アイルー「頑張らさせていただきますニャ!」
ハンター(男)「…………」
ハンター(男)「ダメだな」
アイルー「」
ハンター(男)「せっかくだけど、他をあたってくれ」
アイルー「そ、そんニャ!」
ハンター(男)「じゃあな」
アイルー「…………」
―――――――――――
アイルー「…………」
アイルー(これで何回目ニャ?)
アイルー(……数えるのもバカバカしくなるくらいニャ)
アイルー(…………)
アイルー(ボクは伝説級ハンターさんのオトモになるニャ!)
アイルー(って、大見得切って村を出たのが三ヶ月前……)
アイルー(どうしてボクは雇ってもらえないのかニャ……)
トボ… トボ…
メラルー「よう!」
アイルー「あ……メラルー」
メラルー「まだ雇ってもらえないのかニャ?」
アイルー「…………」
メラルー「もう諦めて故郷に帰った方がいいと思うニャ」
アイルー「いやニャ!」
アイルー「ボクは、諦めないニャ!」
ダッ!
メラルー「…………」
メラルー「ネコには、分相応の役割があるニャ……」
メラルー「それが現実ってもんニャ」
―――――――――――
ある日
アイルー「」
アイルー「ほ、本当ですかニャ!? 雇ってくれるんですかニャ!?」
ハンター(女)「んー」
ハンター(女)(お守り、たくさん出たなぁ)
アイルー「精一杯、頑張るニャ!」
ハンター(女)「ほいほい」
ハンター(女)(聴覚保護2……穴が三つあるけど微妙ね)
ハンター(女)(こっちは千里眼8に採取5……穴なし)
ハンター(女)(もうちょっとポイントあればなぁ。 まあキープっと)
アイルー「これで念願のオトモニャ!」
―――――――――――
ハンター(女)「あー、あんたクビね」
アイルー「」
アイルー「そ、そんニャ!?」
アイルー「旦那さん、いきなりすぎですニャ!」
ハンター(女)「まあ、こっちも悪いんだけどさー」
ハンター(女)「使えない奴おいといても迷惑だし」
アイルー「」
ハンター(女)「じゃ、そゆことでー」
アイルー「待って欲しいニャ!」
アイルー「せめて……せめて理由を言って欲しいニャ!」
ハンター(女)「えー?」
ハンター(女)「だって、あんたさ……」
アイルー「……」 ゴクッ
ハンター(女)「背水の陣持ちだから」
アイルー「そ、それのどこがいけない事なんですかニャ!?」
ハンター(女)「説明しないとわかんないのぉ?」
アイルー「背水の陣は、オトモの秘められしパゥワーを引き出し」
アイルー「通常より強い力を発揮するスキルニャ!」
アイルー「とっても役立つ……」
ハンター(女)「でも一回乙ったら復活しないでしょ?」
アイルー「そ、それは……」
ハンター(女)「秘められたパゥワー(笑)とか言ってるけど」
ハンター(女)「所詮アイルー程度の力が、いくらか引き出されたとしても」
ハンター(女)「元々が大した事ないんだから、意味ないのよね」
アイルー「…………」
ハンター(女)「それよか大型モンスターの標的分散という」
ハンター(女)「肝心要の目的を途中で投げ出されるこっちの身にもなってよ」
ハンター(女)「やられても復活しないオトモに魅力なんてないわ」
ハンター(女)「わかった?」
アイルー「…………」
―――――――――――
アイルー「…………」
アイルー「ぐぅの根も出ないニャ……」
アイルー(…………)
アイルー(……!)
アイルー(でも待つニャ)
アイルー(あいつは……メラルーはどうして雇ってもらえたのかニャ?)
