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DMMが5社5体の個人向けロボットを発売。ロボットキャリアとして2年後100億円売上を想定 - Engadget Japanese



DMM.comが個人向けロボット事業への参入を発表し、秋葉原で説明会を開催しました。第一弾として、ロボット業界では名の知られる5社のホビーロボット5体を5月1日から発売。予約を4月1日から受け付けます(1台のみ9月発売予定)。キャッチコピーは『DMMではじめよう、ロボットとの新生活。』

販売するロボットは写真右から、富士ソフトのPalmi(パルミー)、ユカイ工学のBOCCO(ボッコ)、プレンプロジェクトのPLEN.D(プレン.ディー)、ロボットゆうえんち/京商のプリメイドAI(プリメイド・アイ)、デアゴスティーニ・ジャパンのRobi(ロビ)組み立て代行バージョンです。

DMM.make ROBOTS 説明会

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さて、かなり唐突な印象もあるDMMのロボット事業参入ですが、同社が狙うのは販売代理店としての立場だけではありません。同社は今回のビジネスを『ロボットキャリア事業』と銘打っています。

ロボットキャリアと聞くと、アニメで出てくる「ロボットを運搬する専用車両」のようにも思えますが、もちろんこちらの意味ではありません。これは同社のロボット事業を携帯電話のキャリアになぞらえて説明したもの



今回の説明会では、同社ロボット事業の将来的な姿にも触れられました。直接ロボットの開発こそ担当しないものの、ロボット関連企業と協業し、開発支援から販売パートナーな立場までを幅広く手がけるというスタイル。こうしたビジネス様式が携帯電話のキャリアに近いことから命名されたようです。



またDMMは、今後ロボット製造企業や音声認識やデータ解析といった、ロボットに必要な技術を持っている企業やロボット関連ベンチャー、ならびにスタートアップなどとの協業も進めていくとのこと。

同社はハードウェアスタートアップなどを中心としたシェアスペースとしてDMM.make AKIBAを擁していますが、今後はロボット開発などの拠点としても働きかけをしていくと強調。場所と技術の共有によって日本のロボット産業の発展も図りたい、と構想を語りました。

なお、今回の第一弾製品で同社は、販売と宣伝や広報、販売時のサポートの一部(問い合わせ先など)の担当となります。とくに宣伝に関しては、説明会でテレビCMなどに関しても触れていることから、かなり本格的な取り組みとなりそうです。



また、今後の主な戦略としては、ロボット販売プラットフォームの市場認知拡大にはじまり、日本屈指のロボットアソシエーションの構築、産業用ロボット技術の一般販売化と進み、将来的にはグローバル展開を考えていくとアピールしました。

また事業規模としては、2015年の年間売上目標は30億円、2017年には100億円を予定しているとの発言も飛び出しました。現在のホビーロボット市場の概況があまり大きくないであろう点から考えると、かなりの大がかりなビジネスとなりそうです。

ジャンルも特徴も異なった、個性豊かな5体のロボット


続いては、今回発表された5体のロボットについて紹介しましょう。



まずは富士ソフトのコミュニケーションロボット、Palmi。価格は29万8000円(税別)で、4月1日から予約開始、5月1日発売です。



ユーザーとの会話を中心に、歌ったり踊ったりといった動きも可能なコミュニケーションロボット。同社が高齢者用福祉施設向けに開発したロボットPALRO(パルロ)をベースとしており、「介護の現場でたたき上げられた技術」をアピールします。



ユカイ光学のBOCCOは、小学校低学年の子供を主なターゲットにする「家族をつなぐコミュニケーションロボット」。価格は2万9000円(税別)で、予約は4月1日より、5月1日発売です。



主な機能は、スマートフォンを持っている家族との伝言。伝言は音声もしくは文字で送れ、文字の場合でもBOCCOが読み上げてくれます。また、付属のモーションセンサーをドアなどに設置しておくことで、スマートフォンに動作が通知されるといった機能も搭載します。詳細は、公式のプロモーション動画をご覧ください。






