雪華綺晶の恩返し
- § 主な登場乙女紹介
- 真紅
アリスゲームを制した究極少女な第5ドール。但し他人の話を全く聞かない。別名、桜田家のレッドゴリラ。
雛苺
三度の飯より苺大福が大好きな第6ドール。別名、桜田家のピンクボム。
翠星石
イタズラをしていないと手が震えてくる第3ドール。別名、桜田家のグリーンゴブリン。
蒼星石
マスターが桜田ジュンになっても薔薇屋敷に居座る頑固な第4ドール。逆境に燃えるブルーディスティニー。
金糸雀
忘れ去られがちな第2ドール。イエローイエロー脳みそハッピー。
水銀燈
ローゼンの箱庭で柿崎めぐ(幽霊)と静かに憩っている第1ドール。自称、逆十字のダークエンジェル。
雪華綺晶
巻かなかった世界の大学生のジュンの部屋に居付いている第7ドール。ゆるふわ愛され系ゲス乙女。
- § 巻かなかった世界・大学生のジュンのアパート
- 雪華綺晶「マスター、お話があります」
大ジュン「うん? どうしたの? ゆっきー、あらたまっちゃって? お腹減った?」
雪華綺晶「欲しいものがあるのです」
大ジュン「へぇ、ゆっきーがおねだりなんて珍しい。何が欲しいの? あんまり高すぎる物じゃなければ…」
雪華綺晶「赤ちゃんです」
大ジュン「…は?」
雪華綺晶「マスターの赤ちゃんがほしいのです」
大ジュン「ちょ…ッ!? ちょちょちょッ!? ゆっきー、何を!? マジ話? それ!」
雪華綺晶「はい。本気です」
大ジュン「おいおいおいおいおいおいおい! 何を馬鹿な!
そもそも赤ちゃんって、どうやってできるか知ってるのか! コウノトリやキャベツ畑は嘘だぞ!」
雪華綺晶「もちろんです。知識は充分にあります。私はそういうことに詳しいです」
大ジュン「だとしても、ぼぼぼぼぼ、僕とゆっきーの間で赤ちゃんなんて…!」
雪華綺晶「…? 何を言っているのです? 人形に赤ちゃんはできませんよ」
大ジュン「え…?」
雪華綺晶「…マスターは斉藤メリーと付き合っていますよね?」
大ジュン「いやいやいやいやいやいやいや! 付き合ってるだなんてそんな! 僕達はまだ…!
と言うか『メリー』って何だ? 斉藤さんは斉藤さん、だろう?」
雪華綺晶「あれ? 彼女は『私、メリーさん』って以前に言っていたのでは?」
大ジュン「……」
雪華綺晶「まあ、斉藤さんの名前のことはさて置き
マスターが彼女と付き合っているのは事実。ならば、じきに赤ちゃんが生まれるはず」
大ジュン「何でそうなる」
雪華綺晶「そうならないのですか? 男女が交われば子を成すのが自然の摂理」
大ジュン「それはそうなんだけど、そうじゃあないんだよ」
雪華綺晶「……」
大ジュン「ゆっきーに人間の機微はまたおいおい説明するとして。
どうして急に人間の赤ちゃんがほしいとか言い出したんだ?」
雪華綺晶「人間なら誰の赤ちゃんでも良いと言うわけではありません。マスターのです」
大ジュン「…その理由は?」
雪華綺晶「紅薔薇のお姉様、真紅にプレゼントしたいのです」
大ジュン「……」
雪華綺晶「紅薔薇のお姉様はアリスゲームの最終局面で私に…」
大ジュン「ちょっと待て! さらっと説明を進めるな! プレゼントだぁ!? 真紅に? 僕の赤ちゃんを!?」
雪華綺晶「イエス」
大ジュン「ツッコミどころありすぎて混乱してきた。そもそも、倫理的にだな…」
雪華綺晶「りんり…?」
大ジュン(駄目だ、ゆっきーに倫理や道徳を教えるのは無謀すぎる。
