電子楽器メーカーの KORG がカリフォルニア州アナハイムで開幕した NAMM 2015 にて、アナログシンセサイザーの名機 ARP Odyssey の復刻版を発表しました。昨年2月に開発を発表していたもので、ティーザーサイトにあった写真のとおり、3種類ある Odyssey のうち後期モデルとなる Rev.3 をモチーフとしたブラック/オレンジ色のデザインを採用しての復活です。発売時期は3月下旬。
さらに、ホワイトパネルを纏った Rev.1 および黒/金の Rev.2 カラーも数量限定モデルとして5月に発売の予定です。
KORG's new ARP Odyssey
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11 枚
KORG が ARP Odyssey の復刻版開発を明らかにしたのは昨年の2月。以来、ARP 創設メンバーのひとり David Friend 氏をアドバイザーに迎え、復刻のための内部設計やパーツ選定を行なってきました。
まったくオリジナルと同一というわけではなく、そのサイズは86%の大きさとなっています。とはいえ、操作性に難のあったパネル上のスライダー部品などは高品質のものを厳選。スリム仕様の鍵盤もきちんと演奏できることに注力して作られています。なお、この37鍵の鍵盤はトランスポーズにより7オクターブの広さで使用可能です。
3つの世代がある ARP Odyssey は、それぞれ内部のフィルター回路が異なります。立ち上がりの鋭いサウンドの Rev.1、野太い低音の Rev.2、安定したレゾナンスの Rev.3 と、それぞれの特徴がユーザーには親しまれています。復刻版 ARP Odyssey には、これら3世代すべてのフィルター回路を搭載。パネル上の VCF TYPE スイッチによって簡単に切り替えられます。
オリジナルにない要素として、新たに DRIVE スイッチをパネル上に追加。このスイッチは VCF を歪ませる効果があり、より荒々しいサウンドを生み出すことが可能です。
背面のインターフェースパネルには音量調整可能なヘッドホン出力も搭載。付属のパッチケーブルでヘッドホン出力から外部入力につなぐことで、セルフ・フィードバックが行えます。一方 GATE OUT 端子を TRIG IN 端子に接続すればエンベロープジェネレーターがオフとなりレガート奏法も可能となります。
ほか、MIDI IN および USB-MIDI 端子を新たに装備。オリジナルの Rev.3 にあった XLR 出力端子はバランス出力に変更となっています。
ちなみに、KORG は2013年に自社のアナログシンセサイザー MS-20 の復刻版となる MS-20 mini を発売しています。実は MS-20 mini のサイズも、オリジナルに対して86%の大きさ。このサイズとしたことについて MS-20 の開発者は「オリジナルに対する冒涜だと思った」としていました。今回 ARP Odyssey の復刻にあたった David Friend 氏も同じ意見だったのかどうかわかりませんが、KORG にとって「86%サイズでの復刻」には何か別の意味もありそうです。付け加えると MS-20 の場合はその後、数量限定の
組み立てキットの形態でフルサイズの MS-20 を発売していました。
そして、記事執筆時点ではまだ
Behringer からの発表はありません。