アメリカ建築協会が選ぶ過去5年間の建築ベスト11 : ギズモード・ジャパン

アメリカ建築協会が選ぶ過去5年間の建築ベスト11

2015.01.23 20:00

アメリカ建築家協会（AIA）は毎年建築賞を発表していますが、その中でも今回選ばれたものは別格です。なんたって、過去5年間の建築物の中から、9人のアメリカの著名な建築家によって選出された、ベスト11の建築物なのです。

バーボンの大聖堂から普通の住宅まで、うっとりするような写真とともにドーンと一挙にお楽しみください！

ワイルドターキーのビジターセンター（ケンタッキー州）

ワイルドターキーで思い出すのは、若気の至りの苦い思い出か、はたまた死んだおじいちゃんか。バーボン・ウイスキーのワイルドターキーは、ケンタッキー川そばの蒸留酒製造所に新しいビジターセンターを作りました。

ルイビルのDe Leon & Primmer Architecture Workshopが手がけたこの建物、通称「バーボンの大聖堂」と呼ばれています。ヒマラヤスギ、トネリコ、モミ、松などの木で覆われており、太陽光が入り過ぎないように可動式の日よけもあります。

プロスペクトパークのスケートリンク（ニューヨーク州ブルックリン）

建築家フレデリック・ロー・オルムステッドとカルヴァート・ヴォークスがデザインしたニューヨークの公園といえば、一番に思い浮かぶのは間違いなくセントラルパークです。しかし実はこの2人、ブルックリンにあるプロスペクトパークも1867年にデザインしています。

そんなプロスペクトパークに、Tod Williams Billie Tsien Architectsが手がけた、広さ約7,000平方メートルのスケートリンクとコミュニティセンターが今年オープンしました。このリンク、冬はアイススケート用、夏はローラースケート用に変わります。オルムステッドが得意とする巧妙に作られた自然をリスペクトしたのでしょうか、星空のようなコバルトブルーの屋根が目を引きます。

古いドックを再利用した海洋博物館（デンマーク）

デンマークのクロンボー城は、シェイクスピアのハムレットの舞台になった世界遺産です。スウェーデンとの間の重要な国境線を守るために、16世紀に建てられました。このクロンボー城の目と鼻の先に建設を許可された海洋博物館は、できるだけ目立たないように作らなければなりませんでした。

そこでBjarke Ingels Groupが提案したのは、使い古されたドックを再利用するという、条件を満たしたパーフェクトなものでした。ガラス張りの廊下が斜めに交差するモダンなデザインの博物館が、ドックの中に埋め込まれているようです。

ケンブリッジ市立図書館（マサチューセッツ州）

ケンブ館リッジ市立図書館が、480万ドルをかけてWilliam Rawn Associatesの手でリノベーションされました。リノベ前の、1888年のロマネスク建築の図書館を作ったのは、19世紀の偉大なるボストンの建築家Van BruntとHoweですが、130年後に図書館がコミュニティハブとしてリニューアルされるなどとは夢にも思わなかったことでしょう。また、図書館の本の分類法である「デューイ10進分類法」を描いた壁画の復元も、今回の改修の目玉のひとつです

ライス大学の物理学科の校舎（テキサス州ヒューストン）

このライス大学の校舎は一見普通のデザインに見えます。受賞した他の建築物と比べると、少し異質な感じがするかもしれません。しかし、この校舎の中には、教室や事務所の他に、超高感度な物理学実験のためのスペースがあります。

テキサス州のヒューストンという場所は、高温で湿地帯で嵐の多い地域です。専門的な最先端の研究をする建物は、かなり特殊で高度な基準を満たさなければなりません。騒音、高温、低温、地盤振動など、研究結果に影響を及ぼしそうな要因に左右されないように建てなければならず、建築を請け負ったKieranTimberlakeにとってもかなりのチャレンジだったようです。審査員の説明によると「強固なコンクリート構造によって、高感度の研究所は地下に配置し安定させている」とのことです。