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ロケット設計に必須。最新の宇宙開発用コンピューターが信じられないほど進化している : ギズモード・ジャパン

ロケット設計に必須。最新の宇宙開発用コンピューターが信じられないほど進化している

2015.02.06 20:00
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HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)をご存知ですか?

今や国だけでなく民間でも宇宙にロケットを飛ばす時代。ロケット設計やエンジンの開発も進化しています。大気圏内の複雑な空気の流れから燃料の効率的な燃やし方、振動への耐久性までありとあらゆる不確実な現象を解決するために用いられる「数値シミュレーション」という最新の設計技術がありますが、それを裏側で支えているのがHPCだそうです。

数値シミュレーションとは、複雑かつ特殊な物理現象の状況下における流体や熱などの動きを計算して予測する方法。実験、理論解析と並ぶ「第3の科学」として世界中の注目が集まり、ロケット開発では数値シミュレーション無しでは実現しないと言われるほど。


例えばロケットが発射された時に発生する圧力波つまりという空気の動き。エンジン点火直後に生まれる圧力波は、少し飛ぶと音速に近い領域の「遷音速」で複雑な流体現象が起きることで衝撃波を発生させ、振動を引き起こします。ロケットや移送する衛星は重力を振り切るほどの軽い設計でなければなりません。しかしこれらはまた衝撃波に耐えられる構造で設計する必要があります。このジレンマを解決するために使われる予測が数値シミュレーションです。


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実際、日本でも宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、「はやぶさ」の大気圏再突入カプセルや「はやぶさ」を打ち上げたM-Vロケットは、数値シミュレーションを使って開発したそうですよ。

なら日本でもっとロケット・ビジネスができるじゃん! と、そう簡単に行かないのが宇宙の難しいところ。現在JAXAで使用するHPCのメインマシンの処理能力は120テラフロップス、2015年4月には1ペタフロップス、2016年4月には3ペタフロップスまで能力アップする予定。ですが、実際はこれでも計算能力は足りていないとのこと。問題を解決するためには、ペタのさらに上のエクサ(100京)、その1,000倍のゼタ、さらにその1,000倍のヨ級の処理能力が必要と言われておりますよ。とんでもないSFの世界の話に聞こえてきますね。

ただ、そこに達することができれば、宇宙と地球の距離はもっと縮まって火星移住も実現しやすくなるはず。ロケット開発に影響を与え、モノ作りを進化させてくれるHPCについて、その第一人者であるJAXA宇宙科学研究所の高木亮治准教授が無限大(mugendai)で詳しく語っています。ぜひこちらからご覧ください。


image by Shutterstock/Daniel DeSlover
source: 無限大(mugendai)12

(鴻上洋平)

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