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Windows 10は妥協の産物? それとも一歩前進? : ギズモード・ジャパン

Windows 10は妥協の産物? それとも一歩前進?

2015.01.25 20:00
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Windows 8の夢はどうなった。

マイクロソフトは今まで、たくさん失敗してきました。でも彼らはWindows 10発表イベントで、今後もユーザーインターフェースデザインを未来に向けて進め続ける決意を表明しました。現在の彼らは、過去の失敗からきちんと学んでいます。

Windowsユーザーは、これまで長い道のりを経てきました。マイクロソフトのOSには一定のパターンがあり、何かを加えた新バージョンが不評を買ったかと思うと、次にはもっと安定したバージョンが出て、みんな一息付くというものです。けちょんけちょんにされたWindows Vistaは、Windows 7で修正されました。で、次の大きな飛躍となったWindows 8は、革命的であった分、多くのユーザーから災厄のように扱われました。続くWindows 10は、そんなユーザーの反応に負けてできた妥協の産物と思われるかもしれませんが、そんな懸念は的外れです。

Windows 10はよりスマートで、控えめで、でもWindows 8が目指したものをより完ぺきな形にしています。目指したものとはつまり、ひとつのOSがあらゆるスクリーンで使えるということです。


デバイス横断の夢


マイクロソフトがデモした中で、重要な機能がふたつあり、どちらも体験の一貫性を実現するためのものでした。Windows 8ではまずタッチスクリーン向けに新たなWindows体験をデザインすることを決め、それをデスクトップのインターフェースに移植しました。どんなロジックがそこに影響したかはわかりませんが、今となっては少なくとも何か間違っていたことが明らかです。

Windows 10では、マイクロソフトチームは考え方を逆にしました。つまり従来のデスクトップでのWindows体験の枠組みを、あらゆるデバイス横断で実現することを目指しています。

それを実現するのが重要機能のひとつめ、ContinuumというタッチスクリーンUIとマウスベースUIの間をつなぐ機能です。Continuumはユーザーが今操作しているハードウェアがマウスなのか、キーボードなのか、指なのかを判断して、それに合わせてインターフェースを調整します。



なのでタブレットをキーボードとマウスで使っているときは、ContinuumがWindows 10にフルのスタートメニューとデスクトップで動くよう指示します。もしタッチスクリーンで使っているときは、Metroスタイルのインターフェースが中心になります。Ars Technicaでも、下のデモを挙げてこの機能を高く評価しています。



Continuumは、電話でもPCでも同じように動作するWindows 10アプリと両輪を成しています。これらがうまく機能すれば、デバイス横断でのソフトウェア開発を大きく前進させられます。つまり電話でもPCでも、メールを同じように読める(または無視できる)ようになるんです。



指とマウスとでは、操作の仕方も必要なハードウェア、ソフトウェアも大きく違います。一方、音声認識に使われるハードウェアとソフトウェアは全デバイスで同じです。これがふたつめの重要機能Cortanaです。Cortanaを介した操作は、デバイスに依存せずつねに同じになります。



というわけで、ユーザーがWindowsをどう使っているか認識するContinuumと、逆にどう使っているかに関係なく同じように動くCortanaが、Windows 10を生まれ変わらせているんです。


スタートメニューの完全復活


ContinuumとかCortanaといった新機能でWindows 8がそんなに良いものになれるのなら、そもそもどうしてここまで失敗したんでしょうか? そしてWindows 10にも同じ轍を踏む危険性はないのでしょうか?

Windows 8は、発表当時の米Gizmodoのカイル・ワグナー記者に言わせれば、マイクロソフトのユーザーインターフェースにおける1990年初期以降最大の変化でした。OS自体はそれほど悪くなく、実際時間をかけて変化を受け入れていけば、それだけの価値がありました。でもユーザーの反応はせっかちで厳しいもので、特に一見無害な変更が集中砲火を浴びました。それは、スタートボタンとメニューがカラフルなタイルに置き換えられ、ユーザーにとって手がかりとなるものが失われたことです。

デザイン用語になりますが、マイクロソフトはWindowsの中でももっとも重要な「アフォーダンス」を切り捨ててしまったんです。アフォーダンスとは、ユーザーに対しその環境で何ができるかの手がかりを示すものです。物理的な世界でいえば、たとえばドアに取っ手が付いていればそれを持ってドアを開けられるのがわかります。デジタルの世界では、スライダーやノブといったデザインディテールがあることで、アイコンや要素にできることを示せます。


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スタートメニューはWindows究極のアフォーダンスでした。それは、どこからドアを開ければいいかかを示してくれました。OSがいかに変わろうと、マイクロソフトが他に何を追加しようと、スタートメニューはそこにあってユーザーをナビゲートしていました。Windows 8では、それがなくなったことが最大の問題でした。スタートメニューをタイルに置き換えるのは、机上のアイデアとしてはスマートだったかもしれませんが、人間中心ではありませんでした。マイクロソフトは、全デバイスで使えるユニバーサルなOSを作ることを焦るあまり、人間を疎外する製品を作ってしまったんです。今いる人間が無視されて、架空の未来のユーザーが中心になってしまってたんです。

だからマイクロソフトは今、ユーザーが求めるもの、手に入れてしかるべきものを提供しようとしています。そこにスタートボタンとメニューという快適なアフォーダンスがあることは、マイクロソフトが学びとった教訓を示しています。すなわち、進歩とは必ずしも古いものを捨てることではなく、慎重に確実に新しいものを加えていくこと、ってことす。そして最終的にはほとんど誰も意識しないまま、気づいたら未来が来ていた…それが本当の進歩なんです。


Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文
(miho)

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