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モバP「卯月の機嫌が悪い……」


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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 16:53:55.74


凛「機嫌が悪いって、どこが?」

P「冷たい目で見られないか? 今朝、挨拶したら露骨に無視されたぞ」

凛「ううん。私には普通に挨拶してくれたよ、おはようって」

P「え……じゃあ俺と会った時だけそんな態度なのか?」

凛「……プロデューサー、一体なにやったの?」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 16:56:10.12


P「うーん……まったく心当たりが無いな」

凛「知らない間に何かやっちゃったんじゃない? 卯月って滅多なことじゃ怒らないしさ」

P「アイツ人当たりいいもんなぁ……」

凛「それに比べてプロデューサーときたら、まるで女心が分かってなさそうだよね」

P「まあな。ぶっちゃけ女の考えることはよくわからん!」

凛「男らしく断言したのはいいけど、プロデューサーとしては問題発言だね……」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 16:57:53.22


凛「ま、私もちょっと気になるし。相談くらいなら乗ってあげるよ」

P「おお! ありがとう、ありがとう!」

凛「別にいいって。それで、卯月の機嫌が悪いのはいつから?」

P「ん~……今朝からだな。昨日は普通だったと思う」

凛「昨日は卯月となにか話した?」

P「仕事の話は特に……弁当の話くらいか」

凛「弁当?」

P「うん。ほら、卯月っていつも弁当作ってきてくれるだろ?」

凛「…………え?」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:00:19.86


凛「なにそれ。私知らない……」

P「あれ? 話したことなかったっけ?」

凛「聞いたことないよ。卯月にお弁当作ってもらってるの?」

P「平日は毎日な。たまに休日もだけど」

凛「休日も……?」

P「日曜のデートではだいたい作ってきてくれるなぁ」

凛「でっ……デート!?」


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:03:58.50


凛「卯月とデートしてるの!?」

P「そりゃ、お互い好きならデートくらいするよ」

凛「なに当たり前みたいに言ってんの!?」

P「卯月はもう結婚できる年齢だし、合法だから問題ないぞ」

凛「そ、そういう意味じゃなくて! そもそもプロデューサーがアイドルと付き合うのはマズいよ!」

P「ああ……別に付き合ってないから」

凛「えっ」

P「付き合ってなくてもデートはするだろ?」

凛「……それはそうだけど。あれっ、なんか混乱してきた……私がおかしいのかな……」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:07:19.00


凛「じゃあ、デートはこの際いいとするけど。お弁当については、どういう話をしたの?」

P「どういうって……普通に弁当食べて、普通に感想聞かせただけだよ」

凛「……ホントに普通だね。肝心の味の方は?」

P「それも普通……というか、美味しかったよ。でも、1つだけ気になったことがあってさ」

凛「なに?」

P「ひじき」

凛「……ひじき?」

P「好きなんだよ。だから弁当に絶対入れてくれってお願いしてあるんだ」

凛「へぇ。まあ、栄養価が高い割にはおいしいからね」


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:10:12.04


P「ところが何を間違ったのか、昨日のひじきは異常にブヨブヨでマズくてな」

凛「炊きすぎたのかな……でも、どんなに料理が上手な人でもミスはあるでしょ?」

P「そうだな。それはしょうがないよ」

凛「それで感想は? なんて言ったの?」

P「卯月に『正直に言ってください』って言われたから、正直に言ったぞ」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:14:37.51


凛「もしかして、マズいって言っちゃったの?」

P「いやいや。さすがの俺でもダイレクトな言葉は避けたよ」

凛「だよね」

P「考え抜いた末、『コンビニ弁当の方が美味いな』って」

凛「あ、それだ」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:17:48.77


P「え?」

凛「機嫌が悪くなった理由、それだよ」

P「なんで? 俺なりにオブラートに包んで言ったんだけど」

凛「オブラートだったんだ。ウニの外殻で包んだのかと思った」

P「だって、はっきりマズいって言うと傷付くだろ?」

凛「コンビニ弁当と比較される方が傷付くよ!」

P「なにィ? どういうことだ?」

凛「それはこっちのセリフなんだけど……」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:21:23.69


凛「早起きして頑張って作ったお弁当が、その辺の市販の物よりマズいって言われたらどう思う?」

P「俺ならめっちゃ泣く。一晩中泣いて、実家の母親に電話する」

凛「うわ、情けない……でも、卯月だってそんな気持ちになったんじゃない?」

P「……そういうことか」

凛「卯月のこと、ホントは嫌いとか」

P「好きだよ。卯月がアイドルやめたらプロポーズしたい」

凛「…………」

P「……なに赤くなってんだ」

凛「う、うるさい。よくそんなこと真顔で言えるね……」





29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:24:33.44


凛「でも、それだけ好きなら我慢しようよ」

P「我慢というと?」

凛「ウソでも美味しいって言うとか!」

P「本人のタメにならないだろ」

凛「じゃあ『ちょっと水っ気が多いね』とか言い方があるでしょ!?」

P「お、おお……さっきから、クールな凛がいつになく熱いな」

凛「プロデューサーのせいだけどね!?」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:27:41.53


