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イラク、アフガニスタン、シリア…人類の歴史は戦争で彩られており、それは2015年の現在でも変わりがない。流血の惨事の多くはメディアによって報道されているとは言え、主要メディアが取り扱わないものも数多く存在する。1つの紛争が報道されれば、その裏には報道されない紛争が3つはあるのだ。
2011年、米特殊部隊はおよそ75ヶ国で展開されていた。2014年では125ヶ国を上回っている。中東で米軍が軍事活動中であることは常識だが、他にも米軍が介入する紛争が120もあることなど大抵の人間は知るまい。
世界中の紛争の多くは内紛であり、50年以上も続いている。そんな世界に知られることなく争われている10の紛争を見ていくことにしよう。
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10. シナイ内乱(エジプト)
シナイ内乱は2011年、エジプト革命の余波を受けてシナイ半島で勃発した。部族やベドウィンで構成されるイスラム過激派が政府や外国の施設を占拠し、イスラエル攻撃の基地としたのだ。
2012年、これに対してエジプト軍は反撃を加えたが、2013年にはエジプト軍の将校が過激派側に拉致される事態に発展した。同年、ムハンマド・ムルシー大統領が失脚すると”未曾有の事態”に発展し、イスラム国への忠誠を表明する者も現れた。この紛争による犠牲者は2013年で1,000人、2014年で600人に上る。
9. 中央アフリカ共和国の内戦
中央アフリカ共和国の内戦は2012年後半に勃発した。反政府武装勢力の連合体セレカはボジゼ政権が2007年および2011年に調印した和平合意に違反したとして、首都バンギを制圧。これを受けて、アフリカ諸国はボジゼ政権に対して援軍を派遣した。2013年に首都は解放されたが、大統領が国外に逃亡してしまい、セレカの指導者ミシェル・ジョトディアが自ら大統領就任を宣言する。これに対してアフリカ連合が非難し、暫定評議会が設置される運びとなる。
2014年、元セレカ連合とキリスト教系武装組織の紛争が勃発し、混乱を収拾させるためにジョトディア大統領は辞任した。また、同年アムネスティ・インターナショナルによって、キリスト教系武装組織がイスラム教徒に対して犯した虐殺が報告されている。
8. ウイグル擾乱(中国)
中国西部の新疆ウイグル自治区では1960年代から紛争が続いている。同地域はテュルク系民族が多く、トルキスタンと呼ばれていたが、1949年にソ連の支援を受ける中国に占領された。以来、中国政府による取り締まりや、人権状況に不満を抱く者たちによる運動が中国内外で行われてきた。
この運動に関連する犠牲者は1989年以降、2,000人に達すると見られているが、特にここ数年は紛争が激化傾向にあり、2014年だけで500人が亡くなっている。また2008年の北京オリンピックの4日前にも、独立派の襲撃によって警察官16名が殺害された。
7. 北コーカサス擾乱(ロシア)
2009年4月16日、10年の長期に渡る第二次チェチェン紛争が終結した。しかし、多くの北コーカサス共和諸国で暴力が止むことはなかった。中でもダゲスタン共和国には過激派思想が蔓延し、チェチェン紛争時のそれを上回るとされている。2013年、北コーカサスで起きたテロ事件は399件であるが、そのうち242件がダゲスタンで起きたものだ。ここはムスリムが大半の非常に信仰心の厚い地域で、住民は主に10の民族によって構成されている。スーフィズムとサラフィズムとの間に対立があり、2013年における575人の死者は、これに起因すると見られる。
6. ナクサル党毛沢東主義者の反乱(インド)
ナクサル党毛沢東主義者の反乱は、インド政府とナクサル党という毛沢東主義者グループ間の紛争だ。紛争が起きたのはインド共産党毛沢東主義派が結成された2004年のことである。2005年には、書面による停戦協定、囚人の解放、土地の再配分という彼らの要求に政府が取り組んでいないとして、両者間の対話は途絶えた。以来、紛争はインドの州のほぼ半分にあたる25州で起こり、毎年数百人が命を落としている。
土地の権利と雇用改善のための戦いと称する彼らは、2013年チャッティースガル州を移動中の国会議員団を襲撃し関係者27名を殺害したことで、国際社会からも注目を浴びることになった。2014年には300人以上の死者を出し、2005年以来14,000人が命を落としたと推測されている。
5. ジャンムー・カシミール州紛争(インド)
カシミール人とインド政府との内戦は1989年以来のものだ。紛争の原因は、この地域の自治権を巡る争いであり、パキスタンへの帰属を求める過激派のほか、完全な分離独立を求めるグループがいる。1990年代からは争いも激化し、インド国内最大の懸念事項となった。2009年の時点で犠牲者数は47,000人に上ったが、インドとパキスタンの和平交渉が徐々に進んだことで、近年では減少傾向にある。
4. モロ紛争(フィリピン)