アイルー(あいつもボクと同じように)
アイルー(背水の陣を修行して会得したニャ)
アイルー(…………)
アイルー(お互い、まだ見ぬ旦那さんの片腕になろうって)
アイルー(夢を語り合ったニャ……)
アイルー(…………)
―――――――――――
アイルー「メラルー」
メラルー「おっ? アイルーじゃないか」
メラルー「聞いたぜ? やっと雇ってもらったんだってニャ!」
メラルー「良かったニャ」
アイルー「…………」
メラルー「……どうしたんだニャ?」
アイルー「…………」
アイルー「今朝」
アイルー「クビになったニャ……」
メラルー「…………」
―――――――――――
メラルー「そういう事だったのかニャ……」
アイルー「…………」
アイルー「お前は……どうして雇ってもらえたんだニャ?」
メラルー「!」
アイルー「ぜひ聞かせてくれニャ……」
メラルー「…………」
メラルー「……言って聞かせる程の事じゃないニャ」
メラルー「俺は……クエストに出る事を諦めただけニャ」
アイルー「!!?」
メラルー「俺の旦那さん」
メラルー「俺のお宝技能と釣り技能が目当てで雇いたいと」
メラルー「最初に言ったんだニャ」
アイルー「…………」
メラルー「背水の陣持ちだから、クエストには連れて行けないけど」
メラルー「それでいいのなら、という条件を出されたんだニャ」
アイルー「…………」
メラルー「俺は……それを受け入れたんだニャ……」
アイルー「…………」
メラルー「…………」
メラルー「やってみれば、なんて事ないニャ」
メラルー「少なくとも、俺は役に立ってるって思えるニャ」
メラルー「だから……」
アイルー「…………」
メラルー「…………」
アイルー「……今度」
メラルー「!? う、うん……」
アイルー「今度、出会った旦那さんがダメだったら……」
アイルー「故郷に帰るニャ」
メラルー「…………」
メラルー「そうか……」
アイルー「じゃ……」
トボ トボ トボ…
メラルー「…………」
―――――――――――
アイルー「……僕のモンニャン隊スキルと釣りスキル」
アイルー「ブーメラン(小)にアロワナ狙い……」
アイルー「正直、パッとしないニャ……」
アイルー「…………」
アイルー「…………」
アイルー「帰る準備、しておくかニャ……」
アイルー「…………」
―――――――――――
アイルー「初めまして、ハンターさん」
アイルー「僕は……」
女狩人「んー」
アイルー「…………」
女狩人(採取8に気まぐれ5か……悪くないんだけどな)
アイルー「…………」
女狩人(こっちは聴覚保護3のみ……うーん)
アイルー(……デジャヴニャ)
アイルー「あ、あの……」
女狩人「ん? ああ、採用ね。 それでいいから」
アイルー「…………」
―――――――――――
女狩人「あー……君ね」
アイルー「…………」
女狩人「悪いんだけど……」
アイルー「はい……わかりましたニャ……」
女狩人「え?」
アイルー「解雇でしょ?」
アイルー「わかってますニャ……」
アイルー「ボクの採用の時、ちょっと忙しそうだったから」
アイルー「うっかり間違えたんですよね……」
女狩人「……う」
アイルー「短い間ですけど……お世話になりましたニャ」
アイルー「それじゃ……」
女狩人(……そこはかとなく、物凄い罪悪感)
女狩人「ま、待ちなさい」
アイルー「はい?」
女狩人「勝手に決め付けるものじゃないわ」
アイルー「え」
女狩人「そ、その……そう!」
女狩人「採取クエ。 採取クエに付き合って欲しい」
女狩人「戦闘スキルなのにごめんねーって意味よ」
アイルー「!!」
アイルー「じゃ、じゃあ……」
アイルー「いつか……いつか、狩りクエストにも」
アイルー「連れて行ってくれるんですかニャ!?」
女狩人「う……そ、それは……」
アイルー「…………」
女狩人(…………)
女狩人(……し、仕方ないわね)
女狩人「も、もちろんよ!」
アイルー「!!!!」
アイルー「だ、旦那さん……!」
アイルー「ありがとうニャ……ありがとうだニャ!!」
女狩人「ア……ハハハ……」
採取ツアー 遺跡平原
アイルー「頑張って採取しますニャ!」
女狩人「うん。 期待してるわ」
筆頭オトモ「…………」
筆頭オトモ(お嬢……いいんですか?)
女狩人(うん……)
女狩人(その内、クック狩りにでも連れて行くつもり)
筆頭オトモ(……わかりました)
アイルー「ニャ! 鉄鉱石発見ニャ!」
アイルー「次も何か見つけるニャ!」
―――――――――――
女狩人「よし、今回はここまでよ」
女狩人「ありがとう」
アイルー「ニャ!」
筆頭オトモ「成果はまずまず、というところだニャ」
筆頭オトモ「僕から言わせたら、まだまだニャ」
アイルー「次はもっと頑張りますニャ!」
筆頭オトモ「じゃ、もう休むニャ」
アイルー「わかったニャ!」
女狩人「…………」
女狩人「彼、どう?」
筆頭オトモ「……まだまだヒヨっ子ですニャ」
筆頭オトモ「でも……」
女狩人「でも?」
筆頭オトモ「昔の……自分を見ているみたいで」
コメント一覧
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- 2015年01月29日 23:51
- スキルによる
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