これでいいのか? 「レディー・テック」と女性用ガジェットの世界
上の画像のモデルさん達の付けているブレスレットは、スマートブレスレットと呼ばれるものですが、まあ、なんと素敵なこと。このオシャレなポケベル のお値段はなんと500ドル(約6万円)! 悲しい事にこれが女性用テクノロジーの現状なのであります。
明らかに女性をターゲットにした商品のほとんどが不発に終わっているのは、女性から見てうんざりするようなステレオタイプを元に作られているからでしょう。
今後、使える女性用テクノロジーが出てくると思いますが(アップルの HealthKitはいつになったら発売されるのかな? )、テクノロジー関連の会社は歴史的にみても、女性をターゲットにしたマーケティングが大の苦手ということは、すでに皆さんもご承知かと思います。現状、通常版の商品をちょっとキラキラさせて「女性用」としているものが殆ど。
さて、これからご紹介するのは、そのほんの一部です。
CESのパナソニックが展示していたのが、このプロトタイプの魔法の鏡。「あなたのお顔のしみ、そばかす、シワなどを認識し、あなたに合ったメイクを提案いたします。」 黒ずんだ毛穴なども認識して、それを直す為のパナソニック商品のご紹介もしてくれる便利もの。毎週お肌のコンディションをレポートしてくれるので、黒ずんだ毛穴がどれだけキレイになったかもすぐわかります。って、なんでおっさんでデモしているのだ?
この商品は、明らかに心の闇に住む悪魔の女王をターゲットにしたものですが、王国に住むもっとも美しい少女の心臓を食えとはまだ言いません。ご家庭用版の発売を待つとしましょう。
最初は、え?クラッチバッグみたいなスピーカー? と、驚きましたが、バッグとしては機能しないスピーカーが300ドル(約3万6千円)。
クラッチバッグとしては、まあイケるデザインではあるけれど、簡単に手の出せる額ではありません。それに、このクラッチバッグ型のスピーカーを持ち歩くには、もう一つバッグを持たないと口紅一本も持って歩けないわけです。バッグの代わりにこれを持ち歩く女性がいるのでしょうか? 一つはちゃんと機能するバッグ、もう一つはこのバッグ型スピーカー。まあ、中には2つのバッグを持ち歩く事になんの抵抗を感じない女性もいるかと思いますが、端からみて、どっちのバッグを持って出かけるか決められず、二つとも持って出て来た女性にみえるかもしれませんね。
Little Pepper: 護身用ペッパースプレー・ブレスレット
それ以上でも、それ以下でもないペッパースプレーのついたブレスレット。自分の衣服にスプレーする危険性も含んだ商品。
安っぽいペンダントからイヤホンのコードがにょろっと出ているって… これに200ドル(約2万4千円)を払う物好きもいるんでしょうね。
Misfitでは、フィットネス用のウエアブルガジェットを製作していますが、これは最もタチの悪い例。既存のガジェットに、キラキラしたクリスタルをくっつけて女性用として販売。女性用フィットネス商品としては、正直、このキラキラは無用。
MICA(My Intelligent Communication Accessory / マイ・インテリジェント・コミュニケーション・アクセサリー)
500ドルもするインテルとOpening Ceremony 社の共同開発のこのお品、ブレスレットとしてはかわいいけれど、ウエアブルのスマート製品としては全く使えません。ブレスレットに届いたメッセージを携帯に転送する機能さえありません。そうそう、携帯とは全くつなげる事ができないのです。
なので、メッセージ用の電話番号を知り合いにもう一度配らなければいけいし、キーボードもつなげないので、あらかじめ用意してある返事のなかから、選んで返答しなくてはならないのです。なぜこれをインテリジェント・コミュニケーション・アクセサリーと呼ぶのか、まったく理解できませんが、「見た目は可愛いけれど、全く使い物にならないアクセアリー」なら理解できますね。
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
(Chiemi)