モロ紛争は35年間も続く紛争だ。1969年に起きたフィリピン政府とイスラム教政治組織モロ民族解放戦線との政治的対立が発端である。1977年には同組織からより攻撃的かつ急進的なモロ・イスラム解放戦線が分派・独立し、現在ではアブ・サヤフと並びフィリピン政府と対立する2大武装勢力の1つに数えられる。彼らの目的はフィリピン国内にイスラム国家を樹立することで、2013年に300人、2014年には100人近くの人が犠牲となった。
3. ミャンマー内乱
ミャンマーでの内乱は世界で最も長い紛争の1つだ。1948年、同国がイギリスから独立した直後に勃発し、以来210,000人が犠牲となったと推測されている。初期の内乱はビルマ族、左翼グループ、カレン民族同盟が中心であったが、60年代に入り政府が連邦制度を拒否すると他の民族の反政府活動も活発化するようになった。80年代には政治的な紛争は鎮静化して行ったが、民族的背景を持った紛争は依然として続いた。
新ミャンマー政権下では、3段階の和平プロセスが実施されているが、17ある民族武装組織のうち3グループは依然として反政府活動を実施中だ。
2. コロンビア紛争
コロンビア政府は1964年以降、犯罪組織、民兵組織、そしてコロンビア革命軍や民族解放軍などの左派ゲリラと戦いを繰り広げてきた。この紛争は1948年の人民党党首ホルヘ・エリエセル・ガイタンの暗殺に端を発している。コロンビア革命軍などの闘争は、コロンビア国内の貧しい人たちの権利保護や政府の横暴からの救済、共産主義による社会的正義の実現を目的としている。一方、政府側は秩序と安定を目指し、民兵組織もこうしたゲリラ行為の脅威への対応という、それぞれの正義を掲げているが、いずれのグループも数多くの人権侵害行為が報告されている。
1958〜2013年の間に220,000人が命を落としたと推定されており、そのうち177,000人が一般市民である。また、1985〜2012年で500万人以上の人たちが住む家を失っており、避難民の人口としては世界で2番目に大きい。
1. イスラム教徒の擾乱(ナイジェリア)
シャリーア紛争とも呼ばれるナイジェリアの内乱は1999年、ナイジェリア北部のイスラム教徒が多数派を占める複数の州でシャリーア法が制定されたことが原因である。2000年のキリスト教徒とイスラム教徒との暴動では、数千人の死者を出しており、2009年からはさらに過激化の傾向にある。2013年までに毎年の死者数は1,500人を数えるようになったほか、2014年には6,000人が犠牲者になったと言われている。
ナイジェリア北部では人口の50.5パーセントがイスラム教徒である一方、南部の48.2パーセントはキリスト教徒である。わずかに過半数を超える程度であるが、大勢のイスラム教徒の要求により、12の州で司法と行政の基盤としてシャリーア法が採用された。
via:therichest・
人類の歴史は争いの歴史というけれど、地球上から争いが全くなくなることはあるのだろうか?人類のDNAには争うことが宿命づけられているのだろうか?争いの渦中にあっても、それでもそこに人の優しさは存在し、身内や近しいものを思いやる気持ちは十分にあるというのに。
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コメント
1. 匿名処理班
紹介されてるほとんど紛争や内乱にイスラム教が絡んでいる事実
2. 匿名処理班
チベットに旅行しに行きたいのだけどなあ。
3.
4.
5. 匿名処理班
未だに世界中で紛争が起きているけれども、
ボコハラムやらイスラム国の蛮行がやたら取り上げられているのは、
欧米が流しているイスラム教のネガティブキャンペーンの一つだと思う。
子供を誘拐して妻にするとか、少年兵に仕立て上げるのは
紛争地帯では日常茶飯事だよ
6. 匿名処理班
イスラム問題児過ぎる
いくら一部の過激派が起こしてることだといってもこれでは敬遠されても仕方がないとすら思ってしまう
傍から見ればイスラム教徒なんてどれも見分けつかないし
7. 匿名処理班
ウイグルの件は中国が殺したウイグル側の人数も大まかで良いのに乗せるべき。まぁ「新疆ウイグル自治区」と書いてる時点でお察しなのかも知れないが。
8. 匿名処理班
私達人類は自分達を客観的に見て、もっと自らをコントロールしなくてはいけないね
争う事は本能だけれど、こんな悲惨な形で争う必要性は無いと思う。
9. 匿名処理班
同じ民族同士の争いは陰湿かつ恐ろしいし
一度付いた火はそう簡単に消えない
でも多くの人らは当事者はともかく怨みも憎しみもないし
難しい問題だな
10. 匿名処理班
みんな無宗教なら争いもおこらんと?
11.
12. 匿名処理班
宗教やめて日本みたいに相互監視の村社会をつくればいいのさ
13.
14. 匿名処理班
戦争や紛争は、資源や領土の奪い合い。
その名目として、宗教や政治思想の対立が使われている気がする。
そして多くの場合、その影に直接ぶつかり合いたくない先進国がいると思う。
15.
16. 匿名処理班
イスラム教徒とは共存できないじゃないかなと思わされる。
17. 匿名処理班
軍需産業と武器商人も大きな問題。
18. 匿名処理班
自浄作用のない思想集団は、宗教であれ政治方式であれホント迷惑
19.
20. 匿名処理班
目の前で起こる争いの本当の原因はとんでもないものかもね
でも原因がわかってもどうしようもないから
この世は辛い