P「でも、好きなものに妥協はしたくないんだ」キリッ

凛「ちょっと……プロデューサーは卯月とひじき、どっちが好きなの?」

P「卯月に決まってるだろ。アホかお前」

凛「アホって……それならどっちを優先するか、答えは出てると思うんだけど」

P「……卯月だろうなぁ。となると卯月の気持ちを汲んでやる方が大切なのか」

凛「そうだよ。なんで言われるまで気付かないの? 小学生?」

P「ははは、前に勤めてた会社でもよくそんな風に怒られたよ」

凛「なにその悲しいエピソード……」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:31:25.74


P「しかし、まさか俺の嗜好が卯月の機嫌を損ねていたとは……」

凛「そうみたいだね。ちなみに、私とひじきだとどっちが好き?」

P「…………凛に決まってるだろ」

凛「ちょっと悩んでなかった?」

P「いや、別に?」プイッ

凛「なんで目をそらすの?」

P「…………」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:36:37.74


凛「それこそ正直に言ってよ。誤魔化されると余計気になる」

P「じゃあ、オブラートに包んで……」

凛「それはもういい。余計なことされるとまたややこしくなるから」

P「お前、どんどん口が悪くなるな……ファンの前でそんな話し方するなよ」

凛「プロデューサーの前だけだから大丈夫だよ」

P「ああ、それなら大丈夫……か?」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:41:02.35


凛「すごく単純に言うと、好きなものを格付けするとどうなるのかなって」

P「格付けか……上から並べるとこんな感じだな」


 卯月 > ひじき > ピーマン > ガンダム00 > 凛 >> [超えられない壁] >> その他の有象無象


凛「私、さりげなくピーマンとガンダムにも負けてる!」

P「ピーマンも結構好きだから、弁当に入れてもらってるよ」

凛「そっちはまだ分かるけど、ガンダム以下って……無機物以下って……」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:46:22.44


P「それで……そろそろ話を戻していいか?」

凛「そ、そうだった。ショックが大きすぎてすっかり忘れてた……」

P「これからどうすればいい? 謝るの一手か?」

凛「そうだね。卯月はプロデューサーの無遠慮な言葉で不機嫌になってるんだし、まずは謝ろう」

P「そうすると、あの件も……」

凛「なに? 他にも何かやったの?」

P「あ、いや。大したことじゃないから」

凛「プロデューサーにとっては大したことじゃなくても、ってさっき分かったところだよね」

P「そうでした……」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:50:10.28


P「実はさ。弁当食べた後、卯月の機嫌が悪いというか、元気が無いように見えたんだ」

凛「それは、プロデューサーがコンビニ弁当以下とか言うからヘコんだんだよ……」

P「だから『元気ないな。もしかしてあの日か?』って聞いたんだけど」

凛「ちょ……セクハラだよ、それ」

P「違う! そういうつもりじゃなくて、アイドルの体調管理も俺の役目だから……」

凛「そこまで管理しなくていいよ! 悪気が無いにしても酷すぎるよ!」

P「ああ、やっぱりか……良かれと思ってやったんだけど……」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 17:55:23.17


P「俺はこんなにも卯月が好きなのに、伝わらないこの想い」

凛「ドンマイ。他にもきっといい人いるよ」

P「いや、なんで失恋が前提?」

凛「そのうち卯月が愛想尽かすかなと思って……」

P「縁起でもないこと言うな!」

凛「そう? プロデューサーはデリカシー無さすぎて、私なら絶対無理だよ」

P「凛はともかく、卯月に好かれてればいいし」

凛「……それはそれでムカツク。私も気にしてよ」

P「お前、意外とめんどくさいな……」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:00:16.71


ガチャッ


卯月「ただいまー」

凛「……お帰り卯月。ちょうどいいところに来たね」

卯月「あっ、凛ちゃん。それと……」

P「卯月。ちょっと話があるんだ」

卯月「…………なんですか?」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:04:10.54


P「すまなかった。昨日は、その」

卯月「……もういいです」

P「もういいって……」

凛「愛想尽きたってこと?」

卯月「ち、違うよ! しょうがないから、許してあげるってこと」

P「えっ……」

卯月「プロデューサーさんも悪気があったわけじゃないでしょうし。私も大人気なかったです」

P「いや、そこはちゃんと謝らせてくれ。せっかく弁当作ってきてくれたのに、あんな言い方は……」



卯月「…………はい?」





68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:09:57.99


P「え? だから俺が、コンビニ弁当の方が美味いって言っちゃった話……」

卯月「違います! 私が怒ってるのはそんなことじゃないです!」

P「『そんなこと』って言われたけど」チラッ

凛「私のせい!?」

卯月「ひじきはちょっと失敗しちゃったから、美味しいわけないんです……」

P「じゃあ、なんで弁当に入れたんだ?」

卯月「それは……プロデューサーさんがいつも美味しいって言いながら食べてくれるから、つい……」

P「それならしょうがないなぁ」

凛「うわっ、卯月には甘々だね、プロデューサー……」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:15:19.41