プレンプロジェクトのPLEN. Dはスマートフォンからの操作で操縦が楽しめる小型ホビーロボット。組み立てキットとしての販売となります。価格は16万8000円(税別)で、4月1日予約開始、5月1日発売。



運動神経が抜群(=姿勢制御が高度)な点が特徴で、サッカーのシュートやローラースケートなど、高度なバランスが要求される片足立ち系のモーションや、物を持ち上げての移動、後ろ歩きといった動作も簡単な操作で可能です。発表会でも披露されたローラースケートは非常にキャッチーな動きですので、ぜひ動画をご覧ください。





続いては、ロボットゆうえんち/京商の「踊るメイド型ロボット」プリメイドAI。ダンスに特化したホビーロボットです。価格は9万9000円(税別)で、販売は少し遅れて9月予定です。



ロボットゆうえんちはテレビ番組などでダンスロボットを披露してきた実績を持ちますが、そうしたノウハウを盛り込みつつも10万円を切った価格が特徴。タイトル写真からもわかるように他のロボットに比べて大型ですが、その分関節数は25と多く、細かな動きから激しい動きまでを付けられます。説明会会場でもエアギターや激しいステップなどで大注目を浴びていました。こちらも動画でご確認ください。



初期状態では規定のダンスモーションのデータをダウンロードして踊らせる遊び方となりますが、ユーザーがモーションを設定可能にするための拡張ユニットや、音声ユニットといったオプションパーツも同時開発中です。



5体目は特別タイアップモデルとして紹介された、デアゴスティーニ・ジャパンのコミュニケーションロボット『Robi 組み立て代行バージョン』。価格は未定で、予約は4月1日より開始、発売は5月1日です。なお写真中央がRobiくん本体ですが、後ろに控えているのはプラモデルやぬいぐるみといったRobiくんグッズです。

Robiは本来、デアゴスティーニの『週刊ロビ』を毎号購入して組み立てていく必要がありますが、すぐに遊びたいというユーザーからの要望に応えて発売したとのこと。



デアゴスティーニのビジネスモデルを想像すると、完成品としての販売は異例中の異例とも呼べそうですが、デアゴスティーニ側からは、「Robiに関してはキャラクタービジネスに発展してグッズも出てきたこともあり、今後もキャラクターとして発信していきたい。DMM側のコンテンツ事業とのタイアップも考えている」といったコメントも出てきました。今後も両社のコラボレーションがありそうです。

機能的には週刊ロビのバージョンと変わらず、身ぶり手ぶりを交えた日常会話や歌って踊るといったコミュニケーションを基本とする、なごみ系のロボットです。



今回の説明会はこのように多くの話題を含んだものでしたが、第一弾として発売されるロボットは、個人向けという共通点を持ちながらも、機能も性格も、そして価格さえも非常に幅広く、また各種の展示会や専門業界で活躍してきた実績を持つ機体も多い、充実したラインナップという点が注目できます。

展示会でDMMの説明員にコメントを伺ったところ、「弊社はまだ良い意味でしがらみがないため、こうした幅広い会社とコラボレーションできた。今回のラインナップはそうした成果」という回答も得られました。

今後は、こうしたフリーハンドさやDMM.make AKIBAという場所、そして現在急速に高まっているDMMの知名度といった点を強みとして、将来構想を実現できるのかといったところがポイントでしょう。

また個人向けロボットビジネスの市場に対するインパクトも大きいことから、ロボットに興味のあるユーザーとしても、同社の構想が成功するといろいろと面白い話になりそう。

無事に市場が立ち上がるのか? または他にライバルが登場してくるのか? といった今後の展開を含めて、この「DMMとロボット」という意外な繋がりは、ともすれば今後の個人向けロボット市場に大きく波及するニュースとなりそうです。

DMMが5社5体の個人向けロボットを発売。ロボットキャリアとして2年後100億円売上を想定

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