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「雨の匂い」が発生するメカニズムを高速度撮影により解明 ―Nature Communications - | Technity

「雨の匂い」が発生するメカニズムを高速度撮影により解明 ―Nature Communications

2015年1月16日 19:46 │Comments(2)

Written by くまむん

雨が降りだした時に地面から独特の「匂い」が立ち上ってくるのを感じた事がある方は少なくないのではないかと思いますが、このたび、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者が、そうした匂いが発生するメカニズムを高速度カメラによって明らかにしました。

rain-smell-cought-on-camera

雨の時に感じる独特の匂いには、「ペトリコール(Petrichor」という名称が付けられています。

この匂いの正体については、1965年にオーストラリア連邦化学産業研究機構(CSIRO)」のIsabel Joy Bear氏らが発表した「植物が分泌する油状物質が雨によって大気中に巻き上げられたもの」とする研究結果が定説となっていますが、具体的な発生メカニズムは今日に至るまで確認されておらず、長年にわたって謎とされてきていました。

今回、MITのCullen R. Buie氏らは、自然の土や作り物の石など28種類の素材表面に液滴を落下させるテストを実施し、その過程を高速度カメラによって詳細に観察。その結果、岩石のような水が浸透しにくい物質では、水滴が表面に衝突した瞬間に微細な泡が発生していること明らかにしました。

Buie氏によると、この微細な泡が破裂する際に地面に落ちた植物由来の物質がエアロゾルとなって巻き上げられ、それが人間の鼻の中に飛び込むことであの独特の匂いを生じていると説明しています(流体力学的な見地からは、ウェーバー数(Weber number)とペクレ数(Péclet number)の比が1に近づくほどこうしたエアロゾルの発生は大きくなるとのことです)。

この研究結果は、ウイルスや大腸菌などの病気の原因となる微生物が、雨によってどのように拡散されてゆくのかを解明する上で重要な知見になるとのこと。

普段何気なく嗅いでいる匂いにこうしたミクロの現象が関係しているのかと思うと、なんだか不思議な気分になりますね。

[Nature communications via BBC News] [MIT News]

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著者

くまむん

くまむん

企業の研究所でR&D業務に携わっておりましたが、2013年4月をもって退職し、当サイトの専属となりました。ソース明示とポイントを押さえた解説を心がけてゆきたいと思います。

2 件のコメント

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  1. No Name 2015年1月16日 20:36 No.2567356 返信

    へー おもしろい!
    雨のにおい好きだからついでに分析して香水とかつくってほしいw

    Thumb up 1 Thumb down
  2. No-Name 2015年1月16日 23:27 No.2567828 返信

    あの匂い何だろうな?
    香ばしい…違うな、似てる匂いがないから表現できん

    Thumb up 0 Thumb down
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