P「……弁当の話じゃないとすると、その後『あの日か?』って聞いたことか」

卯月「それも毎月のことですし、もう慣れました」

P「そっか」

凛「そっか、じゃない! 常習犯だったの!?」

P「だからそれも卯月の為を思って言ってたんだって!」

凛「はぁぁ……卯月の寛容さに甘えてばっかりで、恥ずかしくないの?」

P「面目ない……」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:18:55.09


卯月「そうじゃなくて! 昨日、電話くれなかったじゃないですか!」

P「電話…………あっ!!」

卯月「ほらぁ!」

P「ごめん! 昨日は残業が長引いちゃって……」

卯月「私、夜の9時くらいまで、ずーっと待ってたんですよ!」

凛「……何の話?」


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:23:13.32


P「ああ、これも話してなかったっけ。卯月って、いつも俺の家まで晩ご飯を作りに来てくれるんだけど」

凛「普通に初耳なんだけど!?」

卯月「でも遅くなる時は連絡するって、最初に約束しましたよね?」

P「ごめん……本当に忘れてたんだ」

卯月「忘れるのはしょうがないですけど……でも今朝も、何事もなかったかのように挨拶してくるし」

凛「それで不機嫌だったんだ」

P「そりゃ怒るよな……でも作り置きの晩ご飯は美味しくいただいたよ」

卯月「冷めたのじゃなくて、温かいのを食べて欲しかったんです!」

P「はい、すみません……」


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:28:46.48


凛「でも卯月って一途だから、確かにずっと待ってそうだよね」

卯月「うん。すごく寂しかったけど、頑張って待ってた。でも、ママから電話かかってきて……」

凛「怒られたんだ」

卯月「年頃の娘が~、って決まり文句だったけどね」

P「迷惑かけたな。お義母さんには俺から説明しとくよ」

凛「字がおかしいよね?」


96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:34:27.71


卯月「……過ぎたことはもういいんです。次から気を付けてくださいね。はい、これ」

P「えっ、なにこれ?」

卯月「今日のお弁当です。見たら分かるじゃないですか」

P「あんなに機嫌悪かったのに、作っといてくれたの?」

卯月「だってプロデューサーさん、お弁当が無いと外食かカップ麺だし……」

P「うおおぉぉぉ! 卯月、今すぐ俺の嫁に来てくれ!」ギュゥゥゥ

卯月「やんっ! ま、まだダメですってば、もぉぉ……」

凛「……プロデューサー。プロポーズはアイドルやめてからじゃなかったの?」

卯月「え? これくらいなら毎日聞いてるけど……」

凛「なにそれ、うらや……イラッとするね」


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:39:37.95


卯月「ところで、今日は早く帰れそうなんですか?」

P「うん。久しぶりにゆっくり風呂に入れそう」

卯月「じゃあ先に帰って、お風呂沸かしておきますね!」

凛「……プロデューサーがいないと家に入れなくない?」

卯月「鍵あるから大丈夫だよ?」

凛「えっ」

P「あぁ、ついでに」

卯月「お掃除もしておきますよ?」

P「助かるわー」

凛「………………」


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:45:10.64


卯月「その代わりってわけじゃないですけど。お風呂とご飯の後は、その……」

凛「ちょっ……な、なに言い出してるの卯月!?」

卯月「え? また勉強見てもらおうかなって……」

P「今日も勉強か。よく頑張るな」ナデナデ

卯月「えへへぇ……頑張るのが取り柄ですから!」

P「あれ? あれあれ? 凛ちゃんは何を妄想されたんですかね? ん?」

凛「な、なんでもないっ……」


120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:52:47.98


P「じゃあ、勉強が終わったらテレビでも観ながらゴロゴロするかー」

卯月「いいですねっ。そうだ、また膝枕しましょうか?」

P「おっ、いいね。卯月の膝は最高なんだよなー」

凛「……卯月。あまり遅くなると、またお母さんに怒られるんじゃない?」

卯月「泊まりだから大丈夫だよ。凛ちゃんの家に泊まるって言ってあるし!」

凛「勝手に計画に組み込まれてる!?」

P「あ、しまった。布団クリーニングに出してて、今1つしか無いわ」

卯月「……わ、私は一緒の布団でもいいですけど……」

P「えっ?」

凛「…………夫婦か!」


おわり。





123:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:54:42.89





124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:54:57.05


乙にゃぁ



125:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/03/20(水) 18:54:59.86


おつ!

卯月かわいい










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