マイクロソフトの天才、キップマンってどんな人?
駅員さんじゃないよ。
1月にマイクロソフトが発表した中で1番衝撃的だったもの。それはVR(Virtual Reality)ゴーグルHololensですよね。3Dのホログラムを、まるで実際に目の前にあるかのようにつかんだり、触ったりできるというこのヘッドセット。いかに簡単に従来のコンピューターでは成し得なかった仮想的なものを作ることができるかを世に知らしめました。
その開発者がアレックス・キップマンです。
キップマンはブラジルに生まれ、2001年にロチェスター工科大学を卒業した後、幹部候補としてマイクロソフトに入社しました。彼はマイクロソフトの開発者向けソフトウェアである「ビジュアルスタジオ」の開発者としてキャリアをスタートさせ、2005年にWindows部門に入ります。
けれども、彼の才能が本当に開花したのは2008年、Xbox部門に入ってから。キップマンが開発したKinectのモーションコントローラーは、2010年に発売されてから爆発的にヒットし、最も売れたコンシューマーデバイスとなったのです。
下の動画は、2010年に初めてKinectがリリースされたときのものです。この時、キップマンはKinectがどのように動くかについて、マイノリティリポートでみんなが見たことがあるようなものと説明しました。
キップマンのXbox部門での功績は大きく、マイクロソフトは2つの賞を贈りました。1つは、「Outstanding technical achievement(想像以上に素晴らしい技術的達成)」、もう1つは「Outstanding technical leadership(想像以上に素晴らしいリーダーシップ)」です。
また、彼の功績は外部にも知られることになり、ファストカンパニー誌は「2011年ビジネス界で最もクリエイティブな1人」として、タイム誌は「2011年のトップナード25人の1人」としてキップマンの名前を挙げたのです。
そんなキップマンの毎日は、普通の人の毎日とかけ離れているんだとか。
ファストカンパニー誌によると、プロジェクトのレビューとブレストのミーティングに参加する間にも数時間を創造するための時間として押さえているそうです。人生の大半をテクノロジーを作ることに費やしているキップマンですが、意外にもテクノロジーよりもアートに関する会議の方が好きで、「Burning Man」(アメリカで最大規模のアートフェス)に参加することによってたくさんのインスピレーションを得ているとも明かしています。
人生において、すべてを放り出して、原始的で、アナログで、技術が介入しない状態になる機会というのは多くない。そういった機会こそが、他では得られないクリエイティビティの源泉なんだ。
と語っています。深いですね。
また、キップマンのテクノロジーに対するアプローチはソフトウェア志向であるのが特徴だそう。
ソフトウェアは物理原則に支配されない唯一の芸術だ
彼はインスピレーションについて尋ねられたときにそう答えました。
みんなは想像力が足りないだけなんだよ。
マイクロソフトの天才キップマン。今後の動向に目が離せません。
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source: Business Insider
(前田真希子)
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