やっぱチョロいわコイツ)
ピンポーン……
苗木「はーい。こんな時間に誰だろう」ガチャ
江ノ島「やっほー」
戦刃「こ、こんばんは……」
苗木「あ、江ノ島さん。それに……戦刃さん!?何その格好!?」
戦刃「へ、変かな……」
江ノ島「まあ、それについてちょっと話しに来たってわけよ。とりあえず中に入れてくんない?」
苗木「あ、うん」
江ノ島「さてと……。苗木、アンタはお姉ちゃんが超絶残念な人間だってことは知ってるよね?」
苗木「超絶残念って……ボクはそこまでひどくは思ってないよ」
江ノ島「でも、少なからず駄目だこいつって思う時だってあるわよね?」
苗木「え……っとそれは……。ひ、否定はできないかな……」
戦刃「苗木くんにまでそう思われてたなんて……」
江ノ島「正直でよろしい。でさ、そんなコイツの残念っぷりを治すためにアンタのとこで住み込みで世話させてやりたいわけよ」
苗木「でも、何でメイド?」
江ノ島「それはお姉ちゃんの口から説明を願おうか」
戦刃「えっと、私が残念じゃないことを証明するには誰かの役に立つ必要があって……それでメイド服を……」
苗木「それはボクである必要はあるの?こういうのはやっぱり江ノ島さんに見てもらった方がいいんじゃ」
江ノ島「コイツ直々の指名だから仕方ないでしょ」
戦刃「ちちち違っ……!盾子ちゃんが勝手に……」
江ノ島「ま、そんなことはどうでもいいわけよ。問題はさ、アンタがこれを引き受けてくれるかどうかってこと。アタシとしてはお姉ちゃんのためになるから引き受けてくれたほうが助かるんだけどねー」
戦刃「わ、私からも是非とも……。私が誰かの役に立てるって証明したいから……。お願い、苗木くん」
苗木「……分かったよ。二人にそこまで言われたらボクも引き受けない理由がないね」
江ノ島「サンキュー、苗木!じゃ、今から72時間きっちりよろしくね!」
苗木「え?1日じゃないの?」
江ノ島「あれ?言ってなかったっけ?期間は72時間だって」
苗木「初耳なんだけど……」
江ノ島「おっと、こいつは失礼した。でも、もう引き受けちゃったしなんとかなるっしょ。じゃあよろしく〜」
苗木「ちょっと江ノ島さん!」
苗木「はあ……参ったな」
戦刃「…………」
苗木「…………」
戦刃「……あの、そんなに見られると……恥ずかしい……」
苗木「あ、ごめん……」
戦刃「…………」
苗木「…………」
苗木(沈黙が長いな……。な、何か話題でも……)
戦刃「あの……」
苗木「! な、何かな」
戦刃「ふ、ふつつか者ですがよろしくお願いします……」
苗木「あ、ああ、こちらこそよろしく。戦刃さんはメイドをするって言ってたけど具体的には何ができるの?」
戦刃「えっと……えっと……ボ、ボディーガード、とか?」
苗木「それってメイドというよりSPだよね」
戦刃「う……。じゃあ……その……あの……」
戦刃「…………」
苗木「もしかして……何もできない?い、いやそんなこと無いよね!」
戦刃「ごめんなさい……」
苗木(この状態で3日か……かなり厳しいぞ……!)
苗木(いや、まだ希望はあるはずだ。戦刃さんがどれくらいできるのか、この目で確かめないと!)
