提督「提督用兵装?」
明石「えぇ、艦娘の指揮官である提督を深海棲艦の攻撃から防衛するための装備です」
提督「でもなぁ…俺そんなに戦線まで行くことなんてないぞ。長距離無線で指示出せるし」
明石「いえいえ、最近は深海棲艦も思い切った戦術を仕掛けることが多くなりまして…艦娘を迂回して指揮船や泊地を襲撃されるなどで
提督側の損害も増えつつあります」
提督「頭を叩きにくるというわけか」
明石「ということでいざという時なまくら軍刀やらちんけな豆鉄砲では身を守り切れるかわかりません。
提督の命と健康とその他諸々をお守りするために明石が心を籠めてお作りした最新装備が」
提督「な、なまくら…ちんけ…」
明石「超高密度の合金製っ!更にそれだけじゃありません、ヒートブレードの採用によって力を入れなくても大抵のものは触れるだけで真っ二つです!」
提督「うぉおおお!スゲー!…ちょっと待て明石」
明石「はい?」
提督「これちょっと大きすぎないか?」
明石「やだなぁ、遠近の関係でそんな風に見えるだけですよ」
提督「いや実際デカすぎるだろ。工蔽の屋根に届いてるぞ」
明石「うーん、そう言われればそんな気が…作ってる時は全然気づかなかったわ…見た目よりは意外と軽いかもしれませんよ?ちょっと持ってみてください」
提督「えっ、ちょ」
明石「うん、しょっ!あっ」ズルッ
ズズーン
長門「明石、いないのか?」
陸奥「凄い音がしたから来てみたけど、どうやらこのデカブツが倒れた音だったみたいね」
長門「何だこれは…お好み焼きのプレートか?」
陸奥「さぁ何かしら?明石の作る物ってワケわかんないものばっかりだし」
そ、そんなことありません~~~
大体当たってると思うが
陸奥「? 長門姉、何か言った?」
長門「お好み焼き…これだけ大きければどれだけ…」ホワホワ
お、おい明石、どこ触ってるんだ!
ふふふ、いいではありませんか、いいではありませんか提督う~
陸奥「…まさか…提督に明石?下にいるの?」
長門「スイッチは、と…温度調整も付いているとはお好み焼きプレート確定だな」
いきなり?じゃあいきなりじゃなければいいんですか提督?ん?そうですよねぇ?
陸奥「長門姉、手伝って!このままじゃ提督がねっとりと陰湿に、流されるままに手籠めにされちゃう!」
長門「陸奥、サラダ油はないか?」
陸奥「ぬうおおおおおおおお!!!!」グググググ
提督「ぶっはぁ!し、死ぬかと思った…」
明石「ちっ、いいところで…あっ、陸奥さん。ありがとうございます」
陸奥「はぁっ、はぁっ、はぁっ…な、何やってんのよ明石も提督も…」ゼェゼェ
明石「いやあ、まぁ…色々とですよ。ねえ、提督?」
陸奥「……フケツ」
提督「む、陸奥…」ガーン
陸奥「ちょ、ちょっと…何だか異様に暑くない?」
明石「あーっ!?長門さん何してるんですか!」
長門「陸奥、このプレート少し火力が弱くないか?これだけ大きければ温まるのに少し時間がかかるものなのかもしれんな」カチカチ
陸奥「あ、床が溶けて沈みはじめたわ」
提督「…『触れるだけで何でも真っ二つ』か。それだけは本当だったようだな」
明石「あああ、私の傑作がぁ…」
陸奥「地球の中心まで沈んじゃえばいいのよあんなの」
陸奥「ねぇ機嫌直してよ長門姉、コンビニでお好み焼き買ってあげたじゃない」
長門「私はあのだんびらプレートで焼いたお好み焼きが食べたかったのだ。コンビニのなんて」
陸奥「ふ~ん、じゃあいいわよ。私一人で食べるから」
長門「ま、待て陸奥!」
―――――
明石「うぅ…私が丹精込めて作り上げた芸術品が母なる地球の一部になってしまうなんて」
提督「お前は鎮守府を何だと思ってるんだ…」
明石「提督をお守りしたい一心で仕事の合間を縫って夜なべしてまで作ったのにぃ」グスグス
提督「うっ」ズキ
明石「やっぱり私、邪魔なんですね。黙ってアイテム売ってた方がいいんですよね」グスグス チラッ
提督「そ…そんなことない…と、思うぞ?」
明石「やっぱり提督もそう思われますかっ!」ガバッ
提督「うわっ!?」
提督「お前の場合は立ち上がった後が問題だと思うが」
明石「さぁ気を取り直して次に行きましょう!お次はこれですっ!」
提督「聞いちゃいねぇ」
明石「提督バッヂ~!」テーテッレテレテレー
明石「大きさ、重さはそのまま…しかしその正体はありったけの武器を僅か2cm足らずに凝縮したリーサルウェポンなのですっ!」
提督「ありったけの武器って…こんな小さいのに何を仕込んであるんだ?毒針やナイフとか」
明石「えーとですね、煙幕、目くらましのフラッシュ、照明弾…他にも色々とありますが極めつけは本邦初!怪力光線が実装されているんです!」
提督「怪力光線なんて特撮でしか見た事ないぞ…どうやって操作するんだこれは?」
明石「何しろ小さすぎてバッヂ本体にスイッチを配置すると誤動作の危険があります。提督が特定の動きと音声を発することで武器が作動するんです」
提督「おお、ようやく明石がまともな説明を始めた!」
提督「えーと、まずは煙幕からだな」
明石「『ヘビィ・スモーキング……俺の真っ黒な胸に飛び込んで来い。どこまでもメンソールに抱きしめてやる』 はい、リピートアフターミー」
提督「……」
明石「あ、聞こえませんでした?結構長いですからね、もう一度 『ヘビィ・スモーキ」
提督「やめろォ!」
明石「どうしたんですか提督、お母さんに自作のポエムノートを朗読された中学生みたいな顔して」