実体化して絆を知って多少マシになったとは言え、雛苺に超ひも理論を教えるようなものだ)
雪華綺晶「…マスター?」
大ジュン「えぇと、ゆっきーはどうして僕の赤ちゃんを真紅にプレゼントしようだなんて
ぶっ飛んだ発想になっちゃったのかなー?」
雪華綺晶「お姉様は私に自らのミスティカと鞄を与えてくださりました。それに対し、私は何の返礼も出来ていません」
大ジュン「ローゼンメイデンみんなで、もう一人の僕と協力して真紅を復活させたじゃん」
雪華綺晶「それはゲームで散った姉妹全員を救っていただいたことの礼。譲ってもらった鞄のお礼には足りません」
大ジュン「そういうもんか。それはそうと真紅復活の経緯が気になるんだが。誰も詳細は教えてくれないんだよな」
雪華綺晶「……」
大ジュン「もう一人の僕に聞いたところだと、アフリカで掘り当てたレッドダイヤとか
サクラダイトだかを混ぜてモゾーミスティカを作ったって話らしいんだけど…」
雪華綺晶「…そのとおりです」
大ジュン「しかしその一方で、かしら先生にオレンジジュース奢ってやった上で、聞いてみたら
モンゴルで掘り当てたティラノサウルスの糞の化石がモゾーミスティカの核になっているって…」
雪華綺晶「マスター」
大ジュン「はい?」
雪華綺晶「不用意に真紅復活の闇に触れるのは得策では無いと申し上げておきます」
大ジュン「そ、そうか…。じゃあ最初の質問に戻るが、何故に赤ちゃんが必要なんだ?」
雪華綺晶「それはお姉様のマスターとなってもらうためです」
大ジュン「どういうこと…?」
雪華綺晶「巻いた桜田ジュンがマイスターローゼンとなったものの
彼だけで翠星石、蒼星石、真紅、雛苺のマスター兼任はパワー不足です」
大ジュン「それは聞いたことがある。エネルギーのタコ足配線みたいな状態らしいな」
雪華綺晶「ええ、下手すると巻いた桜田ジュンが突然の人体自然発火を迎える可能性も」
大ジュン「マジで!?」
雪華綺晶「マジです。そのため紅薔薇のお姉様達は、巻いた桜田ジュンにマスター因子のある子供を作らせて
その子供を自分達の新たなマスターとする計画を立てたそうなのですが…失敗しました(※)」
※桜田ジュンの家族計画 参照。
大ジュン「ゲスいな、流石は真紅、ゲスい」
雪華綺晶「ですが、こちらの世界のマスターならば子供ができる性交率も高いかと思いまして」
大ジュン「ゆっきーもゲスい! しかも成功率と性交をかけるな。おやじギャグか」
雪華綺晶「ゲスかったですか?」
大ジュン「ああ、ゲスい」
雪華綺晶「……」
大ジュン「鞄に対するお礼のプレゼントなら他にも色々とあるだろう、赤ちゃん以外にいくらでも」
雪華綺晶「他…にも…?」
大ジュン(駄目だコイツ、他に思いつくものが全くありませんって顔してやがる…!)
雪華綺晶「……」
大ジュン「そ、そうだ! 自分の鞄をゆっきーに譲った後、真紅はどうやって眠ってるんだ?
何かと不便してるんじゃあないか? 新しい鞄をプレゼントすれば喜んでもらえ…」
雪華綺晶「巻いたジュンが新しい鞄も作ったそうですが、何故かそれには見向きもせずに
特注の布団で寝たり、炊飯器に入って寝たりしているそうです」
大ジュン「何やってるんだよ真紅…」
雪華綺晶「桜田のりが一回、真紅が入ったままの炊飯器のスイッチをONにして死にかけたとか」
大ジュン「何やってるんだよ姉ちゃん…」
雪華綺晶「…ああっ、マスター! 私はどうすればいいのでしょう! このままでは私は…私はっ!