苗木「あ、あーそうだ!考え事してたらお腹が減ってきちゃったよ!戦刃さん、悪いけど夕飯の支度をお願いできるかな?」
戦刃「う、うん。かしこまりました、ご主人タマ」
苗木「ご、ご主人タマ?」
戦刃「あ、こ、これは盾子ちゃんがそう言った方が苗木くんが喜んでくれるって……」
苗木「江ノ島さん、変な知識入れるのはやめてほしいな……」
戦刃「じゃあ待っててねご主人タマ。今用意してくるから」タッタッタッ
苗木「……せめてこの3日間、何も起こらなければいいんだけど」
戦刃「はい、どうぞ召し上がれ」
苗木「……戦刃さん。これは?」
戦刃「レーション、だけど……」
苗木「あ、うん、いや、どうしてこれを夕食に選んだのかなーって」
戦刃「私、レーション温めるくらいしかできないから……。あ、でもレーションも美味しいんだよ?栄養もあるし、長持ちだってするし……」
苗木「…………」
戦刃「ご主人タマ、食べないの?」
苗木「た、食べるよ!ただ、日常生活でレーションを食べる機会って無いからちょっと珍しいなーって思ってただけで……」
戦刃「戦場に行けばいくらでも食べれる……。あまり食べすぎても飽きちゃうけど」
苗木「そ、そうなんだ……」パクッ
苗木「あ、食べてみると意外と美味しいんだね」
戦刃「き、気に入ってくれた……?」
苗木「うん。ボク、こういう食べ物ってあまり美味しくないかもって勝手に思ってたから何か申し訳ないな……」
戦刃「戦場においては食事は数少ない娯楽だから……。味が美味しくないと兵士の士気が下がってその戦争は負けに繋がることもあるの。だからこういった保存食は誰が食べても美味しくなるように万人受けする味になっているの」
苗木「へえ」
戦刃「ご主人タマも缶詰めやカップラーメンは食べたことあるよね。レーションもそれらと同じようなものだと考えればいいかな。災害があったとき被災地に届けられたこともあったの」
苗木「なるほど、確かに保存食は万人受けする味だね。戦刃さんって物知りなんだね」
戦刃「……そんなこと、ない。ジャンルは偏ってるし、私ばっかり喋っちゃうし……」
苗木「いいんだよ。ボクも戦刃さんの話、もっと聞いてみたいな」
戦刃「それなら……私が戦争で中東に行った時にレーションに助けられた話でも……」
2時間後
戦刃「それでその時レーションの中のアーミーナイフが無かったら私は今頃ここにはいなかったかもしれない……」
苗木「そ、それは……大変だったね……」
苗木(聞かない方がよかったかな……)
戦刃「ごめんなさい……。私、あんな長々と一方的に……」
苗木「い、いいんだよ。戦刃さんが楽しそうにしてくれてるだけでボクは十分だよ」
戦刃「私、メイドらしいこと何も出来てない……」
苗木「ほら、まだ数時間しか経ってないから……。そうだ、気分転換になにか漫画でも読む?」
戦刃「あ、大丈夫……。私は自分で暇つぶし用の本を持ってきたから……」
苗木「戦刃さんはどんな本を読むの?」
戦刃「これ。『月刊 レーションの全て』」
苗木「本当にどんな本なんだ……。でも戦刃さん、好きそうだもんねそういう本」
戦刃「ふふ、今月はフランスの特集なんだ。よかったらご主人タマも読んでみる?」
苗木「え、遠慮しとくよ……」
ピンポーン……
苗木「あ、誰か来た」
戦刃「襲撃者かもしれない。私が出る」
苗木「えっ、襲撃者!?ここ学園の中だよ?」
戦刃「シッ、静かに。今扉の鍵を開けるから……」
苗木「いやいやいや!そこまで警戒する必要ないから!」
葉隠「よぉー苗木っち!悪いけど金貸してぐええ!?」
苗木「やめて戦刃さん!それ葉隠クンだから!早く放して!」
戦刃「あ、ごめんなさい……つい……」
葉隠「ゲホッゴホッ!何すんだべ戦刃っち!……ってあれ?何で戦刃っちがここに?つか何だその格好?」
戦刃「こ、これはご主人タマのもとでメイドとしてご奉仕を……」
葉隠「ご主人タマ……ご奉仕……。あーそういうことか、邪魔したな」
苗木「待って!確実に誤解してるよね!?」
葉隠「苗木っち、やりすぎは体によくねえぞ?あと、寝る前にはちゃんとシャワー浴びとけよ?じゃあなー!」
戦刃「葉隠くん、何の話?」
苗木「ちょっと葉隠クン!……はあ、明日どうしようか……」
戦刃「ご主人タマまで……」
苗木「……戦刃さん、明日はその格好で教室に行くの?」
戦刃「うん、盾子ちゃんに替えのメイド服と下着以外全部取られちゃって……」
苗木「徹底してるな……」
戦刃「で、でも私……頑張るから。ご主人タマのためにも……必ず役に立ってみせるから」
苗木「それはいいけどメイド服姿で教室に入ってきたらみんな驚くんじゃないの?」
戦刃「それは多分大丈夫……。盾子ちゃんが手を回してくれてると思うから……」
苗木「だといいんだけど。嫌な予感しかしないなあ……」
戦刃「ところ
コメント一覧
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- 2015年01月15日 21:59
- 元フェンリルなのにグングニルでころさせる残ねえ
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- 2015年01月15日 22:17
- 残姉かわいすぎ
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- 2015年01月15日 22:28
- 良いぢゃん良いぢゃん!
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- 2015年01月15日 22:36
- 戦刃が真ヒロインという風潮
プレイ中は最初から最後まで朝比奈一択だったんだけどなぁ
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- 2015年01月15日 23:59
- 残姉はかわいいなぁ
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というか基本ロングしか認めない。