提督「やけに具体的なこと言いやがって…大体セリフが長すぎるんだよ!それにそんな難解なポーズが緊急時に取れるか!何だよその首の角度は」
提督「首を痛めるわ!」
明石「むぅ、さっきから文句ばっかり言ってますけどね…普通に喋ったり普通に取れる体勢ならどうなりますか?」
提督「う…」
明石「誰かと会話してたらいきなり煙幕が張られたり、背伸びをしたら怪力光線が発射されたりしてたらえらいことになりますよね?」
提督「そ、それはそういうことをしないように注意してれば」
明石「そんな状態で任務がこなせるんですか?提督にとってもストレスが溜まりますよ」
提督「だがこれが役立つような緊急時にそんな悠長な」
明石「それは提督の甘えです。何度も訓練すれば発動過程を完璧にマスターできます。それに提督たる者、いつでも冷静沈着でいなきゃいけないんじゃないですか?」
提督「そんな面倒なことするくらいならコントローラーか何かを」
明石「この装備の最大の強みは秘匿性なんですよ?いくら深海棲艦でも提督の胸元から照明弾やら殺人光線が飛び出すとは予想できないでしょう?
でっかいコントローラーなんて付けたら怪しさ全開ですよ」
提督「ぐ、ぐぬぬ」
明石「御安心ください。ポーズとセリフはものすっっっごく……カッコイイですから!」
霧島「榛名姉さん、いくら提督でも日に八回も九回も食事しないわよ」
金剛「榛名の食わせ好きには困ったモノデース。このままじゃ提督、ハムになっちゃいマス」
比叡「大丈夫ですよ金剛姉さま、比叡のダイエットフードをあげとけば」
霧島「…比叡姉さんの料理って深海棲艦相手に使えないかしら」
バスターランチャー!アドヴァンドスラッシュ!ドーンブレイカー!
榛名「あっ、提督の声です!提督、今榛名が参ります!」タタッ
金剛「明石の声もしたような気が……アイツが絡んでるといつもロクな事にならない気がするデス」
比叡「そういえば金剛姉さま!明石さんったらひどいんですよ、この前料理をおすそ分けしたら何と砲弾の中に詰めてたんですよ!」
霧島(もうやってたのね)
明石「うおっ、まぶしっ ライト点灯の動作確認は出来ましたね、次はラジオの選曲と音量調整です。『虚ろなる闇より出でし…」
提督「う…うわぁあああ!もういやだああああ!!」
明石「どうしたんです提督、心が壊れて人間ではなくなってしまったんですか」
提督「何でいい歳こいてこんなことしなけりゃならないんだ!イタすぎるんだよおおお!!」
明石「軟弱者ッ!」ベチン
提督「痛いっ!?」
明石「もう提督はイタいイタいって…今殴られた自分の頬とどっちが痛いんですか?えっ?」
提督「だってこんな所他の艦娘に見られたら俺生きてけねぇよ…」
明石「他人なんて関係ありません。これは自分との戦いなんですよ提督」
提督「自分との…戦い…」
明石「次行きますよ、準備はいいですか?」
提督「ああ…ああ…!行ける、行けるよ明石…!」
明石(よっしゃ)
榛名「提督!お弁当お持ちしま…し…」
提督「 虚ろなる闇より出でし稲妻 我の求めに応じよ 第三、第二、第一拘束術式解除 」
金剛「」
霧島「」
比叡「あ、提督!何されてるんですか、今日は比叡もお弁当作ってきましたよ」
明石「しーっ!今いいとこなんですから!」
比叡「明石さんにはあげませんよ。
コメント一覧
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- 2015年01月23日 21:26
- うーんこの
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- 2015年01月23日 21:32
- 提督被曝しちゃてるけど
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- 2015年01月23日 21:41
- お好み焼きプレートにこだわるながもんがなんか可愛い。
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- 2015年01月23日 21:58
- 榛名は可愛いなぁ(現実逃避)
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- 2015年01月23日 22:03
-
古いギャグアニメみたいな終わり方だなw
サイド7に潜入しそうな深海棲艦もいるしよww
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- 2015年01月23日 22:09
- 鬼!悪魔!ちひろ!明石!
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- 2015年01月23日 22:24
- 北上さんいいねぇ、可愛いねぇ
とか思ってたら
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- 2015年01月23日 22:24
- 久しぶりにプラズマちゃん見たな
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- 2015年01月23日 23:35
- 提督用装備ってコレ、頭に“対”ってついてるだろ
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