お姉様から受けた温情に何もお返しできない、駄目な妹ということに…ッ!!」
大ジュン(雲行きがやばくなってきたぞ、まだ情緒不安定なとこもろあるからな、ゆっきーは)
雪華綺晶「私は…私は何を返せばいいの…っ!?」
鳥海皆人「ありのままの君でいいんだよ…僕のアリス…
そう、ありのままに我儘に別の並行世界の桜田ジュンを捕まえて真紅にあげてしまおう」ボヤ~
雪華綺晶「ありがとうございます…っ! お父様…、ありがとうございます…っ」
大ジュン「うぉーい! 背後に鳥海が浮かんじゃってる! 浮かんじゃってるよ雪華綺晶!」
雪華綺晶「えっ…! ハッ! し、しまった! つい、うっかり」
大ジュン「消して消して! 早く」
雪華綺晶「はい」バサバサ
鳥海皆人「うわぁー…」シュゴオオオ
雪華綺晶「ふぅ、危ないところだった…」
大ジュン「うっかりで作られたら、たまんないよ鳥海君も」
雪華綺晶「……」
大ジュン「困った時に、すぐ妄想で自分を全肯定するのは良くないな、ゆっきー」
雪華綺晶「反省してます」
大ジュン「これも何かの機会かもしれない。真紅へのプレゼントはゆっきーがもう一度
よぉ~く考えて贈るんだ。人間の赤ん坊だとか、生物系は無しで」
雪華綺晶「むむむ…」
大ジュン「気張れよ、ゆっきー。じゃあ、僕はこれからバイトだから」
雪華綺晶「はい、分かりましたマスター。ではお気をつけて。私も頑張ります」
大ジュン「うん。行ってきます(かなり不安だが、生物系を封じておけば大事にはならないだろう…多分)」
- § 小一時間後・nのフィールド・始まりの箱庭
- 水銀燈「……」テクテク
雪華綺晶「……」コソコソ
水銀燈「……」くるっ
雪華綺晶「…っ」サササッ
水銀燈「…隠れきれてないわよ末妹」
雪華綺晶「ふふ、流石は黒薔薇のお姉様。良く気付かれました…」
水銀燈「私の真後ろで腹ばいに伏せただけで隠れたつもりなら随分おめでたいわねぇ。それで何の用?」
雪華綺晶「いえ、お姉様に用はありません」
水銀燈「用が無いのに、あんたは他人の真後ろをついて回るっての?」
雪華綺晶「お気になさらず。黒薔薇のお姉様の抜けた羽根を拾っていただけですので」
水銀燈「…何のために?」
雪華綺晶「これで羽毛枕を作って紅薔薇のお姉様に贈るのです」
水銀燈「何をくだらない真似を考えてるのよ! やめなさい! 気持ち悪い!」
雪華綺晶「そうでしょうか? 中々に質の良い羽根と思いますが」
水銀燈「そういうことを言ってんじゃぁないの! …ともあれ、私の黒羽根を使った枕なら
真紅が『セリの上カモ昼寝してうなされる』みたいになって面白いかもしれないけど」
雪華綺晶「そんな事ありませんわ。何だかんだで紅薔薇のお姉様は黒薔薇のお姉様を慕っています」
水銀燈「……」
雪華綺晶「会うたびに紅薔薇のお姉様は黒薔薇のお姉様のことを話されますもの」
水銀燈「どうせ悪口でしょ」
雪華綺晶「そんなことはありません。お姉様と会えないことを嘆いていましたよ。この間だって…」
.ィ/~~~' 、
、_/ /  ̄`ヽ}
〃∩@ .i(从_从))
⊂⌒||ヽ|| ^ω^ノ| 最近 水銀燈 殴ってねえなぁ~
`ヽっ/⌒/⌒/c
雪華綺晶「と言っていました。お姉様は渇望されています」
水銀燈「真紅…!」
雪華綺晶「ですので、何卒お姉様の羽根を…」
水銀燈「嫌よ! 絶対に嫌! アンタが今まで拾った羽根も返しなさい!」
雪華綺晶「そ、そんな…」
- § さらに小一時間後・草笛みつのマンション
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フラッシュが金糸雀
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- 真紅はいわくだきかかいりきが似合うと思うな
きらきーまともになったけどやっぱまだまだ足りない部分も多いんだな、だがそこが萌る!